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親の皆さん,あなたの手本は何を教えていますかものみの塔 1999 | 7月1日
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親の皆さん,あなたの手本は何を教えていますか
「愛される子供として,神を見倣う者となりなさい。そして,……愛のうちに歩んでゆきなさい」― エフェソス 5:1,2。
1 エホバは最初の人間夫婦にどのような指導をお与えになりましたか。
エホバは家族制度の創始者です。あらゆる家族は,その存在をエホバに負っています。最初の家族を設け,最初の人間夫婦に生殖力を授けたのはエホバだからです。(エフェソス 3:14,15)エホバはアダムとエバに,二人の責務に関する基本的な指示を伝えると共に,それらの指示を自発的に実行する機会を十分にお与えになりました。(創世記 1:28-30; 2:15-22)アダムとエバが罪をおかした結果,後の家族が対処しなければならないさまざまな状況は,ますます複雑なものとなりました。それでもエホバは,ご自分の僕たちがそのような状況に対処できるよう,愛をもって指針をお与えになりました。
2 (イ)エホバは,文字で書かれた助言を補強するものとして,どんな手だてによって口頭の教えを与えてこられましたか。(ロ)親はどんな自問をする必要がありますか。
2 エホバは偉大な教訓者として,わたしたちが何をすべきか,また何を避けるべきかについて,文書による指示を与えるだけでなく,はるかに多くのことをしてこられました。古代には,文書による教えと共に,祭司や預言者また家族の頭による口頭での教えもお与えになりました。今日では,そうした口頭での教えを与えるためにだれを用いておられるでしょうか。クリスチャンの長老,および親です。親の立場にある方は,エホバの道を家族に教え諭す点でご自分の役割を果たしておられますか。―箴言 6:20-23。
3 家族の頭は,効果的な教え方に関してエホバから何を学べますか。
3 そうした教えを家庭でどのように与えるべきでしょうか。エホバは型を示しておられます。何が良く,何が悪いかを明確に述べ,同じ事でも繰り返し述べておられます。(出エジプト記 20:4,5。申命記 4:23,24; 5:8,9; 6:14,15。ヨシュア 24:19,20)また,考えさせる質問をされます。(ヨブ 38:4,8,31)例えや実例を示して,わたしたちの感情を強く動かし,わたしたちの心を形作られます。(創世記 15:5。ダニエル 3:1-29)親の皆さん,お子さんを教えるとき,その型に倣うよう努めておられますか。
4 懲らしめを与えることに関してエホバから何を学べますか。懲らしめが大切なのはなぜですか。
4 エホバは正しいことを擁護する点で確固としておられますが,不完全さの及ぼす影響も理解しておられます。ですから,処罰する前に,教えて,不完全な人間に警告や諭しを繰り返しお与えになります。(創世記 19:15,16。エレミヤ 7:23-26)懲らしめるときには,過度にではなく,適度にそうされます。(詩編 103:10,11。イザヤ 28:26-29)そのように子供を扱うなら,エホバを知っていることを示すことになり,子供にとってもエホバを知ることが容易になるでしょう。―エレミヤ 22:16。ヨハネ第一 4:8。
5 親は,耳を傾けることについてエホバから何を学べますか。
5 すばらしいことに,エホバは愛ある天の父として耳を傾けられます。単に命令するだけの方ではありません。ご自分に対して心を注ぎ出すよう励ましてくださっています。(詩編 62:8)そして,わたしたちの言い表わす気持ちがもっともなものとは言えない場合でも,天から恐ろしいけんまくで叱責したりはされません。辛抱強く教えてくださいます。ですから,「愛される子供として,神を見倣う者となりなさい」という使徒パウロの助言は,本当に適切です。(エフェソス 4:31–5:1)エホバは,子供を教え諭すことに努める親の見倣うべき,実に優れた手本を示しておられます。その手本はわたしたちの心を動かし,神の命の道を歩みたいという気持ちにさせます。
手本の及ぼす影響
6 親の態度と手本は子供にどのように影響しますか。
6 口頭での教えに加え,手本は子供に多大の影響を及ぼします。親が好むと好まざるとにかかわらず,子供は親に見倣うものです。親は,自分自身の言った事柄を子供が言うのを聞いて,うれしくなることもあれば,時には恥ずかしくなることもあるでしょう。親の行動と態度の両面が霊的な事柄に対する深い認識を反映したものであるとき,それは子供に好ましい影響を与えます。―箴言 20:7。
7 エフタは親として,娘にどんな手本を示しましたか。どんな結果になりましたか。
7 親の手本の影響については,聖書中に数多くの例が収められています。エフタは,エホバに用いられてイスラエルをアンモン人に対する勝利へと導いた人ですが,父親でもありました。記録されているアンモンの王へのエフタの返答は,エフタがエホバのイスラエルに対する扱いに関する歴史書をよく読んでいたに違いないことを物語っています。エフタはその歴史書の言葉を自由に引用することができ,またエホバに対する強い信仰を示しました。その手本が娘にとって,信仰と自己犠牲の精神を身につける助けとなったことは疑えません。エフタの娘はその信仰と精神を表わして,エホバにささげられた独身女性としての生涯にわたる奉仕を引き受けたのです。―裁き人 11:14-27,34-40。ヨシュア 1:8と比較してください。
8 (イ)サムエルの親は,どんなりっぱな態度を示しましたか。(ロ)そのおかげでサムエルはどんな益を受けましたか。
8 サムエルは,子供のころから模範的で,預言者としても生涯にわたって神に忠実でした。あなたもお子さんにサムエルのように育ってほしいと思われますか。では,サムエルの親,エルカナとハンナの示した手本を分析して考えてください。家庭内の状況は申し分のないものとは言えませんでしたが,二人は崇拝のために定期的にシロへ,神聖な幕屋のあった場所へ上って行きました。(サムエル第一 1:3-8,21)ハンナの祈りがいかに心のこもったものであったかに目を留めてください。(サムエル第一 1:9-13)神に約束した事柄を果たすことの大切さについて二人がどう考えていたかに注目してください。(サムエル第一 1:22-28)二人の示したりっぱな手本は,サムエルが種々の良い特質を身につける助けになったに違いありません。サムエルはそうした特質を身につけたからこそ,周囲の人たちが表向きはエホバに仕えながらも神の道に全く敬意を払っていなかったときでさえ,正しい歩みを続けることができたのです。やがてエホバはサムエルに,ご自分の預言者としての責務をゆだねました。―サムエル第一 2:11,12; 3:1-21。
