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負債,負い目,債務者聖書に対する洞察,第2巻
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負債,負い目,債務者
(ふさい,おいめ,さいむしゃ)(Debt,Debtor)
負債とは,借りているもの,または何かを支払ったり返したりする責務を指す語です。古代イスラエルにおいて,負債はおもに財政上の破たんから生じました。イスラエル人にとって債務者になるのは不幸なことでした。借りる人は,事実上,貸す人の僕になったからです。(箴 22:7)それで神の民は,困窮している仲間のイスラエル人の逆境に付け込み,利息を課して利益を得ようとするのではなく,寛大に,無私の気持ちで貸すようにと命じられていました。(出 22:25; 申 15:7,8; 詩 37:26; 112:5)しかし,異国人に対しては利息の支払いを要求することができました。(申 23:20)ユダヤ人の注解者たちは,この規定が当てはまるのは困窮している場合ではなく,商売上の貸し付けだったと理解しています。通常,異国人はたいてい,商人として一時的にイスラエルに滞在していたに過ぎず,彼らも利息を取って他の人に貸していたであろうことからすれば,なおのこと彼らに利息の支払いを期待するのは道理にかなうことでした。
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利息聖書に対する洞察,第2巻
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しかし異国の者に対しては,イスラエル人も利息を請求できました。(申 23:20)ユダヤ人の注解者たちは,これは困窮した場合ではなく,商業上の貸し付けに当てはまると理解しています。(「ペンタチュークとハフタラ」,J・H・ヘルツ編,ロンドン,1972年,849ページ)異国人はイスラエルに一時的にしか滞在しないのが普通であり,しかも大抵は商人として滞在していました。特にそれら商人も他の人に貸す時には利息を課していたことからすれば,彼らに利息の支払いを期待しても当然でした。
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