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  • 「一時的居留者」としての立場を保つ
    ものみの塔 2012 | 12月15日
    • 「一時的居留者」としての立場を保つ

      「外国人また一時的居留者であるあなた方に勧めますが,つねに肉の欲望を避けなさい」。―ペテ一 2:11。

      どのように答えますか

      • 油そそがれた者を一時的居留者と呼べるのはなぜですか

      • 「ほかの羊」はどんな意味で一時的居留者ですか

      • 将来について,あなたはどんなことを心待ちにしていますか

      1,2. ペテロが述べた「選ばれた者たち」とは,だれのことでしたか。ペテロがそれらの人を「一時的居留者たち」と呼んだのはなぜですか。

      イエスの昇天から30年ほど後,使徒ペテロは,「ポントス,ガラテア,カパドキア,アジア,ビチニアの各地に散っている一時的居留者たち,……選ばれた者たち」に手紙を書きました。(ペテ一 1:1,2)この「選ばれた者たち」とは明らかに,ペテロと同じく,天でキリストと共に支配するために,聖霊によって油そそがれて「生ける希望への新たな誕生」を与えられた人たちのことです。(ペテロ第一 1:3,4を読む。)ペテロが後のほうで,それら選ばれた者たちを「外国人また一時的居留者」と呼んだのはなぜでしょうか。(ペテ一 2:11)そのことは,油そそがれていることを表明する人が世界中の活発な証人の約650人に1人しかいない今日,わたしたちにとって,どんな意味がありますか。

      2 1世紀の油そそがれた者たちに「一時的居留者たち」という表現を用いるのは適切でした。その人たちは,今日生きているこのグループの残りの者たちと同様,地上に永久にいるわけではなかったからです。使徒パウロは,自らも油そそがれた「小さな群れ」の一員でしたが,こう説明しています。「わたしたちについて言えば,わたしたちの市民権は天にあり,わたしたちはまた,そこから救い主,主イエス・キリストが来られるのを切に待っています」。(ルカ 12:32。フィリ 3:20)その「市民権は天に」あるので,油そそがれた者たちは死ぬと,はるかに良いもの,天での不滅の命のために,地を去ります。(フィリピ 1:21-23を読む。)それで,まさに文字どおり,サタンの支配する地の「一時的居留者たち」と言えました。

      3. 「ほかの羊」についてどんな疑問が生じますか。

      3 では,「ほかの羊」はどうでしょうか。(ヨハ 10:16)地の永住者になるという聖書にしっかり基づく希望を抱いていませんか。そのとおりです。地球に永久に住むのです。それでも,ある意味で,今は一時的居留者と考えることができます。なぜでしょうか。

      『創造物すべてはうめいている』

      4. 世界の指導者は何を防ぐことはできませんか。

      4 サタンの邪悪な体制が存続を許されている限り,クリスチャンを含め,すべての人は,エホバに対するサタンの反逆の結果に苦しみます。ローマ 8章22節はこう述べています。「わたしたちが知るとおり,創造物すべては今に至るまで共にうめき,共に苦痛を抱いているのです」。世界の指導者,科学者,人道主義者は,どれほど誠実であっても,これを防ぐことはできません。

      5. 1914年以来,幾百万もの人がどんな段階を踏んでいますか。なぜですか。

      5 それで1914年以来,幾百万もの人が,神の即位させた王キリスト・イエスの臣民になることを選んできました。それらの人は,サタンの世の体制の一部になろうとは全く思わず,サタンの世を支持しようとはしません。むしろ,自分の命と資産を用いて神の王国を支持し,その関心事のために奉仕します。―ロマ 14:7,8。

      6. エホバの証人はどんな意味で外国人と言えますか。

      6 エホバの証人は200以上の国におり,法律を守る市民ですが,どこに住んでいても,外国人のようです。政治問題や社会問題について厳正中立を保ちます。今でさえ,自分たちは新しい世の市民だと考えています。神のお造りになる新しい世の市民です。そして,不完全な世の体制での一時的居留者の日々がもう少しで終わることを喜んでいます。

