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  • どうすれば婚前交渉をきっぱりと拒否できるだろうか
    若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え
    • 24章

      どうすれば婚前交渉をきっぱりと拒否できるだろうか

      ティーン誌が行なった全国調査で,同誌の若い読者の中に,次のような質問の答えを希望する人が多数いることが分かりました。その質問とは,「性的圧力をきっぱりと拒否するにはどうすればよいか」というものです。

      詩編 119編9節の中で詩編作者は,「どのようにして若い人はその道筋を清めるのでしょうか」と,同様の質問を提起しています。「[神の]み言葉にしたがって注意深くあることによってです」というのがその答えです。しかし,頭の知識以上のものが必要です。ある若い女性は,「不道徳な性行為について聖書が何と述べているか頭では分かっていても,心がいつもそれらの理由を頭の奥に押し込んでしまうのです」と打ち明けました。詩編作者は前述の詩編のあとの部分で適切にも,「わたしはあなたのことばを心のうちに蓄えました。あなたに対して罪をおかさないためです」と述べています。―詩編 119:11。

      心を守りなさい

      神のことばを心のうちに蓄えるにはまず,聖書や聖書に基づく出版物を読んで研究することが求められます。そうすれば,神の律法の価値を確信できるようになります。一方,性を刺激するものを読んだり,聴いたり,見たりすると「性的欲情」はかき立てられます。(コロサイ 3:5)したがってそのようなものは断固,避けてください! むしろ純潔で清い事柄を思いめぐらすようにしましょう。

      さらに,若者が純潔のままでいるかどうかに大きな影響を及ぼすのは,その若者の親しい友人であることが調査で明らかになっています。「わたしは,あなた[神]を真に恐れるすべての者たちの,また,あなたの命令を守る者たちの仲間なのです」と,詩編作者は述べています。―詩編 119:63。

      あなたの友達は,『神の命令を守る』よう懸命に努力している人でしょうか。ジョウアナという若い女性は,友人の選択についてこのように語りました。「エホバを愛する人たちのそばにいると,道徳について話す場合に,彼らと同じように感じ始めている自分に気づきます。例えば,彼らが不道徳には胸が悪くなると言うのを聞くと,自分もそのように感じ始めるのです。一方,そういうことを気に留めない人と一緒にいると,間もなくその人と全く同じようになってしまいます」。―箴言 13:20。

      しかし純潔を保つことがしばしば最大の挑戦となるのは,デートをする時や求婚期間を過ごす時です。ロバート・ソレンセンの行なったある全国調査を考慮してみましょう。ソレンセンによると,調査の対象となった若い男性の56%および若い女性の82%が,決まった恋人か,よく知っていて非常に好意を寄せている相手と初体験をしていることが分かりました。では,結婚を真剣に考慮する年齢に達し,だれかと交際している場合はどうでしょうか。どうすれば相手の人とよく知り合い,しかも純潔を保つことができますか。

      交際する時の落とし穴を避ける

      聖書は,「心は何ものよりもこうかつで,必死な状態にある。だれがこれを理解しているだろうか」と警告しています。(エレミヤ 17:9,バイイングトン訳)人は異性に対して魅力を感じるかもしれません。それはごく正常なことです。しかし二人が一緒にいる機会が多くなればなるほど,いっそう強く魅力を感じるようになります。しかもその正常な欲望は心を惑わしかねないのです。「心から,邪悪な推論,……淫行……が出て来ます」と,イエス・キリストは言われました。―マタイ 15:19。

      若いカップルは大抵,性行為を意図して行なうわけではありません。a 多くの場合,二人が局部を愛撫したり刺激したりしたためにそのようなことが生じるのです。一人の未婚の母親はこう告白しました。「私の場合も,また私が知っている子たちの場合も大抵,会うたびに少しずつ深入りし,最後にはもう処女ではなくなっているという状態でした。ちょっとしたペッティングから始まって,何が起きつつあるのか気づかないうちに,もうやめられなくなっているのです」。

