エホバの名前は私たちにとってどれほど大切か

1-2. イエスがエホバの名前をとても大切にしている，といえるのはどうしてですか。

イエスにとってエホバの名前よりも大切なものはありません。また，イエスほどエホバの名前を思って行動する方はいません。前の記事で考えたように，エホバの名前を愛し，エホバの名誉を守るために喜んで命を犠牲にしました。（マル 14:36。ヘブ 10:7-9）さらに，1000年の統治の終わりには，エホバの名前が神聖なものとされるために王権をエホバに返します。（コリ一 15:26-28）イエスがこれほどまでにエホバの名前を大切に思っていることから，エホバへの強い愛が伝わってきます。

² イエスは，父エホバの名によって地球に来ました。（ヨハ 5:43; 12:13）エホバの名前を弟子たちに知らせました。（ヨハ 17:6，26）エホバの名によって教え，奇跡を起こすこともしました。（ヨハ 10:25）また，イエスはエホバに「お名前のために」弟子たちを見守ってください，とお願いしました。（ヨハ 17:11）イエスがここまでエホバの名前を大切にしているのであれば，イエスの弟子だと言う人も当然神の名前を知っていてそれを使うはずです。

3. この記事ではどんなことを考えますか。

³ 私たちはクリスチャンとしてイエスに従いたいと思うので，エホバの名前を愛し，大切にします。（ペテ一 2:21）この記事では，「王国の良い知らせ」を伝えている人たちがどうしてエホバの証人と呼ばれるかを考えます。（マタ 24:14）また，エホバの名前が私たち一人一人にとってどれほど大切かも取り上げます。

「ご自分の名のための民」

4. （ア）イエスは天に戻る前，弟子たちにどんなことを指示しましたか。（イ）イエスが言ったことからどんな疑問が湧きますか。

⁴ イエスは天に戻る前，弟子たちにこう言いました。「聖なる力があなたたちに働く時，あなたたちは力を受け，エルサレムで，ユダヤとサマリアの全土で，また地上の最も遠い所にまで，私の証人となります」。（使徒 1:8）良い知らせはイスラエル以外の所にも広く伝えられることになっていました。そして，全ての国の人々にイエスの弟子になる機会が与えられます。（マタ 28:19，20）イエスが「あなたたちは……私の証人となります」と言ったことに注目してください。弟子になる人たちはイエスの証人になるだけでよいということでしょうか。エホバの名前は知らなくてよいのでしょうか。使徒 15章に書かれていることを読むと，答えが分かります。

5. クリスチャンにとって神の名前はとても大切なものです。どんなことからそれが分かりますか。（挿絵も参照。）

⁵ 西暦49年，エルサレムにいた使徒と長老たちは，大切なことを話し合うために集まります。割礼を受けていない異国人はクリスチャンになるために何をする必要があるか，ということです。話し合いの終盤でイエスの弟ヤコブが次のように言います。「[ペテロ]は，神が初めて異国の人々に注意を向けて，その中からご自分の名のための民を取り出した次第を十分に話してくれました」。誰の名のことを言っていたのでしょうか。ヤコブはアモスの預言を引用して，こう続けます。「残っている人たちが，全ての国の人々，私の名で呼ばれる人々と共に，心からエホバに仕えるためである。私エホバがそう言っている」。（使徒 15:14-18）クリスチャンになる人たちは，エホバについて学ぶだけでなく，「[エホバ]の名で呼ばれる」ことになっていました。つまり，エホバの名前を背負い，エホバの名で知られるということです。

6-7. （ア）イエスは何のために地球に来ましたか。（イ）イエスが地球に来たことには，ほかにもどんな理由がありましたか。

⁶ イエスの名前には「エホバは救い」という意味があります。エホバはイエスを通して，信仰を持つ人たち全てが救われるようにします。イエスが地球に来たのは，人類に命を与えるためでした。（マタ 20:28）イエスの贖いによって人間が救われ，永遠に生きるための道が開かれました。（ヨハ 3:16）

⁷ でも，そもそも人類が救われる必要があったのはなぜですか。それはエデンの園で起きたことと関係があります。前の記事で学んだように，アダムとエバはエホバに反逆したため，永遠に生きることができなくなりました。（創 3:6，24）それで，人間には救いが必要になりました。でもこの時，もっと重要な問題が持ち上がっていました。エホバの名誉がひどく傷つけられたので，エホバの名前つまり評判が回復されなければいけなくなりました。（創 3:4，5）そしてこれは，人間が救われるかどうかよりももっと大切なことです。とはいえ，人間の救いとエホバの名前が神聖なものとされることには深い関係があります。イエスはエホバの名前を背負って地球に来て，エホバの望むことを全てその通りに行いました。そのようにして，ほかの誰にもできないような仕方でエホバの名前を神聖なものとしました。