9 (イ)家庭でのどんな影響力がテモテに良い感化を与えましたか。(ロ)テモテはどんな人になりましたか。
9 あなたはお子さんに,若くして使徒パウロの仲間となったテモテのようになってほしいと思われますか。テモテの父親は信者ではありませんでしたが,テモテの母親と祖母は,霊的な物事に対する認識の面でりっぱな手本を示しました。このことはテモテにとって,クリスチャンとして生きてゆくうえでの良い基礎となったに違いありません。母ユニケと祖母ロイスは「少しも偽善のない信仰」を持っていた,と伝えられています。クリスチャンとしての二人の生き方は,見せかけのものではありませんでした。信じていると唱える事柄に即した生活を実際に送り,そのとおりにするよう若いテモテを教えたのです。テモテは,自分が信頼に値すること,また他の人々の福祉を真に気づかっていることを身をもって示しました。―テモテ第二 1:5。フィリピ 2:20-22。
10 (イ)家庭外のどんな手本は,子供に影響を及ぼすことがありますか。(ロ)そうした影響が子供の言葉や態度に表われるとき,どう反応すべきですか。
10 子供に影響を与える手本は,家庭内のものだけではありません。一緒に学校に通う子供たちや,子供の考えを形作る働きをする教師たち,部族や地域社会に深く根づいた慣習にだれもが従うべきであるという固い信念を持つ人たち,もてはやされている花形スポーツ選手,公職に就いていて,その振る舞いがニュースでとりざたされる人たちの影響もあります。また,戦争に伴う残虐な行為にさらされてきた子供たちも大勢います。こうした影響が子供の言葉や態度に表われるとしても,それは意外なことでしょうか。そのような場合,どう反応しますか。きつくしかったり,厳しく言い聞かせたりすることで問題は解決するでしょうか。子供をすぐにとがめるよりも,むしろ,『この状況にどう対処すべきかを見定めるのに役立つ点をエホバの物事の扱い方の中に見いだせないだろうか』と自問するほうがよいのではないでしょうか。―ローマ 2:4と比較してください。
11 親は間違いをした場合,子供の態度にどんな影響を及ぼすことがありますか。
11 もちろん,親も不完全であり,種々の状況に対して常に最善の対応ができるとは限りません。間違いもします。子供がそのことに気づくなら,親に対する敬意は薄れるのでしょうか。その可能性はあります。親が自分の過ちを棚に上げて威圧的に権威を振りかざす場合は特にそうです。しかし,親が謙遜で,間違いを率直に認めるなら,結果は大きく異なることでしょう。そうすることで,子供に有益な手本を示せます。子供も同じようにすることを学ぶ必要があるのです。―ヤコブ 4:6。
親は手本によって何を教えることができるか
12,13 (イ)子供は愛について何を学ぶ必要がありますか。このことを教えるのに,どんな方法が特に効果的ですか。(ロ)子供が愛について学ぶのは,なぜ大切なことですか。
12 口頭で教えると共に良い手本を示すと特に効果的に与えることのできる有益な教訓は数多くあります。その幾つかを考えてみましょう。
13 私心のない愛を表わす: 手本によって強調すべき,きわめて重要な教訓の一つは,愛とはどういうものかという点です。「わたしたちは,[神]がまずわたしたちを愛してくださったので愛するのです」。(ヨハネ第一 4:19)神は愛の源であり,愛の最高の手本です。原則に基づくこの愛,アガペーは,聖書の中で100回以上言及されています。その愛は,真のクリスチャンの身分証明となる特質です。(ヨハネ 13:35)そのような愛は,神とイエス・キリストに対して示すもの,また人が互いに対しても,自分が好感を抱いているわけではない人にさえ示すものです。(マタイ 5:44,45。ヨハネ第一 5:3)この愛は,まず親の心にあって,その生活にはっきり表われていなければなりません。そうして初めて,その愛を子供に効果的に教えることができるのです。行動には言葉よりも説得力があります。子供は家庭内で,愛と,それに関連した特質,例えば愛情といった特質が示されるのを見,また経験する必要があります。こうしたものがなければ,子供の身体面,精神面,感情面での発育は鈍ってしまいます。子供はまた,愛や愛情が家庭外の仲間のクリスチャンに対して正しく示されるのを見る必要もあります。―ローマ 12:10。ペテロ第一 3:8。
14 (イ)満足のゆく,質のよい仕事をするよう,どのように子供を教えることができますか。(ロ)そのことをあなたの家庭でどのように行なえますか。
14 仕事の仕方を学ぶ: 仕事は生きてゆくうえで基本を成す事柄です。人が自尊心を持つには,質のよい仕事の仕方を学ぶ必要があります。(伝道の書 2:24。テサロニケ第二 3:10)子供は仕事を割り当てられても,やり方をほとんど教えてもらっていないなら,そして上手にできないことをしかられるなら,質のよい仕事をすることは学べないでしょう。一方,親と一緒に実際に仕事をすることによって学び,良い点を褒められるなら,満足のゆく仕事をすることを学ぶ可能性は高くなります。親が手本を示すと共に説明してあげれば,子供は仕事のやり方を学ぶだけでなく,問題を克服する方法や,仕事を途中で投げ出さずに最後まで行なうこと,またどのように論理的に考え,決定を下すかについても学ぶことでしょう。こうした中で,子供はエホバも仕事をしておられ,それも質のよい仕事であり,またイエスは父を見倣っている,ということを認識できるようになるのです。(創世記 1:31。箴言 8:27-31。ヨハネ 5:17)農家や,商売をしている家であれば,家族の幾人かで一緒に仕事ができるかもしれません。あるいは,母親が息子や娘に,料理や,食後の片付けをするよう教えることもできるでしょう。外に働きに出ている父親は,家で子供と一緒に何かの作業をするよう計画できるかもしれません。親が単に当座の用事を済ませることだけではなく,子供に生きてゆくための備えをさせることを念頭に置くなら,本当に大きな益がもたらされるでしょう。