      性の不道徳に自ら陥らないためには,心に導かれるままになるのではなく,心を導かなければなりません。(箴言 23:19)どうすればそうすることができますか。

      制限を設ける: ガールフレンドはキスやペッティングをしてもらうことを期待していると若い男性は思うかもしれませんが,相手は実際にそう思っていないかもしれません。「せん越であることによって人は闘いを引き起こすだけである。しかし,一緒に協議する者たちには知恵がある」。(箴言 13:10)ですから,あなたがだれかと交際しているなら,そのことについて自分がどう感じているかを,「一緒に協議」することによって相手の人に知らせましょう。思慮を働かせて愛情の表現に制限を設けてください。それと同時に,まぎらわしい信号を送らないようにしましょう。ぴったりしすぎていて,あらわで,性を刺激するような衣服を身に着けるなら,相手に誤ったことを伝達しかねません。

      誘惑となる状況を避ける: 山の中の人気のない場所へハイキングに行こうとボーイフレンドから誘われた,うら若い乙女の話が聖書に載っています。ボーイフレンドの動機は何でしたか。二人で早春の美しさを観賞したいと思ったのです。しかし乙女の兄たちはその行楽計画を知ると腹を立て,その計画を中止させました。それは,乙女のことをふしだらだと思ったからではなく,そのような状況下で働く誘惑の力を知っていたからです。(ソロモンの歌 1:6; 2:8-15)同様に家やアパート,あるいは駐車中の車の中でデートの相手と二人きりになるといった,誘惑につながりやすい状況は避けるべきです。

      自分の限界を知る: ほかの時に比べてずっと性の誘惑に陥りやすくなる時があります。例えば,自分が何かの失敗をしたり,両親と意見が合わなかったりして気落ちすることがあります。どんな場合であれ,そのような時には特に用心しなければなりません。(箴言 24:10)また,アルコール飲料の使用にも気をつけてください。アルコール飲料の影響を受けて,抑制のきかなくなることがあります。「ぶどう酒と甘いぶどう酒とが良い動機を奪い去る」のです。―ホセア 4:11。

      きっぱりと拒否し,その態度を変えない: 感情が高まり,自分たちが危険なほど親密になっていることに気づくなら,どうすることができますか。二人のうちのどちらかが,その気分をこわすことを言うか,行なうかしなければなりません。デブラという女性は,気がついてみるとデートの相手と二人きりになっていました。その男性は,“語り合う”ため寂しい場所に車を止めたのです。感情が高まってきた時,デブラはデートの相手に,「これはネッキングではないかしら。やめるべきですよね」と言いました。それで気分がこわれ,その男性は直ちに彼女を家に送り届けました。こうした状況のもとできっぱりと拒否するのは,これまで行なわなければならなかった事柄のうち最も難しいことかもしれません。しかし,状況に屈してしまって性関係を持った20歳のある女性が語ったように,「立ち去らなければ,後悔します」。

      付き添いを伴う: 時代遅れとみなす人もいますが,デートに付き添いを伴うのはやはり良い考えです。中には,「僕たちが信頼できないみたいです」とこぼすカップルもいます。もしかするとそうかもしれません。しかし,自分を信頼することは賢明でしょうか。箴言 28章26節は,「自分の心に依り頼んでいる者は愚鈍であり,知恵によって歩んでいる者は逃れることになる」と率直に述べています。デートの時にはだれかほかの人に一緒に来てもらうようにして賢明に行動してください。デブラは,「私は付き添いを連れて来る人を心から尊敬します。その人も,純潔であることに私と同じほど関心を持っていることが分かるからです。そのためにつらい思いをすることは全くありません。何か二人だけで話したい時には,ほかの人たちに聞かれない所へ行けばよいからです。付き添いの人に来てもらうことによって得られる保護は,どんな不都合をも忍ぶだけの価値があります」と打ち明けています。

      神との友情

      何よりも,神を感情のある実在者として知り,神との親しい友情を培うなら,神を怒らせるような振る舞いを避けるよう助けられます。特定の問題に関して神に心中を打ち明けるなら,神をいっそう身近に感じます。純潔のままでいることを願い,感情の高まった状況に置かれた時には一緒に神に祈りをささげて,必要な力を願い求めることさえした男女は少なくありません。

      エホバは寛大にも,そのような二人に『普通を超えた力』を与えてこたえてくださいます。(コリント第二 4:7)あなたが自分の分を果たさなければならないのは言うまでもありませんが,神の援助と祝福があれば,確かに,性の不道徳をきっぱりと拒否することは可能です。