8. イエスに信仰を持つ人は，どんなことをしなければいけませんか。

⁸ イエスに信仰を持つ人は，ユダヤ人も異国の人たちも，自分たちを救えるのはエホバだということを認める必要がありました。（ヨハ 17:3）また，イエスと同じように，エホバの名前で知られることになります。エホバの名前を神聖なものにすることがどれほど大切かも理解しなければいけませんでした。人間が救われるためには，そのことがどうしても必要だからです。（使徒 2:21，22）それで，イエスに従いたいと思う人は，エホバについても学ぶことが大切です。ヨハネ 17章に記録されている祈りの中で，イエスはこう言っています。「私はあなたのお名前を彼らに知らせました。これからも知らせます。あなたが私を愛してくださったように彼らが愛を示し，私が彼らと結び付いているためです」。（ヨハ 17:26）

「あなたたちは私の証人である」

9. エホバの名前を大切に思っている人はどうしますか。

⁹ イエスの弟子として，私たちもエホバの名前が神聖なものとされることを強く願う気持ちを持ちたいと思います。（マタ 6:9，10）でもそれだけでなく，エホバの名前を何よりも大切に思っていることを行動で示さなければいけません。では，エホバの名前を神聖なものとし，サタンが傷つけてきたエホバの評判を回復させるために何ができますか。

10. イザヤ 42章から44章にはどんな法廷の場面が描かれていますか。（イザヤ 43:9; 44:7-9）（写真と挿絵も参照。）

¹⁰ イザヤ 42章から44章を読むと，エホバの名前を神聖なものとするために私たちに何ができるかが分かります。その部分では，誰が本当の神なのかが争点になっている法廷の場面が描かれています。エホバは，偽の神々が自分たちの正しさを証明することなどできないだろう，と言っています。さらに，できるものなら証人を連れてきて，自分たちが本当の神であることを証言させなさい，とも言います。でも偽の神の証人になれる人は誰もいません。（イザヤ 43:9; 44:7-9を読む。）

11. イザヤ 43章10-12節で，エホバは自分に仕える人たちにどんなことを言いましたか。

¹¹ イザヤ 43:10-12を読む。エホバは自分に仕える人たちにこう言っています。「あなたたちは私の証人であり，私は神である」。さらにエホバは私たちにこのような質問を投げ掛けています。「私のほかに神がいるだろうか」。（イザ 44:8）私たち一人一人はこの質問に答えを出すことができます。言葉と行動によって，エホバ以外に本当の神はいないということを証明できます。とても光栄なことです。エホバの名前は宇宙で一番大切にされるべき名前です。私たちはサタンからどんなプレッシャーをかけられても，エホバから決して離れず，エホバを心から愛し続けます。そういう生き方をすれば，私たちもエホバの名前を神聖なものとすることができます。

12. イザヤ 40章3，5節はどのように実現しましたか。

¹² エホバの名前つまり評判を守るなら，イエス･キリストに倣っていることになります。イザヤは「エホバの道を整え[る]」人が現れることを予告していました。（イザ 40:3）このことは，バプテスマを施す人ヨハネがイエスのために道を整えることによって実現しました。イエスはエホバの名によって来て，エホバの名によって語りました。（マタ 3:3。マル 1:2-4。ルカ 3:3-6）イザヤはエホバの道を整えることに触れた後，「エホバの栄光が明らかにされ[る]」ことも予告しました。（イザ 40:5）これはどういう意味でしょうか。イエスは地球にいた時，まるでエホバがそこにいるかのようにエホバに完璧に倣いました。そのようにしてエホバの栄光を明らかにしたのです。（ヨハ 12:45）

13. 私たちはどのようにイエスに倣えますか。

¹³ 私たちもイエスと同じくエホバの証人です。エホバの名前を背負い，エホバがどれほど素晴らしいことをしているかをみんなに知らせます。でも，証人としてほかにもしなければいけないことがあります。エホバの名前を神聖なものとするために，イエスがどんなことをしているのかも人に知らせなければいけません。（使徒 1:8）イエスはエホバの最高の証人なので，私たちはイエスの手本に倣います。（啓 1:5）では，エホバの名前は私たちそれぞれにとってどれほど大切なものでしょうか。

