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バシャン聖書に対する洞察,第2巻
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バシャンは大部分が高原で,平均高度は約600㍍でした。土地は,山稜も幾らかあるものの概して平らで,火山活動によってできた土地だけに黒くて硬い玄武岩を多量に含んでおり,そのため水気がよく保たれています。土壌は凝灰岩と赤褐色土の混合物から成っています。ヘルモン山から流れ下る水や雪解け水のお陰で,この地域は全体が優れた農業用地になりました。この平野は非常に肥沃であったため豊かな穀倉地となり,あちこちに良い放牧地ができました。そしてそれが一助となって,優れた品種の牛や羊が産み出されました。バシャンの雄牛や雄羊は歌や詩の題材になり,また豊かさや強さや繁栄の象徴となりました。―申 32:14; エゼ 39:18; 詩 22:12。
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脂肪聖書に対する洞察,第1巻
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この禁令がすべての脂肪に当てはまるという見方は,エホバがイスラエルに食用として「雄羊の脂肪」をお与えになったことについて述べている申命記 32章14節の聖句と食い違ってはいません。これは群れの最良のもの,もしくはエルサレム聖書がこの句を訳出しているように,「放牧地の豊かな食べ物」を指す比喩的な表現です。(ダービー,脚注およびノックスも参照。)これが詩的な意味であることは,「小麦の腎の脂肪」および「ぶどうの血」について述べている同じ節の後半によっても暗示されています。ネヘミヤ 8章10節も同様で,そこでは,「行って,肥えた[fatty]ものを食べ……なさい」と民に命じられていますが,そのことから彼らは文字通り脂肪をそっくり食べたと結論すべきではありません。「肥えたもの」とは,濃厚な部分,やせたり乾いたりしていない,味のよい物を指しており,植物油を用いて調理したおいしい物も含まれています。ですから,ノックス訳はここを「味わい豊かな肉を食べて楽しめ」と読んでおり,モファット訳は「美味なものを食べよ」となっています。
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