      [脚注]

      a ある調査では,女性の60%が,性行為は成り行きによるもので,意図したものではなかった,と回答しています。

      討論のための質問

      □ 性に関するエホバの律法を重んじるのに役立つ,どんな事柄を行なえますか

      □ あなたの友達は,婚前交渉に対するあなたの見方にどんな影響を与える恐れがありますか

      □ デートの時に用心が必要と思われるのはなぜですか

      □ 不品行に陥らないため,交際中のカップルは何を行なえますか

      [193ページの拡大文]

      「ちょっとしたペッティングから始まって……」

      [194ページの拡大文]

      求婚期間中は,二人きりにならないようにして不道徳を避ける

      [195ページの囲み記事/図版]

      デートの際に純潔を保つ

      ネッキングやペッティングに発展しそうな状況を避ける

      グループで交際するか,付き添いを伴う

      常に建設的な会話を行なう

      最初から,愛情の表現の制限について自分の態度を知らせておく

      慎み深い服装をし,挑発的な行動を避ける

      純潔が脅かされていると感じるなら,家に送り届けてもらうように頼む

      “夜の別れのあいさつ”が長くならないようにする

      早めに帰宅する

      [図版]

      交際中のカップルは,二人きりにならないような活動に参加するとよい

      [196ページの図版]

      状況が過度に“熱を帯びて”くるなら,分別を働かせてきっぱりと拒否し,その態度を変えない

  • マスターベーションはどれほど重大なことだろうか
    若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え
    • 25章

      マスターベーションはどれほど重大なことだろうか

      「神から見てマスターベーションは悪いことなのだろうかと考えています。マスターベーションは将来,私の体と精神の健康に,またはそのどちらかに影響を及ぼしますか。そしてもし結婚したらどうなりますか」― メリサ,15歳。

      こうした疑問に悩む若い人は少なくありません。理由ですか。それは,マスターベーションが広く行なわれているからです。男性の約97%,女性の90%以上が,21歳までにはマスターベーションを行なうと言われています。また,この習慣は,いぼや赤いまぶたから,てんかんや精神病に至るまで,さまざまな病気の原因になるとされてきました。

      20世紀の医学研究者たちはもはやそのような警告を発してはいません。事実,今日の医師たちは,マスターベーションに起因する身体的な病気はないと考えています。研究者のウィリアム・マスターズとバージニア・ジョンソンも,「マスターベーションが精神病の原因になるということは,その頻度にかかわりなく,医学的には確証されていない」と述べています。しかし,別の病的作用が確かにあるのです。クリスチャンの若者の中には,この習慣について心配する人が少なくありませんが,それはもっともなことです。ある若者は,「意志がくじけて[マスターベーション]をしてしまった時は,エホバ神の期待に背いたように感じました。時々ひどくふさいだ気分になりました」と書いています。

      マスターベーションとは一体何でしょうか。それはどれほど重大なことでしょうか。また,それが克服しにくい習慣であると考えている若者が非常に多いのはなぜですか。

      若い人たちが陥りやすい理由

      マスターベーションとは,性的な興奮を得るために故意に自分を刺激する行為です。若さの盛りにある間は,性的な欲望が強くなり,生殖器官に影響を及ぼす強力なホルモンが放出されます。こうして若者は,生殖器官が快感を生み出せることを知るようになります。また性行為のことを考えていなくても,若者は性的に興奮することがあるかもしれません。

      例えば,男子の間では,さまざまな心配,恐れ,欲求不満などによる緊張が,敏感な神経系に影響して,性的な興奮を誘発することがあります。精液が蓄積すると性的に興奮した状態で目を覚まします。あるいは眠っている間に射精するかもしれません。これには普通,性愛に関係した夢が伴います。同様に少女の中にも,無意識のうちに刺激を受ける人がいるかもしれず,生理期間の直前か直後に性欲の高まる人も少なくありません。

      ですからそのような性欲の高まりを経験したとしても,気にすることはありません。これは,若い肉体の正常な反応なのです。そのような性感はたとえ非常に強いものであっても,ほとんどが無意識に生じるものですから,マスターベーションとは違います。そして年齢が進むにつれて,この新たに生じた性感の高まりはおさまります。

      しかし,この新たな感覚作用に対する好奇心と物珍しさに引かれて,自分の性器を故意にいじったり,もてあそんだりする若者もいます。

      『精神的燃料』

      聖書はいかがわしい女に出会う若者を描写しています。その女は若者に口づけして,「どうか,来てください。……わたしたちの愛を満喫しましょう」と言います。それからどうなりますか。「突然,彼はその女について行く。ほふり場に向かう雄牛のように」とあります。(箴言 7:7-22)この若者は,見たことや聞いたことによって欲情をかき立てられたのであって,ホルモンのせいだけでなかったことは明らかです。

