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ヨブ

ヨブ記

1 ウツの地+にヨブ*+という名の人*がいた。その人はとがめがなく+,廉直で+,神を恐れ+,悪から離れていた+。2 そして,彼には七人の息子と三人の娘が生まれた+。3 それに,その畜類+は羊*七千頭,らくだ三千頭,牛五百対,雌ろば五百頭で,それと共に非常に大勢の僕の一団を持っていた。それで,この人はすべての東洋人*+のうちで最も大いなる者であった。

4 そして,その息子たちは行って,自分の日に各々*の家で宴会を催し+,人をやって,その三人の姉妹をも招いて一緒に食べたり飲んだりした。5 そして,宴会の日が一回り巡ると,ヨブは人をやって彼らを神聖なものとするのであった+。彼は朝早く起きて,彼らすべての数にしたがって焼燔の犠牲+をささげた。これは,ヨブが,「もしかすると,わたしの息子たちは罪をおかし,その心の中で+神をのろった*+かもしれない」と言ったからである。ヨブはいつもこのようにするのであった+。

6 さて,[まことの]神*の子ら*+が入って来てエホバの前に立つ+日となった。サタン*+も彼らのただ中に入った+。

7 そこで,エホバはサタンに言われた,「あなたはどこから来たのか」。するとサタンはエホバに答えて言った,「地を行き巡り+,そこを歩き回ってきました+」。8 すると,エホバはまたサタンに言われた,「あなたはわたしの僕ヨブに心を留めたか。地上には彼のような人,とがめがなく+,廉直で+,神を恐れ+,悪から離れている+人はひとりもいないのだが+」。9 するとサタンはエホバに答えて言った,「ヨブはただいたずらに神を恐れたのでしょうか+。10 あなたが,彼とその家と彼の持っているすべてのものとの周りにくまなく垣を巡らされたではありませんか+。彼の手の業をあなたは祝福されたので+,その畜類は地にふえ広がりました。11 しかし逆に,どうか,あなたの手を出して,彼の持っているすべてのものに触れて,果たして彼が,それもあなたの顔に向かってあなたをのろわない*かどうかを[見てください+]」。12 それゆえエホバはサタンに言われた,「見よ,彼の持っているものはみな,あなたの手中にある。ただ彼の身に対しては,あなたの手を出してはならない!」 そこで,サタンはエホバのみ前*から出て行った+。

13 さて,彼の息子と娘たちが長子である彼らの兄弟の家で食べたり,ぶどう酒を飲んだりしていた日のことであった+。14 そして,使者+がヨブのところに来て,言った,「牛がすき返し+,雌ろばはその傍らで草を食べていましたが,15 そのとき,シバ人*+が襲ってきて,これを奪い,従者たちを剣の刃に掛けて討ち倒しました。それで,私が,ただ私ひとりが,どうにか逃げましたので,あなたにお知らせ致します+」。

16 この人がなお話しているうちに,他の人が来て,言った,「神の火が天から下り+,羊と従者たちの中で燃え盛り,これを食らい尽くしました。それで,私が,ただ私ひとりが,どうにか逃げましたので,あなたにお知らせ致します」。

17 その人がなお話しているうちに,ほかの人が来て,言った,「カルデア人+が三つの分団になり,らくだに突進して,これを奪い,また従者たちを剣の刃に掛けて討ち倒しました。それで,私が,ただ私ひとりが,どうにか逃げましたので,あなたにお知らせ致します」。

18 このほかの人がなお話しているうちに,さらにほかの人が来て,言った,「あなたのご子息や娘さんたちは,長子であるそのご兄弟の家で食べたり,ぶどう酒+を飲んだりしておられました。19 すると,どうでしょう,荒野の地方から大風*+が吹いて来て,家の四隅を打ったため,それが若い人たちの上に倒れて,皆さまは死なれました。そして,私が,ただ私ひとりが,どうにか逃げましたので,あなたにお知らせ致します」。

20 そこでヨブは起きて,そのそでなしの上着を引き裂き+,その頭の髪を刈り取り+,地に伏し+,身をかがめて+,21 こう言った。

「わたしは裸で母の腹を出た+。

わたしは裸でそこに帰ろう+。

エホバが与え+,エホバが取り去られたのだ+。

エホバのみ名が引き続きほめたたえられるように+」。

22 このすべてのことにおいてヨブは罪をおかさず,また神に不当なことを帰さなかった+。

2 その後,[まことの]神の子ら*が入って来てエホバの前に立つ日となり,サタン*もまた彼らのただ中に入ってエホバの前に立った+。

2 そこでエホバはサタンに言った,「一体,あなたはどこから来たのか」。すると,サタンはエホバに答えて言った,「地を行き巡り,そこを歩き回ってきました+」。3 するとエホバはさらにサタンに言われた,「あなたはわたしの僕ヨブに心を留めたか+。地上には彼のような者,とがめがなく,廉直で+,神を恐れ+,悪から離れている+人はひとりもいないのだが。その上なおも彼は自分の忠誠を堅く保っている+。あなたはわたしを駆り立てて+彼に向かわせ,理由もなく彼を呑み尽くさせようとするのだが+」。4 しかしサタン+はエホバに答えて言った,「皮のためには皮をもってしますので,人は自分の魂*のためなら,持っているすべてのものを与えます+。5 逆に,どうか,あなたの手を出して,彼の骨と肉にまで触れて,果たして彼が,それもあなたの顔に向かってあなたをのろわない*かどうか[を見てください+]」。

6 それゆえ,エホバはサタンに言われた,「さあ,彼はあなたの手中にある! ただし彼の魂*には用心せよ!」7 そこでサタンはエホバのみ前*から出て行き+,ヨブの足の裏から頭のてっぺんまで悪性のはれ物+で彼を打った。8 それで彼は自分のために土器のかけらを取り,それで身をかいた。そして彼は灰の中に座っていた+。

9 ついに,その妻は彼に言った,「あなたはなおも自分の忠誠を堅く保っているのですか+。神をのろって*死になさい!」10 しかし,彼は彼女に言った,「無分別な+女の一人が話すように,あなたも話す。わたしたちは[まことの]神から良いことだけを受けて,悪いことは受けないのだろうか+」。このすべてのことにおいてヨブはその唇をもって罪をおかさなかった+。

11 ときに,ヨブの三人の友は彼に臨んだこのすべての災いについて聞き,それぞれ自分の所からやって来た。すなわち,テマン人+エリパズ,シュアハ人+ビルダド,ナアマ人+ツォファルである。それで,彼らは申し合わせて+一緒に会い,やって来て,彼に同情し,これを慰めようとした+。12 彼らは遠くから目を上げたが,彼だということが分からなかった。そこで彼らは声を上げて泣き,それぞれ自分のそでなしの上着を引き裂き+,塵を天に向かって自分の頭の上にほうり上げた+。13 こうして,彼らは七日七夜,彼と共に地に座っていたが+,一言も彼に話しかける者がなかった。その苦痛+が大変ひどいのを見たからである。

3 ヨブが口を開いて自分の日に災いを呼び求めたのは+,その後のことであった。2 さてヨブは答えて言った,

 3 「わたしの生まれた日は滅びうせるように+。

また,『強健な者*が宿された!』と,だれかの言ったその夜も。

 4 その日は,闇となるように。

神*も上からそれを顧みられないように。

また,昼の光もその上を照らさないように。

 5 闇と深い陰*がこれを取り戻すように。

雨雲がその上にとどまるように。

日を暗くするものがこれを怖れさせるように+。

 6 その夜は ― 暗闇がこれを捕らえるように+。

それは年の日の中で喜ぶことがないように。

太陰月の数のうちにも入らないように。

 7 見よ,その夜は ― 不妊となるように。

喜びの叫び声はその中に起こらないように+。

 8 日をのろう者*がこれをのろい憎み,

レビヤタン*+を目覚めさせ得る者が[これをのろい憎む]ように。

 9 そのたそがれの星は暗くなるように。

それが光を待っても,[光は]ないように。

また,暁のひらめきも見ることがないように。

10 それはわたしの[母の]腹の戸を閉じず+,

またわたしの目から悩みを隠さ[なかった]からだ。

11 なぜわたしは胎から出て死ななかったのか+。

[なぜ]わたしは腹から出て来たとき,息絶え[なかったのか]。

12 どうして,ひざがわたしと向かい合ったのか。

また,どうしてわたしの吸う乳房+[があったのか]。

13 今ごろは,わたしは横たわって,乱されないでいたであろうに+。

そうすれば,わたしは眠っていたであろうに。わたしは休み+,

14 地の王たちや顧問官たち+,

自分たちのために荒れ果てた所を*築いた者たちと共に+,

15 あるいは,黄金を持つ君たち,

自分の家を銀で満たした者たちと共に[なったであろうに]。

16 あるいは,隠された流産+のように,わたしはいないであろうに。

光を見なかった子供たちのように+。

17 かしこでは,邪悪な者も動揺をやめ+,

かしこでは,力の点で疲れ果てた者たちが休んでいる+。

18 共々に,捕らわれ人もくつろいでいる。

彼らは実際,自分たちを仕事に追いやる者の声も聞かない+。

19 小なる者も大なる者もかしこでは同じで+,

奴隷はその主人から*自由にされている。

20 なぜ,悩みを持つ者に光を賜わり,

魂の苦しむ者に命を[賜わるのか+]。

21 なぜ,死を待つ者たちがいるのに,それはないのか+。

彼らは隠された宝にも勝ってこれを掘り求めているというのに。

22 大はしゃぎをして*歓んでいる者たち,

彼らは埋葬所を見いだすので歓喜する。

23 その道が隠された+,強健な者に*,

神*が垣で閉じ込める者に+,[なぜ光を賜わるのか]。

24 わたしの食物に先立ってわたしの溜め息が来て+,

水のようにわたしのうなり声は注ぎ出るからだ+。

25 怖ろしいものをわたしは怖れたが,それがわたしに臨み,

わたしのおびえたものがわたしに及ぶからだ+。

26 わたしは安らいでおらず,また穏やかでもない。

また,休んでもいないのに,それでも動揺が来る」。

4 そこで,テマン人エリパズ+が返答して言った,

 2 「もし,人があなたにあえて言葉*を述べようものなら,あなたはもどかしくなろうか。

しかし,言葉を慎むことはだれができよう。

 3 見よ,あなたは多くの者を正した+。

また,弱い手を強めるのが常だった+。

 4 だれでもつまずく者をあなたの言葉*は起こし+,

また,利かなくなったひざをあなたは強くしてきた+。

 5 ところが,この度はそれが自分に臨むと,あなたはもどかしくなり,

それがあなたに触れると,あなたはかき乱される。

 6 あなたの畏敬の念はあなたの確信[のよりどころ]ではないか。

あなたの望みは,あなたの道の忠誠さ+ではないか。

 7 どうか,思い起こしてもらいたい。だれか罪がないのに滅びうせた者があるか。

また,どこに廉直な+人でぬぐい去られた者があるか。

 8 わたしの見てきたところでは,有害なことをたくらむ者,

また厄介なことをまく者は自らそれを刈り取ることになる+。

 9 神の息によって彼らは滅びうせ,

その怒りの霊によって彼らは終わる。

10 ライオン*のほえる声,若いライオンの声があるが,

たてがみのある若いライオンの歯は確かに折られる。

11 ライオンは獲物がないので滅びうせてゆき,

ライオン*の子らは散り散りにされる。

12 さて,わたしに,ひとつの言葉がひそかにもたらされ,

わたしの耳はそのささやきを捕らえた+。

13 夜の幻による不安な考えのうちに,

深い眠りが人々を襲うとき。

14 怖れがわたしを襲い,おののきも[襲った]。

おびただしいわたしの骨を,それは怖れで満たした。

15 ときに,ひとつの霊が,わたしの顔の上を通り過ぎて行った。

わたしの身の毛はよだちはじめた。

16 それは立ち止まりかけたが,

わたしはその姿を見分けられなかった。

ひとつの形がわたしの目の前にあった。

静けさがあり,そのときわたしはひとつの声を聞いた,

17 『死すべき人間* ― それは神よりも*正しかろうか。

あるいは,強健な者がその造り主よりも清かろうか』。

18 見よ,ご自分の僕たちをさえ[神]は信じておらず,

その使者たち*の過失をとがめられる。

19 まして,粘土の家に住む者,

その基が塵の中にある者はなおさらのことである+!

