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テアテラの使いへ『その時,神の秘義は終了する』
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のほかは,あなたがたにそのうえなんの重荷も加えないことがよいと認めました。すなわち,偶像に犠牲としてささげられた物と血と絞め殺されたものと淫行から身を避けていることです。これらのものから注意深く離れていれば,あなたがたは栄えるでしょう』― 使徒 15:23-29。
20 (イ)キリスト教世界の僧職者たちは,どのように「かの女イゼベル」と同じ不道徳な立場を取っていますか。(ロ)僧職者のそうした立場に対し,真のクリスチャンはどんな立場を取りますか。
20 今日わたしたちが,エルサレム会議の定めにめいりように述べられている事柄を無視する,キリスト教世界の僧職者たちに同調することができないのは,こうした重大な理由によるのです。それら僧職者は,自ら同意する成人同士の同性愛の生活には何か美しいものがあり得る,また,婚約者が結婚前に性関係をもったり,独身者が試験結婚をしたりするのは有益であり,道徳上不適当ではないと公言することにより,やはり神のみ子の警告の言葉を無視しています。そのような僧職者は,教派や宗派にかかわりなく,19世紀前のテアテラ会衆内の「かの女イゼベル」と同じ不道徳な立場を取っているのです。わたしたちは,偽りの宗教の世界帝国である大いなるバビロンに滅びが臨む時,「かの女イゼベル」のように神の裁きの執行を受けたいとは思いません。むしろ,神のみ子が,ご自分の忠実な追随者としてのわたしたちに課される「重荷」を負います。わたしたちは聞く耳をもって,霊が諸会衆に言うことを聞きたいと思います。キリストのような純粋さと義にかたく付き,イエスの言われた,「わたしが来るまで」,その態度を守るのです。
鉄の杖で民を牧す
21 (イ)栄光を受けた主イエス・キリストは,世に対して霊的勝利を得る者たちにどんな報いを差し伸べておられますか。(ロ)彼らがその前途の征服に携わることはなぜ可能ですか。
21 テアテラ会衆への特別な音信の中で,油そそがれた残りの者たちの成員すべては,征服者となるよう励まされています。「そして,征服する者,わたしの行ないを終わりまで守り通す者には,わたしは諸国民に対する権威を与え,その者は鉄の杖で民を牧し,彼らは粘土の器のように打ち砕かれるであろう。それは,わたしが自分の父から受けたと同じようにであり,わたしはその者に明けの星を与える」。(啓示 2:26-28)忠実な油そそがれた者たちは,肉体で地上にいる間に,敵である世とその邪悪な事物の体制に対して霊的な征服を遂げます。しかし,そうした征服者の前途には,別の征服が待っているのです。それは,ハルマゲドンでの「全能者なる神の大いなる日の戦争」における,現在の事物の体制の文字どおりの滅びを意味します。(啓示 16:14,16)どのようにですか。戦争が始まる前に,死者からの復活があることによってです。
22 (イ)啓示 14章13節の聖句の助けを借りて,西暦1918年以降に死ぬ油そそがれた残りの者たちに何が起こるかを説明しなさい。(ロ)彼らは地的な労からは休みますが,『彼らの行なったことはそのまま彼らに伴って行きます』。どのようにですか。
22 霊的神殿におけるキリストの目に見えない臨在が1918年春に始まって以来,忠実を証明して死んで行く,キリストの追随者の油そそがれた残りの者の成員たちは,死の眠りに就くことはありません。肉体で死ぬとその直後に即時,霊の復活を受け,神殿におられる,神の天のみ子に加わります。こうして彼らは,神殿における神のみ子の臨在以前に死んだ,忠実な油そそがれた弟子たちには該当しない意味で,「幸い」な者となります。後者の場合は,死の眠りに就き,死者から天の命へ生き返るよう命令する,神殿からのみ子の声を待たねばならなかったからです。(ヨハネ 5:28,29)地的な労からは休むとはいえ,「彼らの行なったことはそのまま彼らに伴って」天の領域へ行きます。(啓示 14:13)地的な労を通して,彼らは諸国民に「神の〔報復〕の日」をふれ告げましたが,復活させられて霊の状態にある今,その神の報復の執行にあずかるのです。(イザヤ 61:1,2〔新〕)神のみ子は,彼らに「諸国民に対する権威を与え」ます。彼らはその権威を地上で持ったことは一度もありませんでした。