      同じようなことをある若者は言いました。『私が抱えていたマスターベーションという問題全体の原因は,結局,自分が思いに取り入れていた事柄にありました。不道徳な事柄を含むテレビ番組を見たり,ある時には,有線テレビのヌード番組を見たりしていたからです。そうした場面は非常に衝撃的で,心に残ります。そして再び思いに浮かび上がり,マスターベーションに必要な精神的燃料になるのです』。

      ですから多くの場合,会話や黙想の内容はもとより,読むもの,見るもの,聴くものなどが,マスターベーションの引き金となるのです。25歳のある女性は正直にこう語りました。「この習慣を捨てることはとてもできないように思えました。それでも私は相変わらず恋愛小説を読んでいました。それが問題の一因だったのです」。

      一種の「精神安定剤」

      この若い女性の経験は,この習慣をやめるのが非常に難しい最大の原因を示しています。彼女はさらに,「圧力や緊張,心配などから逃れるためにマスターベーションを行なうのが常でした。そのつかのまの快楽は,アルコール中毒の人が神経を静めるために酒を飲むのと似ていました」と語りました。

      研究者のスーザン・サーノフとアービング・サーノフは,「冷たくあしらわれたり,何かのことで不安を感じたりするといつでもマスターベーションで自分を慰めるため,それが習慣になる人もあるだろうし,ときたま非常に激しい感情的ストレスを感じて,この行為にふける人もあるかもしれない」と書いています。また,気が立っている時,憂うつな時,寂しい時,強いストレスを感じている時にやはりこの習慣に頼る人もいるようです。問題を忘れるための一種の「精神安定剤」になるのです。

      聖書は何と述べているか

      「マスターベーションは許されない罪ですか」と,ある若者は尋ねました。聖書の中でマスターベーションに関する説明は全く見当たりません。a この習慣は聖書時代のギリシャ語圏で普通に行なわれており,その習慣を表わす幾つかのギリシャ語も用いられていました。しかし聖書ではそのうちのどの言葉も使われていません。

      聖書の中で直接に非とされていないということは,マスターベーションは無害であるという意味でしょうか。絶対にそうではありません。淫行のようなゆゆしい罪の部類には入れられていませんが,マスターベーションは確かに汚れた習慣です。(エフェソス 4:19)そのため神の言葉に見られる諸原則は,この汚れた習慣に強く抵抗すれば「自分を益する」結果になることを示唆しています。―イザヤ 48:17。

      「性的欲情」をかき立てる

      「ですから,……性的欲情……に関して……あなた方の肢体を死んだものとしなさい」と,聖書は勧めています。(コロサイ 3:5)「性的欲情」というのは,正常な性的感覚のことではなく,抑制されない情欲のことです。したがってそのような「性的欲情」は,パウロがローマ 1章26節と27節で述べているようなゆゆしい行動に人がふけるという結果を招きかねません。

      しかし,マスターベーションはそうした欲望を「死んだもの」にするのではありませんか。いいえ,その逆です。ある若者は,「マスターベーションをすると,頭の中でいつも間違った欲望のことを考えるようになります。そうすることは間違った欲望を募らせるだけです」と告白しました。性的快感を高めるためによく行なわれるのは,不道徳な空想にふけることです。(マタイ 5:27,28)そのため,もしあつらえ向きの状況が生まれるなら,その人はすぐさま不道徳に陥るでしょう。そのことが自分の身に生じた一人の青年は,「一時は,マスターベーションをすれば女性を巻き込まずに欲求不満を解消できると考えていたけれど,結局,女性を相手にしたいという欲望が募ってきて抑えきれなくなった」と述べています。彼は淫行を犯してしまいました。ある全国調査の結果によると,マスターベーションをしていた青年のうち,過半数は淫行も犯していましたが,それも驚くには当たりません。それらの人の数は,童貞や処女の若者たちより50%も多かったのです。

      精神的にも感情的にも汚される

      マスターベーションはまた,人を精神的に腐敗させるある態度を植えつけます。(コリント第二 11:3と比較してください。)マスターベーションにふけるとき,当人は自分自身の肉体の興奮にひたります。全く自己を中心に置いた行為です。性は愛とは別個のものとなり,緊張をほぐす反射行動に堕してしまいます。しかし神が意図されたのは,夫と妻の間の愛の表現である性関係において性的欲望を満足させるということでした。―箴言 5:15-19。

