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「終わり」 それは何を意味するかものみの塔 2015 | 5月1日
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特集記事 | 終わりは近い?
「終わり」 それは何を意味するか
「終わりは近い!」と聞くと,何を思い浮かべますか。狂気じみた目をした説教師が説教壇に立ち,聖書を片手に大げさな身振りで声を張り上げているところでしょうか。それとも,あごひげを生やした老人が,長い衣を着て腰に縄をしめ,「終わりは近い!」というプラカードを持って街角に立っているところでしょうか。そのような光景を想像して,不安になる人もいれば,懐疑的な態度を取る人や面白がる人もいることでしょう。
確かに聖書には,「終わりが来る」と述べられています。(マタイ 24:14)その出来事は,「神の大いなる日」また「ハルマゲドン」とも呼ばれています。(啓示 16:14,16)このことについては,宗教家の間にもかなりの混乱があり,不可解で悲観的な説があふれています。それでも,神の言葉 聖書そのものは,終わりについて明確に述べており,それがどういうものであり,どういうものではないかを明らかにしています。また聖書は,終わりが近いかどうかをはっきりと理解する助けにもなります。とりわけ,どうすれば生き残れるかを教えているのです。では,まず「終わり」に関する誤解を解き,真実を明らかにしましょう。聖書によると,「終わり」とは一体何を意味するのでしょうか。
終わりに関する誤解を解く
終わりとは地球が火だるまになって滅びることではない。
聖書によると,「神は地の基をその定まった場所に置かれました。それは定めのない時に至るまで,まさに永久によろめかされることがありません」。(詩編 104:5)聖書のこのような言葉から,神は自ら地球を滅ぼすことも地球が滅ぼされるままにすることもない,ということは明らかです。―伝道の書 1:4。イザヤ 45:18。
終わりとは偶発的な出来事ではない。
聖書は,終わりが予定されていることを明らかにしています。神はその時を定めておられるのです。こう述べられています。「その日または時刻についてはだれも知りません。天にいるみ使いたちも子も知らず,父だけが知っておられます。ずっと見ていて,目を覚ましていなさい。あなた方は,定められた時がいつかを知らないからです」。(マルコ 13:32,33)「父」つまり神により,終わりをもたらす「時」が厳密に「定められ」ていることは明らかです。
終わりとは,宇宙からの飛来物や人間によって引き起こされるものではない。
では,何が終わりを引き起こすのでしょうか。啓示 19章11節にはこうあります。「わたしは天が開かれているのを見た。すると,見よ,白い馬がいた。そして,それに乗っている者は忠実また真実ととなえられ[る]」。19節はこう続いています。「そしてわたしは,野獣と地の王たちとその軍勢が,馬に乗っている方とその軍勢に対して戦いをするために集まっているのを見た」。(啓示 19:11-21)これらの言葉の大半は象徴的な意味で使われていますが,ここから容易に理解できるのは,神はご自分の敵たちを滅ぼすためにみ使いつまり天使の軍勢を遣わされる,ということです。
終わりに関する聖書のメッセージは,悪いニュースではなく,良いニュース
何が終わるのか
欠陥のある人間の政府が終わりを迎える。
聖書の説明によると,「天の神は決して滅びることのないひとつの王国[つまり,政府]を立てられます。そして,その王国はほかのどんな民にも渡されることはありません。それはこれらのすべての王国を打ち砕いて終わらせ,それ自体は定めのない時に至るまで続きます」。(ダニエル 2:44)前の節で述べたとおり,「馬に乗っている方とその軍勢に対して戦いをするために集まっている」「地の王たちとその軍勢」が滅ぼされます。―啓示 19:19。
戦争,暴力,不公正が終わりを迎える。
「神は地の果てに至るまで戦いをやめさせ」ます。(詩編 46:9)「廉直な者たちが地に住み,とがめのない者たちが地に残され」ます。「邪悪な者たちは地から断ち滅ぼされ,不実な者たちは地から引き抜かれ」ます。(箴言 2:21,22)神は,「見よ! わたしはすべてのものを新しくする」とも述べておられます。―啓示 21:4,5。
