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契約聖書に対する洞察,第1巻
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メルキゼデクのような祭司となるための契約 この契約は詩編 110編4節で述べられており,聖書のヘブライ人への手紙の筆者はヘブライ 7章1-3,15-17節でそれをキリストに適用しています。それはエホバがイエス・キリストとだけ結ばれた契約です。イエスはご自分の追随者たちと王国のための契約を結ばれた時,この契約に言及されたようです。(ルカ 22:29)神の天的なみ子イエス・キリストは,エホバの誓いによりメルキゼデクのさまにしたがって祭司となることになっていました。メルキゼデクは地上における王ならびに神の祭司でした。イエス・キリストは地上ではなく天で,王と大祭司の両方の職務を保持されることになりました。そして,昇天された後,恒久的に職務に就けられました。(ヘブ 6:20; 7:26,28; 8:1)イエスはエホバの指示を受けて王ならびに大祭司として永久に行動されますから,この契約は永久に効力を発揮します。―ヘブ 7:3。
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前駆者聖書に対する洞察,第2巻
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しかし,「前駆者」という言葉を用いた唯一の聖句の中で言及されている方は,イエスご自身です。(ヘブ 6:19,20)イエスが前駆者であったと言っても,ご自分の後に続く者たちより劣っていたという意味ではありません。それどころか,イエスは天的な栄光に入った最初の方であり,ご自分の足跡に従う者たちから成る天的な会衆のために道を開き,道を整えられたのです。(ヨハ 14:2,3)したがって,彼らは自分たちの前駆者が開いた道を通って,神に大胆に近づくことができます。―ヘブ 10:19-22。
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大祭司聖書に対する洞察,第2巻
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イエス・キリストの大祭司の職 聖書のヘブライ人への手紙は,イエス・キリストが復活して天に入られて以来,「メルキゼデクのさまにしたがい永久に大祭司」となっておられることを指摘しています。(ヘブ 6:20; 7:17,21)その筆者は,キリストの祭司職の偉大さや,アロンの祭司職に対するその優越性について説明するため,メルキゼデクが継承ではなく至高の神からの指名によって王となり祭司となったことを示しています。キリスト・イエスは,レビの部族ではなく,ユダの部族のダビデの家系から出たので,アロンの血統によってその職務を受け継いだわけではありません。むしろ,メルキゼデクと同じように,神からの直接の任命によってその職務に就きました。(ヘブ 5:10)詩編 110編4節には,「エホバは誓いをお立てになりました。(そして悔やまれません。)『あなたは定めのない時に至るまで,メルキゼデクのさまにしたがう祭司である!』」という約束が記録されており,キリストはこの任命によって天の王なる祭司となっていますが,それだけでなく,ダビデの血統であることから王国の権威も有しておられます。後者に関して言えば,キリストはダビデの契約の中で約束された王権の相続人となられます。(サム二 7:11-16)したがってキリストは,メルキゼデクと同様に,王権と祭司職の両方の職務を合わせ持っておられます。
キリストの大祭司の職の無類の卓越性は,別の点からも,すなわちユダヤ人の祭司たちの祖先であるレビが,事実上メルキゼデクに什一を与えたという点からも分かります。というのは,族長アブラハムがサレムの祭司なる王に10分の1を与えた時,レビはまだアブラハムの腰にあったからです。また,その意味で,レビはメルキゼデクから祝福を受けたことにもなります。そして,祝福は小さいほうの者が大きいほうの者から受けるのが通則です。(ヘブ 7:4-10)使徒パウロはまた,「滅びることのない命」に復活させられたイエス・キリストの永遠の祭司職を表わす事柄として,メルキゼデクには「父もなく,母もなく,系図もなく,生涯の初めもなければ命の終わりもな(い)」という事実に注意を引いています。―ヘブ 7:3,15-17。
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希望,望み聖書に対する洞察,第1巻
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それら「天の召しにあずかる人たち」(ヘブ 3:1)のための永遠の命と不朽に関するこの希望は確かな根拠に基づいており,確信を抱いて頼り得る希望です。それは神が偽ることのできない二つの事柄,つまり神の約束と誓いによって支持されており,この希望は今,天で不滅の方となっておられるキリストと共にあるのです。ですから,この希望は,「魂の錨,確かで,揺るがぬもの(で)[大祭司が贖罪の日に至聖所に入ったように]それは垂れ幕の内側に入るのです。そこへは前駆者がわたしたちのために入られました。それはイエス,メルキゼデクのさまにしたがい永久に大祭司となられた方です」と言われています。―ヘブ 6:17-20。
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