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霊聖書に対する洞察,第2巻
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啓示 1章4節では,神の「七つの霊」が神のみ座の前にあると指摘されており,その後,各々「霊が諸会衆に述べることを聞きなさい」という勧告の言葉で結ばれている七つの音信が与えられます。(啓 2:7,11,17,29; 3:6,13,22)これらの音信には,裁きに関する心を探る宣言と忠実に対する報いの約束とが含まれています。神のみ子はそれら「神の七つの霊」を持つ者として示されています。(啓 3:1)それらの霊は『七つの火のともしび』であり,(啓 4:5)ほふられる子羊の七つの目であるとも言われており,「その目は,全地に送り出された神の七つの霊を表わして」います。(啓 5:6)7は預言的な意味を持つ他の句では完全さを表わす数として使われているので(「数,数字」を参照),それら七つの霊は,神の子羊である栄光を受けたイエス・キリストが持っておられる,観察したり,識別したり,見破ったりする十分の活動的な能力を象徴しているようです。それによってイエスは全地を検分することができます。
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「啓示」の書の諸会衆聖書に対する洞察,第2巻
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「啓示」の書の諸会衆
地図: 「啓示」の書の諸会衆
西暦1世紀の終わりごろ,復活後のイエス・キリストは,まだ地上にいるご自分の油そそがれた追随者たちへの鋭い関心を,非常に感動的なかたちで示されました。どのようにですか。年老いた使徒ヨハネに指示を与えて,「アジア地区に[あった]七つの会衆」に手紙を書かせたのです。(啓 1:1-4)それらの手紙には,大いに必要な励ましや助言や警告が収められていました。
現在,かつてそれらの会衆のあった都市の場所は,多くの場合ただ遺跡が見られるだけになっています。しかしそれは,それらの手紙に記されている事柄が,実在した場所,現実の状況,実際に生きていた人たちに関するものであったことの証拠となっています。しかし,さらに興味深いのは,そこに込められる音信が,後の時代にクリスチャン会衆に生じる状況を指し示していたという点です。
エフェソスの遺跡。物質主義的傾向の強いこの都市にいたクリスチャンの中には,エホバに対して最初に抱いた愛を失う人がいました
ペルガモンにあったゼウスの祭壇を復元したもの。ペルガモンのクリスチャンは,ただエホバだけに崇拝をささげる点で試されました
スミルナ(現在のイズミル)。この地の初期クリスチャンは,獄に入れられようとも恐れないようにと激励されました。フィラデルフィア(西のスミルナに通じる長い渓谷の上流に位置していた)のクリスチャンも,すでに忍耐してきたとはいえ,自分の持つものをしっかり守りつづけるように激励されました
テアテラ(現在はアキサルと呼ばれる)。列柱道路の円柱とアーチ。テアテラの初期クリスチャンの中には,良い業にあずかりながら,愚かにも不道徳な行ないに巻き込まれる人たちがいました
サルデス。アルテミスの神殿の遺跡。この地のクリスチャンは全員が霊的な意味で真に生きているとは言えませんでした
ラオデキア。この都市のクリスチャンは,送水路でその都市に送られて来る水のようになまぬるいということに関して戒めを受けました
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