ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • エホバの「輝く目」がすべての人を調べる
    ものみの塔 2008 | 10月15日
    • エホバの「輝く目」がすべての人を調べる

      「[エホバの]輝く目が人の子らを調べる」。―詩 11:4。

      1 わたしたちはどんな人に引き付けられますか。

      自分に純粋な関心を払ってくれる人,つまり意見を求めると正直に言ってくれる人,必要な助けを惜しみなく差し伸べてくれる人,必要な助言を愛の気持ちから与えてくれる人のことを,あなたはどう思われますか。(詩 141:5。ガラ 6:1)そうした人には引き付けられるのではないでしょうか。エホバもみ子も,まさにそのような方です。実際,このお二方は,あなたに対してどんな人間が示すよりも強い関心を抱いておられ,その動機に利己的なところは全くありません。あなたが「真の命をしっかりとらえる」よう助けたいと思っておられるのです。―テモ一 6:19。啓 3:19。

      2 エホバはご自分の僕たちに,どれほど関心を抱いておられますか。

      2 詩編作者ダビデは,わたしたちに対するエホバの関心の深さについて,「[エホバの]目が見,その輝く目が人の子らを調べる」と述べています。(詩 11:4)そうです,神はわたしたちを単に見るのではなく,調べるのです。ダビデはこうも書きました。「あなたはわたしの心を調べ,夜のうちに検分を行ない(ます)。あなたはわたしがたくらんだことがないのを見いだされます」。(詩 17:3)ダビデが自分に対するエホバの関心の深さを知っていたのは明らかです。また,罪深い考えを募らせ,心の中で悪いことをたくらむなら,エホバの心に痛みを与え,神の不興を買うことも知っていました。あなたにとってエホバは,ダビデが感じていたのと同じほど現実的な存在でしょうか。

      エホバは心をご覧になる

      3 エホバはわたしたちの不完全さに対して,どのように平衡の取れた態度を示されますか。

      3 エホバが最も関心を抱いておられるのは,わたしたちの内なる人,すなわち,わたしたちが心の中ではどんな人間か,ということです。(詩 19:14; 26:2)神は愛の深い方なので,ささいな間違いにこだわることはされません。例えば,アブラハムの妻サラが,肉体を備えて現われたみ使いに対して,正直に話さなかった時,み使いはサラが怖がり,当惑していることを見て取ったのか,たしなめるだけにしました。(創 18:12-15)族長ヨブは「神よりもむしろ自分の魂を義と」宣しましたが,エホバはヨブがサタンにひどく苦しめられたことを知っていたので,祝福を差し控えられませんでした。(ヨブ 32:2; 42:12)またエホバは,ザレパテのやもめが預言者エリヤに述べた率直な言葉に気分を害されることはありませんでした。神は,やもめが唯一の子どもを亡くして悲しみに打ちひしがれていたことを理解しておられたのです。―王一 17:8-24。

      4,5 エホバはアビメレクをどのように寛大に扱われましたか。

      4 エホバは心を調べる方なので,不信者に対してさえ思いやりを示してこられました。エホバがフィリスティア人の都市ゲラルの王アビメレクをどう扱われたかについて考えてみましょう。アビメレクはアブラハムとサラが結婚していることを知らなかったので,サラを妻とするために召し入れました。しかし,アビメレクが一線を越える前に,エホバは夢の中でアビメレクにこう言われました。「わたしとしても,あなたが正直な心でこれを行なったことを知っていた。だからこのわたしも,あなたをとどめてわたしに対し罪をおかさせないようにしていた。そのためあなたが彼女に触れることを許さなかったのである。だが今,その人の妻を返しなさい。彼は預言者であり,あなたのために祈願をしてくれるであろう。そのようにして生き続けなさい」。―創 20:1-7。

      5 エホバは,偽りの神々の崇拝者アビメレクを厳しく扱うこともできましたが,アビメレクがこの場合には正直に行動していることを見て取られました。エホバは寛大にもこのことを考慮に入れ,許しを得て『生き続ける』方法をアビメレクに教えました。あなたが崇拝したいと思うのは,そのような神ではないでしょうか。