神と人間に対する責任を果たしていない宗教が終わりを迎える。
聖書にはこうあります。「預言者たちは実際に偽りのうちに預言し,祭司たちは自分の力にしたがって従えてゆく。……あなた方はその終わりにはどうするのか」。(エレミヤ 5:31)イエス・キリストもこう述べています。「その日には,多くの者がわたしに向かって,『主よ,主よ,わたしたちはあなたの名において預言し,あなたの名において悪霊たちを追い出し,あなたの名において強力な業を数多く成し遂げなかったでしょうか』と言うでしょう。しかしその時,わたしは彼らにはっきり言います。わたしは決してあなた方を知らない,不法を働く者たちよ,わたしから離れ去れ,と」。―マタイ 7:21-23。
現在の世界の状況を存続させ支持している人々が終わりを迎える。
イエス・キリストはこう述べています。「さて,裁きの根拠はこれです。すなわち,光が世に来ているのに,人々が光よりむしろ闇を愛したことです。その業が邪悪であったからです」。(ヨハネ 3:19)聖書は,その昔,忠実な人ノアの時代に生じた世界的な滅びについて伝えています。「その時の世は,大洪水に覆われた時に滅びを被ったのです。しかし,その同じみ言葉によって,今ある天と地は火のために蓄え置かれており,不敬虔な人々の裁きと滅びの日まで留め置かれているのです」。―ペテロ第二 3:5-7。
近づく「裁きと滅びの日」がノアの時代の「世」の滅びと比較されている点に注目してください。その時,滅ぼされたのはどんな世でしたか。地球ではありませんでした。その時,「滅びを被った」のは,「不敬虔な人々」,つまり神に敵対している人々だったのです。近づく神の「裁き……の日」の間に,神の敵になることを選ぶ人も同じように滅ぼされます。しかし,神の友となる人はノアとその家族のように保護されます。―マタイ 24:37-42。
想像してみてください。神が邪悪な勢力すべてを除き去った後の地球は,本当に素晴らしいところになるのです。明らかに,終わりに関する聖書のメッセージは,悪いニュースではなく,良いニュースです。それでも,こう思われるかもしれません。「聖書には,終わりがいつ来るのかが書かれているのだろうか。終わりは近いのだろうか。どうすればそれを生き残れるのだろう」。
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終わりは近い?ものみの塔 2015 | 5月1日
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特集記事
終わりは近い?
神は,人間が人間を支配して自らの将来を脅かすままにされるのでしょうか。いいえ,そうはされません。これまで考えてきたように,神は事態に介入し,長く続いた窮状と抑圧に終わりをもたらされます。人間と地球を創造された神は,ご自分が行動を起こす時が近づいていることをあなたに知らせたいと思っておられます。では,その重要な知識をどのように啓示なさるでしょうか。
例えで考えてみましょう。車で旅行する時には,事前にインターネットや地図やガイドブックなどを調べます。そして旅行中に,調べたのと同じ表示や目印を見かけると,目的地が近いと確信できます。同様に,神が与えてくださった聖書には,特筆すべき世界規模の動向が載せられています。そうした目印となる出来事が起きているのを見ると,現在が終わりに至る時期であると確信できるのです。
聖書の説明によると,世界の歴史は,終わりという最高潮に至る,他に類を見ない重大な局面に差しかかっています。その時には,人類史上類例のない出来事や状況が世界規模で同時多発的に発生することになっていました。神の言葉 聖書に記されているそうした特色を幾つか調べてみましょう。
