研究記事 5
18番の歌 神の忠節な愛
エホバの愛は私たちを幸せにする
「キリスト・イエスは罪人を救うために世に来た」。テモテ第一 1:15
ポイント
贖いは私たちの幸せにどう関係しているでしょうか。私たちはどのようにエホバに感謝を表せますか。
1. エホバは私たちがどうする時,うれしく思いますか。
あなたが大切に思っている人に,おしゃれで実用的なものをプレゼントしたとします。その人がプレゼントを引き出しに入れたまま,全く使ってくれないとしたら,がっかりすることでしょう。逆に,そのプレゼントをとても気に入って,いつも使っていると言ってくれたら,うれしく思います。エホバも同じです。エホバは愛の気持ちから,私たちに独り子を与えてくださいました。私たちが,エホバの愛や贖いという貴重な贈り物に感謝を表す時,エホバはうれしく思うに違いありません。(ヨハ 3:16。ロマ 5:7,8)
2. この記事ではどんなことを考えますか。
2 でも,もし私たちが贖いという贈り物に感謝しなくなってしまうとしたら,それは神からの貴重な贈り物を引き出しの中にしまったまま,忘れてしまうようなものです。そうならないために,私たちは神とキリストがしてくれたことを頻繁に思い起こし,感謝の気持ちを深める必要があります。この記事はそうするのに役立ちます。贖いが,私たちの今と将来の幸せにどう関係しているかを考えます。また,特にこの記念式の時期,どのようにエホバに感謝を表せるかも考えます。
今の幸せにどう関係しているか
3. 贖いのおかげで,今も幸せでいられる理由の1つは何ですか。
3 私たちはキリストの贖いの犠牲のおかげで,今も幸せでいられます。1つの理由は,贖いに基づいて,エホバが私たちの罪を許してくださることです。エホバは義務感からではなく,心から許してくださいます。詩編作者は感謝してこう歌いました。「エホバ,あなたは善い方で,快く許してくださいます」。(詩 86:5; 103:3,10-13)
4. エホバはどんな人のために贖いを与えましたか。(ルカ 5:32。テモテ第一 1:15)
4 自分はエホバに許してもらえるような者ではないと感じる人がいるかもしれません。実際のところ,エホバの許しに値する人はいません。使徒パウロは,自分が「使徒と呼ばれるに値し[ない]」ということを理解していました。それでも,「今の私があるのは,神の惜しみない親切のおかげです」と言っています。(コリ一 15:9,10)私たちが罪を悔い改める時,エホバは私たちを許してくださいます。それは,私たちが許しに値するからではなく,エホバが私たちを愛してくれているからです。自分には価値がないという気持ちに悩まされるときには,エホバは贖いを完全な人のためにではなく,罪を犯しても悔い改める人のために与えてくれたということを思い出しましょう。(ルカ 5:32,テモテ第一 1:15を読む。)
5. 自分はエホバの憐れみを受ける資格があると言える人はいません。なぜですか。
5 長年エホバに仕えているからといって,自分にはエホバの憐れみを受ける資格があると考えるのは正しくありません。もちろん,エホバは私たちがこれまで忠実に歩んできたことを大切に思ってくれています。(ヘブ 6:10)エホバは贖いを私たちが行った奉仕への報酬としてではなく,無償の贈り物として与えてくれました。自分はエホバのためにたくさんのことをしてきたので,エホバに許してもらえると考えるのは間違っています。それはつまり,自分には贖いは必要ないと言っているようなものです。(ガラテア 2:21と比較。)
6. パウロがエホバへの奉仕に打ち込んだのはなぜですか。
6 パウロは,自分の努力次第で神の許しを得られるとは思っていませんでした。では,なぜパウロはエホバへの奉仕に打ち込んだのでしょうか。それは,エホバの惜しみない親切に感謝していたからです。(エフェ 3:7)私たちも自分の努力でエホバに許してもらえるとは考えません。パウロのようにエホバの惜しみない親切に感謝しているので,熱心に奉仕します。