      6 イエスはどのようにみ父を見倣っておられましたか。

      6 イエスはみ父を完全に見倣っておられ,弟子たちの良い点に注意を向け,過ちを快く許されました。(マル 10:35-45; 14:66-72。ルカ 22:31,32。ヨハ 15:15)イエスの態度は,ヨハネ 3章17節の言葉と調和するものでした。こう記されています。「神はご自分の子を世に遣わされましたが,それは,彼が世を裁くためではなく,世が彼を通して救われるためなのです」。そうです,エホバとイエスはわたしたちに対して,深く変わることのない愛を抱いておられます。その点は,わたしたちが命を得るよう願っておられることに表われています。(ヨブ 14:15)エホバがなぜわたしたちをお調べになるのか,またわたしたちをどうご覧になり,それに基づいてどう行動されるかということは,すべてそうした愛によって説明できます。―ヨハネ第一 4:8,19を読む。

      愛の目で調べる

      7 エホバはどのような動機でわたしたちをお調べになりますか。

      7 ですから,エホバがまるで天の警察官のように,罪を犯した者を捕まえるために天から見下ろしておられる,と考えるのは大きな誤りです。懐疑的であら探しをする目で見るのはサタンのほうです。(啓 12:10)サタンは,根拠もないのに,動機が悪いと決め付けます。(ヨブ 1:9-11; 2:4,5)詩編作者は神について,「ヤハよ,あなたの見つめるものがとがであるなら,エホバよ,いったいだれが立ち得るでしょうか」と書いています。(詩 130:3)もちろん,だれ一人立ち得ません。(伝 7:20)むしろエホバは,いとしい我が子を有害な事柄から守ろうとする優しい親のように,憐れみ深く親切な目で見守ってくださいます。人間の不完全さと弱さにしばしば注意を向けさせることにより,有害な事柄を避けられるようにしてくださいます。―詩 103:10-14。マタ 26:41。

      8 エホバはご自分の僕たちに,どのように教えや懲らしめを与えられますか。

      8 神の愛は,聖書や「忠実で思慮深い奴隷」が供給する霊的食物にある教えや懲らしめを通して表明されています。(マタ 24:45。ヘブ 12:5,6)エホバは,クリスチャン会衆と「人々の賜物」によっても助けを差し伸べてくださいます。(エフェ 4:8)また,ご自分が施す父親のような訓練にわたしたちがどう応えるかを見守っておられます。そして,わたしたちをさらに助けたいと思っておられます。詩編 32編8節はこう述べています。「わたしはあなたに洞察力を持たせ,その行くべき道を教え諭す。わたしはあなたに目を留めて忠告を与えよう」。ですから,常にエホバの言葉に耳を傾けるのは,何と大切なことなのでしょう。わたしたちは,エホバが愛に富む教え手また父であられることを認め,み前にあって絶えず謙遜な態度を保つ必要があります。―マタイ 18:4を読む。

      9 どんな特性を避けるべきですか。なぜですか。

      9 一方,わたしたちとしては,誇り,信仰の欠如,「人を欺く罪の力」などによってかたくなになることを何としても避けなければなりません。(ヘブ 3:13。ヤコ 4:6)そうした特性は往々にして,不健全な考えや願望を募らせることから始まります。その結果,ふさわしい聖書の助言を退けるようになるかもしれません。さらに進むと,その悪い態度ややり方が染みついてしまい,自らを神の敵としてしまう可能性もあります。何と恐ろしいことでしょう。(箴 1:22-31)アダムとエバの長子であるカインの例を考えてみましょう。

      エホバはすべてをご覧になり,それに応じて行動される

      10 エホバがカインの捧げ物を是認されなかったのはなぜですか。カインはどんな反応を示しましたか。

      10 カインとアベルがそれぞれの捧げ物を携えて来た時,エホバはその捧げ物だけでなく,二人の動機にも関心を持たれました。そのため神は,信仰のうちにささげられたアベルの捧げ物は是認しましたが,ある点で信仰の欠如を示していたカインの捧げ物は是認されませんでした。(創 4:4,5。ヘブ 11:4)カインはこの出来事から学んで態度を変えるのではなく,弟への怒りに満たされました。―創 4:6。