      わたしたちは,サタンの世を救おうとはしない。神の新しい世を宣伝している

      7. どのようにして,神の僕は永住者になりますか。どこの永住者ですか。

      7 間もなくキリストは権威を行使して,サタンの邪悪な体制を滅ぼします。キリストの完全な政府は,地から罪と悲しみを除き去ります。また,エホバの主権に反逆する者たちを一掃します。神の忠節な僕は,地上の楽園の永住者になることができます。(啓示 21:1-5を読む。)その時には,創造物は完全な意味で,「腐朽への奴隷状態から自由にされ,神の子供の栄光ある自由を持つようにな」っています。―ロマ 8:21。

      真のクリスチャンには何が求められているか

      8,9. ペテロがどういう意味で「肉の欲望を避けなさい」と述べたか,説明してください。

      8 ペテロはクリスチャンに求められている事柄を説明し,こう述べています。「愛する者たちよ,外国人また一時的居留者であるあなた方に勧めますが,つねに肉の欲望を避けなさい。そうした欲望こそ,魂に対して闘いつづけるものなのです」。(ペテ一 2:11)この助言は,そもそも油そそがれたクリスチャンに対するものですが,イエスのほかの羊にも等しく当てはまります。

      9 人間が抱く欲望の中には,創造者が命じた仕方で満たされるなら,それ自体は悪くないものもあります。むしろ,人生の喜びを増し加えてくれます。例えば,おいしい物を食べたり飲んだりしたい,さわやかになる活動をしたい,健全な交友を楽しみたい,といった普通の欲望があります。結婚関係内で性的な喜びを得たいという気持ちも,ふさわしいもので,しかるべき位置があります。(コリ一 7:3-5)とはいえペテロは,「魂に対して闘いつづける」「肉の欲望」だけについて述べていました。ある聖書翻訳では,その意味するところを明確にして,「肉の欲情」(「ジェームズ王欽定訳」[英語])や「罪深い欲望」(「新国際訳」[英語])という表現を用いています。エホバの明示された目的に対して闘う欲望は,神との良い関係を損ないかねず,抑制しなければならないのです。そうしなければ,魂を生き長らえさせるというクリスチャンの希望は,重大な危険にさらされかねません。

      10. サタンは,クリスチャンを自分の世の一部にならせようとして,どんな方法を用いますか。

      10 真のクリスチャンは,現在の体制において「一時的居留者」であることを決意しています。しかしサタンの狙いは,その決意を弱めることです。物質主義や不道徳や目立った立場を魅力的に思わせたり,自分第一主義や国家主義を良いものに思わせたりします。これらはすべてサタンのわなです。その点を認識しなければなりません。こうした良くない肉の欲望を断固として退けることにより,サタンの邪悪な世の一部にはなりたくないという思いをはっきり示せます。その世に一時的に住んでいるに過ぎないという証拠を示すのです。わたしたちが心から願い,達成しようと懸命に励んでいるのは,義の行き渡る神の新しい世に永住することです。

      りっぱな行動

      11,12. 外国人はどう見られることがありますか。エホバの証人については何と言えますか。

      11 ペテロは,クリスチャンの「一時的居留者」に求められる事柄の説明を続け,12節でこう述べています。「諸国民の中にあっていつもりっぱに行動しなさい。それは,彼らが,あなた方を悪行者として悪く言っているその事柄に関してあなた方のりっぱな業を実際に見,その業のゆえに検分の日に神の栄光をたたえるようになるためです」。外国人,自国以外で暮らす一時的居留者は,批判されることがあります。周りの人と違っているというだけで,悪行者であるかのように見られることさえあります。話し方,行動,服装,さらには外見が異なっているのかもしれません。しかし,良い業を行なうと,つまりりっぱに行動すると,否定的な言葉に根拠のないことが明らかになります。