15 信仰に関する教訓をどのように与えることができますか。例を挙げて説明してください。
15 つらいことがあっても信仰を保つ: 信仰も生活の中で肝要な事柄です。家族研究で信仰のことが取り上げられるとき,子供は信仰とは何かを説明することを学べます。また,心に信仰を芽生えさせるものとなる根拠について知ることもできます。しかし,親が厳しい試練に遭っても揺るぎない信仰を示すのを子供が見るなら,受けたその印象は生涯消えないことでしょう。パナマの一人の聖書研究生は夫から,エホバに仕えることをやめなければ家から追い出すと脅されました。それでも,4人の幼い子供と共に,いつも16㌔の道のりを歩き,さらに30㌔の道のりをバスに乗って最寄りの王国会館に通いました。この手本に励まされて,その親族のうち約20人が真理の道を受け入れました。
聖書を毎日読む点で手本を示す
16 聖書を毎日家族で読むことが勧められているのはなぜですか。
16 どの家庭でも確立できる,きわめて有益な習慣があります。親に益をもたらし,子供の見倣うべき手本ともなるその習慣とは,聖書を定期的に読む習慣です。できるだけ,聖書を毎日幾らか読んでください。最も重要なのは,読む量ではありません。はるかに重要な意味を持つのは,定期性と,読む際の取り組み方です。子供の場合,聖書を読むと共に,自国語で入手できるなら,「わたしの聖書物語の本」のカセットテープを聞くのもよいでしょう。神の言葉を毎日読むことは,神の考えを常に念頭に置く助けになります。また,そのような聖書通読を個人で行なうだけでなく,家族で行なうなら,それは家族全員がエホバの道を歩む助けになるでしょう。去年の「神の命の道」大会で行なわれた,「家族の皆さん ― 毎日の聖書朗読をあなたの生き方にしてください」という劇で励まされたのは,その習慣です。―詩編 1:1-3。
17 家族で聖書を読み,かぎとなる聖句を暗記することは,エフェソス 6章4節の助言を当てはめるのに,どのように助けになりますか。
17 家族で聖書を読むことは,使徒パウロがエフェソスのクリスチャンへの霊感による手紙の中で述べた勧め,すなわち,「父たちよ,あなた方の子供をいら立たせることなく,エホバの懲らしめと精神の規整とをもって育ててゆきなさい」という勧めに調和した事柄です。(エフェソス 6:4)これはどういう意味でしょうか。「精神の規整」とは字義どおりには「思いを入れること」です。ですから,クリスチャンの父親は,ぜひとも子供の中にエホバ神の思いを入れる,つまり神の考えを知るように子供を助けなさいと言われているのです。これを成し遂げる助けになるのは,かぎとなる聖句を暗記するよう子供を励ますことです。その目的は,子供がエホバの考えを導きにして物事を考え,親が一緒にいても,いなくても,欲求や行動がしだいに神の規準に則したものとなるようにすることです。そのように物事を考えるための基礎となるのが聖書なのです。―申命記 6:6,7。
18 聖書を読むとき,(イ)意味を明確に理解する,(ロ)そこに含まれている助言から益を受ける,(ハ)エホバの目的についてそこで明らかにされている事柄にこたえ応じる,(ニ)人々の態度や行為についてそこに記されている事柄から益を受けるために,何をする必要があるでしょうか。
18 もちろん,わたしたちは生活の中で聖書の感化を受けようというのであれば,そこに書かれている事柄を理解しなければなりません。そのためには,いろいろな箇所を何度も読まなければならない人も多いことでしょう。ある表現をはっきり理解するために,辞書や「聖書に対する洞察」で語句を調べる必要があるかもしれません。聖句に助言や命令が含まれている場合には,それが今日のどんな状況のゆえに適切なのか,時間を割いて話し合ってください。そして,『この助言を当てはめるならどんな益があるだろうか』と尋ねることができます。(イザヤ 48:17,18)エホバの目的の何らかの面について述べている聖句であれば,『このことは自分の生活にどう影響するだろうか』と考えてください。また,人々の態度や行為に関する記述を読んでいるとしましょう。その人たちは,生活上のどんな圧力を経験していたのでしょうか。そうした圧力にどのように対処したのでしょうか。どうすればその手本から益を受けられますか。その記述が今日のわたしたちの生活の中でどんな意味を持つのか,必ず時間を割いて話し合ってください。―ローマ 15:4。コリント第一 10:11。
19 神を見倣う者となるなら,子供たちに何を示すことになりますか。
19 これは神の考えを思いと心に刻み込むためのなんと優れた方法でしょう。そうすることは,「愛される子供として,神を見倣う者」となるための真の助けになります。(エフェソス 5:1)そして子供たちに,真に見倣うに値する手本を示すことになるのです。
覚えていますか
□ 親はエホバの手本からどのように益を受けることができますか
□ 子供を口頭で教えると共に,親として良い手本を示さなければならないのはなぜですか
□ 親が手本を示すときに特に効果的に与えることができる教訓には,どんなものがありますか
□ どうすれば家族で聖書を読むことから十分に益を得ることができますか
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神の言葉を家族で定期的に研究するものみの塔 1999 | 7月1日
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神の言葉を家族で定期的に研究する
「人は,パンだけによらず,エホバの口から出るすべてのことばによって生きなければならない」― マタイ 4:4。
1 子供にエホバの道を教えるという家族の頭の責務について,聖書は何と述べていますか。
エホバ神は家族の頭に,子供を教える責務についてたびたび思い起こさせました。子供を教えるなら,子供は当面の生活のために整えられ,後の生活の備えができるようにもなるのです。神を代表していたひとりのみ使いは,アブラハムに,家の者たちを教える責務があることを指摘しました。皆が「エホバの道を守(る)」ようになるためです。(創世記 18:19)イスラエル人の親は,子供たちに,神がイスラエルをエジプトからどのように救い出されたか,またシナイ山,すなわちホレブでどのように律法をお与えになったかを説明するようにと告げられました。(出エジプト記 13:8,9。申命記 4:9,10; 11:18-21)クリスチャンの家族の頭は,「エホバの懲らしめと精神の規整とをもって」子供を育ててゆくよう訓戒されています。(エフェソス 6:4)エホバに仕えているのが親のうちの片方だけの場合でも,その親は子供にエホバの道を教えることに努めます。―テモテ第二 1:5; 3:14,15。