      11 カインはどのように不実な心を明らかにしましたか。このことからどんな教訓が得られますか。

      11 エホバはこの危険な状況を観察しておられ,思いやり深くもカインに話しかけ,もし善いことを行なえばあなたは高められる,と言われます。残念なことに,カインは創造者の助言を無視して弟を殺してしまいます。カインの心の悪さは,「あなたの兄弟アベルはどこにいるのか」という神からの問いかけに横柄な答え方をしたことにも示されています。「知りません。わたしは自分の兄弟の番人なのでしょうか」と言い返したのです。(創 4:7-9)心は何と不実になるのでしょう。神から直接与えられた助言を無視するところまで行ってしまうのです。(エレ 17:9)ですから,こうした記述から教訓を得て,間違った考えや願望を即座に退けるようにしましょう。(ヤコブ 1:14,15を読む。)聖書からの助言を受けた時はそのことを感謝し,エホバの愛の証拠と見るようにしましょう。

      罪が隠されたままでいることはない

      12 エホバは悪行に対して,どんな反応を示されますか。

      12 他の人に気づかれなければ悪いことをしてもかまわない,と考える人もいるでしょう。(詩 19:12)しかし,よく考えて見れば,隠れた罪などは存在しません。「すべてのものは[神の]目に裸で,あらわにされており,この方に対してわたしたちは言い開きをしなければなりません」。(ヘブ 4:13)エホバは,わたしたちの最も深い動機を調べる裁き主であられ,悪行に対するその反応には,完全な公正が示されます。エホバは「憐れみと慈しみに富み,怒ることに遅く,愛ある親切と真実とに満ちる神」であられます。しかし,「故意に罪を習わしに(し)」,心が曲がっていて悪いことをたくらむ,悔い改めない人に対しては,『処罰を免れさせることは決してされません』。(出 34:6,7。ヘブ 10:26)その点は,アカン,それにアナニアとサッピラをエホバがどう扱われたかに示されています。

      13 アカンはどんないきさつで,間違った考えを抱き,悪事を行なうようになったと思われますか。

      13 アカンは,神の命令に直接違反することとして,エリコの町の分捕り物を取り,自分の天幕に隠しました。家族も共謀していたものと思われます。その罪が暴露された時のアカンの言葉には,当人がその行動のゆゆしさを理解していたことが示されています。『わたしはエホバに対して罪をおかしました』と言ったのです。(ヨシュ 7:20)アカンはカインのように,心が悪くなるに任せていました。アカンの場合は,貪欲が大きな要因であり,それによって人を欺くようになりました。エリコの分捕り物はエホバの物だったので,アカンは神の物を盗んだも同然でした。結果として,アカンとその家族は,大きな代償を払うことになりました。―ヨシュ 7:25。

      14,15 アナニアとサッピラが神の不興を買ったのは,なぜですか。このことからどんな教訓が得られますか。

      14 アナニアと妻のサッピラは,エルサレムの初期クリスチャン会衆の成員でした。西暦33年のペンテコステの後,遠方から来てエルサレムにとどまっていた新しい信者たちの物質的な必要を賄うため,共同の基金が設けられました。この基金は自発的な寄付によって維持されました。アナニアは畑を売り,その代金の一部だけを基金に寄付しておきながら,自分はその全額を寄付したと,うそをつきます。そのことは妻もよく知っていました。この夫婦は会衆内における特別な誉れを欲していたに違いありません。しかし,その行ないは人を欺くものでした。エホバが奇跡的にその詐欺行為を使徒ペテロに明らかにすると,ペテロはその事実をアナニアに突き付けます。その言葉を聞いたアナニアは倒れて息絶え,程なくしてサッピラも死にます。―使徒 5:1-11。

