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クレタ,クレタ人聖書に対する洞察,第1巻
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パウロはローマでの2年にわたる投獄の後にクレタを訪れ,宣教の最後の時期にそこでクリスチャンの活動に携わったことを証拠は示しています。パウロはそこを離れる際,テトスがクレタに残って諸会衆の特定の状況を正し,「都市ごとに」年長者たちを任命するよう割り当てました。(テト 1:5)後日,パウロはテトスへの手紙の中で会衆の問題について論じた際,「クレタ人は常に偽り者,害をもたらす野獣,無為に過ごす大食家」という主旨の,クレタ人の預言者の言葉を引用しました。(テト 1:10-12)これは西暦前6世紀のクレタの詩人エピメニデスの言葉と考えられています。古代のクレタ人についてはギリシャ人も同じ評価をしており,クレタ人という名称はギリシャ人の間で偽り者と同義語になりました。
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大食い,大食家,貪欲な者聖書に対する洞察,第1巻
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確かに,クリスチャン会衆には大食を許す余地はないので,使徒パウロはそういう行為が入り込むことがないよう確かめたいと思いました。それで,発足してまだ日の浅いクリスチャンの組織の世話をさせるため,テトスをクレタに残したパウロは,クレタの土地の預言者の一人(西暦前6世紀のクレタ人の詩人エピメニデスと考えられる人物)の述べた,「クレタ人は常に偽り者,害をもたらす野獣,無為に過ごす大食家[字義,腹]」という言葉をテトスに思い起こさせました。ですから,テトスが任命する監督たちは,そのようなとがめが一切ない人で,大酒飲みでも貪欲な人でもなく,自制心の十分備わった人であるべきだ,とパウロは述べました。―テト 1:5-12。
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