2 家に子供がいない場合でも家族研究をする必要はありますか。説明してください。
2 これは,神の言葉を家族で研究すべきなのは子供のいる家庭だけである,という意味ではありません。夫と妻は,家に子供がいなくても家族研究をするなら,霊的な物事に対するりっぱな認識を示していることになります。―エフェソス 5:25,26。
3 家族研究の定期性が大切なのはなぜですか。
3 最善の結果を見るには,教えを定期的に与える必要があります。エホバが荒野でイスラエルに与えた,「人(は)パンだけによって生きるのではなく,エホバの口から出るすべての言葉によって人は生きる」という教訓に沿って教えるのです。(申命記 8:3)家族の事情に応じて,週に1回研究する家庭もあれば,短い研究を毎日行なう家庭もあることでしょう。どんな取り決めにするにせよ,研究を場当たり的なものにしてはなりません。そのための『時を買い取って』ください。そのような時間を確保するために必要な代価を払うことは,一種の堅実な投資です。家族の命がかかっているのです。―エフェソス 5:15-17。フィリピ 3:16。
念頭に置くべき目標
4,5 (イ)エホバはモーセを通して親たちに,子供を教える際の大切な目標として,どんな点を示しましたか。(ロ)今日,それには何が関係していますか。
4 家族研究を司会するとき,明確な目標を念頭に置くなら,最善の結果を見ることができます。目標になり得る事柄を幾つか取り上げましょう。
5 毎回の研究で,エホバ神への愛を強化するように努める。イスラエルが約束の地に入る前,モアブの平原に集合していたとき,モーセは,後にイエス・キリストが「律法の中で最大のおきて」と認めたものにイスラエルの注意を向けました。それはどんなおきてでしたか。「あなたは,心をつくし,魂をつくし,活力をつくしてあなたの神エホバを愛さねばならない」というおきてです。(マタイ 22:36,37。申命記 6:5)モーセはイスラエル人に,これをぜひとも自分自身の心に銘記し,子供たちに教えなさいと言いました。そうするには,繰り返しが必要になります。エホバを愛する理由に注意を向け,そうした愛を表わす妨げとなりかねない態度や行動に対処し,親自身の生活の中でエホバへの愛をはっきり示すのです。わたしたちの子供は,これと同じような教えを必要としているでしょうか。確かに必要としています。そして子供たちも,『心に割礼を受ける』ための,すなわち,神を愛するのに妨げとなるものを取り除くための助けが必要です。(申命記 10:12,13,16。エレミヤ 4:4)そのような妨げとなるものの中には,世にあるものを欲する気持ちや,世の活動に没頭する機会を持ちたいという欲求が含まれるでしょう。(ヨハネ第一 2:15,16)エホバへの愛は,活動的で,はっきり表現され,天の父に喜ばれる事を行なうよう動かすものでなければなりません。(ヨハネ第一 5:3)家族研究が長期的な益を及ぼすには,この愛を強めるような仕方で毎回の研究を司会しなければなりません。
6 (イ)正確な知識を分け与えるには,何が必要ですか。(ロ)聖書は,正確な知識の重要性をどのように強調していますか。
6 神のご要求についての正確な知識を分け与える。それには何が関係しているでしょうか。雑誌や書籍に記されている答えを読むことができる,というだけのことではありません。たいていの場合,かぎとなる語句やおもな考えを確実にはっきり理解させるための討議が必要です。正確な知識は,新しい人格を身に着けるうえで,また生活の諸問題に対処する際に真に重要な事柄に目を留め続けるうえで,さらにはそのようにして神に本当に喜ばれる事柄を行なううえでの肝要な要素です。―フィリピ 1:9-11。コロサイ 1:9,10; 3:10。
7 (イ)どんな質問をするなら,研究資料を実際に当てはめるよう家族を助けることができますか。(ロ)聖書は,そうした目標を持つことの価値をどのように強調していますか。
7 学んだ事柄を実際に当てはめるよう助ける。毎回の家族研究では,この目標を念頭に置いて,こう尋ねてください。『この資料は,わたしたちの生活に当然どんな影響を及ぼすだろうか。いま行なっている事柄で何か改めるべき点があるだろうか。調整したいと思うべきなのはなぜだろうか』。(箴言 2:10-15; 9:10。イザヤ 48:17,18)学んだ事柄を実際に当てはめることに十分の注意を向けることは,家族が霊的に成長するうえでの重要な要素であると言えます。
教材を賢明に用いる
8 奴隷級は,聖書研究のためのどんな教材を提供していますか。
8 「忠実で思慮深い奴隷」は,研究に活用できる多種多様な教材を提供しています。「ものみの塔」誌は,聖書と共に読む雑誌で,131の言語で入手できます。聖書研究用の書籍は153の言語で,ブロシュアーは284,カセットテープは61,ビデオテープは41の言語で発行され,聖書情報検索用のコンピューター・プログラムも九つの言語で用意されています。―マタイ 24:45-47。
9 家族で「ものみの塔」誌を研究する際,この節の参照聖句にある助言をどのように適用できますか。
9 多くの家庭では,家族研究の時に,会衆で行なう「ものみの塔」研究の予習をしています。それは大いに役立つことでしょう。「ものみの塔」誌には,世界じゅうのエホバの民を築き上げるために用意された,主要な霊的食物が収められています。「ものみの塔」誌を家族で研究する際には,節を読んで印刷されている質問に答える以上のことをしてください。理解するよう真剣に努めてください。時間を割いて,引用されていない参照聖句を調べてください。それらの聖句が,考慮中の節に述べられている考えとどのように関連しているか,家族に注解を求めます。心を鼓舞してください。―箴言 4:7,23。使徒 17:11。
10 子供が研究に加われるよう,またそれが楽しいひとときとなるように何ができますか。