      12 同様に,真のクリスチャンは,会話や娯楽の選択など,ある面で周囲の多くの人と違っています。服装や身だしなみによって,地域社会の多くの人と異なっていることが分かる場合も少なくありません。そうした違いがきっかけで,誤った情報を与えられた人がクリスチャンを悪行者として非難することがあります。一方,クリスチャンの生き方を称賛する人もいます。

      13,14. どのように知恵は「その働きによって義にかなっていることが示され」ますか。例を挙げて説明してください。

      13 りっぱな行動は,不当な批判を打ち消すのに役立ちます。神への完全な忠実を保った唯一の人イエスでさえ,偽りの非難を受けました。イエスのことを「食い意地の張った,ぶどう酒にふける男,収税人や罪人たちの友」と呼ぶ人がいたのです。しかし,神に仕え,知恵をもって歩むことにより,イエスが悪行者だという主張は偽りであることが証明されました。「知恵はその働きによって義にかなっていることが示されるのです」。(マタ 11:19)今日でもそうです。例えば,ドイツのゼルターズにあるベテルの近隣住民の中には,そこで働く兄弟姉妹は変わっていると思う人たちがいます。しかし,地方自治体の長が兄弟たちのために語り,こう論じました。「そこで働くエホバの証人たちは独自の生き方をしています。しかし,それは決して,地域社会の人たちの生活を乱すものではありません」。

      聖書の真理は,このロシアの家族が一致する助けになっている

      14 ロシアのモスクワのエホバの証人に関しても,最近,同様の結論が下されました。彼らは,数々の悪行をしたという偽りの訴えを受けていました。そして2010年6月,フランスのストラスブールにあるヨーロッパ人権裁判所は次のような判断を下しました。「当裁判所は,信教と結社の自由に関する申立人の権利に対する[モスクワの]干渉は正当でないと判断する。国内の裁判所は,申立人である団体が」家族を破壊し,自殺を唆し,医療を拒否するといった罪を犯したことを示す「『関連性があって十分な』理由を挙げていない」。それゆえ,「国内の裁判所が宣告した制裁は,国内法に柔軟性が欠如していて厳し過ぎ,いかなる合法的な目的が追求されていたにしても不相応である」。

      ふさわしく服すること

      15. 世界中の真のクリスチャンは,どんな聖書の原則に従っていますか。

      15 エホバの証人はモスクワで,そして世界中で,クリスチャンへの別の要求も果たしています。ペテロはこう述べています。「人間の創造したものすべてに,主のために服しなさい。上位者としての王に対してであろうと,あるいは,……総督に対してであろうとそのようにしなさい」。(ペテ一 2:13,14)真のクリスチャンは,邪悪な世のものではありませんが,「相対的な地位」にある政府の権威に進んで服します。パウロが諭したとおりです。―ローマ 13:1,5-7を読む。

      16,17. (イ)エホバの証人が政府に反対しないことは何から分かりますか。(ロ)政治指導者の中には,どんなことを認める人もいますか。

      16 エホバの証人は,現在の体制で「一時的居留者」として行動しますが,無言の市民的抵抗を行なうわけではありません。また,他の人たちが政治的また社会的な決定を下すことに反対したり干渉したりもしません。政治にかかわる宗教団体もありますが,エホバの証人はそうしません。民事当局に政策を指示しようとすることはありません。エホバの証人は公共の秩序を乱したり政府を転覆させたりするという考えは,全く事実に反しています。

      17 クリスチャンは,「王を敬いなさい」というペテロの助言に沿って役人に従うことにより,それらの人の立場にふさわしい敬意を示します。(ペテ一 2:17)エホバの証人に不安を感じる正当な理由などないことを認める役人もいます。例えば,ドイツのブランデンブルク州の元閣僚で後にドイツ連邦議会議員になったシュテフェン・ライヒは,こう述べています。「強制収容所や刑務所におけるエホバの証人の行動には徳が表われている。その徳は,過去と同じく現在においても立憲民主制国家の存続に不可欠なものだ。彼らは,親衛隊に対して確固たる態度を,仲間の囚人に対して同情心を示した。外国人への蛮行,また政治や思想の面で意見の異なる人への蛮行が増加している現在,そうした徳は我が国の市民一人一人が培うべきものである」。

