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考古学聖書に対する洞察,第1巻
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バビロニア 古代の都市バビロンの市内や周辺で行なわれた発掘調査により,バビロンの城壁内のエテメナンキの神殿の廃墟を含め,数基のジッグラト,すなわちピラミッドに似た階段状の神殿塔の遺跡が明らかにされました。それらの神殿に関する,見つかった記録や碑文には大抵,「その頂を天に届かせよう」という言葉が含まれており,ネブカドネザル王は,「わたしはエテメナンキの階段形式の塔の頂を天と張り合うほど高くした」と語ったと記されています。バビロンのマルドゥクの神殿の北で見つかった粘土板の断片は,ジッグラトとは言っていないものの,そのような塔の倒壊と言語の混乱に言及しているようです。(「創世記に関するカルデア人の記述」,ジョージ・アダム・スミス著,A・H・セイスにより改訂および修正[増補あり],1880年,164ページ)ウルク(聖書のエレク)にあるジッグラトは,粘土やれんがやアスファルトで造られていることが分かりました。―創 11:1-9と比較。
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大いなるバビロン聖書に対する洞察,第1巻
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古代バビロンの特色 バビロンの都がシナルの平原に創設された時は,バベルの塔の建築が試みられたのと同じ時でした。(創 11:2-9)その塔と都市の建設により達成を図ろうとしていた,受けのよい目的は,神のみ名を高めることではなく,建築者たちが自分たちのために『大いに名を揚げる』ことでした。古代バビロンの遺跡だけでなく,メソポタミアのほかの場所でも発掘された,ジッグラトとして知られる塔は,その元の形態もしくは様式が何であれ,本質的には宗教的な性格の塔だったことを確証しているようです。エホバ神がその神殿建設の業を覆すために講じられた決定的な処置からすれば,その神殿が偽りの宗教に根ざすものとして非とされていることは明らかです。その都市に付されたヘブライ語の名称であるバベルは「混乱」を意味していますが,シュメール語の名称(カディンギルラ)もアッカド語の名称(バブイル)も共に「神の門」を意味しています。したがって,その都市の残った住民は,元の名称の断罪的な意味合いを避けるために,元の名称の形を変えましたが,その新たな形,もしくは代わりの形もやはり,その都市が宗教と結び付いていたことを示しています。
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神々(男神,女神)聖書に対する洞察,第1巻
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聖書の証拠は,大洪水後の偽りの宗教的な概念の発祥地がシナルの地であったことを指し示しています。バベルの都と偽りの崇拝のために使われたジッグラトであったと考えられるバベルの塔の建設は,「エホバに敵対する力ある狩人」であったニムロデの指導のもとで始まったに違いありません。建築者たちはエホバ神に誉れをもたらすためではなく,自分たちのために「名を揚げ」たいと考えて,自らの栄光をたたえるために,その建設計画に着手しました。また,それは,人類を地に広がらせようとする神の目的に真っ向から逆らうものでした。全能者はそれら建築者たちの言語を混乱させて,その計画をざ折させました。もはや互いに理解し合えなくなった人々は,やがてその都市の建設をやめて,散って行きました。(創 10:8-10; 11:2-9)しかし,ニムロデはバベルにとどまって,領土を拡張し,最初のバビロニア帝国を創設したようです。―創 10:11,12。
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天聖書に対する洞察,第2巻
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このように,「天」という語には物理的な意味で広い範囲が包含されています。それは宇宙空間の果てまでを含むこともあれば,単に普通を超える程度に高いものや高大なものを指すこともあります。例えば,暴風雨に翻弄される船に乗っている人たちは,「天に上り,底に下る」と言われています。(詩 107:26)同じように,バベルの塔の建設者たちも,『頂が天に届く』建造物,言わば“摩天楼”を造ろうとしました。(創 11:4。エレ 51:53と比較。)また,アモス 9章2節の預言は,エホバの裁きを逃れようとしてむなしい努力を続ける,「天に上る」人々について述べていますが,それは彼らが高い山地に逃れ場を見いだそうとすることを意味しているようです。
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偶像,偶像礼拝聖書に対する洞察,第1巻
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族長時代の偶像礼拝 ノアの日の大洪水によって人間の偶像礼拝者はことごとく滅ぼされましたが,「エホバに敵対する力ある狩人ニムロデ」を先頭にして偶像礼拝が新たに始まりました。(創 10:9)多分,ニムロデの指揮で,バベルとその塔(恐らく,偶像礼拝を事とする崇拝のためのジッグラト)の建設が始まりました。エホバがそれら建設者たちの言語を混乱させた時,彼らの計画はざ折しました。もはや互いに理解し合えなくなった彼らは,次第に都市の建設をやめて四散しました。しかし,バベルで始まった偶像礼拝はそこで終わったわけではありませんでした。それら建設者たちは行く先々へ自分たちの偽りの宗教の考え方を伝えたのです。―創 11:1-9。「神々(男神,女神)」を参照。
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