彼らは蛾よりも速やかに砕かれる。

20 朝から夕方までに彼らは打ち砕かれる。

だれも[それを心に]留めることもなく,彼らは永久に滅びうせる。

21 彼らの天幕の綱は彼らのうちで引き抜かれなかっただろうか。

彼らは知恵に欠けているために死ぬ。

5 「どうか,呼んでみなさい! だれかあなたに答える者がいるか。

また,聖なる者たちのだれ*に,あなたは向かおうとするのか。

 2 愚かな者は悩みが殺し,

容易に唆される者はそねみが死なせることになるからだ。

 3 わたしは,愚かな者が根づくのを見たが+,

にわかにその住まう所をのろい憎むようになった。

 4 その子らは救いから遠く離れており+,

彼らは救い出す者もないまま,門で砕かれる。

 5 彼の刈り入れるもの*は飢えた者が食べ,

屠殺者の鉤*からさえこれを奪う。

実際,わなが彼らの資産に飛び付く*。

 6 ただの塵から有害なものは出て来ず,

ただの土地から悩みは生え出ないからである。

 7 人*は,悩みのために生まれるからだ。

それも火花*が上の方へ飛ぶように。

 8 しかし,わたしなら神*に問い,

神*に自分の事*をゆだねよう+。

 9 探りようのない大いなることをなさる方*,

くすしいことを数知れず[なさる方+に]。

10 地の表に雨を与え+,

原野に水を送る方+[に]。

11 低い者を高い所に置き+,

悲しむ者を高くして救いを得させる方[に]。

12 抜け目のない者の企てを覆して+,

彼らの手が効果的に働かないようにされる方[に]。

13 賢い者を彼らのこうかつさによって捕まえ+,

ずるい者たちの計り事が迅速に処置されるようになさる方+[に]。

14 彼らは昼間でさえ闇に遭い,

真昼でも,まるで夜のように手探りする+。

15 そして,剣から,彼らの口から救う方,

強い者の手から貧しい者を[救う方+に]。

16 こうして立場の低い者にも望みがあるが+,

不義は実際,その口をつぐむ+。

17 見よ,神*が戒める人*は幸いだ+。

全能者の懲らしめを退けてはならない!

18 [神]は痛みを生じさせるが,[傷を]包み,

打ち砕くが,ご自身の手がいやすことをするからだ。

19 六つの苦難の中で[神]はあなたを救い出してくださり+,

七つ目の中でも何も有害なものがあなたに触れることはない+。

20 飢きんの間も[神]はあなたを必ず死から請け戻し+,

戦いの間でも剣の力*から[請け戻して]くださる。

21 舌のむちからあなたは隠され+,

奪い取ることが起きても,あなたはそれを恐れることはない。

22 奪い取ることと飢えをあなたはあざ笑うことになる。

地の野獣もあなたは恐れるには及ばない。

23 野の石とあなたの契約は[結ばれ],

野の野獣も,あなたと和らいで生きるようにされるからである+。

24 そしてあなたは,平安が自分の天幕であることを確かに知り,

必ずや行って,自分の牧草地を見るが,何かがないのに気づくようなことはない。

25 また,あなたは自分の末が多いこと+,

あなたの子孫が地の草本のようであること+を確かに知るであろう。

26 あなたは精力を保ちながら埋葬所に入るであろう+。

穀物の束がその時期に積もるように。

27 見よ,これがわたしたちの調べたところで,その通りである。

これを聞き,あなたも ― 自分でこれを知れ」。

6 そこでヨブは答えて言った,

 2 「ああ,わたしの悩み+がことごとく量られ,

同時にわたしの逆境を人々がはかりに掛けたなら!

 3 今やそれは海の砂よりも重いからである。

だから,わたしの言葉は乱暴な話だったのだ+。

 4 全能者*の矢がわたしと共にあり+,

その毒液をわたしの霊が飲んでいるからである+。

神*からの恐怖がわたしに向かって整列する*+。

 5 しまうま*+は草の上で鳴くであろうか。

あるいは,雄牛はその飼い葉の上で鳴くだろうか。

 6 味のないものは塩がなくて食べられるだろうか。

あるいは,うすべにたちあおいのねばねばした汁に味があろうか。

 7 わたしの魂は[何ものにも]触ることを拒んだ。

それらはわたしの食物の中の変質のようだ。

 8 ああ,わたしの願いが実現し,

わたしの望みを神*がかなえてくださるとよいのだが。

 9 そして,神がすぐ事を運んで,わたしを砕き,

み手を放って,わたしを断ってくださるとよいのだが+!

10 それさえもなおわたしの慰めとなり,

わたしは産みの苦しみの中でも,[うれしさ+に]小躍りしよう。

[たとえ神]が同情をしてくださらなくとも。わたしは聖なる方+の言われたこと+を隠したことはないからだ。

11 わたしの力が何なので,わたしは待っていなければならないのか+。

また,わたしの終わりが何なので,わたしは自分の魂*を生き延びさせなければならないのか。

12 わたしの力は石の力であろうか。

あるいは,わたしの肉は銅であろうか。

13 助力はわたしのうちにはなく,

有効な働きもわたしから追いやられたのだろうか。

14 だれでも自分の仲間から愛ある親切*を差し控える者は+,

全能者への恐れをさえ捨てることになる+。

15 わたしの兄弟たちは冬の奔流のように,不実なことをした+。

流れ去ってゆく冬の奔流の水路のように。

16 それは氷で黒ずみ,

その上に雪が隠れる。

17 それは水のなくなる+時期になると,沈黙させられた。

暑くなると,その所から枯渇する+。

18 その道の進路はそらされ,

それはむなしい所へ上って行って,滅びうせる。

19 テマ+の隊商は[これを]眺め,

シバ人*+の旅行団はこれを待った。

20 彼らは頼ったために確かに恥じる。

彼らはその所まで来て,失望する+。

21 今や,あなた方は無に等しくなったからだ+。

あなた方は怖ろしいことを見て,恐れる+。

22 わたしがこう言ったからであろうか。『わたしに[何かを]与えよ。

あなた方の力のうちから,わたしのために贈り物をせよ。

23 そして,敵対者の手からわたしを救助せよ+。

圧制者の手から,あなた方はわたしを請け戻さなければならない+』。

24 わたしを教え諭せ。そうすれば,わたしも黙るであろう+。

わたしがどんな間違いを犯したか,わたしに理解させよ+。

25 言われた廉直なことは ― ああ,ひどいことではない+。

しかし,あなた方が戒める*のは何を戒めるのか+。

26 あなた方が企てるのは言葉を戒めることなのか。

絶望した者の言うこと+は単なる風のために過ぎないのに+。

27 まして,あなた方は父のない者のことでさえくじを投げ+,

自分たちの友のことで物々交換をするであろう+!

28 だから今,ためらわないで,わたしに注意を払ってくれ。

そしてわたしが,あなた方の顔に向かってうそを言う+かどうかを[見よ]。

29 どうか,立ち返ってくれ ― 不義が生じないように ―。

そうだ,立ち返ってくれ ― わたしの義はなおそこにあるのだ+。

30 わたしの舌に不義があるだろうか。

あるいは,わたしの上あごは逆境をわきまえないだろうか。

7 「地上の死すべき人間には強制労働+があるではないか。

その日々は雇われた労働者の日々のようではないか+。

 2 奴隷のように人は陰をあえぎ求め+,

雇われた労働者のようにその賃金を待つ+。

 3 かくて,わたしは無駄な太陰月を所有させられ+,

悩みの夜+がわたしに数え分けられた。

 4 横になったとき,わたしはまた言った,『わたしはいつ起きられるだろうか』と+。

そして実際,夜がふける[とき],わたしはまた夜明け方まで眠れない状態に飽き飽きさせられた。

 5 わたしの肉はうじ+と土くれ+をまとった。

わたしの皮は,かさぶたを形成しては,また崩れる+。

 6 わたしの日々は,織り手の杼よりも速くなった+。

それは望みもなく尽きる+。

 7 私の命は風に過ぎないことを思い出してください+。

私の目も二度と幸せを見ないことを。

 8 わたしを見る者の目はわたしを眺めることはありません。

あなたの目が私に向けられても,私はいないでしょう+。

 9 雲は必ず尽きて去って行きます。

そのように,シェオルに下って行く者は,上って来ることはありません+。

10 彼はもう自分の家に帰ることはなく,

その場所ももう彼を認めることはありません+。

11 この私も,私も自分の口を制することをしません。

私は自分の霊*の苦悩のうちに語ります。

私は自分の魂の苦しみを気にかけます+!

12 私は海でしょうか,それとも海の巨獣でしょうか。

あなたが私の上に見張りを置かれるとは+。

13 『わたしの寝床はわたしを慰め,

わたしの床はわたしの気遣いを支えるのを助けてくれる』と,私が言ったとき,

14 あなたは夢で私をおびえさせました。

また,幻によって私をおののかせて飛び上がらせます。

15 それで私の魂は窒息を選び,

私の骨よりもむしろ死+を[選びます]。

16 私は[それを]退けました+。定めのない時までも生きたいとは思いません。

私に構わないでください。私の日々は呼気に過ぎないのです+。

17 死すべき人間+は何者なので,あなたはこれを育て*,

これにみ心を留められるのですか。

18 また,朝ごとにこれに注意を払い,

絶えずこれを試されるのですか+。

19 どうしてあなたは私から視線をそらされないのですか+。

つばを呑み込むまで*私をこのままにしておかれないのですか。

20 私が罪をおかしたのでしたら,人間*を見守る方+よ,私はあなたに対して何を成し遂げられるでしょう。

どうして,あなたは私をご自分の的として立て,私があなた*にとって重荷となるようにされたのでしょうか。

21 それに,どうしてあなたは私の違犯を赦さず+,

私のとがを見過ごされないのですか。

今,塵+の中に私は横たわるからです。

あなたは必ずや私を捜し求められますが,私はいないでしょう」。

8 そこで,シュアハ人+ビルダドは答えて言った,

 2 「いつまであなたはこのようなことを述べ続けるのか+。

あなたの口の言うことは強力な風に過ぎないのに+。

 3 神*が裁きを曲げるだろうか+。

また,全能者が義を曲げるだろうか+。

 4 もし,あなたの子らが[神]に対して罪をおかし,

そのために[神]が彼らをその反抗の手に陥らせるなら,

 5 もしあなたが,神を捜し求め+,

全能者に恵みを請うなら,

 6 もし,あなたが純粋で廉直なら+,

今ごろは[神]はあなたのために目を覚まし*,

確かにあなたの義の住まいを回復されるであろう。

 7 また,あなたの始まりは小さなものだったとしても,

あなたの終わりは,後にはなはだ大きくなろう+。

 8 実際,どうか,先の代の人に尋ね+,

その父たちにより探究されたことに[あなたの注意を]向けよ+。

 9 わたしたちはただ,昨日[からの者]に過ぎず+,何も知らないからだ。

わたしたちの地上の日々は影だからである+。

10 彼らは,あなたを教え諭し,あなたに語り*,

その心から言葉を出さないだろうか。

11 パピルス+は湿地がなくても育つだろうか。

葦は水がなくても伸びるだろうか。

12 それはなお芽のときで,引き抜かれないのに,

ほかのすべての草に先立って,干からびてしまう+。

13 すべて神*を忘れる者の歩む道*はこのようだ+。

背教者*の望みは滅びうせてしまう+。

14 その確信は断たれる。

その信頼はくもの家*だ+。

15 彼はその家に寄りかかるが,それは持ちこたえない。

それにすがり付いても,それは長続きしない。

16 彼は太陽の前で樹液に満ち,

その園の中で彼の小枝は生える+。

17 石の山の中でその根は絡み合い,

石の家を彼は眺める。

18 もし,その場所から呑み尽くされると+,

それも必ず彼を否んで,『わたしはあなたを見たことがない』と[言う+]。

19 見よ,これこそ彼の道の崩壊である+。

そして,塵からほかのものが生え出る。

20 見よ,神*がとがめのない者を退けることはない。

また,悪行者の手を取ることもない。

21 ついには,[神]はあなたの口を笑いで満たし,

あなたの唇を歓声で[満たす]。

22 あなたを憎む者は恥をまとい+,

邪悪な者の天幕はなくなってしまう」。

9 そこでヨブは答えて言った,

 2 「まことに,それがその通りであることをわたしは知っている。

しかし,死すべき人間はどうして神*への訴えで正しかろうか+。

 3 たとえ人が[神]と争うのを喜ぶとしても+,

千に一つも答えることはできない。

 4 [神]は心が賢く,力が強い+。

だれが[神]に強情さを示して,無傷で済まされよう+。

 5 [神]は山々を移しておられるが+,人々は[これを]知ることさえない。

[神]は怒りをもってそれを覆された方+。

 6 [神]は地をその所から震い動かしておられるので,

その柱+さえも震える。

 7 [神]は太陽に*,輝き出ないようにと言いつけておられ,

星の周りに封印を付される+。

 8 独りで天を張り伸ばし+,

海の高波*を踏んでおられ+,

 9 アシ星座*,ケシル星座*を造り,

キマ星座*+と南の奥まった部屋[を造られ*],

10 探りようのない大いなることを行ない+,

くすしいことを数知れず[行なっておられる+]。

11 見よ,[神]はわたしのそばを通られるが,わたしは[神を]見ない。

[神]は進んで行かれるが,わたしは[神]を見分けない+。

12 見よ,[神]は奪い去られる。だれが[神]に抵抗できよう。

だれが[神]に向かって,『あなたは何をしているのか』と言えよう+。

13 神*がその怒りを元に戻らせることはない+。

暴れ者*+を助ける者たちは,[神]の下に必ず身をかがめる。

14 ましてや,わたしが[神]に答えるのならなおのこと!