      愛を示す

      18. (イ)わたしたちが仲間の兄弟全体を愛するのは自然なことです。なぜですか。(ロ)証人でない人の中には,どんなことに注目した人もいますか。

      18 「仲間の兄弟全体を愛し,神を恐れ……なさい」と使徒ペテロは述べています。(ペテ一 2:17)エホバの証人は,神を不快にさせることに対する健全な恐れを抱いており,それによってご意志を行なう動機を強められています。同じ願いを持つ世界的な仲間の一員としてエホバに仕えられることを幸せに感じています。それゆえ,「仲間の兄弟全体を愛」するのはごく自然なことです。そうした兄弟愛は,今日の利己的な社会ではめったに見られないので,エホバの証人でない人たちを驚かせることがあります。例えば,アメリカの旅行会社で働くある観光ガイドは,2009年にドイツで開かれた国際大会で,証人たちが外国からの代表者たちに愛情や助けを差し伸べるのを見て,驚嘆しました。これまでガイドとして働いてきたが,こんな様子を目にするのは初めてだ,と言いました。証人たちの一人は後に,こう語りました。「彼女がわたしたちについて話す時には,いつも驚きと興奮でいっぱいでした」。あなたが出席した大会でも,エホバの証人を観察した人が同様の反応を示すことがあったでしょうか。

      19. どんなことを決意しているべきですか。なぜですか。

      19 エホバの証人は,これまで見てきた方法で,また別の方法でも,サタンの現在の体制において本当の意味で「一時的居留者」であることを示してきました。そして,喜びのうちに,その状態を保つことを決意しています。間もなく神の義の新しい世の永住者となるという,根拠のある強い希望を抱いているのです。あなたもその時を待ち望んでいるのではないでしょうか。

  • 真の崇拝において一致する「一時的居留者」
    ものみの塔 2012 | 12月15日
    • 真の崇拝において一致する「一時的居留者」

      「異国の者たちはあなた方の農夫やぶどう栽培者となる。一方あなた方は,エホバの祭司と呼ばれ,わたしたちの神の奉仕者と言われるであろう」。―イザ 61:5,6。

      どのように答えますか

      • 外国人をどう見る人もいますか。聖書の見方はどのように異なっていますか

      • すべての国の人々にどんな招待が差し伸べられていますか

      • どんな意味で,わたしたちは外国人のいない世界をすでに経験していますか

      1. 外国人をどう見る人がいますか。それが正しくないのはなぜですか。

      前の記事で示したように,「外国人」という言葉を,軽蔑や侮蔑を込めて用いる人がいます。他の国の人たちが自分たちより劣っていると考えるのは,敬意の欠けたことです。それだけでなく,そうした態度は無知の表われです。「人種」(英語)という冊子はこう述べています。「様々な人種の人々は聖書の言うように兄弟である」。兄弟は大抵かなり違っていますが,それでも兄弟です。

      2,3. 外国人に対するエホバの見方はどのようなものですか。

      2 どんな国にも外国人はいるものです。古代イスラエル人,すなわち律法契約によってエホバ神との特別な関係にあった民の場合もそうでした。非イスラエル人の権利は幾らか限られていましたが,イスラエル人は,彼らを敬意を込めて公平に扱うよう求められていました。わたしたちの倣うべき立派な手本です。真のクリスチャンの間に,不公平や偏見の占める場所はありません。なぜでしょうか。使徒ペテロはこう述べています。「わたしは,神が不公平な方ではなく,どの国民でも,神を恐れ,義を行なう人は神に受け入れられるのだということがはっきり分かります」。―使徒 10:34,35。

