ことが，ヱホバ神により許されているあいだは，ヱホバの証者は国家の仕方に干渉しません。そして，神の律法と一致する人間のすべての法律に従います。

自分の住んでいる国がどんな国であろうと，ヱホバの証者は，ヱホバの御国の奉仕者，キリスト･イエスの代表者であれ，という使命を頂いています。（イザヤ 43:10-12; 52:7，8; 61:1-3。マタイ 24:14。コリント後 5:20）それで，ロシアにいるヱホバの証者は，収容所に入つていようと，入つていなかろうと，聖書を用いつつ良いたよりを伝道し続けます。（マタイ 24:9; 28:19，20。マルコ 13:9-11。ルカ 21:12，13。黙示 2:10）彼らは，ひとりだけであろうと又は群であろうと，穴倉や，森林や，収容所や，孤立した場所で主の夕食を記念いたします。そしてあらゆる障害にも対処して，克服して行きます。だが，この古い世とは決して妥協しません。―ヨエル 2:4-9。ピリピ 1:28。

聖書はロシアから抹殺されません。ヱホバの証者は，聖書を用います。昨年のユナイテッド･プレスの報ずるところによると，世界で一番ひろく読まれている本は『来月（1956年の1月を指す）ロシアでも入手し得る』とのことです。聖書は共産主義者によつて38年間禁ぜられてきました。しかし，ユナイテッド･プレスが告げるごとく，僅かな数の聖書だけが印刷されるでしよう，『活字はすでに組まれており，モスコーの教長たちが最後の校正を読んでいた。1月になされる最初の印刷部数は僅かである。教会が紙を買い，印刷代金を政府に払わねばならぬからである。しかし，将来には，新しい聖書をソヴェット連邦中に配布したい，と教会は希望している。』

ロシア中で多量の聖書が頒布されるようになりますか？

その時，ヱホバの証者は聖書を人々に説明するでしよう。共産主義の指導者や支持者たちが，ロシア語で書かれている新しい聖書の真理を恐れ，かつ共産主義政権が存続しいている中は，その頒布の数は僅かなものに限定されるでしよう。聖書がヱホバの証者に与えられることは，万が一にもないでしよう。証者の手にある聖書は，ダイナマイトのようなものです。それで，ヱホバの証者に対しては，聖書は禁ぜられるでしよう。

世界で一番ひろく読まれている本は，ヱホバのハルマゲドンの戦が始まる前に，ロシアでひろく読まれるでしようか？ ―黙示 16:13-16。

ヱホバの證者の近代歴史

その22 ギレアド学校

ものみの塔のギレアデ聖書学校へ初めて招待された100人の学生は，1943年1月31日までに学校に集りました。この学校の入学の資格には，少くとも2ヶ年開拓者をして，全時間奉仕の経験をもち，また高等学校程度の基礎教育資格が必要でした。当時，第二次世界大戦の戦火は鎮づまつていなかつたため，アメリカの開拓者のみがこの第1回生に呼ばれました。翌日の1943年2月1日，学校の創立式は，簡単ですが，感銘深いプログラムの下に行われています。この学校は，神の聖なる言葉，聖書を基本の教科書として，最高の教育を授ける新世社会の学校として創立されたものです。この歴史的な日に，学校の校長エヌ，エッチ，ノアとその他のものみの塔協会の理事たちは講演を行いました。その日から学校の授業は開始されています。1週間のうちの5日間は，毎朝8時から午後2時30分まで5時間半の授業が行われ，途中1時間は昼食のため休みます。毎日，4つの教室授業とそれに講演をきく時間があります。午後，授業が終ると学生たちは約3時間のあいだ，学校とか農業の仕事の手伝いをしますが，これは学校の授業からの気分転換にも役立ちます。週末になると，研究をしたり，また野外奉仕に参加したりして過します。

学校の研究課程は，単科大学程度の高度の教育を26週に亘つて詳しく学ぶように計画されており，普通の大学で1年間かかつて教えることを，僅か半年のあいだに終了します。学校が創設されてか10年を経過した1953年の1月に，ギレアデのものみの塔聖書学校は，ワシントン，デー，シーにある合衆国の教育局により，正式に認可されました。それにより，ギレアデの学校は普通の単科大学またはその他の教育機関と同等なることが認められたことになります。このため，1953年1月以来，アメリカ以外の国に住むヱホバの証者の学生がアメリカ合衆国に入国し，ものみの塔学校に入学することが可能になりました。アメリカ合衆国の国務省（外国の地にある領事館を通して活動している）及び移民帰化局はそれら学生に，移民法によらない入国許可証を下附することができます。

この新世社会の聖書学校で教える課程は，神権宣教及び宣教奉仕について高等の聖書教育を与えるものです。この5ヶ月半に亘る，忙しい授業課程は，次のようなものです。すなわち，神権の記録，宣教奉仕，神権宣教，聖書真理，公開の話，聖書研究，聖書の事項，崇拝の歴史，御国の予言，至上法律，聖書主題及び外国語などです。いままでに，スペイン，フランス，イタリア，ウルヅウ，マラリア，アラビア，ポルトガル，日本