1. 世界的な大混乱 マタイ 24章の預言には,地上で生じる様々な事柄が列挙されており,それらは1つの複合的なしるしを構成します。そのしるしは「事物の体制の終結」の時に表われ,それに続いて,「終わりが来る」ことになっていました。(3,14節)それらには,大きな戦争,食糧不足,各地で次々に生じる地震,不法の増加,愛の欠如,人々を誤った方向に導こうとする宗教指導者たちの画策などが含まれます。(6-26節)もちろん,そうしたことはそれまでにも,ある程度,生じてきました。しかし,終わりが近づくと,そのすべてが1つの困難な時代に起きることになっていました。加えて,以下の3つの事柄も終わりが迫っていることを知らせる警報となります。
2. 人々の精神態度 聖書によると,「終わりの日」,つまり終わりに至る期間には,人々の精神態度が著しく悪くなることになっていました。こう述べられています。「人々は自分を愛する者,金を愛する者,うぬぼれる者,ごう慢な者,冒とくする者,親に不従順な者,感謝しない者,忠節でない者,自然の情愛を持たない者,容易に合意しない者,中傷する者,自制心のない者,粗暴な者,善良さを愛さない者,裏切る者,片意地な者,誇りのために思い上がる者,神を愛するより快楽を愛する者……となるからです」。(テモテ第二 3:1-5)確かに,人が人を見下すことは今に始まったわけではありませんが,「終わりの日」には,そうした態度があまりにも極端になり,「対処しにくい危機の時代」と呼ばれるにふさわしい状態になります。人々の精神態度がますます悪くなっていることにお気づきですか。
3. 破壊されている地球 聖書によると,神は「地を破滅させている者たちを破滅に至らせ」ます。(啓示 11:18)人々はどのように地を破滅させているのでしょうか。ノアの時代についてもこう言われています。「地はまことの神の前に損なわれ,地は暴虐で満ちるようになった。それで,神が地をご覧になると,見よ,それは損なわれていた」。そのため,神は当時の腐敗した社会について,「わたしは彼らを……滅びに至らせる」と言われました。(創世記 6:11-13)地が暴虐で満ちつつあることを示す証拠がますます増えていることにお気づきですか。それに加えて,人間は歴史上類例のない段階にまで達しています。現在では,文字通り地を滅ぼし,地上の人間を絶滅させる能力を持っています。そうできる兵器を有しているのです。さらに,地は別の方法でも破壊されています。人間の誤った管理のせいで,空気,動植物の生態系,海洋といった,地上の生命を維持するシステムが着実に破壊されています。
考えてもみてください。ほんの100年前には,人類は自らを絶滅させる力など持っていませんでした。しかし現在では,高性能の兵器を備蓄することや環境を破壊することにより,その力を使い始めています。人間は科学技術の急速な進歩についてゆけず,それらの影響を理解したり制御したりできないようです。とはいえ,地球の将来を決めたり制御したりするのは,人間ではありません。地上の生命すべてが根絶される前に,神は事態に介入し,地を破滅させている者たちを破滅に至らせます。そう約束してくださっているのです。
4. 地球規模の伝道活動 終わりのしるしのもう1つの面は,前代未聞の活動が行なわれることです。こう予告されています。「王国のこの良いたよりは,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです」。(マタイ 24:14)この伝道活動は,過去何世紀もの間に行なわれた布教活動のほとんどとは大きく異なるものとなります。終わりの日の期間中には,「王国のこの良いたより」という特別なメッセージが強調されます。このメッセージを前面に押し出している宗教団体をご存じですか。そのようなメッセージを伝えているように見える人々がいるとしても,限られた地域でそうしているでしょうか。それとも,この良いたよりを「あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地」で広めているでしょうか。
神の王国は,何百もの言語を用いて世界中でふれ告げられている
ウェブサイトwww.pr2711.comは,「王国のこの良いたより」に焦点を合わせており,そのメッセージを説明するコンテンツを700余りの言語で掲載しています。そうした地球的な規模で王国の良いたよりを強調している団体がほかにあるでしょうか。とはいえ,インターネットが使えるようになるずっと前から,エホバの証人は神の王国の良いたよりを広めていることで有名でした。1939年以来,毎号の「ものみの塔」誌の表紙には,「エホバの王国を告げ知らせる」という言葉が掲げられています。宗教に関するある本は,エホバの証人の伝道活動は「熱心さと規模において並ぶものがないと言える」とコメントしています。その活動が強調しているのは,神の王国の働きによって,まもなく「終わりが来る」という良いたよりです。
