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人体 ― 卓越した工学の驚異目ざめよ! 1970 | 5月8日
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さらに寒気にさらされると,筋肉が緊張するのに気がつかれましたか。それも人体の発熱方法の一つで,その場合筋肉が使用されます。からだが冷えてくると震えはじめます。筋肉の緊張と震える作用の意義について,有名な生理学者アーサー・C・ガイトン教授は,「生理医学の教科書」と題する本の中で次のように述べています。
「その結果筋肉のたい謝が行なわれ,発熱速度が増加する。震えはじめる前でさえ,体内の総発熱量が50%ふえることも珍しくない。からだが震えはじめると,発熱量は通常の200ないし400%も増加する」。
身体の発熱装置に劣らず驚異的なものに,冷房装置があります。暖気に接すると,人体は発汗します。つまり人体は蒸発作用によって,熱を発散させているわけです。現代の冷却装置の主要原理の一つとなっているのは,本質的には蒸発現象です。水が蒸発すると,水が気化するために冷却現象が起こります。しかし,工学者がこの原理を応用しはじめるはるか昔から,驚嘆すべき人体はそれを使いこなしていたのです。
高等光学
人間の目の水晶体は,もうひとつの驚異といえます。水晶体をとおしてさまざまな形状が知覚され,網膜の上で焦点が合わされます。目の焦点を合わせる作用は,写真機の光学装置に似ています。水晶体も写真レンズも,距離を調節するのにその形を適当に変えます。しかし,写真機は手で調節しなければなりませんが,目のほうは焦点距離に合わせて,その厚みと湾曲率を自動的に調整できます。
人間の視覚に関してさらに興味深いことがあります。それは,ある物体が人間の目の水晶体のような凸レンズを通過する場合,その像は倒立像,すなわち,さかさまに映るということに関係があります。網膜の上に像が結ばれ,次にそれが脳に送られる過程でも同じことが起こります。しかし,人間の脳は自動的に映像を解釈するので,外界がさかさまに見えることなく,正常に映ります。これも,人体の機能がいかに精巧であるかを示す別の例にすぎません。
こうして簡単に人体を調べるだけでも,それが工学の見地からいかに驚異的なものであるかが理解され,わたしたちは人体の偉大な創造者の知恵に心を打たれます。理知を持つ正直な人ならば,昔の聖書の詩篇作者と同様,こう神に語りかけずにはいられないでしょう。「われなんぢに感謝す。われは畏るべく奇しくつくられたり」― 詩 139:14。
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「あなたを喜ばすために求めるのですよ」目ざめよ! 1970 | 5月8日
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「あなたを喜ばすために求めるのですよ」
◆ 自分の人格を改めることを願う人にとって,神のことば聖書はすぐれた助けとなります。次の経験はこのことをよく示しています。レユニオンでのこと,ある全時間の宣教奉仕者は戸別伝道で,若い婦人に「とこしえの命に導く真理」と題する本を配布しました。その婦人は,「あなたを喜ばすために求めるのですよ。夫は宗教に全然関心がありませんわ」と述べました。再び訪問した開拓者は,その婦人の主人が示した反応に驚かざるを得ませんでした。開拓者が驚いたのも無理のないことです。主人はこう述べました。「あの本を読み終えましたが,エホバが人間のため,御国の下に用意された数々の祝福を知って,わたしはほんとうに驚きました。ほんとうのところその時まで,わたしは正義の世界などは決して存在し得ないと確信していました。手をこまねいているわけにはゆきません。妻とわたしは聖書を研究することに決心しました」。1週間後,ふたりはすべての集会に出席するようになり,その夫は2か月足らずで伝道を始め,神権宣教学校にもはいりました。また村の司祭に手紙を書き,以前の教会との関係をすべて断つこと,また神のみことば聖書と一致して神に奉仕しはじめたことを知らせました。そしていろいろの点で生活を改めたため,家族はその益を受け,幸福な生活をするようになりました。夫は以前週末になると,家族を置いてひとりで狩猟に出かけたものでしたが,それをやめ,また多くの時間をかけていたスポーツもやめました。今では夫婦ともに熱心な伝道者です。夫は3人の人に聖書を教えており,ふたりは次の大会でエホバに献身を表わすことを待ち望んでいます。
― エホバの証人の1970年度年鑑より
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