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罪聖書に対する洞察,第2巻
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罪の影響 人間は罪のために創造者との調和を失いました。その結果,神との関係だけでなく,神の他の創造物との関係も損なわれました。人間自身も,つまり人間の思いや心や体も損なわれました。罪は人類に甚だしく悪い結果をもたらしました。
この不調和はたちまち人間の夫婦の行動に表われました。両人が神に造られた自分の体の一部を覆い隠したり,その後,神から身を隠そうとしたりしたことは,彼らの思いや心の中で起きていた離反を示す明白な証拠でした。(創 3:7,8)こうして,両人は罪のゆえに罪悪感を抱き,心配や不安や恥ずかしさを感じました。これは,使徒がローマ 2章15節で述べている要点を例証するものです。すなわち,神の律法は『人間の心に書かれて』おり,それゆえにその律法が犯された結果,今や人間の内部で内面的な激変が生じ,人間の良心が自らを悪行ゆえにとがめるようになったのです。要するに,人間は一種のうそ発見器を内蔵しており,自分の罪深い状態を創造者から隠すことなどできなかったのです。それで神は,人間が自分の天の父に対する態度を変えたことで述べた言い訳に対して即座に,「食べてはいけないとわたしが命じた木からあなたは食べたのか」とお尋ねになりました。―創 3:9-11。
エホバ神はご自身に対して忠実であるために,またご自分の宇宙的な家族内の他の者の益のためにも,ご自身の被造物である人間の歩みにせよ,反逆者となった霊の子の歩みにせよ,そのような罪深い歩みを黙認することはできませんでした。神はご自身の神聖さを保ち,公正なこととして,それらの者すべてに死刑の宣告を下されました。その後,その人間の夫婦はエデンにあった神の園から追放されました。そのため,神により「命の木」として指定されていた,あの別の木に近づく道を断たれました。―創 3:14-24。
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風聖書に対する洞察,第1巻
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「霊」と訳されることの多いヘブライ語のルーアハという言葉は,動く空気,つまり風を意味することもあります。(伝 1:6)ほかにも,「暴風」(ホセ 8:7),「大あらし」,「渦を巻く大あらし」(エレ 25:32; 23:19),「大暴風」,「風あらし」(詩 148:8; 王二 2:11)などと訳せるヘブライ語の単語や表現があります。ヨハネ 3章8節ではプネウマ(一般に「霊」と訳されている)という語が「風」という意味で用いられていますが,風を指す語としてはギリシャ語のアネモスのほうがよく使われています。(マタ 7:25,27; 11:7; ヨハ 6:18)「日のそよ風[ヘ語,ルーアハ]のころ」とは,エデンの園があったと思われる地域において,さわやかで涼しいそよ風がいつも生じた,日の沈む直前の夕方の時間を指しているようです。―創 3:8。「霊」を参照。
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