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考古学聖書に対する洞察,第1巻
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ルカにより書き記されたものであるという明確な証拠を示している「使徒たちの活動」の書は,様々な都市やそのそれぞれの属州に,さらには様々な称号を持ち,ある特定の期間役職に就いた色々異なった種類の役人にも言及していますが,これは筆者が誤りを犯す危険性のある説明の仕方です。(ルカ 3:1,2にも注目。)ところが,提出された考古学的証拠は,ルカの記述が驚くほど正確であることを実証しています。例えば,ルカは使徒 14章1-6節で,ルステラとデルベをルカオニアの領地内にあるとしていますが,イコニオムは他の領地内にあることを示唆しています。キケロを含め,ローマの著述家たちは,イコニオムのことをルカオニアの中にある場所として述べています。しかし,1910年に発見された,ある記念碑は,イコニオムがルカオニアの都市ではなく,実際,フリギアの都市とみなされていたことを示しています。
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ギリシャ,ギリシャ人聖書に対する洞察,第1巻
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ベレアやコリントなどのギリシャ諸都市での出来事が述べられている使徒 17章12節や18章4節では,確かにギリシャ人を先祖に持った人々のことが取り上げられています。このことはマケドニアのテサロニケの「ギリシャ人」や(使徒 17:4),ギリシャ人により長年植民市にされ,かつてイオニアの首都だった小アジア西岸のエフェソスの「ギリシャ人」に(使徒 19:10,17; 20:21),また小アジア中部のイコニオムの「ギリシャ人」にさえ当てはまるかもしれません(使徒 14:1)。これらの句のある箇所の「ユダヤ人もギリシャ人も」という組み合わされた語句は,ルカがそれらの箇所でパウロのように,「ギリシャ人」という語をユダヤ人ではない一般の諸民族を代表する語として使ったことを示唆しているのかもしれませんが,実際のところ,地理的に本来のギリシャ圏の外に位置していたのはイコニオムだけです。
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