      15 アナニアとサッピラは,一時的な弱さに屈したのではありません。使徒たちを欺こうとたくらみ,うそをついたのです。さらに悪いことに,『聖霊と神に対して虚偽の振る舞いをしました』。その際のエホバの行動は,エホバには会衆を偽善者から守る用意ができていることを疑問の余地なく示しています。確かに,「生ける神の手に陥るのは恐ろしいことです」。―ヘブ 10:31。

      どんなときにも忠誠を保つ

      16 (イ)サタンはどのように神の民を腐敗させようとしていますか。(ロ)悪魔はあなたの住む地域で,人々を腐敗させるためにどんな方法を用いていますか。

      16 サタンは何とかしてわたしたちを腐敗させ,エホバの是認を失わせようとしています。(啓 12:12,17)この世が悪魔の邪悪な意図を反映していることは明らかです。性の不道徳や暴力に取り付かれているからです。ポルノは今や,コンピューターなどの電子機器を使えば容易に見ることができます。そのようなサタンの攻撃に決して屈しないようにしましょう。むしろ,「わたしはとがのない道にあって思慮深く行動します。……わたしは心の忠誠によってわたしの家の中を歩きます」と述べた詩編作者ダビデと同じ気持ちを抱けますように。―詩 101:2。

      17 (イ)エホバが,隠された罪をいずれ公にされるのはなぜですか。(ロ)わたしたちはどんな決意を抱くべきですか。

      17 エホバは昔,重大な罪や人を欺く行為を奇跡的に明らかにされることがありましたが,今日ではそのようなことはされません。それでも,すべてをご覧になり,ご自分の定めた時にご自分の方法で,隠された事柄を公にされます。パウロはこう述べています。「ある人たちの罪は公に明らかで直接裁きに至りますが,そのほかの人の場合も,その罪はおって明らかになります」。(テモ一 5:24)エホバが悪行を明るみに出されるおもな動機は,愛です。会衆を愛しておられ,会衆の清さを守りたいと思っておられるのです。さらに,罪に屈したものの,真に悔い改めた人たちには,憐れみを示されます。(箴 28:13)ですから,神への全き心を保ち,あらゆる腐敗的な影響力を退けるよう努力しましょう。

      全き心を保つ

      18 ダビデ王は息子ソロモンが神についてどう感じることを願っていましたか。

      18 ダビデ王は息子のソロモンにこう述べました。「あなたはあなたの父の神を知り,全き心と喜ばしい魂とをもって神に仕えるように。すべての心をエホバは探り,すべての考えの傾向をわきまえておられるからである」。(代一 28:9)ダビデが息子ソロモンに望んでいたのは,神を信じることだけではありません。エホバがご自分の僕たちに深い関心を抱いておられることに感謝してほしい,と思っていたのです。あなたも,エホバがそのような関心を示してくださることに感謝していますか。

      19,20 詩編 19編7-11節によると,ダビデが神に近づくうえで助けになったのは何ですか。どうすればダビデに倣うことができますか。

      19 エホバは,心の正しい人がご自分に引き付けられ,ご自分の麗しい特質を知って心の温まる思いをすることをご存じです。それで,わたしたちがエホバを知り,そのすばらしいご性格に通じることを望んでおられます。では,どうすればそうできるでしょうか。み言葉を研究し,生活の中で神の祝福を経験することによってです。―箴 10:22。ヨハ 14:9。

      20 あなたは,日々感謝の気持ちを抱いて,また祈りのこもった心で神の言葉を読んでいますか。聖書の原則に従って生きることの価値を理解していますか。(詩編 19:7-11を読む。)もしそうであるなら,エホバに対するあなたの信仰と愛は,これからも成長してゆくことでしょう。そして神はあなたにいっそう近づいてくださり,いわばあなたの手を取って一緒に歩んでくださるでしょう。(イザ 42:6。ヤコ 4:8)そうです,あなたが命に至る狭められた道を歩み続けるとき,エホバはあなたを祝福し,霊的に保護することによって,あなたへの愛を実証してくださるのです。―詩 91:1,2。マタ 7:13,14。