      マスターベーションにふける人はさらに,異性を単なる性の対象,つまり性を満足させるための道具とみなす傾向に陥るかもしれません。マスターベーションで身についた間違った態度は,そのようにして当人の「霊」,つまり支配的な精神の傾向を汚します。結婚後でさえ,マスターベーションに起因する問題が根深く残る場合もあるのです。神の言葉は十分の理由があって,「愛する者たちよ,肉と霊のあらゆる汚れから自分を清め……ようではありませんか」と勧めているのです。―コリント第二 7:1。

      罪に関する平衡のとれた見方

      全般的に見て,多くの若者はこの悪い習慣を首尾よく克服していますが,時々その習慣に屈してしまうこともあります。幸いに,神は非常に憐れみ深い方であられます。「それは,エホバよ,あなたが善良で,進んで許してくださるからです」と,詩編作者は述べました。(詩編 86:5)クリスチャンがマスターベーションに屈すると,その人の心は自責の念に駆られるのが普通です。でも聖書は,「神はわたしたちの心より大きく,すべてのことを知っておられる」と述べています。(ヨハネ第一 3:20)神はわたしたちの罪以外のものもご覧になるのです。神はその偉大な知識により,許しを求める真剣な訴えを,同情心を抱いて聞くことがおできになります。ある若い女性は,「私はある程度罪を意識しました。でも,エホバはとても愛の深い神であり,私の心を読むことができ,私の努力と決意もすべてご存じであることを知っていたので,時々失敗しても過度に失望しなくてすみました」と語りました。マスターベーションに対する欲望と闘うなら,恐らく淫行という重大な罪を犯すことにはならないでしょう。

      「ものみの塔」誌1959年9月1日号(英文)にはこう述べられています。「わたしたちは,ある悪い習慣が,意外に深く自分の以前の生活の型に食い入っていたために,それらの悪い習慣に幾度もつまずき,失敗することがある[かもしれません]。……絶望してはいけません。許されない罪を犯したと結論しないでください。そのように考えるなら,それこそサタンの思うつぼです。あなたが悲しみ悩んでいるということ自体,あなたが行き過ぎていないという証拠です。謙遜な態度で真剣に神に頼り,その許しと清めと援助を求めることに疲れてはなりません。何度同じ弱点につまずこうとも,困った時に子供が父親のところへ行くように,エホバのところに行ってください。そうすれば,エホバは過分のご親切をもって優しく援助してくださるでしょう。そしてもしあなたが誠実であれば,エホバはあなたが清い良心を持てるようにしてくださるでしょう」。

      どうすれば,そのような「清い良心」が得られるでしょうか。

      [脚注]

      a オナンは『精液を地に流した』かどで神に処刑されました。しかしそのことに関係していたのは性交の中断であって,マスターベーションではありませんでした。さらに,オナンが処刑されたのは,死んだ兄弟の家系を継続させるための義兄弟結婚を,利己的な気持ちから怠ったためでした。(創世記 38:1-10)レビ記 15章16節から18節に述べられている「射精」についてはどうでしょうか。これはマスターベーションではなく,夢精や夫婦の性関係を指しているようです。

      討論のための質問

      □ マスターベーションとは何ですか。一般にはどんな誤解がありますか

      □ 若者が,非常に強い性的な欲望を感じることが多いのはなぜですか。それは間違ったことだと思いますか

      □ どんな事柄は,マスターベーションをしたくなる原因になりますか

      □ マスターベーションは,若者に何らかの害を与えますか

      □ あなたは,マスターベーションがどれほど重大な罪であると思いますか。マスターベーションを克服する面で問題を持つとしても,この習慣と闘っている若者をエホバはどうご覧になりますか

      [200ページの拡大文]

      圧力を受けたり,緊張や寂しさや失望を感じたりするとマスターベーションをしたいという衝動に駆られる人もいる

      [202ページの拡大文]

      『私が抱えていたマスターベーションという問題全体の原因は,結局,自分が思いに取り入れていた事柄にありました』

      [204ページの拡大文]

      「意志がくじけて[マスターベーション]をしてしまった時は,エホバ神の期待に背いたように感じました」

      [198ページの図版]