10 家に子供がいるなら,研究が家族の単なるしきたりではなく,築き上げる,興味深い,楽しいひとときとなるように何ができるでしょうか。一人一人がふさわしく加われるように努めて配慮し,研究資料から注意がそれないようにしてください。できれば,子供一人一人に自分の聖書と研究用の雑誌を持たせてください。親は,イエスが示した温かさに見倣い,幼い子供をすぐそばに座らせ,その子を腕に抱くようにしてもよいでしょう。(マルコ 10:13-16と比較してください。)家族の頭は,研究資料の挿絵について子供に説明を求めることができます。幼い子供には,特定の聖句を読むよう前もって割り当てておくこともできます。年上の子供には,研究資料を実際に適用する機会について述べるよう割り当てるのもよいでしょう。
11 ほかにもどんな教材が用意されていますか。そうした教材を入手できる場合,家族研究の際にどのように用いるなら益が得られますか。
11 「ものみの塔」誌を討議のおもな資料として用いているとしても,多くの言語で入手できる,他の研究用の教材も忘れないでください。背景となる情報や,聖書の表現に関する説明が必要なら,「聖書に対する洞察」から得られるでしょう。また,「ものみの塔出版物索引」を調べて,あるいは協会の用意したコンピューター検索プログラムを用いて質問の答えを見いだせる場合もあります。もし自国語のものを入手できるのであれば,こうした教材を使うことを学ぶのも,家族研究の一環として価値があるでしょう。子供の関心を刺激するために,研究時間の一部を割いて,協会の教育的なビデオの一つを少し見たり,劇のカセットテープを幾らか聴いたりしてから,それについて話し合うこともできます。こうした研究用の教材を十分に活用するなら,家族研究は家族全員にとって興味深く,益の多いものとなるでしょう。
家族の必要に合わせる
12 家族の差し迫った必要を扱うのに家族研究の機会をどのように活用できますか。
12 あなたの家庭では,普通,その週に学ぶ「ものみの塔」誌の記事を研究しておられるかもしれません。それでも,家族の実状を常に把握しているようになさってください。母親は世俗の仕事を持っていないのであれば,子供が毎日学校から帰って来るとき一緒に時間を過ごせるかもしれません。その時に扱える事柄もあれば,あとで改めて注意を向けなければならない事柄もあるでしょう。家族の差し迫った必要があるなら,それを見過ごさないでください。(箴言 27:12)学校での問題だけでなく他の状況にも対処する必要があるかもしれません。適切な資料を選び,前もって家族に何を研究するかを知らせてください。
13 貧困にどう対処できるかを家族で話し合うことが有益かもしれないのはなぜですか。
13 一つの例を挙げましょう。世界のかなりの地域は貧困にさいなまれています。ですから,多くの場所では,貧困にどう対処するかを話し合うことが必要かもしれません。家族研究で現実の状況や聖書の原則をおもに取り上げることは,家族にとって益となるのではないでしょうか。―箴言 21:5。伝道の書 9:11。ヘブライ 13:5,6,18。
14 どんな状況のゆえに,暴力,戦争,またクリスチャンの中立に関するエホバの見方を家族で話し合うのは時宜にかなったことと言えますか。
14 ほかに,暴力行為についても話し合う必要があります。わたしたちは皆,エホバの見方を思いと心にしっかり銘記しなければなりません。(創世記 6:13。詩編 11:5)家族研究でこの論題を扱う際には,学校でのいじめにどう対処すればよいか,武道を習うかどうか,またふさわしい娯楽を選ぶにはどうすればよいかといった点を話し合うことができます。暴力的な争いはありふれたものとなっており,ほぼ例外なくどの国も,内戦,政治紛争や民族紛争,あるいは暴力団同士の抗争などに悩まされています。ですから,周囲の人々がさまざまな党派に分かれて闘っている中で常にクリスチャンらしく振る舞う,ということについて家族で話し合う必要があるかもしれません。―イザヤ 2:2-4。ヨハネ 17:16。
15 子供に性と結婚についてどのように教えるべきですか。
15 子供は成長するにつれ,年齢に応じて,性や結婚について教えてもらう必要があります。ほとんどの親が性について子供と全く話し合わない文化圏もあります。子供は情報を与えられていないと,他の若者からゆがんだ見方を教えられ,悲惨な結果を招くことがあります。ですから,エホバに見倣うほうが勝っているのではないでしょうか。エホバは聖書の中で,性について率直ながらも品位のある助言を与えておられます。神からの助言は,子供が自尊心を保ち,礼儀正しく異性と接する助けになります。(箴言 5:18-20。コロサイ 3:5。テサロニケ第一 4:3-8)こうした事柄をすでに話し合ったとしても,ちゅうちょせずに再度話してください。新たな状況が生じるので,繰り返すことは肝要です。
16 (イ)さまざまな家庭で,家族研究はいつ行なわれていますか。(ロ)あなたは家族研究を定期的に行なえるよう,障害にどのように対処しましたか。
16 家族研究はいつ行なえるでしょうか。世界じゅうのベテル家族に倣って,月曜日の晩に家族研究を予定している家族は少なくありません。別の予定に従っている家族もあります。アルゼンチンの,子供9人を含むある11人家族は,毎日午前5時に起きて家族研究をしました。仕事の予定がまちまちで,ほかの時間では無理だったのです。楽なことではありませんでしたが,それによって子供の思いと心に家族研究の大切さが刻み込まれました。フィリピンのある長老は,妻および育ち盛りの3人の子供との家族研究を定期的に行ないました。親は週日に子供一人一人との研究もして,めいめいが真理を自分のものにできるようにしました。米国では,証人ではない夫のいる一姉妹が,毎朝スクールバスの乗り場まで子供たちと一緒に歩き,バスを待っている間に10分ほど,聖書に基づくふさわしい研究資料を一緒に読んで話し合います。次いで母親が短い祈りをささげ,子供たちはバスに乗り込みます。コンゴ民主共和国のある女性の場合,未信者の夫が家族を見捨ててしまいました。この女性はわずかな教育しか受けていないため,研究のために奮闘しなければなりません。それで,成人した息子が毎週家に立ち寄って母親および弟たちとの研究を司会し,助けています。母親は入念に予習して,りっぱな手本を示しています。あなたの家庭でも,家族研究を定期的に行ないにくい事情があるでしょうか。それでも,あきらめないでください。定期的に家族研究をしようとする努力に,エホバの祝福を切に求めてください。―マルコ 11:23,24。