  • エホバはわたしたちのために見守ってくださる
    ものみの塔 2008 | 10月15日
    • エホバはわたしたちのために見守ってくださる

      「[エホバの]目はあまねく全地を行き巡っており,ご自分に対して心の全き者たちのためにみ力を表わしてくださる」。―代二 16:9。

      1 エホバがわたしたちをお調べになるのは,なぜですか。

      エホバは完全な父であられます。わたしたちのことをよくご存じで,「[わたしたちの]考えの傾向」をさえ知っておられます。(代一 28:9)それでも,もっぱらあら探しをするためにわたしたちをお調べになるのではありません。(詩 11:4; 130:3)むしろ,わたしたちを愛しておられるので,ご自分との関係を損なったり,永遠の命の見込みを妨げたりするものからわたしたちを守りたいと願っておられます。―詩 25:8-10,12,13。

      2 エホバはご自分の力をだれのために示されますか。

      2 エホバは比類のない力を持っておられ,すべてのことを見ておられます。そのため,忠節な者たちがご自分を呼び求める時にはいつでも,助けに赴くことができ,試練に遭っている彼らを支えることができます。「[エホバの]目はあまねく全地を行き巡っており,ご自分に対して心の全き者たちのためにみ力を表わしてくださる」と,歴代第二 16章9節は述べています。エホバがその力をだれのためにお用いになるかに注目してください。全き心,つまり動機が清く誠実な心でご自分に仕える者たちのために用いられるのです。欺まんに満ちた人や偽善的な人に対しては,そうした気遣いを示されません。―ヨシュ 7:1,20,21,25。箴 1:23-33。

      神と共に歩む

      3,4 『神と共に歩む』とはどのような意味ですか。聖書中のどんな例が,その点を明らかにしていますか。

      3 広大な宇宙の創造者が,霊的な意味でご自分と共に歩むことを人間にお許しになるなど,多くの人にとっては想像もつかないでしょう。それでも,わたしたちがそうすることをエホバは願っておられるのです。聖書時代,エノクとノアは『神と共に歩みました』。(創 5:24; 6:9)モーセは「見えない方を見ているように終始確固として」いました。(ヘブ 11:27)ダビデ王は,謙遜な態度で天の父と一緒に歩みました。こう述べています。「[エホバ]がわたしの右にいてくださるので,わたしはよろめかされることがありません」。―詩 16:8。

      4 もちろん,人間と神が実際に手に手を取って共に歩むことなど不可能です。それでも,比ゆ的な意味でそうすることはできます。どのようにでしょうか。詩編作者アサフはこう書きました。『わたしは絶えずあなたと共にいます。あなたはわたしの右手をつかんでくださいました。あなたはご自分の助言をもってわたしを導いてくださいます』。(詩 73:23,24)端的に言えば,エホバの諭しにしっかり従うとき,わたしたちはエホバと共に歩んでいるのです。その諭しはおもに,書き記されたみ言葉と,「忠実で思慮深い奴隷」を通して与えられます。―マタ 24:45。テモ二 3:16。

      5 エホバはどのように,忠節な者たちを父親のように見守っておられますか。わたしたちはエホバについてどう感じるべきですか。

      5 エホバはご自分と共に歩む人たちを慈しまれるので,彼らを父親のように見守り,顧み,保護し,教えられます。「わたしはあなたに洞察力を持たせ,その行くべき道を教え諭す。わたしはあなたに目を留めて忠告を与えよう」と述べておられます。(詩 32:8)ですから,こう自問してください。『わたしは,いわば手に手を取って神と共に歩んでいるだろうか。つまり,神の知恵の言葉に聞き従い,神が自分にその愛に満ちた目を留めてくださっていることを意識しているだろうか。神が存在しておられることは,自分の考えや言動に本当に影響を与えているだろうか。何か過ちを犯したときには,エホバを,超然とした厳しい神としてではなく,悔い改めた者たちを温かな腕の中に再び迎え入れたいと願う,優しくて憐れみ深い父親として見ているだろうか』。―詩 51:17。