わたしは[神]に対して言葉を選ぼう+。

15 この方にわたしは答えないであろう。たとえ,わたしが本当に正しいとしても+。

わたしの訴訟の相手方にわたしは恵みを請うであろう+。

16 もしわたしが呼んだなら,[神]はわたしに答えてくださるだろうか+。

わたしは[神]がわたしの声に耳を向けてくださるとは信じない。

17 この方はあらしをもってわたしを砕き,

理由もなく,確かにわたしの傷を増やされる+。

18 [神]は新鮮な息+を吸うこと*をわたしにお許しにならない。

[神]は苦いものでわたしを飽き飽きさせておられるからだ。

19 もし力の点でだれかが強いのなら,見よ,[神がおられる+]*。

もし,公正の点で[だれかが強いのなら],ああ,わたしが呼び出されたらよいのだが。

20 たとえわたしが正しいとしても,わたしの口*がわたしを邪悪な者とし,

たとえわたしがとがめがないとしても,[神]はわたしを曲がった者と宣せられるであろう。

21 たとえわたしがとがめがないとしても,わたしは自分の魂を知らないであろう。

わたしは自分の命を拒むであろう。

22 一つのことがある。だから,まさしくわたしは言う,

『とがめのない者も,邪悪な者も,[神]は終わらせる+』と。

23 たとえ鉄砲水*が突然,死をもたらすとしても,

罪のない者たちの絶望を,[神]はあざけられるであろう。

24 地は,邪悪な者の手に渡された+。

その裁き人たちの顔を,[神]は覆われる。

もしそうでなければ,では,それはだれか。

25 また,わたしの日々は走者よりも速くなった+。

それは飛び去ってゆき,決して幸せを見ることはない。

26 それは葦の舟のように進んで行った。

食べるものを求めてあちらこちらと突進する鷲のように+。

27 たとえ私が,『気遣いを忘れよう+。

顔色+を変えて,明るくなろう』と言いましても,

28 私は自分のすべての苦しみにおびえました+。

私は確かに知っています。あなたは私を罪のない者とみなしてはくださいません。

29 私は,きっと邪悪な者となりましょう。

どうして私はただいたずらに労するのでしょう+。

30 たとえ私が実際に雪の水で身を洗っても,

実際,灰汁で手*を清めても+,

31 あなたは私を,坑の中に浸し,

わたしの衣も必ずわたしを忌むでしょう。

32 [神]はわたしの答えるべき,わたしのような人間ではない+。

わたしたちが一緒に裁きに臨むべき[わたしのような人間でもない]。

33 わたしたちの間には裁決する者*がいない*+。

わたしたちふたりの上にその手を置く者が。

34 [神]がその杖をわたしの上から取り除かれるように+。

その怖ろしさが,わたしをおびえさせないように。

35 わたしに語らせ,[神]を恐れさせないでもらいたい。

わたしは自分ではそうする気持ちはないからだ。

10 「わたしの魂は自分の命に対して確かに嫌悪を感ずる+。

わたしは自分についての*気遣いを漏らそう。

わたしは自分の魂の苦しみのうちにあって語ろう!

 2 わたしは神*に申し上げることにする,『私を邪悪な者としないでください。

私と争っておられるのはどういう訳かを知らせてください。

 3 不当なことをなさるのは,あなたにとって善いことでしょうか+。

ご自分の手*の懸命な働き[の産物]を退け+,

邪悪な者たちの助言を実際に照らすのは。

 4 あなたは肉の目+を持っておられるのですか。

あるいは,死すべき人間が見るように,あなたも見られるのですか+。

 5 あなたの日々は死すべき人間の日々のようですか+。

あるいは,あなたの年は強健な人の日々のようで[すか]。

 6 それであなたは私のとがを見つけようとし,

私の罪を尋ね求めておられるのですか+。

 7 それも,私が誤っていないことをあなたが知っておられるにもかかわらず+,

また,だれもあなたの手から救い出す者はいないのに+。

 8 あなたのみ手が私を形造ったので,それは私を造りました+。

周りもことごとく。それなのに,あなたは私を呑み尽くそうとされます。

 9 どうか,思い出してください。あなたは私を粘土+で造られました。

そしてあなたは私を,塵に帰らせます+。

10 あなたは私を乳のように注ぎ出し,

チーズのように私を固まらせたではありませんか+。

11 あなたは私に皮と肉とを着せ,

骨と筋をもって私を織り成されました+。

12 命と愛ある親切*を,あなたは私に施され+,

あなたの顧み+が私の霊*を守りました。

13 それでもこれらのことを,あなたはみ心に秘めておられました。

私はこれらのことがあなたのもとにあることをよく知っています。

14 もし私が罪をおかせば,あなたは私を見張っておられ+,

私のとがのことで,あなたは私を罪のない者とはみなされません+。

15 もし私が実際に誤っているなら,私にとっては不幸なことです+!

それに,[もし]私が実際に正しくても,私は頭を上げられません+。

不名誉に飽き飽きさせられ,悩みで一杯にされているのです+。

16 そして[もし]それがごう慢なことをすれば+,若いライオンのようにあなたは私を捜し+,

あなたは再び,私の件でご自身が驚嘆すべき方であることを表わされるでしょう。

17 あなたは私の前にご自分の新しい証人たち*を連れ出し,

私に対してご自分の立腹を大きくされるでしょう。

相次いで辛苦が私と共にあります*。

18 それで,なぜあなたは私を胎から出されたのですか+。

私が息絶えていたなら*,ひとつの目さえもわたしを見なかったでしょうに。

19 あたかも私はいなかったかのようになっていたでしょうし,

腹から埋葬所へと運ばれていたでしょうに』。

20 わたしの日はほとんどないではないか+。[神]が構わないで,

わたしから視線をそらしてくださり,わたしが少しでも明るくなる+ように。

21 わたしが去って行く前に ― わたしは戻って来ることはない+―

すなわち,闇と深い陰*の地+へ,

22 暗闇のような暗い地,深い陰と

無秩序[の地]へ[行く前に]。そこは暗闇と同様,[光が]照らない」。

11 そこでナアマ人+ツォファルは答えて言った,

 2 「おびただしい言葉は答えられずに済むものだろうか。

あるいは,単に誇る者*が正しいとされるだろうか。

 3 あなたのむなしい話は,人*を沈黙させるだろうか。

あなたはだれかに叱られるようなことをせずに,あざ笑っていられようか+。

 4 また,あなたは言う,『わたしの教え+は純粋だ。

わたしは本当にあなたの目に清くなった+』と。

 5 だが,ああ,神が語り,

あなたに対してその唇を開かれたならよいのだが+!

 6 そうすれば,[神]は知恵の秘密をあなたに告げてくださるものを。

実際的な知恵の事柄は様々だ*からである。

さらにあなたは,神があなたのとがの一部をあなたのために忘れられるままにしておられることを知るだろうに*+。

 7 あなたは神の深い事柄を見いだすことができようか+。

あるいは,全能者の極限までも見いだすことができようか。

 8 それは天よりも高い。あなたは何を成し遂げることができよう。

それはシェオルよりも深い+。あなたは何を知ることができよう。

 9 それを測れば,地よりも長く,

海よりも広い。

10 もし,[神]が進んで行き,[だれかを]引き渡し,

法廷を召集するなら,だれが[神]に抵抗し得よう。

11 [神]は,不真実な人*をよく知っておられるからだ+。

[神]は有害なことを見るとき,ご自分が注意深いことを示されないだろうか。

12 不誠実な者でさえ*,良い動機を得るであろう。

ろばに似たしまうまが人間*として生まれようものなら。

13 もしあなたが,本当に心を定め,

実際,あなたのたなごころを[神]に伸べるなら+,

14 もし有害なことがあなたの手にあるなら,それを遠ざけよ。

不義をあなたの天幕に住まわせないようにせよ。

15 そうすれば,あなたは欠陥のない顔を上げ+,

あなたは必ず堅く立ち,恐れることはないからだ。

16 あなたは ― 悩みも忘れ,

流れ去った水のように,[これを]思い起こすであろうから。

17 そして,[あなたの]生存期間は真昼よりも明るく現われ+,

闇はまさに朝のようになろう+。

18 そして,望みがあるので,あなたは必ず頼り,

確かに注意深く見回して ― 安心して横たわるであろう+。

19 そして,実際,あなたは身を伸ばすが,だれも[あなたを]おののかせる者はいない。

また,多くの人々が必ずやあなたを穏やかな気分にさせる*であろう+。

20 そして,邪悪な者たちの目が衰え+,

逃げ場は必ず彼らから消えうせ+,

その望みは魂の息絶えるに等しくなろう+」。

12 そこでヨブは答えて言った,

 2 「まことにあなた方は人である。

知恵は,あなた方と共に死に絶えるであろう+!

 3 わたしにも,あなた方と同様に心がある+。

わたしはあなた方に劣ってはいない*+。

だれにこのようなことがないのだろうか。

 4 仲間の者の笑いぐさ,わたし*は[そのような者]となる+。

神に*呼びかけて答えていただく者が+。

義にかなった,非難すべきところのない者が,笑いぐさなのである。

 5 心配のない者は,考えにおいて,消滅に対して侮べつを抱く+。

それは足のよろける者のために備えられる+。

 6 奪い取る者の天幕は煩わされず+,

神*を激怒させる者も安全だ。

自分の手に神*を携えて来た者もそうである+。

 7 しかし,どうか,家畜に尋ねてみよ。それはあなたを教え諭すであろう+。

また,天の翼のある生き物にも。そうすれば,それはあなたに告げるだろう+。

 8 あるいは,地に関心を示してみよ*。そうすれば,それはあなたを教え諭すだろう+。

海の魚+もあなたに告げ知らせるだろう。

 9 これらすべてのもののうち,だれかよく知らないものがあろうか。

エホバ*のみ手がこれをなさったことを+。

10 すべて生けるものの魂がそのみ手のうちにあり+,

すべて人間*の肉の霊*+も[そうである]。

11 耳は,言葉を試さないだろうか+。

上あご+が食物を味わうように。

12 老人の中には知恵があるのではないか+。

長い日々[には]理解力が*。

13 知恵と力強さは,[神]と共にあり+,

助言と理解力も[神]にある+。

14 見よ,[神]が打ち壊すと,建て直せない+。

[神]が人に閉ざすと,それは開けられない+。

15 見よ,[神]は水を引き止め,それは干上がる+。

[神]はそれを放ち,それは地を変える+。

16 強さと実際的な知恵とは,[神]と共にあり+,

間違いをする者も迷わせる者も,[神]のものである+。

17 [神]は助言者たちをはだしで行かせており*+,

裁き人たちを気違いにさせる。

18 実際,王たちの帯*を解き+,

彼らの腰に腰帯を巻く。

19 [神]は祭司たちをはだしで歩かせており+,

終身,職に就けられた者たちを没落させる*+。

20 [神]は忠実な者たちから話す能力*を取り除いており,

年老いた者たちの分別を取り去る。

21 [神]は高貴な者たちの上に侮べつを注いでおり+,

実際,強力な者たちの腰ひもを弱くする。

22 [神]は闇の中から深遠な事柄をあらわにしており+,

深い陰を光に引き出す。

23 諸国民を大きくならせている。彼らを滅ぼすためである+。

諸国民を広がらせている。彼らを連れ去るためである。

24 この地の民の頭たる者たちの心を奪い去っている。

彼らを道のない,むなしい所にさまよわせる+ためである。

25 彼らは光のない闇に手探りする+。

[神]が彼らを酔いどれのようにさまよわせるためである+。

13 「見よ,このすべてをわたしの目は見,

わたしの耳は聞いて,考慮する。

 2 あなた方の知っていることは,わたしもまたよく知っている。

わたしはあなた方に劣ってはいない*+。

 3 しかしわたしは,全能者に語りかけたい+。

神*と論じ合うことを喜びとしたい。

 4 一方,あなた方は偽りで上塗りをしている者+,

あなた方はみな無価値な医者だ+。

 5 あなた方が全く沈黙してさえいたなら,

それがあなた方の知恵であったろうに+!

 6 どうか,わたしの反論を聞き+,

わたしの唇の抗弁に注意を払ってもらいたい。

 7 あなた方は神のために不義を語り,

[神]のために欺まんを語るのか+。

 8 あなた方は[神]にえこひいきをしようとするのか+。

それとも,[まことの]神のために法廷で争うのか。

 9 [神]があなた方に当たってみてもよいのか+。

それとも,人が死すべき人間を軽くあしらうように,あなた方は[神]を軽くあしらうのか。

10 [神]はあなた方を必ず戒める+。

たとえひそかに,あなた方がえこひいきを示そうとも*+。

11 [神]の威厳があなた方をおののかせて飛び上がらせ,

[神]に対する怖れがあなた方を襲わないであろうか+。

12 記憶に残るあなた方のことばは灰の格言だ。

あなた方の盾のほし*は粘土の盾のほしのようだ+。

13 わたしの前で黙っていてもらいたい。わたしが語るためだ。

それから,何なりと,わたしに臨むがよい!