      3 古代イスラエルの外国人は,生来のイスラエル人との密接な交友から益を受けました。これはエホバのお考えを反映したものでした。使徒パウロは後に,エホバについて次のように問いかけています。「この方はユダヤ人だけの神なのですか。諸国の人たちの神なのでもありませんか。そうです,諸国の人たちの神でもあります」。―ロマ 3:29。ヨエ 2:32。

      4. 「神のイスラエル」に異国人がいないと言えるのはなぜですか。

      4 新しい契約によって,油そそがれたクリスチャンの会衆は,文字どおりのイスラエルに取って代わり,神との特別な関係を持つ国民となりました。それゆえ,「神のイスラエル」と呼ばれています。(ガラ 6:16)パウロが説明しているように,この新しい国民には,「ギリシャ人もユダヤ人もなく,割礼も無割礼もなく,異国人も,スキタイ人も,奴隷も,自由人もありません。ただキリストがすべてであり,すべてのうちにおられるのです」。(コロ 3:11)ですから,この意味で,クリスチャン会衆に異国人はいません。

      5,6. (イ)イザヤ 61章5,6節に関して,どんな質問が生じるかもしれませんか。(ロ)イザヤが述べた「エホバの祭司」,また「異国の者たち」とは,だれのことですか。(ハ)その二つのグループにはどんな共通点がありますか。

      5 それに対して,イザヤ書の61章を挙げる人がいるかもしれません。クリスチャン会衆に成就した預言が含まれる章です。6節で,「エホバの祭司」として仕える人たちのことが述べられ,5節には,その「祭司」と協力して働く「異国の者たち」のことが出てきます。この部分はどう理解したらよいのでしょうか。

      6 わたしたちは,「エホバの祭司」は油そそがれたクリスチャンであると理解しています。すなわち「第一の復活」にあずかり,「神およびキリストの祭司となり,千年のあいだ彼と共に王として支配する」人たちです。(啓 20:6)それ以外に,地的な希望を持つ忠節なクリスチャンが大勢います。天で仕えることになる人たちと共に働き,密接に交わるそれらの人が,言わば異国の者たちです。「エホバの祭司」を支え,共に働き,「農夫やぶどう栽培者」として仕えます。神の栄光のために霊的な実を栽培するべく働き,人々を養い,収穫するのです。油そそがれた者たちも「ほかの羊」も,神に永久に仕えることを願う誠実な人たちを見つけ,愛をもって牧します。―ヨハ 10:16。

      アブラハムのような「一時的居留者」

      7. 今日のクリスチャンは,どんな点で,アブラハムなどの古代の忠実な人たちのようですか。

      7 前の記事で注目したように,真のクリスチャンは,サタンの邪悪な世で,外国人つまり一時的居留者のようです。この点で,アブラハムをはじめとする古代の忠実な人たちに似ています。それらの人は,「その土地ではよそからの者,また一時的居留者」でした。(ヘブ 11:13)将来への希望がどのようなものであれ,わたしたちには,アブラハムが持っていたようなエホバとの関係を持つ特権があります。ヤコブはこう説明しています。「アブラハムはエホバに信仰を置き,彼に対してそれは義とみなされ」,「『エホバの友』と呼ばれるようになりました」。―ヤコ 2:23。

      8. アブラハムは,どんな約束を与えられましたか。その成就についてどう感じていましたか。

      8 神は,アブラハムとその子孫を通して一つの国民だけでなく地上のすべての家族が祝福される,と約束なさいました。(創世記 22:15-18を読む。)この神の約束の成就は,はるか先のことでしたが,アブラハムはその成就への確信を保ちました。人生の半分以上にわたって,家族と共に各地を放浪します。その間ずっと,エホバとの友情を保ちました。