      6 エホバはどんな点で,人間の親よりもすぐれておられますか。

      6 エホバは,わたしたちが誤った歩みを始める前でさえ助けに来てくださることがあります。例えば,わたしたちの不実な心が不適切なことを欲し始めていることに気づかれるかもしれません。(エレ 17:9)そのような場合,エホバは人間の親よりも早く行動することができます。その「輝く目」には,わたしたちの深い内面を見抜き,内奥の考えを調べる力があるからです。(詩 11:4; 139:4。エレ 17:10)では,エレミヤの秘書役で親しい友でもあったバルクの状況に対して,神がどう反応されたかを調べてみましょう。

      バルクの真の父

      7,8 (イ)バルクはどんな人でしたか。その心の中でどんな不健全な願いが強くなっていったと思われますか。(ロ)エホバはバルクに対して,父親のような気遣いをどのように示されましたか。

      7 バルクは,エレミヤの傍らで専門の書記として忠実に仕えた人です。その仕事は,ユダに対するエホバの裁きを宣明するという難しいものでした。(エレ 1:18,19)著名な家の出と思われるバルクは,ある時,自分のために「大いなること」を求めるようになりました。恐らく,野心を募らせるか,物質的な豊かさを欲するようになったのでしょう。いずれにせよエホバは,この危険な考え方がバルクの心の中で強まっているのをご覧になるや,その問題についてエレミヤを通してこう言われました。「あなたは言った,『今や,わたしは災いだ! エホバがわたしの痛みに悲嘆を加えられたからだ。わたしは自分の溜め息によって疲れ果て,休み場を見いださなかった』と」。それからこうお告げになります。「あなたは,自分のために大いなることを求めつづけている。求めつづけてはならない」。―エレ 45:1-5。

      8 エホバはバルクに対して毅然としておられましたが,怒りではなく,父親のような誠実な気遣いを示されました。神は,バルクの願いが邪悪な,ねじ曲がった心から出ているわけではないことをご覧になったようです。また,エルサレムとユダが終わりの日にあることもご存じであり,バルクがその危機的な時代につまずくことを望まれませんでした。ですから神は,バルクに現実的な見方を取り戻させるため,ご自分が「すべての肉なる者に災いをもたらす」ことを思い起こさせ,さらに,賢明に行動するなら生き残ることができる,と言われます。(エレ 45:5)神は,いわば次のように言われたのです。『バルクよ,現実を直視しなさい。罪深いユダとエルサレムに間もなく生じようとしていることを忘れてはならない。忠実を保ち,生き続けよ。わたしが必ずあなたを守る』。エホバの言葉はバルクの心を動かしたようです。バルクは自分の見方を正し,17年後に生じたエルサレムの滅びを生き残ったからです。

      9 あなたは,この節にある質問にどのように答えますか。

      9 バルクに関する記述を熟考するに当たり,次の質問と聖句を考慮してください。バルクに対する神の接し方は,エホバご自身について,また僕たちに対するエホバの思いについて,何を明らかにしていますか。(ヘブライ 12:9を読む。)わたしたちが危機的な時代に生活していることを考えると,バルクに対する神の助言や,それに対するバルクの反応から何を学べるでしょうか。(ルカ 21:34-36を読む。)クリスチャンの長老たちはエレミヤに倣い,エホバが僕たちに示される気遣いをどのように反映できますか。―ガラテア 6:1を読む。

      み子は父の愛を反映している

      10 イエスは,クリスチャン会衆の頭としての役割を果たすためのどんな力を与えられていますか。

      10 キリスト以前の時代,ご自分の民に対するエホバの愛は,預言者など忠実な僕たちを通して明らかにされました。今日その愛はとりわけ,クリスチャン会衆の頭であるイエス・キリストのうちに見られます。(エフェ 1:22,23)例えばイエスは,「啓示」の書の中で,「七つの目」を持つ子羊として描かれています。「その目は,全地に送り出された神の七つの霊を表わして」います。(啓 5:6)そうです,神の聖霊に満たされて強力にされているイエスは,完全な識別力をお持ちです。イエスもわたしたちの内面を見ることができ,どんなものもその目を免れることはできません。