14 どうしてわたしは自分の肉を自分の歯で運び,

自分の魂を*自分のたなごころに置くのか+。

15 たとえ,[神]がわたしを打ち殺すとも,わたしは待ち望まないだろうか*+。

ただし,わたしは自分の道のために[神]の面前で論じたい。

16 [神]もまたわたしの救いとなってくださる*+。

[神]の前には背教者は出られないからだ+。

17 わたしの言葉を終わりまでよく聞いてもらいたい+。

わたしの宣言があなた方の耳に入るように。

18 どうか,見てもらいたい。わたしは正当な訴えを述べた+。

わたしは,自分が正しいことをよく知っている。

19 わたしと争う者は一体だれだろう+。

今,黙っていなければならないのなら,わたしは息絶えてしまうであろう!

20 ただ二つのことを私にしない*でください。

そうすれば,私はただあなたのゆえに身を隠すことはないでしょう+。

21 あなたの手を私の上から遠ざけてください。

あなたへの恐怖 ― それが私をおびえさせませんように+。

22 呼んでください。私が答えるためです。

あるいは,私が話し,あなたは私に返事をしてください。

23 どんな点で私にはとがや罪があるのでしょうか。

私の反抗と罪とを私に知らせてください。

24 なぜあなたはみ顔を隠し+,

私をあなたの敵とみなされるのですか+。

25 あなたは追い回されるただの木の葉を震えさせ,

あるいは,乾いたただの刈り株を追って行かれるのでしょうか。

26 あなたは私に対して苦いことを書き連ね+,

私の若い時のとが[の結果]を私に所有させられるからです+。

27 あなたはまた,私の足を足かせ台にはめたままにし+,

私の道筋をことごとく見守られます。

私の足の裏*のためにあなたはご自分の線を記されます。

28 そして,彼*はぼろぼろになる腐ったもの*のようです+。

実際,蛾が食い尽くす衣のようです+。

14 「女から生まれた人*+は,

短命+で,動揺で飽き飽きさせられます+。

 2 花のように出て来ては,切り取られ+,

影のように飛び去って+,とどまる*ことがありません。

 3 しかも,このような者にもあなたは目を開き,

私をも*ご自身と共に裁き+へと連れて行かれます。

 4 だれが汚れた者から清い者を出せるでしょうか+。

一人もいません*。

 5 もし,彼の日が決められているなら+,

その月の数はあなたと共にあります。

彼のための定めをあなたは設けられました。彼が越えることのないためです。

 6 彼の上から視線をそらしてください。彼が休むためです+。

雇われた労働者がその日にするように,彼が楽しみを見いだすに至るまで。

 7 樹木にさえ望みがあるのだから。

たとえ切り倒されても,それはまさしく再び芽を出し*+,

その若枝は絶えることはない。

 8 たとえその根が地中で老い,

塵の中でその切り株が枯死しても,

 9 水のにおいで芽を出し+,

新しい苗木のように必ず大枝を出す+。

10 しかし強健な人は*死に,打ち負かされて横たわる。

地の人*は息絶えると,どこにいるのか*+。

11 水は海から確かになくなり,

川もはけて干上がる+。

12 人もまた*横たわらなければならず,起き上がらない+。

天がなくなるまで,彼らは目覚めない+。

その眠りから起こされることもない*+。

13 ああ,あなたが私をシェオルに*隠し+,

あなたの怒りが元に戻るまで,私を秘めておき,

私のために時の限りを設けて+,私を覚えてくださればよいのに+。

14 もし,強健な人*が死ねば,また生きられるでしょうか+。

私の強制奉仕のすべての日々,私は待ちましょう+。

私の解放が来るまで+。

15 あなたは呼んでくださり,私はあなたに答えます+。

ご自分のみ手の業をあなたは慕われます。

16 今,あなたは私の歩みを数えておられるのです+。

あなたはほかならぬ私の罪を見守られます+。

17 私の背きの罪は,袋の中に封じ込められており+,

あなたは私のとがをのり付けにされます。

18 ところで,山は,倒れて,崩れ去り,

岩もその場所から移される。

19 水はまさしく石を摩滅させ,

その流出は地の塵を洗い落とす。

そのようにあなたは死すべき人間*の望みをも絶ち滅ぼされました。

20 あなたは永久に人を打ち負かされるので,人は去って行きます+。

あなたは彼の顔の形を崩しておられ,彼を追いやられます。

21 その子らが尊ばれても,彼は[それを]知りません+。

彼らが取るに足りない者となっても,彼らのことを考慮しません。

22 ただ,その肉は,彼の上にあって痛み続け,

その魂は,彼の内にあって嘆き続けるだけです*」。

15 そこでテマン人エリパズは答えて言った,

 2 「知者は,風のような知識*をもって答えるだろうか+。

あるいは,その腹を東風で満たすだろうか+。

 3 単に言葉をもって戒めることは役に立たず,

単なる発言だけではためにならない。

 4 ところが,あなたは,[神の前に]恐れを無力にさせ,

神*の前に気遣いを抱くのを少なくする。

 5 それは,あなたのとががあなたの口を鍛え*,

あなたは抜け目のない人々の舌を選ぶからだ。

 6 あなたの口はあなたを邪悪な者とする。わたしではない。

あなたの唇は,あなたに逆らって答える+。

 7 あなたは生まれた最初の人*だったのか+。

それとも,丘よりも先に+,産みの苦しみをもって生み出されたのか。

 8 神*の内密の話し合いをあなたは聴き+,

あなたは知恵を自分だけに限るのか。

 9 あなたは実際,我々の知らないどんなことを知っているのか+。

あなたは我々にもないどんなことを理解しているのか。

10 白髪の者も老人も我々と共におり+,

よわいの点であなたの父よりも大いなる者も[いる]。

11 神*の慰めはあなたにとって十分ではないのか。

あるいは,穏やかにあなたに[語られる]言葉も。

12 どうしてあなたの心はあなたを奪うのか。

どうしてあなたの目はぎらぎら光るのか。

13 それは,あなたが自分の霊を神に背かせ,

あなたの口から言葉を出させたからだ。

14 死すべき人間*はどうして清かろうか+。

あるいは,女から生まれた者は正しかろうか。

15 見よ,ご自分の聖なる者たちをも[神]は信じておらず+,

実際,天もその目には清くない+。

16 まして,人が忌まわしくて堕落しているなら+,

不義を水のように飲み込んでいる人間は,なおさらだ!

17 わたしはあなたに告げ知らせよう。わたしに聴け+!

このこともわたしは見たので,わたしに語らせよ。

18 それは知者たち+が告げるもの,

[それは]彼らの父たちから[のもので],彼らが隠さなかったものだ。

19 彼らにだけ,この地は与えられ,

よその者はだれも彼らの中を通り抜けなかった。

20 邪悪な者は一生の間,もだえ苦しんでいる。

実際,圧制者のために取って置かれた年の数だけ。

21 怖ろしいものの音がその耳の内にある。

平安のときにも,奪い取る者が彼を襲う+。

22 彼は闇から戻って来ることを信ぜず+,

彼は剣のために取って置かれる。

23 彼はパン*を求めてさまよい歩いている ― それはどこにあるのか+。

彼は闇の日+が手近に備えられていることをよく知っている。

24 苦難と苦もんが彼をしきりにおびえさせる+。

それは襲撃の用意ができた王のように彼を打ち負かす。

25 これは彼が神*に逆らって手を差し伸べ,

全能者以上に自分が勝っていることを示そうとするからだ+。

26 [それは]うなじをこわくして[神]にはせ向かうからだ。

その盾の厚いほしをもって。

27 実際,彼は顔をその脂肪質で覆い,

その腰には脂肪を付け+,

28 ただ,ぬぐい去られようとしている都市,

人々が住み着くことのない家に住まうからだ。

それらは確かに,石の山となる定めになっている。

29 彼は富まず,その富はかさむことがなく,

彼はその取得物*を地の上に広げることもない+。

30 彼は闇から立ち去ることがなく,

その小枝は炎が枯らし,

彼は[神]のみ口の突風によって*それて行く+。

31 迷わされて,彼がむなしいことに信を置かないように。

代わりに得るものは,全くのむなしいものとなるからだ。

32 彼の日が来ないうちに*それは遂げられる。

そして彼の若枝は,確かに生い茂ることがない+。

33 彼はぶどうの木のように,その熟さないぶどうを突き落とし,

オリーブの木のように,その花を捨て去る。

34 背教者の集まりは実りがなく+,

火がわいろの天幕を必ず食らい尽くすからだ+。

35 厄介なことをはらみ,有害なことを産むことがある+。

彼らの腹は,欺まんを備える」。

16 そこでヨブは答えて言った,

 2 「わたしはそのような多くのことを聞いた。

あなた方はみな厄介な慰め手だ+!

 3 風のような言葉に終わりがあろうか+。

それとも,あなたは何にいら立たされて*,答えるのか。

 4 わたしもまた,あなた方のようによく語ることもできる。

もしも,わたしの魂のある所にあなた方の魂があったなら,

わたしはあなた方に対して言葉において見事だろうか*+。

あなた方に向かって頭を振るだろうか+。

 5 わたしはこの口の言葉であなた方を強め+,

わたしのこの唇の慰めを ― 制するだろう。

 6 たとえわたしが語るとしても,わたしのこの痛みは抑えられない+。

たとえそうするのをやめるとしても,何がわたしから去って行くだろう。

 7 だが今,[神]はわたしを疲れ果てさせた+。

[神]はわたしと共に集まる者をみな荒らした。

 8 あなたはまた私を捕まえられます。それは証人となったので+,

わたしのやせ細った身がわたしに向かって立ち上がります。わたしの面前でそれは証言します。

 9 [神]の怒りが[わたしを]かき裂き,[神]はわたしに対して敵がい心を抱く+。

[神]は実際,わたしに向かって歯がみする+。

わたしの敵対者は,わたしに向かってその目を鋭くする+。

10 彼らはわたしに向かってその口を大きく開け+,

そしりをもってわたしのほほを打った。

彼らは大勢でわたしに向かって集まって一団となる+。

11 神*はわたしを幼い少年たち*に引き渡し,

邪悪な者たちの手にわたしを真っ逆さまに投げ落とされる+。

12 わたしは安らいでいたのに,[神]はわたしの気を転倒させられた+。

[神]はわたしのうなじを捕まえて,わたしを打ち砕かれた。

ご自分のためにわたしを的として立てられる。

13 その射手たち+はわたしを取り囲み,

[神]はわたしの腎臓+を裂き開き,少しも同情を覚えられない。

[神]はわたしの胆のうを地に注ぎ出される。

14 [神]はわたしを打ち破って,破れに破れを加え,

力のある者のようにわたしにはせ掛かる+。

15 粗布+を,わたしは膚の上に縫い合わせ,

わたしの角を塵の中に突き入れた+。

16 わたしの顔は,泣いて赤くなった+。

わたしのまぶたの上には深い陰*がある+。

17 わたしのたなごころには暴虐はなく,

わたしの祈りは純粋なのに+。

18 地よ,わたしの血を覆うな+!

そして,わたしの叫び声のための場所がないように!