      9,10. (イ)アブラハムの手本にどのように倣えますか。(ロ)どんな招待を他の人に差し伸べることができますか。

      9 アブラハムは希望の実現をどれほど待たなければならないかを知りませんでしたが,エホバへの愛と専心は全く揺るぎませんでした。ある国に定住して永住者になるのではなく,希望に焦点を合わせ続けました。(ヘブ 11:14,15)アブラハムの手本に倣って簡素な生活を送り,所有物や社会的立場,仕事上の目標などに気を奪われないようにするのは,本当に賢明なことです。間もなく終わる体制で“普通の生活”を送るために,なぜ懸命に努力するのでしょうか。一時的に過ぎないものになぜ執着するのでしょうか。アブラハムの場合と同様,わたしたちの前途には,はるかに良いものが待ち受けています。わたしたちは,希望が実現するまで,辛抱して待つ態度を進んで示します。―ローマ 8:25を読む。

      あなたはアブラハムのように,神の約束の成就に焦点を合わせ続けますか

      10 エホバは今も,アブラハムの胤を通して祝福されるよう,あらゆる国民の人々を招いています。油そそがれた「エホバの祭司」とほかの羊である「異国の者たち」とは,この招待を世界中の人々に600以上の言語で差し伸べています。

      国境という枠を越えて見なさい

      11. ソロモンは,イスラエル人の枠を越えたどんな見方を表明しましたか。

      11 ソロモンは西暦前1026年の神殿の奉献式の際,アブラハムに対するエホバの約束と調和して,あらゆる国の人々がエホバへの賛美に加わることになると述べました。心からこう祈ったのです。「また,あなたの民イスラエルのものではないのに,あなたのみ名のゆえに遠い地から実際にやって来る異国の人のためにも,(それは,彼らがあなたの大いなるみ名と,強いみ手と,差し伸べたみ腕とについて聞くからですが,)そのような人が実際に来て,この家に向かって祈るなら,あなたが天から,すなわちあなたの住まわれる定まった場所からお聴きになり,すべてその異国の人があなたに呼び求めるところにしたがって行なってください。それは,地のすべての民があなたのみ名を知って,あなたの民イスラエルと同じようにあなたを恐れるようにな……るためです」。―王一 8:41-43。

      12. エホバの証人を変わっているとか“外国人”のようだと見る人がいるのはなぜですか。

      12 外国人とは基本的に,自国以外に滞在していたり居住していたりする人のことです。エホバの証人はまさにそういう状態にあります。第一に,天の政府,すなわちキリストの治める神の王国に忠誠を誓います。それゆえ,政治的な事柄では厳正中立の立場を保ちます。現代社会にそぐわず変わった人だと見られるとしても,そうします。

      エホバの目には,だれも外国人ではない

      13. (イ)「外国人」という概念は,どんな意味でたいてい見方の問題に過ぎませんか。(ロ)エホバの当初の目的には,外国人という考えが含まれていましたか。説明してください。

      13 外国人はしばしば,その少数の人たちに共通の特徴によって見分けられます。それは,言語,習慣,身体的特徴,服装かもしれません。とはいえ,どんな国籍の人たちとも,共通点のほうがはるかに多くあります。それゆえ実際には,外国人とは単に,幾つかの違いゆえにそうみなされている人に過ぎません。実際の違いであれ想像上の違いであれ,それらを越えて見るようになると,「外国人」という言葉はほとんど意味を持たなくなります。もし地上のすべての人が一つの政府のもとで生活しているとしたら,政治的な意味で外国人はいなくなります。実際,エホバは当初,すべての人が,一つの支配つまりご自分の支配のもとで一つの家族として一致する,ということを意図しておられました。現在,世界のすべての国の人々に関して,それに近いことを行なうことは可能でしょうか。