      11 キリストはどんな役割を果たしますか。また,わたしたちに対するその態度は,どのようにみ父の態度を反映していますか。

      11 とはいえイエスも,エホバと同じく,天の警察官のような方ではありません。愛の目でわたしたちをお調べになるのです。「とこしえの父」というイエスの称号は,イエスがご自分に信仰を働かせる人すべてに永遠の命を与えるうえで果たす役割を思い起こさせます。(イザ 9:6)さらに,キリストはクリスチャン会衆の頭として,意欲的で霊的に円熟したクリスチャン,とりわけ長老たちを動かして,難しい状況にある人たちに慰めと諭しを与えることができます。―テサ一 5:14。テモ二 4:1,2。

      12 (イ)小アジアの七つの会衆に宛てられた手紙は,イエスについて何を明らかにしていますか。(ロ)長老たちは,神の羊の群れに対するキリストの態度を,どのように反映していますか。

      12 神の羊の群れに対するキリストの深い関心は,小アジアの七つの会衆の長老たちに宛てられた手紙に反映されています。(啓 2:1–3:22)それらの手紙を読むと,イエスが各々の会衆の実情を知っており,追随者たちを深く気遣っておられることが分かります。このことは今日でも同じです。というより,今日にいっそう当てはまります。「啓示」の書の幻は「主の日」に成就するからです。a (啓 1:10)キリストの愛はしばしば,会衆の霊的な牧者として奉仕する長老たちを通して表わされます。キリストは,それら「人々の賜物」を動かし,必要に応じて慰めや励ましや助言を与えることができるのです。(エフェ 4:8。使徒 20:28。イザヤ 32:1,2を読む。)あなたは長老たちの努力を,あなた個人に対するキリストの関心の表われとみなしていますか。

      時に応じた助け

      13-15 神はわたしたちの祈りにどのようにお答えになりますか。例を挙げてください。

      13 熱烈に助けを祈り求めた後,霊的に円熟したクリスチャンによる励みとなる訪問というかたちで祈りの答えを得たことはありませんか。(ヤコ 5:14-16)クリスチャンの集会での話や出版物の情報というかたちで助けが得られたこともあるでしょう。エホバはしばしばそうした方法で祈りに答えてくださいます。一例を挙げましょう。集会で話を終えた長老のところに,ある姉妹がやって来ました。その姉妹は,数週間前にひどく不当な扱いを受けていました。しかし姉妹は,そのことで愚痴をこぼすのではなく,話で扱われた聖書的な論点について,心からの感謝を述べました。その話が自分の状況にぴったり当てはまったので,深い慰めを得たのです。その集会に出席したことを,姉妹は本当に喜びました。

      14 次に,祈りを通して助けが得られたことを示す,3人の囚人の例を取り上げましょう。その3人は刑務所内で聖書の真理を知り,バプテスマを受けていない伝道者になりました。その刑務所で暴力的な事件が起きたため,囚人全員に様々な制限が課され,それが抗議行動に発展しました。囚人たちは抗議の一環として,翌日の朝食後の皿の片付けを拒否することにしました。バプテスマを受けていないこの3人の伝道者は板ばさみになりました。抗議に加われば,ローマ 13章1節のエホバの諭しを破ることになります。加わらないなら,腹を立てた囚人たちから仕返しされることになるでしょう。

      15 3人は事前に話し合うことができなかったので,各自で知恵を求めて祈りました。ところが翌朝になって,3人とも全く同じ行動を取ろうとしていたことが分かりました。朝食を抜くことにしたのです。その後,看守たちが皿を集めに来た時,その3人のもとには皿がなかったので,返す必要がありませんでした。3人とも,「祈りを聞かれる方」がそばにいてくださったことを本当に喜びました。―詩 65:2。