粘り強さの報い
17 (イ)家族研究を定期的に行なうには何が求められますか。(ロ)どんな経験は,エホバの道を家族に定期的に教えることの価値を例証していますか。
17 計画が必要であり,粘り強さが求められます。しかし,定期的に家族研究を行なうことの益を考えれば,努力するだけの価値は十分にあります。(箴言 22:6。ヨハネ第三 4)ドイツのフランツとヒルダは,自分たちの11人の子供を育てました。娘のマクダレーナは何年も後に,「今になって一番大切だったと思うのは,何らかの霊的な教育を受けずに終わる日が1日としてなかったということです」と述べました。マクダレーナの父親は,アドルフ・ヒトラーのもとで国家主義の精神が色濃くなったとき,試みに遭うことを察知し,聖書を用いて家族をその試みに備えさせました。やがて,年下の子供たちは拘束されて感化院に連れて行かれ,家族の他の者たちは逮捕されて刑務所や強制収容所に入れられました。処刑された者たちもいました。一家全員が確固とした信仰を保ちました。激しい迫害を受けたその時期だけでなく,生き延びた者たちは,その後の年月にも信仰を保ったのです。
18 ひとり親の努力も,どのように報われていますか。
18 ひとり親,また自分と同じ信仰を持たない配偶者のいる親で,同じように子供に聖書の教えを定期的に与えてきた人は大勢おられます。夫を亡くし,独り身の母親となったインドのある女性は,子供たち二人にエホバへの愛を教え込むことに心を砕きました。ところが,息子がエホバの民と交わるのをやめたため,落胆しました。この女性は,息子をしつける面で手抜かりがあったならお許しくださいと,エホバに嘆願しました。しかし,息子は学んだ事柄をすっかり忘れたわけではありませんでした。10年以上も後に戻って来て,霊的な面でよく進歩し,会衆の長老になったのです。今では,この息子とその妻は,全時間の開拓者として奉仕しています。エホバとその組織から与えられた助言を心に留めて,家庭で聖書の教えを定期的に与えてきたそれらの親は,深い感謝の念を抱いているに違いありません。あなたもその助言を家庭の中で当てはめておられますか。
説明できますか
□ 定期的な家族研究が大切なのはなぜですか
□ 毎回の家族研究で何を目標にすべきですか
□ どんな教材が活用できるようになっていますか
□ 研究を家族の必要に合わせてどのように調整できますか
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明確な目標を持てば,さらに良い家族研究ができる
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家族の皆さん,神の会衆の一員として神を賛美してくださいものみの塔 1999 | 7月1日
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家族の皆さん,神の会衆の一員として神を賛美してください
「わたしは集合した群衆の中でエホバを賛美するのです」― 詩編 26:12。
1 家庭での研究や祈りに加えて,何が真の崇拝の重要な一部を成していますか。
エホバの崇拝には,家庭での祈りや聖書研究だけでなく,神の会衆の一員としての活動も含まれます。古代イスラエルが,「民を,男も,女も,幼い者も……集合させ(る)」よう命じられたのは,皆で神の律法を学び,神の道を歩めるようにするためでした。(申命記 31:12。ヨシュア 8:35)年長の者たちも『若者たちや処女たち』も,エホバのみ名を賛美することに加わるよう励まされました。(詩編 148:12,13)クリスチャン会衆でも同様の取り決めが実施されています。世界各地の王国会館では,男性や女性や子供たちが,聴衆の加わるプログラムに進んで参加しており,多くの人はその一端を担えることをとてもうれしく思っています。―ヘブライ 10:23-25。
2 (イ)集会を楽しむよう若い人を助けるうえでのかぎとなる要素は準備である,と言えるのはなぜですか。(ロ)だれの示す手本は重要ですか。
2 確かに,健全な型となっている会衆の活動に加わるよう若い人たちを助けることには,困難の伴う場合があります。もし子供が親と共に出席していても集会を楽しんでいないようなら,問題はどこにあるのでしょうか。もちろん,子供はたいてい,注意を集中できる時間が短く,すぐに飽きてしまいます。この問題を扱うのに助けとなるのは準備です。子供は準備をしていないと,集会に有意義な仕方で加わることができません。(箴言 15:23)準備をしなければ,満足をもたらす霊的な進歩を遂げることは難しくなります。(テモテ第一 4:12,15)何ができるでしょうか。まず,親は自分自身が集会のための準備をしているかどうか,自問する必要があります。親の手本は強い影響を及ぼします。(ルカ 6:40)家族研究を注意深く計画することも重要な要素です。
心を養い育てる
3 家族研究の際,心を養い育てるよう特別の努力をすべきなのはなぜですか。そのためには何をしなければなりませんか。
3 家族研究は,単に頭に知識を詰め込むだけでなく,心を養い育てるための時間でもあるべきです。そのためには,家族の直面している問題を知っていると同時に,一人一人に愛ある気遣いを示さなければなりません。エホバは「心を調べられる方」なのです。―歴代第一 29:17。
4 (イ)『心が欠けている』とはどういう意味ですか。(ロ)「心を得る」ことには何が関係していますか。
4 エホバは子供の心を調べるとき,どんな状態をご覧になるでしょうか。子供はたいてい,神を愛していると言います。それは褒めるべきことです。しかし,若い人や,エホバについて学びはじめたばかりの人は,エホバの道を歩む点で経験が限られています。経験が浅いために,聖書の述べるとおり,「心の欠けている」ことがあります。動機がすべて悪いというわけではないにしても,心を神に真に喜ばれるような状態に整えるには時間がかかります。それには,考え,欲求,愛情,感情,人生の目標などを,神の是認される事柄に合わせることが関係しています。不完全な人間でもできる程度にまで合わせるのです。そのようにして内なる人を敬虔な道に沿って形作るとき,その人は『心を得て』いるのです。―箴言 9:4; 19:8。
5,6 親は,子供が「心を得る」ようどのように助けることができますか。