19 また今,見よ,天にはわたしについて証言する方がおり,

わたしの証人*は高い所におられる+。

20 わたしの友はわたしに逆らう代弁者+。

わたしの目は眠らずに神*を見た+。

21 そして,強健な人と神との間で裁決が行なわれようとしている。

人*の子とその仲間の間と同様に+。

22 わずか数年が*たつと,

わたしは帰らぬ道筋を通って去って行くのだから+。

17 「わたしの霊*は破られ+,わたしの日は絶やされた。

墓地はわたしのためのもの+。

 2 確かにわたしに対するあざけりがあり+,

彼らの反逆的な振る舞いの中にわたしの目はとどまる。

 3 どうか,私の保証となるものをあなたのもとに置いてください+。

ほかにだれか誓って私と握手+してくれる者がいましょうか。

 4 彼らの心をあなたは閉ざして思慮分別を得させないようにされたからです+。

それゆえに,あなたは彼らを高められません。

 5 彼は分け前を取るために友に告げる。

しかし,その子らの目が衰える+。

 6 そして[神]はわたしを民の笑いぐさ+として立てられた。

ゆえにわたしは顔につばを掛けられる者となる+。

 7 そして悩みのためにわたしの目はかすみ+,

わたしの肢体,それはみな影のようだ。

 8 廉直な人々は驚いてこれを見つめ,

罪のない者も背教者のことで気が立つ。

 9 義人はその道を固守し+,

手の清い人+は強さを増し加えてゆく+。

10 しかしあなた方はみな,また始めるがよい。それで,どうか,来るように。

わたしはあなた方の中に賢い者をだれも見いださないのだ+。

11 わたしの日は過ぎ去り+,わたしの計画は破れた+。

わたしの心の願いも。

12 夜を彼らは昼の代わりに置いており+,

『光は闇のゆえに近い』と[言う]。

13 もしわたしがひたすら待ち望むなら,シェオルはわたしの家である+。

闇+の中にわたしは長いすを伸べなければならない。

14 坑+に向かってわたしは必ず呼ばわるようになる。『あなたはわたしの父だ!』と。

うじ+に向かって,『わたしの母,わたしの姉妹だ!』と。

15 それでは,どこにわたしの望みがあるのか+。

そして,わたしの望み ― だれがこれを見よう。

16 シェオル*のかんぬきのところに彼ら*は下って行く。

わたしたちが,皆一緒に,塵に下らなければならないときに+」。

18 そこでシュアハ人ビルダドが答えて言った,

 2 「いつになったら,あなた方は言葉にけりを付けるのか。

あなた方は理解すべきだ。その後にわたしたちが語るためだ。

 3 どうしてわたしたちは獣+のようにみなされ,

[また]あなた方の目に汚れたものとされるのか。

 4 彼は怒りによってその魂をかき裂いている。

あなたのために地が見捨てられ,

岩がその場所から移り去るだろうか。

 5 また,邪悪な者たちの光は消し去られ+,

その火の火花は輝くことがない。

 6 光は,彼の天幕の中では必ず暗くなり+,

その中で彼のともしびは消し去られる。

 7 その精力*を帯びた歩みは狭められる。

その計り事さえ彼を投げ倒す+。

 8 彼は実際,その足で網に掛かり,

仕掛け網の上を歩くからだ+。

 9 わなは[彼の]かかとを捕らえ+,

輪わな+は彼を捕まえる。

10 彼のための細綱は地に隠されている。

彼のための捕らえる仕掛けは[その]通り道に。

11 周りでは,突然の怖ろしいことが必ず彼をおののかせて飛び上がらせ+,

実際,彼の足を追う。

12 彼の精力は飢え,

災難+は彼にびっこを引かせようとしている。

13 それは彼の皮膚の一部を食らい*,

死の初子*は彼の四肢を食らう。

14 彼の確信は彼の天幕から引き離され+,

それは彼を恐怖の王のもとへ行進させる。

15 その天幕には彼のものではないものが住まい,

硫黄+が彼の住まいの上にばらまかれる。

16 下では彼の根が干からび+,

上では,彼の大枝は枯れる。

17 彼について述べることさえも必ず地から消えうせ+,

彼の名はちまたからなくなる。

18 人々は彼を光から闇に押しやり,

産出的な地から*追い払う。

19 彼にはその民の中に後裔もなく,子孫もなくなり+,

その外人居留地にはひとりの生存者もいなくなる。

20 彼の日を,西の人々は実際,驚いて見つめ,

身震いが必ず東の人々を捕らえる。

21 ただし,これらは不正をする者の幕屋であり,

これは神*を知らない者の場所である」。

19 そこでヨブは答えて言った,

 2 「いつまで,あなた方はわたしの魂をいら立たせ+,

しきりに言葉でわたしを打ち砕くのか+。

 3 これで十度もあなた方はわたしを叱り,

あなた方はわたしをひどく扱っても恥じない+。

 4 それに,たとえわたしが間違いをしたとしても+,

わたしの間違いは,わたしと共にとどまる。*

 5 もし,本当にわたしに向かってあなた方が大いに高ぶり+,

わたしに向かってわたしの恥辱がもっともなことを示すのなら+,

 6 では,知れ。神*が,わたしを惑わし,

その狩猟の網でわたしを取り囲まれたことを+。

 7 見よ,わたしが,『暴虐だ!』と叫び続けても,答えを得ず+,

わたしは助けを叫び求めるが,公正はない+。

 8 わたしの道筋をも[神]は石の壁でふさがれたので+,わたしは通り過ぎることができない。

わたしの行く道には闇を置かれる+。

 9 わたしの栄誉を[神]はわたしからはぎ取られた+。

そして,わたしの頭の冠を奪い去られる。

10 [神]は四方からわたしを取り壊されるので,わたしは去って行く。

そして,わたしの望みを樹木のように抜き去られる。

11 その怒りもわたしに向かって燃え+,

[神]はわたしをご自分の敵対者とみなしておられる。

12 その部隊は一つとなって来て,わたしに向かって彼らの道を盛り上げ+,

わたしの天幕の周りに陣営を敷く。

13 わたしのこの兄弟たちを[神]はわたしから遠ざけられた+。

わたしを知っている者もわたしから全く離れ去った。

14 わたしの親しい知り合い*は絶え+,

わたしに知られている者たちは,わたしを忘れた。

15 わたしの家に異国の人としてとどまっている者たちも+。わたしの奴隷女たちも,わたしをよその者とみなす。

わたしは彼らの目に全くの異国の者となった。

16 自分の僕にわたしは呼びかけたが,彼は答えない。

わたしのこの口で彼に同情を請い続ける。

17 わたしの息*は,わたしの妻にとって忌み嫌うべきものとなり+,

わたしはわたしの[母の]腹の子らにとって鼻持ちならないものとなった。

18 また,幼い者たちも,わたしを退けた+。

せめてわたしを起き上がらせよ。そうすれば,彼らはわたしに逆らって話しだす。

19 わたしの親しい仲間の者は皆,わたしを忌まわしく思う+。

わたしの愛した者たちはわたしに背いた+。

20 わたしの骨は実際,わたしの皮と肉とにくっつき+,

わたしはわたしの歯の皮で逃れる*。

21 わたしの友らよ,わたしに少し恵みを示せ+。わたしに少し恵みを示せ。

神*のそのみ手がわたしに触れたからだ+。

22 なぜあなた方は神*のようにわたしをしきりに迫害し+,

わたしのこの肉で満足しないのか。

23 ああ,今,わたしの言葉が書き留められたならよいのに!

ああ,書き物に記されたならよいのに!

24 鉄の尖筆+と鉛[と]をもって,

永久に岩に刻み付けられたならよいのに!

25 しかしわたしは,よく知っている。わたしを請け戻す方*+は生きておられ,

[わたしの]後に来て,塵の上に立ち上がられる+ことを。

26 そして,わたしの皮,[それを]彼らがはぎ取った後 ― これが!

その上,肉においては衰弱しても*,わたしは神*を見,

27 この方をこのわたしは自分で見+,

[この方を]わたしのこの目が確かに見る。だれかよその者ではない。

わたしの腎はわたしの身の奥で衰えた。

28 それはあなた方が,『どうして我々は彼を迫害しているのか+』と言うからだ。

それも問題の根がわたしの内に見いだされる*ときに。

29 剣のゆえに自ら怖れよ+。

剣はとがに対する激怒を意味するからであり,

それはあなた方が裁き人のいること*を知るためである+」。

20 そこでナアマ人ツォファルは返答して言った,

 2 「それゆえに,わたしの不安な考えが確かにわたしに答える。

それもわたしの内なる騒ぎのゆえに。

 3 わたしを辱める勧告をわたしは聞く。

わたしにある理解力のない霊がわたしに返答する。

 4 あなたはこのことを昔から知っていたか。

人*が地の上に置かれてこのかた+。

 5 邪悪な人々の喜びの叫びは短く+,

背教者の歓びはつかの間だということを。

 6 たとえ彼の卓越さが天にまで上り+,

その頭が,雲に届いても,

 7 自分の糞の塊のように彼は永久に滅びうせる+。

彼を見る者たちが言うであろう,『彼はどこにいるのか』と+。

 8 夢のように彼は飛び去り,人々は彼を見いだすことがない。

彼は夜の幻のように追い払われてゆく+。

 9 彼を見かけた目は再びそうすることはなく+,

もはや彼の場所は彼を見ない+。

10 その子らは,立場の低い人々に恵みを請い,

彼の手が自分の貴重な物を返すことになる+。

11 彼の骨は,若い時の精力で満ちていたが,

それは彼と共にただの塵の中に横たわることになる+。

12 たとえ,悪いことが彼の口に甘く,

彼がそれを舌の陰で溶け去らせても,

13 たとえ彼がこれに同情して,これを捨てず,

これをその上あごの中に引き止めておいても,

14 その食物は,彼の腸の中で必ず変えられる。

それは彼の内部でコブラの胆汁となろう。

15 富を彼は呑み込んだが,これを吐き出す。

神*は彼の腹からこれを追い出される。

16 コブラの毒液を彼は吸い,

まむしの舌は彼を殺す+。

17 彼は水の流れを決して見ることがない+。

すなわち,蜜とバターの奔流の川を。

18 彼は[その]獲得した所有物を返してゆき,[それを]呑み込むことはない。

交易で得たものの,享受することのない富のように+。

19 彼は粉々に打ち砕き,彼は立場の低い者たちを捨てたからだ。

彼は自分の建てかけたのではない家を奪い取ったのだ+。

20 彼は確かにその腹の中に安らかさを知ることがないからである。

その望ましいものによって彼は逃れることがない+。

21 彼のむさぼり食えるものは何も残っていない。

それゆえに彼の安寧は持ちこたえない。

22 彼の豊富さがその絶頂にあるときに,彼は心配する+。

不幸の力*がことごとく彼を襲う。

23 彼の腹を満たすために,

[神]はその燃える怒りを彼の上に送り+,

[それを]彼の上に,そのはらわたに降らせるように。

24 彼は鉄の武具から逃れ去る+が,

銅の弓は彼を切り裂く。

25 飛び道具が*彼の背中からさえ突き抜け,

きらめく兵器*は彼の胆からも+。

怖ろしいものが彼に向かって行く+。

26 闇はみな彼の秘蔵物のために蓄えて置かれ,

人があおり立てたのでもない火が彼を食らい尽くす+。

その天幕の生存者もひどい目に遭う。

27 天は彼のとがをあらわにし+,

地は彼に向かって反逆を起こす。

28 大雨は彼の家を転がしのけ*,

[神]の怒りの日に注ぎ出されるものがある+。

29 これが邪悪な人*の,神からの*分け前+,

すなわち,神からの*彼の定められた相続物である」。

21 そこでヨブは答えて言った,

 2 「あなた方は,わたしの言葉をよく聴け。

これがあなた方の慰めとなるように。

 3 わたしのことを忍んでくれ。そうすれば,わたしは,話そう。

わたしが話した後に,あなたは[各々]あざ笑うがよい+。

 4 わたしについていえば,わたしの気遣いは人に対して[表わされて]いるのだろうか。

あるいは,どうして,わたしの霊は耐え難くならないのだろうか。

 5 あなた方の顔をわたしに向け,驚いて見つめよ。

[あなた方の]口に手を当てよ+。

 6 そして,わたしは思い起こすと,やはりかき乱され,

身震いがわたしの肉を捕まえた。

 7 どうして,邪悪な人々が生き続け+,

年老いて,しかも富においても勝っているのか+。

 8 彼らの末は彼らと共にあって,その見るところでは堅く立てられ,

彼らの子孫はその目の前に[堅く立てられている]。

 9 その家は平和そのもので,怖れがなく+,

神*の杖は彼らの上に臨まない。

10 実際,彼の雄牛ははらませて,種を無駄にしない。

その雌牛は生んで+,流産を起こすことはない。

11 彼らは自分の幼い者たちを羊の群れのようにしきりに送り出し,

彼らの男の子たちは跳ね回る。

12 彼らはタンバリンとたて琴に合わせて[声]を上げ続け+,

笛の音を聞いて歓んでいる。

13 彼らはその日々を幸せのうちに過ごし+,

たちまちシェオルに下る。

14 そして彼らは[まことの]神に向かって言う,『我々から離れてください+!