      マスターベーションによる罪の意識は強いものかもしれないが,神の許しを誠実な態度で祈り求め,その習慣に懸命に抵抗すれば,正しい良心を得ることができる

      [203ページの図版]

      性欲をかき立てるような映画や本またテレビ番組は,しばしばマスターベーションという火を燃やす『精神的燃料』となる

  • マスターベーション ― どのようにその衝動と闘えるだろうか
    若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え
    • 26章

      マスターベーション ― どのようにその衝動と闘えるだろうか

      「これは非常に強い中毒です。麻薬やアルコール飲料と同じほど習慣性があります」と,15年間マスターベーションと闘ったある若い男性は言いました。

      しかし使徒パウロは,自分の欲望を苛酷な主人のようにはならせませんでした。逆にパウロは,「自分の体[肉の欲望]を打ちたたき,奴隷として引いて行くのです」と書きました。(コリント第一 9:27)パウロは自分に厳しかったのです。同じような努力をするなら,だれでもマスターベーションから逃れることができます。

      「活動に備えて思いを引き締めなさい」

      緊張や心配を和らげるためにマスターベーションをする人は少なくありません。しかしマスターベーションは問題に対する子供じみた反応です。(コリント第一 13:11と比較してください。)「思考力」を示して,問題そのものにアタックするほうが優れています。(箴言 1:4)問題や挫折感が抗しがたいものに思えるなら,『自分の思い煩いをすべて神にゆだねてください』。―ペテロ第一 5:6,7。

      偶然,性を刺激するものを見たり,聞いたりしたならどうでしょうか。「活動に備えて思いを引き締めなさい。自己を抑制しなさい」と聖書は勧めています。(ペテロ第一 1:13,新国際訳)思いを働かせて不道徳な考えを払いのけるのです。興奮はほどなく収まるでしょう。

      しかし,悪い考えを払いのけるのは難しいことです。夜一人でいる時は特にそうです。ある若い女性はこう勧めています。「一番よいのは,すぐにベッドから出て何かの仕事を始めるか,または軽食を取ることです。そうすると思いがほかの事柄に向くからです」。そうです,自分を強いて,『何であれまじめなこと,義にかなっていること,貞潔なこと,愛すべきこと,よく言われることを考え続ける』ことです。―フィリピ 4:8。

      寝付きが悪いときは,忠実な王ダビデに見倣うよう努力しましょう。ダビデはこう書いています。「わたしが長いすの上であなた[神]を思い出したとき,夜警時の間に,わたしはあなたのことを思い巡らします」。(詩編 63:6)自分の思いを強いて,神と神の特質を深く考えるようにすれば,呪縛は大抵解けるものです。さらに,この汚れた習慣を神がどうご覧になるかを考え続けることも助けになります。―詩編 97:10。

      予防策を講じる

      「災いを見て身を隠す者は明敏である。しかし,経験のない者たちは進んで行って,必ず報いを身に受ける」と,霊感を受けた賢人は書きました。(箴言 22:3)先見を働かせるなら,自分が明敏であることを示せます。例えば特定の活動に参加することや体にぴったりした衣服を着ること,またはある種の食物を取ることが性的刺激を与えることが分かったなら,それをぜひとも避けるようにします。一例として,アルコール飲料を飲むと抑制力が低下し,自制しにくくなりがちです。また,官能的なテーマの読み物やテレビ番組や映画などはすべて疫病のように避けます。「無価値なものを見ないよう,わたしの目を過ぎ行かせてください」と,詩編作者は祈りました。―詩編 119:37。

      特に誘惑を強く感じるときにも,予防策を講じることができます。若い女性であれば,ひと月のうちの特定の時期に性欲が普段より強くなるのを感じるかもしれません。あるいは感情的な痛手や失望を経験することもあります。「あなたは苦難の日に自分が失望していることを明らかにしたか。あなたの力は乏しくなる」と,箴言 24章10節は警告しています。それで長時間一人きりになることは避けてください。建設的な活動を計画するのもよいでしょう。取り組みがいのある仕事に思いを集中していれば,不道徳な考えに引かれる機会は少なくなります。

      霊的攻勢

      27歳のある男性は,11歳の時からこの習慣と闘っていましたが,ついに勝利を得ることができました。「攻勢に出ることです。私は聖書を読みました。毎日必ず少なくとも2章は読みました」とその男性は説明しました。そしてそれを3年間欠かさずに続けたのです。さらに別のクリスチャンは,「寝る前に,霊的な事柄と関係のあるものを読むことです。その日の最後の思いを霊的なものにすることはとても大切です。そのときの祈りも非常に助けになります」と提案しています。