エホバの名前は私たちにとってどれほど大切か

14. 私たちは詩編 105編3節にあるように，エホバの名前についてどう感じていますか。

¹⁴ 私たちはエホバの名前を誇りに思っている。（詩編 105:3を読む。）私たちがエホバの名前を誇りに思う時，エホバはとても喜んでくれます。（エレ 9:23，24。コリ一 1:31。コリ二 10:17）エホバの名をたたえ，エホバの評判を高めるのは光栄なことです。自分がエホバの証人であることを，同僚，学校の友達，近所の人たちに知らせることを恥ずかしく思ったりはしません。悪魔は私たちがエホバの名前を知らせることをやめさせようとします。（エレ 11:21。啓 12:17）サタンとサタンのようにうそを広める人たちは，エホバの名前を忘れさせようとします。（エレ 23:26，27）でも，私たちはエホバの名前を愛しているので，忘れるどころか，その名前のことで「一日中喜[び]」ます。（詩 5:11; 89:16）

15. エホバの名前を呼ぶとはどういう意味ですか。

¹⁵ 私たちはエホバの名前を呼ぶ。（ヨエ 2:32。ロマ 10:13，14）エホバの名を呼ぶとは，エホバの名前を知ってその名前を使うということだけではありません。エホバがどんな神かを知り，信頼することでもあります。そしていつもエホバに導いてもらおうとします。（詩 20:7; 99:6; 116:4; 145:18）また，エホバの名前や魅力的な性格について周りの人に知らせます。さらに，生き方を改めてエホバに喜ばれることをするよう勧めます。（イザ 12:4。使徒 2:21，38）

16. サタンがうそつきだと証明するために何ができますか。

¹⁶ 私たちはエホバの名前のために喜んで苦しみに耐える。（ヤコ 5:10，11）苦しい目に遭ってもエホバから離れないなら，サタンがうそつきだと証明することができます。ヨブの時代，サタンはエホバに仕えている人たちについて，次のように言いました。「人は自分の命を守るために，自分が持つもの全てを差し出します」。（ヨブ 2:4）人がエホバに仕えるのは物事が順調にいっている時だけで，大変な目に遭ったらエホバを裏切る，と主張していました。ヨブはサタンの言い分が真っ赤なうそだということを見事に証明しました。私たちもそうできます。サタンにどんなことをされてもエホバに背を向けず，心から仕え続けることによってです。そうやってエホバの名前のために喜んで苦しみに耐える私たちを，エホバはいつも見守り，支えてくれます。（ヨハ 17:11）

17. ペテロ第一 2章12節にあるように，エホバの名前をたたえるためにどんなこともできますか。

¹⁷ 私たちはエホバの名前に恥じない生き方をする。（格 30:9。エレ 7:8-11）私たちはエホバの名前を背負っているので，エホバの評判を高めることも低めることもできます。（ペテロ第一 2:12を読む。）私たちは何を言う時も何をする時も，いつもエホバの評判を高めたいと思います。時には失敗してしまうこともありますが，ベストを尽くせばエホバの名前をたたえることに貢献できます。

18. エホバの名前を大切にする人はどんな考え方をしますか。（脚注も参照。）

¹⁸ 私たちは自分がどう思われるかよりも，エホバの名前がどう思われるかを気に掛ける。（詩 138:2）このことはとても大切です。エホバの名前を愛していると，ほかの人から悪く言われることがあるからです。a イエスは周りから犯罪者と見られ，屈辱的な死に方をしました。それでも，エホバの名誉を守るために「恥を物ともせず」，その死に方を受け入れました。周りからどう思われるかを気にし過ぎることはありませんでした。（ヘブ 12:2-4）エホバが望んでいることをやり遂げることにひたすら集中していたからです。（マタ 26:39）

19. あなたはエホバの名前をどう思っていますか。

¹⁹ 私たちはエホバの名前を誇りに思っていて，エホバの証人と呼ばれることをうれしく感じています。エホバの名前を何よりも大切にしているので，周りからばかにされるとしてもエホバをたたえ続けます。自分がどう思われるかは大切ではありません。エホバの名前や名誉が回復されることの方がもっと大切です。サタンが何をしてくるとしても，これからもエホバの名誉を守るために行動しましょう。私たちはイエス･キリストと同じようにエホバの名前を心から大切にし，愛しているからです。