それにあなたの道についての知識を我々は喜んでいません+。

15 全能者は何者だというので,我々はこれに仕えなければならない*のか+。

我々が彼と接したところで,我々にとってどのように益となるのか』と+。

16 見よ,彼らの安寧はその力*のうちにはない+。

邪悪な者たちの計り事は,わたしから遠く離れている+。

17 邪悪な者たちのともしびは幾度消し去られ+,

その災難は[幾度]彼らに臨むことか。

[神]は怒って[幾度]滅びを分け与えることか+。

18 彼らは風*の前のわらのように+,

暴風が盗み取ったもみがらのようになるだろうか。

19 神*は,人の有害なことをその人の子らのために蓄えて置かれる+。

[神]は人に報いて,その人が[これを]知るようにさせる+。

20 彼の目は自分の衰微を見,

全能者の激怒を彼は飲む+。

21 自分の後の家のことで何がその喜びだというのか。

その月の数が実際,二分されるのに+。

22 彼は神に*知識を教えるというのか+。

その方が高き者たちを裁かれるのに+。

23 この人は,全く自足しているときに死ぬ+。

全く安らいで,安らかなときに。

24 彼のその股は脂で満ち,

その骨の髄が潤っている[ときに]。

25 そして,この別の人は苦しい魂と共に死ぬ。

良いものを食べたことがないのに+。

26 彼らは共々に塵の中に横たわり+,

うじが彼らの覆いとなる+。

27 見よ,わたしはあなた方の考えをよく知っている。

あなた方がわたしに対して暴虐を行なおうとするその企てを+。

28 それはあなた方が,『高貴な者の家はどこにあるのか。

天幕,邪悪な者たちの幕屋はどこにあるのか』と言うからだ+。

29 あなた方は道を行く人々に尋ねなかったのか。

彼らのしるしを注意深く調べないのか。

30 すなわち,災難の日に邪悪な者は容赦され+,

憤怒の日にも救い出される*ことを。

31 だれが面と向かって彼にその道について告げるであろう+。

彼が行なったことに対して,だれが彼に報いるであろう+。

32 彼は,墓地へ運ばれ+,

墓*の上で寝ずの番がなされる。

33 彼には奔流の谷の地の土くれも確かに甘く+,

自分の後に彼はすべての人を*引いてゆく+。

彼の前の者たちは数え切れない。

34 それで,あなた方は何とむなしくわたしを慰めようとすることか+。

あなた方の返答が確かに不誠実のままなのに」。

22 そこでテマン人エリパズは答えて言った,

 2 「強健な人*は,神の*役に立つことができようか+。

洞察力のある者も自分にとって役に立つだけだ。

 3 全能者はあなたが義にかなっていることを喜ぶだろうか+。

また,あなたが自分の道をとがめのないものにしても,何の益になろう+。

 4 あなたの畏敬の念のゆえに[神]はあなたを戒め,

あなたと共に裁きに臨まれるだろうか+。

 5 あなたの悪は既に多過ぎるのではないか+。

あなたのとがは果てしがないのではないか。

 6 あなたは理由もなく自分の兄弟たちから質物を取り+,

裸の人々の衣をさえはぎ取るからである。

 7 あなたは疲れた者に水を飲ませず,

飢えた者にパンを差し控える+。

 8 強さ*のある人については*,土地はその人のものであり+,

えこひいきされる者がそこに住む。

 9 やもめをあなたは空手で去らせた。

父なし子の腕は砕かれる*+。

10 それゆえに,鳥のわながあなたの周囲にあり+,

突然の恐怖があなたを動揺させる。

11 あるいは闇が,[そのために]あなたは見ることができないのだが,

波打つ大水が,あなたを覆う。

12 神*は天の高い所ではないのか+。

さらに,星の総和*+を見よ*。その高いことを。

13 それなのにあなたは言った,『神*は実際,何を知っておられるのか。

濃い暗闇を通して裁くことができようか。

14 雲は[神]のための隠れ場所なので,[神]は見ず,

天の丸天井を[神]は歩き回られる』と。

15 あなたは昔からのあの道を固守しようとするのか。

有害な者たち*が踏んだ[道]を。

16 それらの[者]は時が来ないうちに取り去られた+。

その基+は川のように押し流される。

17 彼らは[まことの]神に向かって*言っている,『わたしたちから離れてください+!

それに全能者はわたしたちに対して*何を成し遂げられようか』と。

18 それでも[神]は,彼らの家を良いもので満たされた+。

だが,邪悪な者たちの計り事は,わたしから遠く離れている+。

19 義人は見て歓び+,

罪のない者は,彼らをあざ笑うことになる,

20 『確かにわたしたちに立ち向かう者*はぬぐい去られた。

彼らのうちの残っているものは火が必ず食らい尽くす』と。

21 どうか,[神]を親しく知り,平和を得よ。

それによって良いことがあなたに来よう。

22 どうか,そのみ口から律法を受け,

その言われたことをあなたの心に納めよ+。

23 もし,あなたが全能者に立ち返るなら+,あなたは建てられる。

[もし]あなたが自分の天幕から不義を遠ざけるなら,

24 [もし]貴重な鉱石を塵の中に置き,

オフィルの金+を奔流の谷の岩の中に[置くなら],

25 全能者も本当にあなたの貴重な鉱石となり,

あなたのために銀,最上のもの[となられる+]。

26 そのとき,全能者を,あなたは自分の無上の喜びとし+,

神*に向かって自分の顔を上げるからである+。

27 あなたは[神]に嘆願をし,[神]はあなた[の言うこと]を聞いてくださる+。

自分の誓約をあなたは果たす+。

28 そしてあなたは事を決し,それはあなたのために成り立つ。

あなたの道の上には確かに光が輝く+。

29 あなたが尊大な態度で話すとき,辱めることが必ずなされるが+,

目のうつむいた者を[神]は救われるからである+。

30 [神]は罪のない者を救出される*+。

あなたは手*の清さによって確かに救出される+」。

23 そこでヨブは答えて言った,

 2 「今日もまた,わたしの気遣い+の様子は反逆であり,

わたしのこの手は嘆きのゆえに重い。

 3 ああ,わたしが[神]を見いだせるところを本当に知っていたらよいのだが+。

その定まった場所にまで行くものを+。

 4 わたしは[神]の前に*正当な訴えを述べ,

わたしの口を反論で満たすであろう。

 5 わたしは[神]がわたしに答えられる言葉を知り,

[神]がわたしに何と言われるかを考慮しよう+。

 6 [神]はそのおびただしい力をもってわたしと争われるだろうか。

そうではない! 確かに[神]は,わたしに留意されるだろう+。

 7 そこでは,廉直な者が,確かに[神]と共に事を正す。

そうすれば,わたしはわたしを裁く方から*永久に無事に逃れられよう。

 8 見よ,東へわたしが行っても,[神]はおられず,

後ろに戻っても,わたしは[神]を見分けることができない+。

 9 [神]が働いておられる左へ[行っても],わたしは[神を]見ることができない。

[神]が右へそれても*,わたしは[神を]見ない。

10 [神]はわたしの取る道をよく知っておられるからだ+。

[神]がわたしを試された[後],わたしは金のように出て来る+。

11 [神]の歩み*をわたしの足は捕らえた。

その道をわたしは守って,逸脱しない+。

12 その唇のおきて[から]わたしは離れない+。

わたしはわたしのために規定されるものよりも,み口の言われたことを蓄えた+。

13 だが,[神]は一つの[思い]をお持ちなので,だれが[神]に抵抗し得よう+。

それに[神]の魂は願いを抱いており,[神]は[それを]行なわれる+。

14 [神]はわたしのために規定されることを完全に履行されるからだ+。

このようなことは[神]のもとに数多くある。

15 それゆえに,わたしは[神]のために動揺を覚える。

わたしは自分が注意深いことを示し,[神]のことで怖れている+。

16 それに神が*わたしの心を気弱にさせ+,

全能者がわたしを動揺させた+。

17 わたしは闇のために沈黙させられなかったからだ。

暗闇がわたしの顔を覆ったためでもなかった。

24 「何ゆえ,時が全能者によって蓄えて置かれず+,

[神]を知っている者たちがその日を見ていないのか+。

 2 境界標を移し換える者たちがいる+。

群れを彼らは奪い取った。彼らが[これを]飼うためである*。

 3 彼らは父なし子の雄のろばをも追い払い,

やもめの雄牛を質物として取る+。

 4 彼らは貧しい者を道から押しのける+。

それと共に,地の苦しむ人々は身を隠していた。

 5 見よ,荒野のしまうま+[のように]

彼らはその働きに出て行って,食べ物を捜し求める。

砂漠平原は子らのためのパンを各々に[与える]。

 6 畑でその飼い葉を彼らは刈り入れ,

邪悪な者のぶどう園を急いで奪い取る。

 7 裸で,彼らは衣もなく夜を過ごし+,

寒さの中で覆うものもない+。

 8 山の雨あらしで彼らはずぶぬれになり,

避け所がないために+,やむなく岩を抱く。

 9 彼らは父なし子を乳房からさえもぎ取り+,

苦しむ者の身にあるものを質に取る+。

10 裸で,彼らは衣もなく行き巡り,

飢えながら,刈り取った穂を運ばなければならない+。

11 露台の壁の間で彼らは昼間を過ごす*。

ぶどう搾り場を彼らは踏まなければならないが,それでもいつも渇いている+。

12 市内からは死にかけている者がうめいており,

致命傷を受けた者たちの魂は助けを叫び求める+。

けれども神は*,[これを]不当なこととして考慮されない+。

13 彼らは,光に背く者のうちにいた+。

彼らはその道を認めず,

その通り道にとどまらなかった。

14 夜明けに,殺人をする者は起き上がり,

苦しむ者や貧しい者を打ち殺し+,

夜には,紛れもない盗人になる*+。

15 姦淫をする者の目は+,夕闇を待ち構えて+,

『だれの目もわたしを眺めることはない!』と言った+。

そして,その顔に覆うものを当てる。

16 闇の中で彼は家々をうがった。

昼は彼らは閉じこもらなければならない。

彼らは日の光を知らなかった+。

17 彼らにとっては朝は深い陰+と同様であり,

彼らは深い陰の突然の恐怖がどんなものかを知っているからだ。

18 彼は水の表を速く去る。

彼らの一続きの土地は地の中でのろわれる+。

彼はぶどう園の道の方に向かわない。

19 干ばつ,それに暑さは,雪水を奪い取る。

そのようにシェオルも罪をおかした者を[奪い取る+]!

20 胎は彼を忘れ,うじは喜んで彼を吸い+,

彼はもはや思い出されることがない+。

そして不義は樹木のように折られる+。

21 彼は子を産まないうまずめと交渉を持っており,

またやもめ+とも。彼はこれによくしてやらない。

22 そして[神]はその力によって確かに強い人々を引いて行かれる。

その人は立ち上がるが,その命*は確かではない。

23 [神]はその人に自信を持つことを許されるので+,その人は頼る。

[神]の目は彼らの道の上にある+。

24 彼らはしばらくのあいだ高くされたが,もはやおらず+,

彼らは低くされた+。ほかのすべての者と同じように彼らは引き抜かれ,

穀物の穂先のように断たれる。

25 それで本当に今,だれがわたしをうそつきとし,

またわたしの言葉を無に帰させるだろうか」。

25 そこでシュアハ人ビルダド+は答えて言った,

 2 「支配権と怖れとは[神]のもとにあり+,

[神]はその高い所で平和を造っておられる。

 3 その部隊には数があろうか。

[神]の光がその上に昇らない者がだれかいようか。

 4 それで,死すべき人間*はどうして神*の前に正しいとされようか+。

また,女から生まれた者はどうして清くあり得ようか+。

 5 見よ,月もあるが,それは明るくない。

星も[神]の目には清くなかった。

 6 まして,うじである,死すべき人間はなおさらである。

虫けらである人*の子は+!」

26 そこでヨブは答えて言った,

 2 「あなたは無力な者にとって何とまあ助けになったのだろう。

あなたは力のない腕を[何と]救ったのだろう+。

 3 あなたは知恵のない者に何とまあ助言し+,

実際的な知恵を大勢の者に知らせたのだろう。

 4 だれに対してあなたは言葉を告げ,

だれの息*があなたから出て来たのか。

 5 死んだ無力な者たち*は震えている。

水とその中に住まう者との下にあって+。

 6 シェオルは[神]の前では裸であり+,

滅び[の場所*]も覆うものがない。

 7 [神]は北をむなしい所の上に張り伸ばし+,

地を無の上に掛けておられる。

 8 水をその雲に包んでおられるので+,

雲塊はその下にあって裂けない。

 9 王座*の面を囲い,

その上に雲を広げておられる*+。

10 [神]は水の面に円を描かれた+。

そこまでで光は闇で終わる。

11 天の柱さえも震い,

[神]の叱責のゆえに驚嘆する。

12 その力によって[神]は海を揺り動かし+,

その理解力により暴れ者*+を打ち砕かれた+。

13 その風によって*[神]は天をもきれいにされ+,

そのみ手は滑るように動く蛇を刺し貫いた+。

14 見よ,これらは[神]の道の外縁+。

何とかすかなささやき事が[神]について聞かされたのだろう。

しかしその力のある雷についてはだれが理解力を示せようか+」。

27 次いでヨブはまた,格言的なことば+を挙げて,言った,

 2 「わたしの裁きを奪い去った+神*は生きておられ+,

わたしの魂を苦しめた全能者[は生きておられる+]。

 3 わたしの息がなおそのままわたしの内にあり,

神*の霊がわたしの鼻にある限り+,

 4 わたしの唇は不義を語らず,

わたしのこの舌は欺まんを並べない!

 5 あなた方を義と宣するなど,わたしには考えられないことだ+!

わたしは息絶えるまで,自分の忠誠を自分から奪い去らない+!