      聖書を他の人々に教えるといった,『主の業においてなすべき事をいっぱいに持つ』ことも助けになります。(コリント第一 15:58)マスターベーションの問題を克服したある女性はこう語りました。「この習慣を避けるのに今何よりの助けになっているのは,全時間福音宣明者として,他の人たちが神との是認された関係を得るよう援助することに思いとエネルギーをすべてそそぎ込むことです」。

      心からの祈りによって,『普通を超えた力』を神に請い求めることもできます。(コリント第二 4:7)『神のみ前にあなたの心を注ぎ出す』のです。(詩編 62:8)ある若い女性は,「祈りはすぐに逃げ込める力の塔です。欲望が生じた時に祈ると確かに効果があります」と語りました。また起床した時に,そして一日中,自分の決意を神に言い表わし,力となる聖霊を願い求めてください。―ルカ 11:13。

      他の人からの援助

      自分の努力がうまくいかない場合は,親やクリスチャンの長老など,援助のできる人に話すことです。若い女性であれば,円熟したクリスチャンの女性に打ち明けることが助けになるかもしれません。(テトス 2:3-5)半ばあきらめていたある若者はこう語りました。「ある晩私はそのことをひそかに父に打ち明けました。ありったけの力を振り絞り,泣きながら話しました。恥ずかしくてたまりませんでした。しかし,あの時の父の言葉は決して忘れないでしょう。父は安心させるような微笑みを浮かべて,『お父さんはお前のことをとても誇りに思うよ』と言いました。父は私がそこまで来るのにどんな思いをしたか,よく知っていたのです。その言葉ほど私の精神を高揚させ,決意を固めさせたものはありませんでした。

      「次に父は,私が『どうにもならないところまで』は行っていないことを私が理解できるよう幾つかの聖句を見せてくれました」と,若者は言葉を続けます。「そして,私に間違った行ないの重大さをしっかり理解させるために,さらに幾つかの聖句を示し,ある特定の時まで『身を清く保つようにしなさい』と言いました。そしてその時が来るとまた父と話し合いました。父は,逆戻りしたとしても,それにくじけてはいけない,次の時には負けない期間をさらに長くしなさい,と言いました」。問題を完全に克服したあとその若者は,「自分の問題をだれかに知ってもらい助けてもらったのが一番よかった」と語りました。

      逆戻りしたらどうするか

      ある若い人は懸命に努力してこの習慣を克服したのに,逆戻りしてしまいました。「そのことで私は打ちひしがれそうでした。自分が非常につまらない人間に思えました。そしてもっともらしく,『もう自分はどうにもならないんだ。いずれにせよエホバの恵みは得ていない。それならば何も自分にそう厳しくする必要はない』と思いました」と,その人は言いました。しかし逆戻りしたからといって闘いに負けたわけではありません。19歳のある女性は以前のことを振り返ってこう語りました。「最初のうちは毎晩のように生じたので,ますますエホバに頼るようになりました。エホバの霊の助けにより,今では失敗は年に6回ぐらいになりました。あとで非常に不快になりますが,その都度,次の誘惑に対して前よりもずっと強くなっています」。こうして彼女は徐々に勝利を収めています。

      逆戻りしたときは,その原因を分析してみます。ある若者は,「私は何を見,どんなことを考えていたのか,振り返ってみますが,大抵の場合,失敗した理由を正確に突き止めることができます。そのような方法で,原因になる事柄をやめ,また正すようにしています」と言いました。

      懸命な闘いの報い

      マスターベーションを克服したある若者は,「問題を克服してからは,エホバのみ前に清い良心が保てるようになりました。これはもう何ものにも代えられません」と語りました。

      そうです,清い良心が持てる,自分の価値に対する考えが向上する,道徳的な強さが増し加わる,神とのより親しい関係が得られる,これらはすべてマスターベーションと真剣に闘う時に得られる報いです。ついにマスターベーションを克服したある若い女性はこう言いました。「本当にこの習慣に対する勝利には,努力を払う価値が十分あります」。

      討論のための質問

      □ 欲望をかき立てる考えを抱き続けるのは,なぜ危険ですか。どうすれば,若者は自分の思いをほかの事柄に向けることができますか

      □ マスターベーションにふけらせようとする誘惑を減らすために,若い人はどんな予防策を講じることができますか

      □ 霊的攻勢をかけることは,なぜ助けになりますか

      □ この習慣を克服する上で,祈りはどんな役割を果たしますか

      □ この面で問題があればだれかに打ち明けることはなぜ助けになりますか

      [208,209ページの囲み記事/図版]

      ポルノ ― 習慣性があり,危険なもの!