7. 贖いのおかげで今も幸せでいられる別の理由は何ですか。(ローマ 5:1。ヤコブ 2:23)
7 贖いのおかげで今も幸せでいられるもう1つの理由は,エホバとの強い絆を持てることです。a 前の記事で考えた通り,私たちは生まれた時から神との絆を持っているわけではありません。でも,贖いのおかげで私たちは「神との平和」な関係を楽しみ,神と親しくなることができます。(ローマ 5:1,ヤコブ 2:23を読む。)
8. 祈りでエホバに近づけることに感謝できるのはどうしてですか。
8 エホバとの強い絆があるからこそできることの1つは,祈りでエホバに近づくことです。エホバは集会などで捧げられる祈りだけでなく,自分一人でする祈りも聞いてくださいます。祈るなら心が穏やかになります。でも,それだけではありません。神との友情が深まります。(詩 65:2。ヤコ 4:8。ヨハ一 5:14)イエスは地上にいた時,よく祈りました。エホバが聞いてくれていて,祈りによってエホバとの強い絆を保つことができるということを知っていたからです。(ルカ 5:16)贖いの犠牲のおかげで,エホバの友になり,エホバに祈りで話し掛けられるということを考えると,感謝の気持ちでいっぱいになります。
将来の幸せにどう関係するか
9. 贖いは忠実に仕える人たちの将来の幸せにどう関係しますか。
9 贖いは,エホバに忠実に仕える人たちの将来の幸せにどう関係しますか。贖いのおかげで永遠に生きられるようになります。人が年老いて死ぬのは自然なことだと考えられてきたので,多くの人はそんなことあり得ないと思っています。でも,エホバは最初,人間が永遠に生きることを意図していました。もしアダムが罪を犯さなければ永遠に生きるのは普通のことで,夢みたいな話だと思う人は誰もいなかったはずです。今は永遠の命などあり得ないと思えるとしても,永遠に生きることは可能です。最初に考えていたことを実現するために,エホバが愛する独り子という最も貴重な犠牲を払ってくださったからです。(ロマ 8:32)
10. 天に行くよう選ばれた人たちやほかの羊はどんなことを楽しみにしていますか。
10 永遠に生きられるようになるのは将来のことですが,エホバは私たちに今そのことをよく考えてほしいと思っています。天に行くよう選ばれた人たちは,天での有意義な生活を楽しみにしています。キリストと共に地球を統治するのです。(啓 20:6)ほかの羊は楽園になった地球での生活を心待ちにしています。そこでは苦痛を感じることも,悲しみを味わうこともありません。(啓 21:3,4)あなたは地球で永遠に生きる希望を持つほかの羊の1人ですか。その希望は天での希望と同じくらい素晴らしいものです。私たちは地球で永遠に生きられるようになる時,最高の幸せを味わいます。エホバは人をそのように造られたからです。
11-12. 楽園で楽しみにしているのはどんなことですか。(挿絵も参照。)
11 楽園になった地球での生活をイメージしてみましょう。病気になることも死ぬこともなくなります。(イザ 25:8; 33:24)エホバは私たちのどんな願いも,ふさわしいものであれば全てかなえてくださいます。あなたはどんなことを深く学びたいですか。物理や化学,音楽や美術ですか。楽園では,建物を設計したり建てたりする人や作物を育てたりする人も必要です。食べ物を準備したり,道具を作ったり,庭をきれいに手入れしたりする人も必要でしょう。(イザ 35:1; 65:21)永遠に生きられるので,どんなスキルでも,身に付けるための時間はたっぷりあります。
12 復活した人たちと再会する時,大きな喜びに包まれることでしょう。(使徒 24:15)また,たくさんの創造物を調べ,エホバのことがもっと分かるようになって喜んでいるところを想像してみてください。(詩 104:24。イザ 11:9)何よりも,罪の影響が全くない状態でエホバを崇拝できるのは本当にうれしいことです。エホバに罪の許しを求めることはもうありません。こうした将来の祝福を「罪のつかの間の快楽」のために手放したいと思うでしょうか。(ヘブ 11:25)今どんな犠牲を払うことになるとしても,決して手放したくはないと思うはずです。楽園になった地球で生きるという希望は必ず実現します。こうしたこと全てが可能になったのは,エホバがご自分の独り子を与えるほどに私たちを愛してくださったからです。
