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ユダ,II聖書に対する洞察,第2巻
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また,ユダの死に関連しては,だれが埋葬地の畑を銀30枚で買ったのかという疑問もあります。マタイ 27章6,7節によれば,祭司長たちはそのお金を聖なる宝物庫に入れることはできないと決定し,彼らがそのお金で畑を買いました。使徒 1章18,19節の記述には,ユダについて,「それで,実にこの人は,不義に対する報酬で畑を買い取った」と述べられています。それで,畑を買い取ったのは祭司長たちでしたが,お金を出したのはユダだったので,ユダが買ったと言うこともできた,というのが答えのようです。A・エダーシェイム博士はこう指摘しました。「不法な仕方で得た金を神殿の宝物庫に納めて神聖なものの購入費に充てることは許されなかった。そのような場合,ユダヤ人の律法では,その金を提供者に返すべきこと,またもし提供者がどうしてもそれを寄付すると言うのなら,公共の安寧[福祉]のための何かにそれを使うようその提供者を説得するべきことが規定されていた。……法律上の擬制により,依然その金はユダのものとみなされ,よく知られていた『陶器師の畑』を買い取るに当たってユダが用いたとみなされた」。(「メシア・イエスの生涯と時代」,1906年,第2巻,575ページ)この買い取りは,ゼカリヤ 11章13節の預言を成就するものとなりました。
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宝物庫聖書に対する洞察,第2巻
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クリスチャン・ギリシャ語聖書 イエスが地上におられた時,エルサレムの神殿のある箇所は「宝物庫」と呼ばれました。(ヨハ 8:20)それは“婦人の中庭”と呼ばれる場所にあったようです。ラビの資料によれば,ヘロデが再建したその神殿では,その中庭の壁の周辺に13の宝物庫の箱がありました。(ミシュナ,シェカリーム 2:1; 6:1,5)それらの箱はラッパに似た形をしていて,上部に小さな口があり,人々はその中に様々な寄進物や捧げ物を入れました。(マル 12:41)祭司たちは,ユダが神殿に投げ込んだ銀貨を神聖な宝物庫に入れようとしませんでした。彼らの言葉によれば,「これは血の代価だから」でした。(マタ 27:6)その神殿には,宝物庫の箱から集めたお金を収納する主要な宝物庫もあったと考えられています。
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