      「ポルノなんかどこにでもあります。街を歩けば,新聞や雑誌の販売所におおっぴらに陳列されています。僕たちの先生の中にはポルノを学校へ持って来て,次の授業が始まるまで自分の机でそれを読んでいた人がいました」と,19歳のロナルドは言いました。確かにさまざまな年齢,背景,教育の人たちがポルノを夢中になって読んでいます。マークという若者はこう言いました。「ヌード雑誌を読んだり,写真を見たりしたときには興奮しました……目を通した雑誌をもう一度読み返すのでは同じような興奮を味わえないので,新しい号が出るのを楽しみにしていました。習慣になってしまうのです」。しかし,それは良い習慣でしょうか。

      ポルノには,『セックスは自己の欲望を満足させるだけのもの』という考えを強く持たせるところがあり,その大部分は強姦やサディスト的な暴行で満ちています。ポルノを見る人はやがて,“それほどどぎつくない”形のもの(ソフトコア)にもはや刺激を感じなくなる場合が少なくありません。ですからさらに卑わいな写真や映画を探し求めるようになります。ニューヨーク大学のエルネスト・ファン・デン・ハーク助教授が述べているとおり,「ポルノを見ると,しだいに他の人を単なる肉片,また自分自身の官能的な感覚を満足させるただの利用相手とみなすようになる」のです。

      ポルノはさらに,性に対するゆがんだ,偶像化した見方を人に持たせ,結婚生活上の問題につながる場合も少なくありません。ある若妻は,「ポルノを読んでいた関係で,それらの本に描かれているような変態的な事柄を夫に望みました。そのために性的な面で絶えず欲求不満と幻滅を味わいました」と述べています。1981年に,数百人の女性を対象にして行なわれた調査で,ポルノを読む男性と彼女たちとの生活上の関係にポルノが及ぼす影響に関して,半数近くがポルノのために重大な問題が起きたことを報告しています。ポルノが原因で実際に結婚生活が破綻したり,婚約が解消されたりした例もあります。ある妻は,こう嘆いています。「[夫が]ポルノに性のはけ口を見いだすことを必要とし,またそう望んでいるのを見ると,私では不足なのだと思うほかはありません。……私は夫を満足させられる女でありたいと神に願うのですが,それでも夫はビニールと紙のほうを好みます。夫がそのようなものを求めるので私の心は傷ついてしまいました。……ポルノは……愛に反するものです。……ポルノは醜悪で,残酷で,破壊的です」。

      しかし,クリスチャンの若者が何よりも心配するのは,ポルノが,神の目に清くあろうとする人の努力を真っ向から妨害するという事実です。(コリント第二 6:17-7:1)聖書は,古代のある人々が「その心の無感覚さのため」に『いっさいの道徳感覚を通り越す』ようになり,「貪欲にもあらゆる汚れを行なおうとして,身をみだらな行ないにゆだねた」ことを示しています。(エフェソス 4:18,19)あなたはそのような堕落した状態を経験したいと思いますか。ポルノをたまに見るだけでも,良心を鈍感にする作用があることを忘れないでください。その結果マスターベーションをするようになり,なお悪いことに,性の不道徳に陥ったクリスチャンの若者もいます。それで,ポルノから絶えず離れているよう懸命に努力するのは分別のある事柄と言えます。

      「視線を向けた所にポルノがあるということは度々あります。ですから最初に目に入るときはいやおうなく見る形になりますが,もう一度見直す必要はありません」と,若いダリルは言いました。ですから,おおっぴらに陳列されている場所では目をそむけ,クラスメートから見るようにしつこく言われる場合でも見ないようにすることです。18歳のカレンは,このように説明しています。「不完全な者ですから,貞潔なことや称賛すべき事柄を考え続けるのは確かに容易ではありません。まして,わざわざポルノを読んだりすればなおのこと難しくなるのではないでしょうか」。

      [206ページの図版]

      「祈りはすぐに逃げ込める力の塔です。欲望が生じた時に祈ると確かに効果があります」

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