23 (イ)神のみ子はどんな権限を父から与えられましたか。(ロ)啓示 2章26,27節のキリストの約束が成就すると,ハルマゲドン前に復活させられる油そそがれた者たちにとって,事態はどのように逆転しますか。
23 このように神のみ子は,彼らがご自分の権威に共にあずかることを許されます。彼はご自分の天の父から,詩篇 2篇7-9節の預言の言葉を成就させる特権を与えられました。「われ詔命をのべんエホバわれに宣まへり なんぢはわが子なり今日われなんぢを生りわれに求めよ さらば汝にもろもろの国を嗣業としてあたへ地の極をなんぢの有としてあたへん 汝くろがねの杖をもて彼等をうちやぶり陶工のうつはもののごとくに打砕かんと」。これと一致して使徒ヨハネは,新しく誕生した神の王国に関し,新しく誕生したその王国が「あらゆる国民を鉄の杖で牧する」と述べています。(啓示 12:5)この世の諸国民は野獣のように,キリストの羊の小さな群れ,つまりその王国の共同相続者たちをえじきにしてきました。しかし今度は,逆の事態が生じます。ハルマゲドンの戦争以前に復活させられる「小さな群れ」の各は,キリストと共に「鉄の杖で民を牧し,彼らは粘土の器のように打ち砕かれる」のです。諸国民を打ち砕くことは,ダニエル書 2章44節の王国に関する輝かしい預言の成就に寄与します。
24,25 (イ)ハルマゲドンを経て地上にとどまる油そそがれた残りの者たちは,諸国民を打ち砕く業に加わりますか。それともどうしますか。(ロ)油そそがれた残りの者がその時どんな立場を取るかを示す古代の例があります。どんな例ですか。
24 数少ない油そそがれた残りの者たちは,ハルマゲドンの間,地上で保護されますが,彼らは,地上における悪魔の,目に見える組織の崩壊を速めたり,増大させたりする目的で,なんらかの暴力行為に加わるようなことはしません。神のみ子と復活させられた忠実な追随者たちが,鉄の杖で民を牧し,彼らを陶器師の単なる粘土の器のように打ち砕き始めるまで,それら地上で保護される者たちは,神のメシアによる王国の地的な敵に臨む,差し迫った神の裁きの執行をたゆまずふれ告げるのです。そして,目に見えない天からの破壊の業が始まると,彼らは預言者モーセの次の言葉のとおりにします。彼は,エジプトの激しい追っ手の軍に迫られ,恐怖心に駆られて紅海を渡ろうとしていたイスラエル人にこう語りました。「汝ら懼るゝなかれ立てエホバが今日汝等のために為たまはんところの救を見よ」。(出エジプト 14:13)彼らは,忠実な王エホシャファトの時代にエルサレムが敵の連合軍に襲われた時,その場にいたご自分の崇拝者たちにエホバの預言者が語った言葉を心に留めます。それは歴代志略下 20章14-17節に記録されています。
25 『此大衆のために懼るゝ勿れ慄くなかれ汝らの戦に非ずエホバの戦なればなり……この戦争には汝ら戦ふにおよばず……汝ら惟進みいでて立ち汝らとともに在すエホバの救を見よ』。
26 それにもかかわらず,ハルマゲドンを地上で生き残る残りの者は,啓示 2章27節の約束が自分たちに成就したと感じます。どのようにですか。
26 ハルマゲドンで邪悪な諸国民を滅ぼすため,「鉄の杖」が天から振り下ろされるのを地上で安全に目撃するのは,保護される残りの者たちにとって,『鉄の杖で民を牧す』業に直接加わるのと同じことです。こうして彼らは,啓示 2章27節の約束が自分たちに成就したと感じ,満足し歓喜することでしょう。―詩篇 149:5-9。
明けの星の賜物
27,28 (イ)ハルマゲドン後まで地上に生き残る残りの者に対し,啓示 2章28節のイエスの約束はどのように成就しますか。(ロ)「輝く明けの星」が何かを明らかにする上で,聖書はどのように助けとなりますか。
27 器のような諸国民を打ち砕く事態を生き残り,保護される残りの者たちは,やがて地上の歩みを忠実に終え,それ以前に復活させられた王国の相続者たちすべてと共に,復活を受けた神のみ子が征服を遂げる追随者の各に与えられた次の約束の成就を享受します。「わたしはその者に明けの星を与える」。(啓示 2:28)彼らはその象徴的な「明けの星」が,栄光を受けた神のみ子ご自身であることを知っています。なぜなら,彼はこの驚くべき啓示の終わり近くで,使徒ヨハネにこう言われたからです。「わたしイエスは自分の使いを遣わし,諸会衆のためこれらのことについてあなたがたに証しした。わたしはダビデの根また子孫であり,輝く明けの星である」。(啓示 22:16)聖書預言は,神の選ばれた民の王たちを天の星になぞらえました。それは,使いにも似た,アジアの七つの会衆の監督たちが,神のみ子の右手にある七つの星になぞらえられたのと同じです。(啓示 1:16,20)それより15世紀前,王統「ダビデの子孫」としてのイエスに関し,次の預言がなされました。
