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現代に対する音信を収めた知恵の書ものみの塔 1999 | 4月1日
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人生において成功を収めたいと思いますか
今日の多くの人にとって,富を蓄えることは人生の目的となっています。しかし,慈善事業に幾億ドルもの寄付を行なっている米国のある裕福なビジネスマンはこう述べました。「金に魅せられる人もいるが,一度に2足の靴を履ける人はいない」。この事実を認める人は少なく,富の追求をやめる人はさらに少数です。
貧しい家庭で育った均は金持ちになることを夢見ていました。債権者が人々を意のままに操るのを目の当たりにしてからは,「金を握った者が勝ちだ」と思い込みました。金には絶大な力があると信じていたので,人の命でさえ金で買えると思っていました。富を蓄えるために配管の仕事に打ち込み,年中無休で働きました。一生懸命働いたものの,やがて均は,自分のような下請けは仕事を回してくれる請負業者のような力を握ることは決してないと悟りました。ざ折感と破産の恐れに悩まされる毎日が続きました。
ところがある日,均の家に一人の男性が来て,イエス・キリストがあなたのために死んでくださったことを知っていますかと言いました。自分のような人間のために死んでくれる人などいないと思った均は,好奇心をそそられ,さらに話し合うことに同意しました。翌週,講演会に出席して,『目を純一に保ちなさい』という諭しを聞いて驚きました。話し手は,「純一」な目とは霊的な事柄に焦点の合った,先を見通すことのできる目であり,一方「よこしま」な目,あるいは「ねたみ深(い)」目は,目先だけの肉的な欲望にしか焦点が合っておらず,近視眼的であると説明しました。「あなたの宝のある所,そこにあなたの心もあるのです」という助言に,はっとさせられました。f 富を得るよりも,ずっと大切なことがあったのです。そのようなことはそれまで一度も聞いたことがありませんでした。
感銘を受けた均は,学んだ事柄を当てはめるようになりました。金銭を得るためにあくせくするのではなく,霊的な価値観を生活の中で第一にするようにしました。また,家族の霊的な福祉を顧みるために時間を取りました。当然,仕事に費やす時間は減りました。ところが,仕事はむしろ順調になったのです。なぜでしょうか。
与えられた助言に応じるにつれ,均の攻撃的な性格は温和で友好的なものに変わりました。特に感銘を受けたのは次の訓戒の言葉です。「そうしたものを,憤り,怒り,悪,ののしりのことば,またあなた方の口から出る卑わいなことばを,ことごとく捨て去りなさい。互いに偽りを語ってはなりません。古い人格をその習わしと共に脱ぎ捨て,新しい人格を身に着けなさい。それは,正確な知識により,またそれを創造した方の像にしたがって新たにされてゆくのです」。g この助言を当てはめたからといって裕福になったわけではありませんが,均の「新しい人格」は顧客に良い印象を与え,信頼と信用をかちえるようになりました。そうです,均が見いだした知恵の言葉は人生において成功を収める助けになったのです。均にとって,それは実際に袋一杯の真珠や金よりもはるかに値打ちのあるものでした。
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現代に対する音信を収めた知恵の書ものみの塔 1999 | 4月1日
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人生において成功を収めるための知恵の言葉
「欺きのはかりはエホバにとって忌むべきものであり,完全な石おもりは神にとって喜びである」― 箴言 11:1。
「誇りは崩壊に先立ち,ごう慢な霊はつまずきに先立つ」― 箴言 16:18。
「自分の霊を抑制しえない者は,破られた,城壁のない都市のようだ」― 箴言 25:28。
「自分の霊にせき立てられて腹を立ててはならない。腹立ちは愚鈍な者たちの胸に宿るからである」― 伝道の書 7:9。
「あなたのパンを水の表に送り出せ。多くの日を経て,あなたは再びそれを見いだすからである」― 伝道の書 11:1。
「腐ったことばをあなた方の口から出さないようにしなさい。むしろ,必要に応じ,どんなことにせよ築き上げるのに良いことばを出して,聞く人たちに恵みとなるようにしなさい」― エフェソス 4:29。
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