      14,15. エホバの証人は,グループとしてどんなことを認識するようになっていますか。

      14 利己主義や国家主義がはびこる世界で,国境という枠を越えて見ることができ,実際にそうしている人がいるのを知ると,さわやかな気持ちになります。もちろん,偏見を克服するのが難しい場合もあります。CNNテレビの創設者テッド・ターナーは,様々な国の才能ある大勢の人たちとの仕事について,こう述べています。「そうした人たちと会うのは,素晴らしい経験です。他の国から来た人たちを『外国人』とではなく,仲間の地球人と見るようになりました。『外国』という言葉は軽蔑的だと感じ始め,放送でも事務所の会話でもその言葉を使わないという規則をCNNで設けました。その代わりに,『国際』という言葉が使われることになりました」。

      15 世界中の国々で,エホバの証人だけがグループとして神に倣った考え方をしています。エホバと同じように物事を見ることを学び,精神的にも感情的にも国境を取り除くことができています。他の国の人たちを不信感や疑いや憎しみをもって扱うのではなく,そうした人たちの様々な特徴や能力を美しいものとして大事にするようになっています。あなたは,成し遂げられてきた事柄について,またそれによって他の人と接する点で自分が受けてきた益について,じっくり考えたことがありますか。

      外国人のいない世界

      16,17. 啓示 16章16節とダニエル 2章44節の成就は,あなたにとって何を意味しますか。

      16 間もなく,現在の諸国家すべては,神の支配権に対する最後の戦いにおいてイエス・キリストと天の軍勢に立ち向かいます。その戦いは,「ヘブライ語でハルマゲドンと呼ばれ」ます。(啓 16:14,16; 19:11-16)2,500年以上前,預言者ダニエルは霊感のもとに,神の目的に逆らう人間政府に臨む結果を予告し,こう書きました。「それらの王たちの日に,天の神は決して滅びることのないひとつの王国を立てられます。そして,その王国はほかのどんな民にも渡されることはありません。それはこれらのすべての王国を打ち砕いて終わらせ,それ自体は定めのない時に至るまで続きます」。―ダニ 2:44。

      17 この預言の成就があなたにとって何を意味するか,想像できますか。人間の定めた国境は,今日すべての人をある意味で外国人にしていますが,存在しなくなります。外見の違いや身体的な特徴は,神の創造物に見られる驚くべき多様性を示すものに過ぎなくなります。このような胸の躍る見込みによって,わたしたちは皆,最善を尽くして創造者であるエホバ神に賛美と誉れを帰してゆくよう動かされるのではないでしょうか。

      人間の定めた国境がなくなり,「外国人」という考え方が存在しなくなる時を,心待ちにしていますか

      18. 最近のどんな進展から,「外国人」という考え方を克服できることが分かりますか。

      18 そうした地球規模の変化が起きると信じるのは,非現実的でしょうか。決してそうではありません。むしろ,全く道理にかなったことです。エホバの証人の間では,「外国人」という考え方そのものが意味を失ったも同然です。国籍に注意を払うことがほとんどないからです。例えば,最近のこと,幾つかの小さな支部が統合され,監督の業の簡素化と王国の良いたよりを宣べ伝える業の効率化が図られました。(マタ 24:14)法律上の問題がない限り,そうした統合の際に国境は無視されました。これもまた,エホバの即位させた正当な支配者イエス・キリストが人間による障壁を取り除いていることを示す明白な証拠です。そして,イエスは間もなく「征服を完了」します。―啓 6:2。

      19. 真理の清い言語は,どんなことを可能にしていますか。

      19 エホバの証人は,多くの国の人々から成っているので様々な言語を話しますが,真理の清い言語を習得するよう励んでいます。それが,断ち切ることのできない一致のきずなを生み出しています。(ゼパニヤ 3:9を読む。)これは国際的な家族であり,現在の邪悪な体制のただ中にありながら,その体制から分けられています。とはいえ,この一致は,これから訪れる世界の予告編に過ぎません。外国人のいない世界が訪れるのです。その時,生きている人は一人残らず,この記事の冒頭で引用した言葉の真実性を喜びのうちに認めます。「様々な人種の人々は聖書の言うように兄弟」なのです。―「人種」。

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