 6 自分の正当さをわたしは堅く捕らえた。わたしはこれを手放さない+。

わたしの心はわたしのどの日のことでも[自分を]嘲弄しはしない+。

 7 わたしの敵はあらゆる点で邪悪な者となり+,

わたしに反抗する者は本当に悪行者[となる]ように。

 8 背教者の望みは何であろうか。[神]が[その人]を断たれる場合+,

神*がその人から魂を奪い去られる場合は+。

 9 神*はその人の叫び声を聞かれるであろうか。

苦難が彼に臨む場合に+。

10 あるいは,全能者を彼は無上の喜びとするであろうか。

いつも神に呼びかけるであろうか。

11 わたしは神のみ手によってあなた方を教え諭そう。

全能者のもとにあるものをわたしは隠すことをしない+。

12 見よ,あなた方は,皆,幻を見た。

それでは,どうしてあなた方は自分たちが全くむなしいことを示すのか+。

13 これが邪悪な者*の神からの分け前である+。

圧制者の相続物を彼らは全能者から受ける。

14 たとえその子らが多くなっても,それは剣のためのものである+。

その子孫には,十分の食物*がない。

15 その生存者は致命的な災厄*の際に葬られ,

彼らのやもめは泣くこともない+。

16 たとえ彼は銀を塵のように積み上げ,

さながら粘土のように衣装を備えるとしても,

17 彼は備えはするが,義人が[それを]身に着けるところとなり+,

その銀には,罪のない人があずかるところとなる。

18 彼はただの蛾のような家を建てた。

見張りの者が造った仮小屋+のような[家を]。

19 富んだ[者として]彼は横たわるが,何も集められはしない*。

その目を彼は開いたが,何もないであろう+。

20 大水のように*突然の怖ろしいことが彼に追いつき+,

夜には暴風が必ず彼を盗み取る。

21 東風は彼を運び去り+,彼は去って行き,

それはうずを巻いて彼をその場所から持って行く+。

22 そしてそれは彼に飛び掛かり,情けをかけることはない+。

その力から彼は必ず逃れ去ろうとする+。

23 人は彼に向かって手をたたき+,

彼に向かってその場所から口笛を吹く*+。

28 「まことに,銀にはこれを見いだす所があり,

人々が精錬する金にも場所[がある+]。

 2 鉄は塵から取られ+,

銅は石[から]溶かし出される。

 3 人は闇に終わりを設けた。

そして,あらゆる限界まで探り出してゆく+。

暗闇と深い陰の石を。

 4 人は[人々が]外国人としてとどまっている所から遠く離れて立て坑を掘り下げた+。

足から遠く忘れられた所[で]。

死すべき人間のある者たち*はぶら下がり,ぶらぶらしていた。

 5 地についていえば,そこから食物が生ずる+。

しかしその下では,それは火によるかのようにひっくり返されている。

 6 その石はサファイアの場所+,

それには金の塵がある。

 7 ひとつの通り道 ― 猛きん+もこれを知らず,

くろとび+の目もこれを見かけたことがない。

 8 堂々たる野獣*もこれを踏み固めたことがない。

若いライオンもその上を進んだことがない。

 9 人は燧石にその手を突き出した。

彼は山々を[その]根元から覆した。

10 彼は岩の中に水の満ちた坑道を切り開き+,

すべて貴重なものをその目は見た。

11 川がちょろちょろ流れ出る所を彼はせき止めた+。

そして,隠されているものを光に持ち出す。

12 しかし知恵 ― それはどこで見いだされようか+。

では,悟りのある場所はどこか。

13 死すべき人間はその評価*を知っていない+。

それは生ける者の地では見いだされない。

14 水の深み*が言った,

『それはわたしの中にはない!』

海も言った,『それはわたしのもとにはない+!』

15 純金もこれと引き替えに与えることはできず+,

銀もその代価として量り分けることはできない。

16 それはオフィルの金をもってしても*支払うことはできない+。

まれなしまめのうやサファイアをもってしても。

17 金*やガラスもこれと比べることができず,

また精錬された金のどんな器もその引き替えとはならない。

18 さんご+も水晶も取り上げて言われることはない。

しかし袋一杯の知恵は[袋一杯の]真珠よりも値打ちがある+。

19 クシュ*のトパーズ+もこれと比べることはできない。

それは純粋の金をもってしても支払うことができない。

20 しかし知恵 ― それはどこから来るのか+。

では,悟りのある場所はどこか。

21 それはすべての生けるものの目からも隠され+,

天の飛ぶ生き物からも隠されている。

22 滅び*も死も言った,

『わたしたちは自分たちの耳でそのうわさを聞いた』と。

23 神*こそその道を理解しておられる方であり+,

[神]は,その場所を知っておられる。

24 [神]は,地の果てまでも見+,

全天の下で*ご覧になられるからだ。

25 それは風のために*重さを設けるためである+。

[神]がはかりで水を釣り合わせられたとき+,

26 雨のために規定を設け+,

雷雨の雲のための道[を設けられた]とき,

27 そのとき,[神]は[知恵を]*見て,それについて語りだされた。

[神]はそれを整え,またそれをくまなく探られた。

28 次いで[神]は人に*言われた,

『見よ,エホバ*への恐れ ― これこそ知恵であり+,

悪から離れることが悟りである+』」。

29 次いでヨブは再び,その格言的なことばを挙げて言った,

 2 「ああ,わたしが昔の太陰の月々のときのようであったらよいのに+。

神*がわたしを守っておられた日々のときのように+。

 3 そのとき,[神]はそのともしびをわたしの頭の上に輝かせてくださり,

[そのとき]わたしは[神]の光によって闇[の中を]歩んだ+。

 4 わたしがわたしの盛りの日々にあったときのように+。

そのとき,神との親密さがわたしの天幕のもとにあった+。

 5 そのとき,全能者はなおもわたしと共におられ,

[そのとき]わたしの従者はわたしの周りにいた!

 6 そのとき,わたしは自分の足跡をバターで洗い,

岩はわたしのために油の流れを注ぎ出してくれた*+。

 7 そのとき,わたしは町の傍らの門に出て行き+,

公共の広場でわたしの座を整えたものだった+!