28 『ヤコブより一箇の星いでんイスラエルより一篠の杖おこり……権をとる者ヤコブより出で遺れる者等を城より滅し絶ん』― 民数 24:17-19。
29 (イ)古代バビロンの王によって表象された悪魔サタンは,「輝く明けの星」の上にどのように自分の座を据えることを望みましたか。(ロ)西暦1914年以降,悪魔のこの野心に関して実際には何が起こりましたか。何が悪魔と悪霊を待ち受けていますか。
29 古代バビロンの王によって表象された悪魔サタンは,この「輝く明けの星」の上に,自分の天の座を定めることを望みました。彼は,バビロンの王が西暦前617-607年の間,星のような,エルサレムの王たちの上に自分の地的な座を定めたことを思い起こしました。バビロンの王はそうするにさいし,エルサレムの二人の王を流刑に処してバビロンに送り,彼らの王座のあった都エルサレムを滅ぼしました。これはすべて,明らかにされていた彼の決意を果たすものとなりました。『われ天にのぼり我くらいを神の星のうへにあげ 北の極なる[エルサレムの]集会の山にざすべし』。(イザヤ 14:4,13。列王下 24:10から25:21)西暦1914年以来,これと反対のことが悪魔サタンにすでに起こりました。というのは,彼は天から放逐され,地球の近辺に投げ落とされたからです。目に見える彼の地的組織がハルマゲドンで滅ぼされた後,サタンと悪魔は封印され,底知れぬ深みの中で鎖につながれます。彼らはその場所で,「輝く明けの星」が,解放された人類に対する千年間の統治を成功させた後にもたらす滅びを待つのです。(啓示 12:3-13; 20:1-10)その時,「明けの星」はなんと明るく輝きわたることでしょう。
30 栄光を受けた,神のみ子は,ご自分の会衆の忠実な征服者の各に,どのように「明けの星」を与えられますか。
30 これらのことすべてを考えると,栄光を受けた神のみ子は,ご自分の会衆の忠実な征服者の各に,どのように「明けの星」を与えられるのでしょうか。明らかに,ご自身を与えることにより,つまり,彼らをご自分との最も親密な関係に迎え入れることによってです。その結果,彼らは,天の被造物の他のだれも享受することのない,親密な関係を得るのです。このようにして彼らは,神のことば聖書の預言の中でこの「明けの星」に関して予告されていた多くの特権を,彼と分かち合います。彼と共にその仲間の征服者はとこしえに輝き,エホバに栄光をもたらすのです。―ダニエル 12:3。マタイ 13:43。
31 「耳のある者は霊が諸会衆に述べることを聞きなさい」,とイエスが言われるのはなぜですか。
31 このような壮大な約束を考慮すると,神のみ子がテアテラの会衆の使いに対する音信を次の知恵の言葉で閉じたのは,非常に適切なことであるといわねばなりません。「耳のある者は霊が諸会衆に述べることを聞きなさい」― 啓示 2:29。
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サルデスの使いへ『その時,神の秘義は終了する』
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第12章
サルデスの使いへ
1 サルデスはどこにありましたか。そこではどんな宗教が信奉されていましたか。
テアテラ市から南に約50㌔,パトモス島の北東約185㌔の地点に,一時は繁栄を誇った,ルデアの首都サルデスがありました。ルデアはフリギアおよびミシアと共に,偽りの神ゼウスつまりユピテルの母とされる,自然の女神キュベレー崇拝の初期中心地の一つであり,その異教崇拝は放らつな性格を帯びていました。西暦1世紀末ごろまでには,サルデスにあったクリスチャン会衆の霊的状態は悪化しており,それゆえ,パトモス島に流刑に処せられていた使徒ヨハネは,星にも似た,サルデス会衆の監督に次の音信を書き送るよう命じられました。
2 サルデス会衆に対するイエスの言葉から判断すると,その会衆はどんな状態にありましたか。
2 「また,サルデスにある会衆の使いにこう書き送りなさい。神の七つの霊と,七つの星を持つ者がこう言う。『わたしはあなたの
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