歴史上の重大な局面
この記事では,聖書に記されている,終わりが迫っていることの目印となる特色を4つ取り上げましたが,あなたの生涯中,それらがはっきりと表われてきたのではないでしょうか。本誌は優に100年を超える期間,世界の出来事に関する情報を提供してきました。終わりが近づいていることを読者が自分で確かめられるようにするためです。確かに,懐疑的な人々は異議を唱え,データや統計は主観的なもので操作できる,と言います。また,世界各地の情報がますます多く入ってくるようになったから,世界の状況が悪化しているように見えるだけだと主張します。しかし,人類史における特異な期間が間もなく終わろうとしていることを示す証拠はますます増えています。
専門家の中には,この地球の大きな変化の時が近い,と感じている人たちもいます。例えば,2014年,「原子科学者会報」(英語)の科学安全保障委員会は,人類の存続にかかわる重大な脅威について,国連の安全保障理事会に警告を発しました。それらの科学者たちはこう証言しています。「我々はこれらの脅威を注意深く検討した結果,文明の存続を脅かすような科学技術関係の大惨事が起きるリスクは引き続き高いとの結論に至った」。人間が歴史上の重大な局面に達していることを,多くの人が確信するようになっています。本誌の発行者および読者の多くは,この特異な期間が確かに終わりの日であり,その終わりは近い,と固く信じています。しかし,将来を恐れる必要はありません。むしろ,喜ぶことができます。どうしてですか。なぜなら,あなたも終わりを生き残れるからです。
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多くの人が終わりを生き残る あなたも生き残れますものみの塔 2015 | 5月1日
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特集記事 | 終わりは近い?
多くの人が終わりを生き残る あなたも生き残れます
聖書は,終わりには滅びが関係していることを明らかにして,「世の初めから今に至るまで起きたことが……ないような大患難があるからです。実際,その日が短くされないとすれば,肉なる者はだれも救われないでしょう」と述べています。(マタイ 24:21,22)しかし,神の約束によると,多くの人が生き残ります。「世は過ぎ去りつつあり[ます]。しかし,神のご意志を行なう者は永久にとどまります」。―ヨハネ第一 2:17。
この世が過ぎ去る時に生き残り,「永久にとどまり」たいなら,どうすればよいでしょうか。必需品の備蓄を始めたり他の様々な備えをしたりするべきでしょうか。いいえ,その必要はありません。聖書はもっと違うことを優先させるよう強く勧め,こう述べています。「これらのものはこうしてことごとく溶解するのですから,あなた方は,聖なる行状と敬虔な専心のうちに,エホバの日の臨在を待ち,それをしっかりと思いに留める者となるべきではありませんか」。(ペテロ第二 3:10-12)文脈によると,「ことごとく」溶解することになっている「これらのもの」には,この腐敗した世界の支配層と,神の支配よりもそうした支配を選ぶ人々すべてが含まれています。ですから,必要物を備蓄したからといって,そうした滅びを生き残れるわけではない,ということは明らかです。
事実,生き残るには,エホバ神に献身し,神に喜んでいただけるような行ないについて学ぶことが必要です。(ゼパニヤ 2:3)今日の大多数の人に従うことなく,また今がたいへん重要な時期であることを示すはっきりとした目印を無視することなく,「エホバの日の臨在を……しっかりと思いに留める」必要があります。エホバの証人は,この近づくエホバの日をどうすれば生き残れるかをあなたの聖書からご説明できます。
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