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乳児の突然死 ― 症状と原因を追って目ざめよ! 1988 | 1月22日
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ヘモグロビンの変化 ― 原因,それとも症状?
この進展についての報告が,1987年4月30日付の「ニューイングランド医学ジャーナル」に掲載されました。それは,「突然死症にかかった乳児の場合,胎児ヘモグロビン(ヘモグロビンF)のレベルの高い状態が長引いていたとすれば,感覚組織部位への酸素運搬を危うくした可能性もある」と述べています。a その報告は,子供の誕生後に普通は胎児ヘモグロビンが,子供の体が造るヘモグロビンA,つまり自らの酸素運搬ヘモグロビンと入れ替わることを示唆しました。突然死症の犠牲者の場合,正常な働きをしていた時よりも効果の少なくなった胎児ヘモグロビンを依然として高い比率で有していた犠牲者がかなりの数に上りました。では,医師たちはどのような結論を引き出したでしょうか。
「この調査結果についての我々の判断では,突然死症にかかった乳児は,ヘモグロビンFからヘモグロビンAへの入れ替わりの著しい遅れ ― 潜在する慢性的状態の表われかもしれない現象 ― が特徴だということになる」。なぜそのようなことが起きるのかと問われても,「ヘモグロビンFが異常に残存する理由は不明」です。
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乳児の突然死 ― 症状と原因を追って目ざめよ! 1988 | 1月22日
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a ヘモグロビンは,赤血球の色素であり,たんぱく質と酸素の化合物でもある血液成分で,肺から体へ酸素を運びます。
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