5 親は,子供が「心を得る」ように助けることができるでしょうか。確かに,人はだれも他の人に,心の良い状態を植え込むことなどできません。一人一人に自由意志が授けられており,かなりのことは本人が何について考えるかにかかっています。しかし親は,識別力を働かせて子供に問いかけ,心の内にある事柄や,助けの必要な点を知ることができる場合も少なくありません。『このことについてどう思う?』とか『本当はどうしたいの?』といった質問をして,辛抱強く耳を傾けます。過敏に反応しないでください。(箴言 20:5)心を動かしたいと思うなら,親切で,理解しようとする,愛のこもった雰囲気が重要です。
6 健全な傾向を強化するために,霊の実,その個々の面について頻繁に話し合い,それを培うよう家族で力を合わせてください。(ガラテア 5:22,23)エホバとイエス・キリストを愛すべきだと言うだけでなく,なぜ愛するのか,またその愛をどのように表わせるかについて話し合うことにより,お二方に対する愛をはぐくむようにしてください。(コリント第二 5:14,15)また,正しいことをしたいという願いを,その結果として受ける益について論じ合うことによって強めてください。間違った考え方や話し方や行動は避けたいという願いも,そうした事柄の及ぼす悪い影響について話し合うことによって養い育ててください。(アモス 5:15。ヨハネ第三 11)考えや話し方や行動は,良きにつけ悪しきにつけ,エホバとの関係に影響する,ということを示しましょう。
7 子供が問題に対処し,エホバとの親密さを保てるような決定を下せるように,何をすることができますか。
7 子供が問題を抱えているときや,大切な決定を下す必要のあるときは,こう尋ねることができるでしょう。『エホバはこのことをどうご覧になると思う? そう答えるのは,エホバについてどんなことを知っているからなの? そのことについてエホバに祈った?』というようにです。できるだけ早くから,いつも神のご意志を確かめてそれを行なおうと真剣に努力する生活の型を作り上げるよう,お子さんを助けてください。子供はエホバとの親密で個人的な関係を持つようになるにつれ,神の道筋を歩むことの喜びを知るでしょう。(詩編 119:34,35)このようにして,子供の内に,まことの神の会衆と交わる特権に対する認識がはぐくまれるのです。
会衆の集会のための準備をする
8 (イ)取り上げなければならない事柄すべてを家族研究に組み入れるのに,何が助けになるかもしれませんか。(ロ)この研究はどれほど重要ですか。
8 家族研究で取り上げなければならない事柄はたくさんあります。どうすればそうした事柄すべてを扱えるでしょうか。すべての事を同時に行なうのは不可能です。それでも,チェックリストを作れば助けになるかもしれません。(箴言 21:5)時折そのリストを見直し,どの点に特に注意を向けるべきかを検討してください。家族の一人一人の進歩に深い関心を払いましょう。家族研究に関するこの取り決めは,キリスト教の教育の重要な一部を成しており,今の命のためにわたしたちを整え,来たるべきとこしえの命のための備えともなるのです。―テモテ第一 4:8。
9 家族研究で,集会の準備に関連したどんな目標を段階的に達成するよう努めることができますか。
9 家族研究に会衆の集会のための準備も組み入れておられますか。一緒に研究する際に,段階的に取り組むことのできる課題が幾つかあります。達成するのに何週間,何か月,あるいは何年もかかるものもあるでしょう。次の目標を考慮してください。(1)家族の一人一人が会衆の集会で注解できるようにしておく,(2)各自が自分の言葉で注解するよう努める,(3)聖句を注解に含める,(4)自分に当てはめるために資料を分析する。こうした事柄すべては,真理を自分のものにするための助けとなります。―詩編 25:4,5。
10 (イ)会衆のそれぞれの集会に,どのように注意を払うことができますか。(ロ)このことにそうするだけの価値があるのはなぜですか。
10 通常は家族研究で,その週に学ぶ「ものみの塔」誌の記事を扱うとしても,個人で,あるいは家族で行なう,会衆の書籍研究や神権宣教学校や奉仕会のための準備も大切であることを忘れないでください。これらも,エホバの道を歩むことを教える課程の重要な一部を成しています。周期的に家族で集会のための準備をすることができるでしょう。一緒に行なうことで研究の能力が向上します。その結果,集会そのものからいっそう益が得られるようになります。とりわけ,これらの集会の準備をいつも行なうことの益と,そのために明確な時間を取り分けておくことの大切さについて話し合ってください。―エフェソス 5:15-17。
11,12 会衆での歌の準備をすることには,どんな益がありますか。どのようにそれができますか。
11 「神の命の道」大会では,集会のもう一つの面,すなわち歌についても準備をすることが励まされました。その提案を実行しておられますか。そうするなら,聖書の真理を思いと心に刻みつけることができると同時に,会衆の集会はもっと楽しくなるでしょう。
12 準備の一環として,予定されている歌の幾つかを選んで,歌詞を読み,その意味について話し合うことは,心をこめて歌う助けになるでしょう。古代イスラエルでは,崇拝に際して顕著なかたちで楽器が用いられました。(歴代第一 25:1。詩編 28:7)家族の中に楽器を演奏できる人がいるでしょうか。その楽器を活用して,その週の王国の歌を1曲練習し,家族で歌ってみるのはいかがでしょうか。あるいは,録音された歌を活用してもよいでしょう。ある国や地域の兄弟たちは,伴奏がなくても上手に歌います。道を歩いている時や農作業に携わっている時に,よくその週の会衆の集会のために予定されている歌を口ずさみます。―エフェソス 5:19。
家族で野外奉仕のための準備をする
13,14 野外宣教のために心の準備をする家族討議は,なぜ有益ですか。
13 他の人々にエホバとその目的について証言することは,わたしたちの生活の重要な一部を成しています。(イザヤ 43:10-12。マタイ 24:14)若い人も年長の人も,準備しているなら,この活動をいっそう楽しめますし,より大きな善を成し遂げられます。この準備を家庭でどのように行なえるでしょうか。