楽園で一番楽しみにしていることは何ですか。(11-12節を参照。)
エホバの愛にどのように感謝を表せるか
13. 私たちはエホバの愛に感謝していることをどのように表せますか。(コリント第二 6:1)
13 私たちは,贖いを与えてくださったエホバにどのように感謝を表せますか。エホバに仕えることを生活の中で第一にすることによって表せます。(マタ 6:33)イエスは全ての人のために死んだので,「生きている人たちはもはや自分のために生きるのではなく,自分のために死んで生き返らされた方のために生きるべきです」。(コリ二 5:15)私たちは,エホバの惜しみない親切を無駄にするようなことは決してしたくありません。(コリント第二 6:1を読む。)
14. どうすれば信仰を持ってエホバの指示に従うことができますか。
14 信仰を持ってエホバの指示に従うことによっても感謝を表せます。例えば,どれほどの教育を受けるかやどんな仕事に就くかなどを決めるとき,エホバが私たちに望んでいることをよく考える必要があります。(コリ一 10:31。コリ二 5:7)信仰を持って行動するなら,エホバへの信頼やエホバとの友情がもっと強くなります。希望もより確かなものになります。(ロマ 5:3-5。ヤコ 2:21,22)
15. 記念式の時期にどのように感謝を表せますか。
15 エホバの愛に感謝していることを表す方法はほかにもあります。それは,贖いにどれほど感謝しているかを記念式の時期に表すことです。自分が記念式に出席するだけでなく,他の人も招待することができます。(テモ一 2:4)招待する人に,記念式でどんなことが行われるかを説明しましょう。jw.orgにある「イエスは何のために死にましたか」や「イエスの死を思い起こしましょう」という動画を見せることもできます。長老の皆さん,集会や奉仕を休んでいる兄弟姉妹を忘れずに招待してください。迷い出たエホバの羊が戻ってくる時,天でも地でも喜びがあるのです。(ルカ 15:4-7)記念式では,兄弟姉妹とだけでなく,初めて来た人や久しぶりに来た人にもあいさつし,歓迎していることが伝わるようにしましょう。(ロマ 12:13)
16. 記念式の時期に,いつも以上に奉仕できるかを考えるとよいのはなぜですか。
16 記念式の時期に,クリスチャンの活動をいつも以上に行えますか。そうするなら,神とキリストが私たちのためにしてくれたことへの感謝を表せます。エホバへの奉仕をすればするほど,エホバの支えをもっと感じ,エホバへの信頼が強まります。(コリ一 3:9)「聖書を毎日調べる」に載せられている記念式の時期に読む聖句を読みましょう。集会ワークブックにある予定表も活用できます。そうした聖句を個人研究のプロジェクトとして調べることもできます。
17. エホバは何を見て喜んでくれますか。(「エホバの愛に感謝を表すには」の囲みも参照。)
17 状況によっては,この記事で提案されていること全ては行えないかもしれません。でも,エホバはあなたがどれほどのことをしたかをほかの人と比べることはしません。エホバはあなたの心を見ています。エホバは,あなたが贖いという貴重な贈り物に心から感謝するのを見て,喜んでくださいます。(サム一 16:7。マル 12:41-44)
18. エホバ神とイエス・キリストに感謝したいと思うのはなぜですか。
18 贖いのおかげで,私たちは罪を許され,エホバと友になることができ,永遠の命の希望を持つことができます。エホバは私たちを愛しているので,こうした祝福を与えてくださっています。それで,エホバの愛に感謝していることをいつも表しましょう。(ヨハ一 4:19)そして,イエスにも感謝を表しましょう。イエスは私たちを愛し,私たちのために命を犠牲にしてくれたからです。(ヨハ 15:13)
154番の歌 愛は決して絶えない