「わたしとわたしの家の者とはエホバに仕えます」
1 5人の子供を持つある母親は次のように述べました。「今の時代に子供を育てるのは容易なことではありません。でも,子供たちが責任能力のある大人へと成長するのを見れば,その苦闘はするだけの価値が十分あります」。子供が責任能力のある大人へと成長することに関係する主な要素は何ですか。(1)親の模範,(2)親の教えの質と程度,そして(3)子供の心です。家族としてエホバに仕える喜びを経験するには,親と子供の双方が神から与えられた責務を真剣に受け止め,それを果たすための優先順位を正しく定める必要があります。
2 父親に対して箴言 24章27節は,「自分の仕事を戸外で整え,自分のためにそれを畑で用意せよ。その後,あなたはまた,自分の家を築かなければならない」と命じています。父親には物質上の事柄に相応の関心を払いつつ,霊的また感情的な面で『自分の家を築くこと』が求められています。会衆での務めや様々な奉仕の特権は重要ではあるものの,そのどれも妻や子供に対する責任に優先するものではありません。それで,父親は「妻や子供たちは身体的,霊的,感情的必要が顧みられているゆえに幸福だろうか,自分は家族を救うという主要な責任を果たすことを優先しているだろうか」と自問するのは賢明です。―「ものみの塔」誌,1995年10月1日号,14ページ,6,7節。
3 母親について箴言 14章1節は,「真に賢い女は自分の家を築き上げた」と述べています。妻の主要な責任は,夫を支え,夫に協力して子供の必要を顧み,家族の救いに寄与することです。(テト 2:4,5)良いたよりを宣べ伝える業に活発に参加することは重要ではあるものの,それも子供の霊的,感情的必要を満たすことに優先するものではありません。次のように自問するのは賢明です。「わたしは子供を顧み,救うという主要な責任を区域の人々の救いよりも優先させているだろうか,家事の行ない方や礼儀作法,衛生や整理整頓といった責任能力のある神の僕となるために必要な訓練を子供に与えているだろうか」。―「ものみの塔」誌,1994年7月15日号,16ページ,5節。
4 エホバは,若い人々に「主と結ばれたあなた方の親に従順でありなさい」と勧めておられます。(エフェ 6:1)エホバは若い人々を愛しておられるので,皆さんを保護し,幸福な生活を楽しめるよう助けるために,親に従いなさいと命じておられます。若い皆さんは次のように自問できます。「責任能力のある神の僕となるよう親が与えてくれる教えや訓練にこたえ応じているだろうか,創造者を親しく知るため個人的な努力を払っているだろうか」。―「ものみの塔」誌,1995年10月1日号,18ページ,19節。
5 家族の一人一人が優先順位を正しく定め,神から与えられた責任を真剣に果たすよう努めることは,「わたしとわたしの家の者とはエホバに仕えます」と言えるようになるための第一歩なのです。―ヨシュ 24:15。