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アバナ聖書に対する洞察,第1巻
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アメリカ訳の列王第二 5章12節には「アバナ」の代わりに「アマナ」という言葉が使われています。アメリカ・ユダヤ人出版協会の発行した聖書,およびマソラ本文の欄外,ならびにシリア語ペシタ訳でもそうなっています。多くの翻訳はソロモンの歌 4章8節で「アマナ」に言及しており,これはここで論じられている川が源を発しているアンティ・レバノン山脈を指していると考えられています。したがって,この川には,その源となっている山脈の名称が付されたのかもしれません。
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アマナ聖書に対する洞察,第1巻
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アマナ
(Amanah)[「信頼できる; 忠実な; 長く存続する」を意味する語根に由来]
これはレバノンとヘルモン山に関連してヘブライ語のソロモンの歌 4章8節に出て来る名称です。大抵の翻訳ではこのヘブライ語を翻字するにとどめていますが,それがアンティ・レバノン山脈を指すと解する学者や,アンティ・レバノンでもナフル・バラダ川の水源となっている地方に当てはめる学者もいます。―「アンティ・レバノン」を参照。
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アンティ・レバノン聖書に対する洞察,第1巻
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アンティ・レバノン山脈はソロモンの歌 4章8節の中で,ヘブライ語の「アマナ」という名で表わされているようです。その箇所で「アマナ」はヘルモン山と結び付けて語られています。「アマナ」を特定の峰とみなす人もいますが,それはむしろアンティ・レバノン山脈全体かその一部を指しているものと思われます。アッシリアの帝王ティグラト・ピレセル3世とセナケリブの碑文では,「リバナ」の山脈と「アンマナナ」の山脈が並べて述べられています。シリア語ペシタ訳およびアラム語タルグムの列王第二 5章12節で,アバナ川(現代のバラダ川)は「アマナ」とも呼ばれています。ダマスカスの主要な川であるこの川はアンティ・レバノン山脈の南部に源を発しています。ですから,この名は,同山脈のそのあたりを指すか,または山脈全体を指したものでしょう。
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