14 崇拝に関連した事柄全般について言えることですが,心の準備をするのは大切なことです。何をするかということだけでなく,なぜそれをするのかということも話し合う必要があります。エホシャファト王の時代の民は,神の律法を教えられてはいましたが,聖書の記述によると,民は「なおも……その心を定めてはいなかった」のです。そのため,自分たちを真の崇拝から引き離しかねない数々の誘惑となるものに対して弱い状態にありました。(歴代第二 20:33; 21:11)わたしたちの目標は,野外奉仕に費やした時間を報告できるというだけのことではなく,また文書を配布するだけのことでもありません。宣教奉仕は,エホバへの愛の表明,また命を選ぶ機会を必要としている人たちへの愛の表明であるべきです。(ヘブライ 13:15)その活動に加わるとき,わたしたちは「神と共に働く者」となります。(コリント第一 3:9)なんと大きな特権でしょう。宣教奉仕に携わるわたしたちは,聖なるみ使いたちと協力しているのです。(啓示 14:6,7)このことに対する認識を築き上げるのに,週ごとの研究のときであれ,「日ごとに聖書を調べる」の冊子からその日の聖句を討議するときであれ,家族での討議の時間は,まさにうってつけの機会です。
15 家族で野外奉仕のための準備をいつ行なえますか。
15 あなたは時折,家族研究の時間を,その週の野外奉仕の準備ができるよう家族を助けるために充てておられますか。そうすることは,大いに益となります。(テモテ第二 2:15)それにより,家族の行なう奉仕は有意義な,実りあるものになるでしょう。時には,研究の時間全体をそのような準備に充ててもよいでしょう。もっと頻繁にできるのは,家族研究を終えるときや,週の別の時間に,野外宣教のさまざまな面について短く話し合うことかもしれません。
16 この節に挙げられている各段階の価値について述べてください。
16 家族で扱う事柄として,次に挙げるような,一連の段階に焦点を合わせることもできます。(1)一つの証言を準備し,よく練習する。その証言では,ふさわしいときに聖書から一つの聖句を読めるようにしておく。(2)できれば,各自に野外奉仕のためのかばん,聖書,ノート,筆記用具,パンフレット,および文書を持たせ,それらが良い状態にあることを確かめる。奉仕用のかばんは高価なものである必要はないが,きちんとしたものであるべき。(3)どこで,どのように非公式の証言ができるかを話し合う。こうした点を段階的に一つずつ教え,それを野外奉仕で一緒に働く時に適用してください。役立つ提案は与えますが,あれこれ助言しすぎないようにしてください。
17,18 (イ)家族としてどんな準備をするなら,野外宣教はいっそう実り豊かなものとなりますか。(ロ)この準備の一環として,毎週どんなことができますか。
17 イエス・キリストが追随者たちに割り当てた仕事のおもな部分は,弟子を作ることです。(マタイ 28:19,20)弟子を作るとは,宣べ伝えるだけのことではありません。教えることが求められます。これを効果的に行なってゆくのに家族研究はどのように助けになるでしょうか。
18 だれを再訪問するとよいか,家族で話し合ってください。それは,文書を受け取った人かもしれず,話を聴いてくれただけの人かもしれません。また,家から家の業で出会った人や,市場や学校で非公式の証言ができた人の場合もあるでしょう。神の言葉を導きとしてください。(詩編 25:9。エゼキエル 9:4)一人一人は,その週にだれを訪問したいかを決めます。何について話せるでしょうか。家族での話し合いは,一人一人にとって準備の助けになります。関心を示した人に紹介できる特定の聖句や,「神はわたしたちに何を求めていますか」のブロシュアー,または「永遠の命に導く知識」の本の適切な論点を心に留めましょう。1回の訪問であまりにも多くの点を扱おうとはしないでください。家の人に対し,次回の訪問のときに答える予定の問いを一つ述べておくようにしてください。銘々がだれを再訪問するつもりか,いつそうするか,何を成し遂げたいかなどについて計画することを家族の毎週の習慣としてはいかがでしょうか。そうすれば,家族全員の野外宣教は,いっそう実り豊かなものとなるでしょう。
エホバの道を教えてゆく
19 家族の成員がエホバの道を歩みつづけるには,どんな体験がぜひとも必要ですか。その面で助けとなるのは何ですか。
19 この邪悪な世で家族の頭を務めるのは容易なことではありません。サタンと悪霊たちは,エホバの僕たちの霊性を破壊しようと躍起になっています。(ペテロ第一 5:8)しかも今日,親の皆さん,特にひとり親の皆さんには,相当の重圧がかかっています。したいと思う事柄すべてを行なうための時間は,なかなか見いだせません。しかし,努力するだけの価値はあります。たとえ一度に一つの提案しか適用できず,家族研究の質が少しずつしか向上しない場合でもそうです。自分のいちばん身近な者たちがエホバの道を忠節に歩むのを見るのは,心温まる報いです。家族内のだれにしても,エホバの道をしっかりと歩んでゆくには,会衆の集会に出席することや,野外宣教に携わることに喜びを見いだす必要があります。そうなるためには,準備をしなければなりません。心を養い育て,一人一人を有意義な仕方で参加できるよう整えるための準備をしなければならないのです。
20 より多くの親がヨハネ第三 4節に述べられているような喜びを経験するのに,何が助けになりますか。
20 使徒ヨハネは,自分が霊的に援助した人々について,「わたしの子供たちが真理のうちを歩みつづけていると聞くこと,わたしにとってこれほど感謝すべきことはありません」と書きました。(ヨハネ第三 4)家族研究が明確な目標を念頭に置いて司会され,家族の頭が親切な,助けになろうとする態度で家族一人一人の必要にこたえるなら,家族がそのような喜びにあずかることに大いに寄与します。親は,神の命の道に対する感謝と認識をはぐくむことにより,家族がまさに最善の生き方を楽しむように助けているのです。―詩編 19:7-11。
説明できますか
□ 子供たちにとって集会の準備が非常に重要なのはなぜですか
□ 親は,子供が「心を得る」ようどのように助けることができますか
□ すべての集会のための準備をするのに,家族研究はどのように助けになりますか
□ 家族で野外奉仕のための準備をすることは,より効果的に奉仕するうえでどのように助けになりますか
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