      確信をもって将来に立ち向かう

      16 宣べ伝える業は,羊のような人たちに対するエホバの気遣いを,どのように示していますか。

      16 世界的な宣べ伝える業も,心の正直な人たちをエホバが気遣っておられることの証拠です。どこに住んでいる人に対しても,その気遣いは変わりません。(創 18:25)エホバはしばしばみ使いたちを用いて,羊のような人たちのもとにご自分の僕を導くことができます。その人たちがまだ良いたよりの伝えられていない地域に住んでいるとしても,それは変わりません。(啓 14:6,7)例えば,神はみ使いを通して,西暦1世紀の福音宣明者フィリポに指示を与えたので,フィリポはエチオピアの役人に会い,聖書を解き明かしました。結果はどうでしたか。この役人は良いたよりを受け入れ,イエスの追随者としてバプテスマを受けました。b ―ヨハ 10:14。使徒 8:26-39。

      17 将来について過度に心配すべきでないのはなぜですか。

      17 現在の事物の体制はその終わりに向かって進んでおり,予告された「苦しみの劇痛」はこれからも続きます。(マタ 24:8)例えば,需要の増大,異常気象,経済不安などにより,食物の価格が高騰するかもしれません。職を得ることがいよいよ難しくなり,従業員を長時間働かせようとする圧力が強まるかもしれません。しかし,どんなことが起きようとも,霊的な関心事を第一にして『純一な目』を保つ人はみな,過度に心配する必要がありません。神が自分たちを愛し,顧みてくださることを知っているからです。(マタ 6:22-34)例えば,西暦前607年,エルサレムが終わりを迎えた動乱の時期に,エホバがどのようにエレミヤに必要物を備えられたかを考えてみてください。

      18 エルサレムの攻囲期間中,エホバはエレミヤへの愛をどのように示されましたか。

      18 バビロニア人によるエルサレムの攻囲期間の後半,エレミヤは監視の中庭に投獄されていました。エレミヤはどのように食物を得たのでしょうか。自由の身であったなら,自分で食物を探すこともできたでしょう。しかし実際は,そばにいる人たちに頼らざるを得ず,しかもその大半はエレミヤを憎んでいました。それでもエレミヤは,人間に頼るのではなく,顧みると約束しておられた神に頼りました。エホバは約束を守られたでしょうか。もちろんです。「すべてのパンが都市から尽きてしまうまで……丸いパン一つが」日ごとにエレミヤに与えられるようにされたのです。(エレ 37:21)エレミヤ,バルク,エベド・メレクその他の人たちは,この飢えと病気と死の時代を生き残りました。―エレ 38:2; 39:15-18。

      19 将来に対して,どんな決意を抱くべきですか。

      19 そうです,「エホバの目は義にかなった者たちの上にあり,その耳は彼らの祈願に向けられる」のです。(ペテ一 3:12)あなたも,天の父が注意深く見守ってくださることをうれしく思いますか。その方の目がわたしたちの益のため,わたしたちの上にあるのを知って,安心感を覚えますか。では,将来に何が待ち受けているとしても,神と共に歩みつづける決意を抱いてください。わたしたちは,エホバが忠節な者たちすべてにいつも父親のような親しみのこもった目を留めてくださることを確信できるのです。―詩 32:8。イザヤ 41:13を読む。

      [脚注]

      a これらの手紙はおもに,キリストの油そそがれた追随者たちに当てはまるとはいえ,その原則は神の僕すべてに当てはまります。

      b 天からの指示については,使徒 16章6-10節にも記されています。そこには,パウロとその仲間たちがアジアとビチニアで宣べ伝えることを,「聖霊によって禁じられた」,と記されています。彼らはその代わりに,マケドニアで奉仕するよう命じられました。マケドニアで福音を宣明した結果,多くの柔和な人たちがこたえ応じました。

日本語出版物(1954-2026)
ログアウト
ログイン
  • 日本語
  • シェアする
  • 設定
  • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
  • 利用規約
  • プライバシーに関する方針
  • プライバシー設定
  • JW.ORG
  • ログイン
シェアする