 8 若者たちはわたしを見て身を隠し,

老人たちさえ起き上がって,立った+。

 9 君たちも言葉を抑え,

たなごころをその口に当てるのであった+。

10 指導者たちの声も潜められ,

彼らのその舌は上あごにくっついた+。

11 耳も聴いて,わたしを幸いな者とし,

目も見て,わたしのために証しをしたからである。

12 それはわたしが,助けを叫び求める苦しむ者を救出し+,

父なし子や助け手のない者[を救出した]からである+。

13 滅びうせようとしている者の祝福+ ― それがわたしに臨み,

やもめの心をわたしは喜ばせたのである+。

14 義をわたしは身に着け,それはわたしをすっかり覆っていた+。

わたしの公正はそでなしの上着のようであり ― ターバン[であった]。

15 わたしは盲人のために目となり+,

足のなえた人のための足であった。

16 わたしは貧しい者のための真の父であり+,

わたしの知らない者の訴訟 ― わたしはそれを調べた+。

17 また,わたしは不正をする者のあご骨を砕き+,

その歯から獲物を引き離した*。

18 そしてわたしはこう言ったものだった,『わたしの巣の中で*わたしは息絶え+,

砂粒のように[わたしの]日を殖やそう+。

19 わたしの根は水に対して開かれており+,

露が一晩中わたしの大枝の上にとどまる。

20 わたしの栄誉はわたしと共に新たであり,

わたしの弓はわたしの手にあって幾度も[矢を]射る』と。

21 彼らはわたし[の言うこと]を聴き,そして待ち望んだ。

彼らはわたしの助言のために黙っていた+。

22 わたしの言葉の後は彼らは二度と語らず,

彼らの上にわたしの言葉は滴り落ちた+。

23 そして彼らは雨を待つようにわたしを待ち+,

春の雨を求めてその口を大きく開けた+。

24 わたしは彼らにほほえみかけた ― 彼らは[それを]信じなかった ―

わたしの顔の光+を彼らは陰らせなかった。

25 わたしは彼らのための道を選び,頭として座っていた。

わたしは部隊の中の王のように住んだ+。

嘆き悲しむ者を慰める者のように+。

30 「ところが今や彼らはわたしをあざ笑った+。

わたしよりも日の若い者たちが+。

その父たちにわたしは拒んだであろう。

わたしの群れの犬と一緒にすることを。

 2 彼らの手の力さえも ― わたしに何の役に立っただろう。

彼らの内では精力は消えうせた+。

 3 欠乏と飢えのゆえに彼らは実りがなく,

水のない地をかじっている+。

[そこでは]昨日,あらしと荒廃があった。

 4 彼らはかん木の傍らの塩の草本を引き抜いていた。

えにしだの木の根が彼らの食物であった。

 5 世間から彼らは追い出された+。

人々は盗人に対するように彼らに叫び呼ばわるのであった。

 6 [彼らは]奔流の谷の斜面に住ま[なければならない]。

塵の穴や岩の中に。

 7 かん木の間で彼らは叫び,

いらくさの下に身を寄せ合っていた。

 8 無分別な者+の子ら,また名もない者の子ら,

彼らはこの地からむちでたたき出された。

 9 ところが今は,わたしが彼らの歌の主題となった+。

わたしは彼らにとって物笑いの種である+。

10 彼らはわたしを忌み,わたしから遠ざかった+。

わたしの顔から彼らはつばを控えなかった+。

11 [神]は[わたしの]弓弦を解き,そしてわたしを卑しめられたので,

彼らは手綱をわたしのゆえに解き放したからである。

12 [わたしの]右手に彼らは不逞のやからとして立ち上がる。

わたしの足を彼らは進ませたが,

彼らはわたしに向かって災難をもたらす障壁を盛り上げた+。

13 彼らはわたしの通り道を打ち壊した。

彼らはただわたしの不幸のためだけに益になった+。

彼らには助け手がなかったのに。

14 広い破れ目から入るように彼らはやって来る。

あらしの中を押し寄せて来た。

15 突然の怖ろしいことがわたしに向けさせられた。

わたしの高潔な態度は風のように*追われ,

雲のようにわたしの救いは消え去った。

16 そして今,わたしの魂はわたしの内で注ぎ出される+。

悩みの日々+はわたしを捕らえる。

17 夜にはわたしの骨+がえぐり抜かれ[て],わたしから[落ちた]。

わたしをかじる[痛み]は少しも休まない+。

18 おびただしい力によってわたしの衣は形を変える。

わたしの長い衣のえりのようにそれはわたしを取り巻く。

19 [神]はわたしを泥土に降ろされたので,

わたしは自分が塵や灰のようであることを示す。

20 私はあなたに向かって助けを叫び求めますが,あなたはお答えになりません+。

私は立ちました。あなたが注意深いことを私に示してくださるようにと。

21 あなたは変わって,私にとって残酷な方となられます+。

み手の全力をもってあなたは私に対して敵がい心を抱かれます。

22 あなたは私を風に上げ,私を[それに]乗らせます。

それから,あなたはすさまじい音を立てて私を溶解させます。

23 私は,あなたが私を死に返らせることをよく知っているからです+。

すべての生けるもののための集合の家に[返らせることを]。

24 ただし,だれも単なる廃虚の山にその手を突き出さず+,

またその衰亡のときにはそれらのことに関して助けを求める叫びもない。

25 確かにわたしは苦しい日を送る者のために泣いた+。

わたしの魂は貧しい者のために悲しんだ+。

26 幸せをわたしは待ったのに,悪いことが来た+。

わたしは光を待望していたのに,暗闇が来た。

27 わたしの腸は煮えくり返らされ,静まっていなかった。

悩みの日がわたしに立ち向かった。

28 日の光*のないときに,悲しみつつ+,わたしは歩き回った。

わたしは会衆の中で*立ち上がり,助けを叫び求めていた。

29 わたしはジャッカルの兄弟となり,

だちょうの娘らの友[となった+]。

30 わたしの皮膚は黒くなって+わたしから[落ち],

わたしの骨は乾きのために熱くなった。

31 そしてわたしのたて琴はただ喪のためとなり,

わたしの笛は泣く者たちの声のため[となった]。

31 「契約をわたしは自分の目と結んだ+。

それゆえ,どうしてわたしは自分が処女に対して注意深いことを示すことができようか+。

 2 それでは,上なる神*からのどんな受け分があろうか+。

また,高い所から,全能者からの相続物[があろうか]。

 3 不正をする者には災難があるのではないか+。

有害なことを行なう者には不幸が。

 4 [神]は,わたしの道を見+,

わたしのすべての歩みをさえ数えられないであろうか。

 5 もし,わたしが不真実[の者たち]と共に歩んだなら+,

またわたしの足が欺きに急ぐなら+,

 6 [神]は正確なはかりで*わたしを量り+,

神*はわたしの忠誠を知ってくださるであろう+。

 7 もし,わたしの歩みが道から逸脱するなら+,

または,わたしの心がただ自分の目に従って歩んだなら+,

また,何らかのきずがわたしのこのたなごころにくっついたなら+,

 8 わたしが種をまき,だれかほかの人が食べ+,

わたしの子孫が根絶されるように。

 9 もし,わたしの心が女に誘われ+,

わたしがわたしの友の入り口で待ち伏せしていたなら+,

10 わたしの妻が他人のために[臼を]ひくことをし,

彼女の上にほかの人がかがみ込むように+。

11 それはみだらな行ないであり,

それは裁判人[による注意]を要するとがだからである+。

12 それは滅び*に至るまで食らう火であり+,

わたしのすべての産物の中でそれは根を降ろすからである。

13 もしわたしがわたしとの訴訟でわたしの奴隷男の裁きを,

あるいはわたしの奴隷女の[裁きを]拒むのを常としていたなら,

14 そうであれば,神*が立ち上がられるとき,わたしは何を行なえようか。

また,[神]が弁明を求められるとき,わたしは何と答えられよう+。

15 わたしを腹の中に造られた方は彼をも造られたのではないか+。

ただ一人の方が胎内にわたしたちを整えられたのではないか。

16 もし,わたしが立場の低い者に[その]楽しみを得させないようにするのを常とし+,

やもめの目を衰えさせたのなら+,

17 また,わたしのわずかばかりのものを独りで食べるのを常とし,

一方,父なし子がそれを食べなかったなら+

18 (わたしの若い時から彼は父と共にいるようにわたしと共に成長し,

わたしの母の腹を出たときから,わたしは彼女を導いてきたのに),

19 もしわたしが,だれかが衣がなくて滅びうせようとするのを+,

または貧しい者が覆うもののないのを見るのを常としていたなら,

20 もし彼の腰がわたしを祝福もせず+,

またわたしの若い雄羊の刈られた毛+で彼が身を暖めもしなかったなら,

21 もしわたしが父なし子に向かってわたしの手を打ち振ったなら+,

門のところでわたしの援助[が必要なの]を見ながら[そうしたのなら+],

22 わたしのこの肩甲骨がその肩から落ち,

わたしのこの腕がその上の骨から折られるように。

23 神*からの災難はわたしにとって怖れであり,

その威厳+に対してはわたしは持ちこたえられなかったからである。

24 もしわたしが金*をわたしの確信とし,

または金に向かって*,『あなたはわたしの信頼だ!』と言ったなら+,

25 もしわたしが自分の資産が多いゆえに歓ぶのを常とし+,

わたしの手が多くのものを見いだしたゆえに[そうしたなら+],

26 もしわたしが,光を放つときのその光を見,

または進んで行く見事な月を[見るのを]常とし+,

27 そしてわたしの心がひそかに迷わされるようになり+,

わたしの手がわたしの口に口づけした*なら,

28 これもまた,裁判人[による注意]を要するとがである。

わたしは上なる[まことの]神を否んだことになるからだ。

29 もしわたしがわたしを激しく憎む者の消滅を歓ぶのを常とし+,

または,害悪が彼を見いだしたゆえに興奮を覚えた*なら ―

30 そしてわたしは自分の上あごに罪を犯すことを許さなかった。

彼の魂に不利な誓いを求めることによって+。

31 もしわたしの天幕の者が言わなかったなら,

『彼の食物*で飽き足りない者をだれが出せようか』と+―

32 外で外人居留者は夜を過ごしはしなかった+。

わたしの扉をわたしは道筋*に向けて開けていた。

33 もし,地の人のように*わたしが自分の違犯を覆ったなら+。

わたしのとがを自分の肌着のポケットに隠して ―

34 わたしは大勢の群衆に衝撃を受け,

また諸氏族の侮べつがわたしを怖れさせ,

わたしは沈黙して,入口から出てゆかなかったであろうから。

35 ああ,わたし[の言うこと]を聴いてくれる者がいたなら+。

わたしの署名*にしたがって,全能者がわたしに答えてくださったらよいのだが+!

あるいは,わたしとの訴訟を起こした者*が書状を書いておいていたならよいのだが!

36 必ずやわたしの肩にわたしはそれを負い,

それを堂々たる冠のように我が身に縛りつけよう。

37 わたしの歩みの数をわたしは彼に告げ+,

指導者のように彼に近づこう。

38 もし,わたしに向かってわたしの土地が援助を叫び求め,

共々にその畝が泣くとしたら,

39 もし,その産物*をわたしが金を払わずに食べ+,

その所有者たちの魂をあえがせたことがあるなら+,

40 小麦の代わりにとげのある雑草が生え+,

大麦の代わりに悪臭のある雑草が[生える]ように」。

ヨブの言葉は終わった。

32 それでこれら三人の者はヨブに答えるのをやめた。それは彼が自分の*目に義にかなっていたからである+。2 ところで,ラムの氏族のブズ人+,バラクエルの子エリフ*の怒りが燃えた。ヨブに対して彼の怒りは燃え盛った。[ヨブ]が神よりも*むしろ自分の魂を義と宣したことに対してであった+。3 また,その三人の友に対しても彼の怒りは燃え盛った。これは,彼らが答えを見いださず,かえって神*を邪悪な者としたからである+。4 ときにエリフは,言葉をもってヨブを待っていた。彼らが日において自分よりも年長だったからである+。5 ところが,エリフはやがて三人の者の口+に答えがないのを見,彼の怒りは一層燃えた。6 そこでブズ人,バラクエルの子エリフは答えて言った,

「わたしは日が若く,

あなた方は年老いている+。

それゆえに,わたしはたじろぎ*,恐れた。

わたしの知識をあなた方に告げ知らせるのを[恐れた]。

 7 わたしは言った,『もろもろの日が語るべきであり,

数多くの年こそ知恵を知らせるべきものである』と+。

 8 確かに,死すべき人間の内の霊,

そして全能者の息,それが彼らに悟りを与える+。

 9 単に日数の多い者が賢いのではなく+,

またただ年老いた者が裁きを理解するのでもない+。

10 それゆえ,わたしは言った,『どうか,わたし[の言うこと]を聴くように。

わたしはわたしの知識を告げ知らせる。わたしもまた』。

11 見よ,わたしはあなた方の言葉を待ち望み,

あなた方の推論に耳を向けてきた+。

あなた方が[言うべき]言葉を探せるまで。

12 そしてあなた方に,わたしは注意を向けていたが,

それでも何と,ヨブを戒める者はなく,

あなた方のうちのだれも彼の言ったことに答える者はいない。

13 それは,あなた方が,『わたしたちは知恵を見いだした+。

彼を吹き払われるのは神*であって,人ではない』などと言わないためである。

14 彼はわたしに向かって言葉を並べ立てはしなかったから,

あなた方の言ったことをもって,わたしは彼に返答したりはしない。

15 彼らはおびえて,もはや答えなかった。

言葉は彼らから立ち退いた。

16 そしてわたしは待った。彼らが語り続けないからである。

彼らは立ち止まり,もはや答えなかったからである。

17 わたしはわたしの分を答えて述べる。わたしもまた。

わたしはわたしの知識を告げ知らせる。わたしもまた。

18 わたしは言葉で満ちており,

霊がわたしの腹の中でわたしに圧迫を加えた+からだ。

19 見よ,わたしの腹は抜け口のないぶどう酒のようだ。

新しい皮袋のように張り裂けようとしている+。

20 わたしに語らせてもらいたい。それがわたしに安堵をもたらすものとなるために。

わたしは唇を開く。わたしが答えるために+。

21 どうか,人*にえこひいきを示すことをわたしにさせないでもらいたい+。

地の人*にわたしは称号を贈ることはしない+。

22 わたしは,どうすれば称号を贈れるかを本当に知らないからだ。

そうでなければ,わたしの造り主+は容易にわたしを運び去るであろう。

33 「しかし,今,ヨブよ,どうか,わたしの言葉*を聞くように。

わたしの語るすべてのこと*に,どうか耳を向けるように。

 2 どうか,見るように。わたしは必ず口を開く。

わたしの舌は上あご+と共に必ず語る。

 3 わたしの言うことはわたしの心の廉直さであり+,

知識こそ実際,わたしの唇が誠実に述べるものである+。

 4 神の霊*がわたしを造り+,

次いで全能者の息がわたしを生かした+。

 5 もしあなたにできるなら,わたしに返答をするように。

わたしの前に[言葉を]並べ立て,どうか立つように。

 6 見よ,わたしは[まことの]神にとってあなたと同然だ+。

粘土でわたしは形造られた+。わたしもまた。

 7 見よ,わたしの怖ろしさはあなたをおびえさせず,

わたしの圧力+はあなたには重くなることはない。

 8 ただし,あなたはわたしの耳に言い,

[あなたの]言葉の響きをわたしは聞いていた,

 9 『わたしは純粋で違犯がなく+,

わたしは清く,わたしにはとががない+。

10 見よ,わたしを攻めるきっかけを[神]は見つけ,

わたしをご自分の敵とみなされる+。

11 [神]はわたしの足を足かせ台にはめ+,

わたしのすべての道筋を見守られる』と+。

12 見よ,このことであなたは正しくなかったと+,わたしはあなたに答える。

神*は死すべき人間よりも偉大だからである+。

13 どうして,[神]に向かって,あなたは争ったのか+。

あなたのすべての言葉に[神]が答えてくださらないからといって+。

14 神*は一度語られ,

二度[語られる+] ― 人はそれを気に留めないが ―

15 夢+,夜の幻+の中で,

深い眠りが人々を襲うとき,

床の上でまどろむときに+。

16 そのとき,[神]は人々の耳を開き+,

彼らのための勧告にその印を押される。

17 それは人*をその行ないから離れさせるため+,

[神]が強健な人から*誇りを覆い隠す+ためである。

18 [神]は人の魂を坑に行くのを食い止め+,

その命が飛び道具によって消え去るのを*[食い止められる+]。

19 そして人は実際,その床の上で痛みに戒められ,

その骨の言い争いは絶え間ない。

20 そして彼の命は確かにパンを忌み嫌うべきものにし+,

その魂も好ましい食物を[忌み嫌うべきものにする]。

21 その肉は衰え果てて見えなくなり,

見えなかったその骨は確かにむき出しになる。

22 そしてその魂は坑に近づき+,

その命は死を課する者たちに*[近づく]。

23 もし彼のためにひとりの使者*,

千のうちの一人,代弁者*があり,

人にその廉直なことを告げるならば*,

24 そのとき,[神]はその人を恵んで言われる,

『坑に下るのを彼に免れさせよ+!

わたしは贖い*を見いだした+!

25 彼の肉は若いころよりもみずみずしくなり+,

その若い時の精力の日に返るように+』。

26 彼は神*に嘆願をする。[神]が自分のことを喜んでくださるようにと+。

彼は喜びの叫びをもってみ顔を見る。

[神]は死すべき人間に*ご自分の義を回復してくださる。

27 彼は人々に向かって歌って言う,

『わたしは罪をおかした+。廉直なことをわたしは曲げた。

それは確かにわたしにとってふさわしいことではなかった。

28 [神]はわたしの*魂を請け戻して,坑の中へ入らせられなかった+。

わたしの命は,光を見るであろう』と。

29 見よ,これらすべてのことを神*は行なわれる。

強健な人の場合,二度,三度。

30 その魂を坑から引き戻し+,

彼が生ける者の光で照らされるためである*+。

31 注意を払え,ヨブよ! わたしに聴け!

沈黙せよ。そうすれば,わたしが語り続けるであろう。

32 もし,[言うべき]言葉があるならば,わたしに返答をせよ。

語れ。わたしはあなたの義を喜んだからだ。

33 もしないならば,あなたは,わたしに聴け+。

沈黙せよ。そうすれば,わたしはあなたに知恵を教えるであろう」。

34 さらにエリフは続けて答えて言った,

 2 「聴け,知者たちよ,わたしの言葉を。

物を知っている人たちよ,わたしに耳を向けよ。

 3 耳は,言葉を試すからである+。

物を食べるとき,上あごが味わうように+。

 4 裁きをわたしたちは自分で選ぼう。

何が善いことかをわたしたちの間で知ろう。

 5 ヨブはかつて言ったのである,『わたしは確かに正しい+。

しかし神が*わたしの裁きを押しやられた+。

 6 わたしの裁きに対してわたしはうそをつくのか。

違犯がないのに,わたしのひどい傷は治らない』と+。

 7 どんな強健な人*がヨブのようであろう+。

[彼は]嘲笑を水のように飲み尽くす+。

 8 それに彼は確かに,有害なことを行なう者たちと交際をしており,

邪悪の人々と共に歩むこと[をしている+]。

 9 彼はかつて言ったからである,『強健な人は得をしない+。

神*を喜んではいても』と。

10 それゆえ,心ある人々よ+,わたしに聴け。

[まことの]神が*邪悪なことを行なったり+,

全能者が不正を行なったりすることなど決してない+!

11 地の人*の行なう仕方[にしたがって][神]は人に報い+,

人*の道筋にしたがって,それを人に臨ませられるからである。

12 しかも,実際,神*は,邪悪なことを行なわれない+。

全能者は裁きを曲げられない+。

13 だれがこの地を[神]にあてがい,

だれが産出的な地*を,そのすべてを[神に]指定したのか。

14 もし[神]がその心をだれかに留め,

[もし]その人の霊と息をご自分に集められるなら+,

15 すべての肉なるものは共々に息絶え,

地の人*も塵に返る+。

16 それゆえ,もし[あなたに]悟り[があるなら],どうかこれを聴くように。

どうか,わたしの言葉の響きに耳を向けるように。

17 実際,公正を憎む者が統御するだろうか+。

また,もし強力な方が義にかなっておられるなら,あなたは[その方を]邪悪な者とするだろうか+。

18 人は王に向かって,『あなたはどうしようもない*』と言うだろうか*。

高貴な者たちに向かって,『あなたは邪悪だ』などと+。

19 君たちにえこひいきを示したことがなく,

立場の低い者よりも高貴な者に考慮を払ったりしたことのない[方がおられる+]。

彼らはみなそのみ手の業だからである+。

20 たちまち,彼らは,それも真夜中+に死ぬ+。

民はわなないて,過ぎ去り,

強力な者たちも手によらずに去る+。

21 [神]の目は人*の道の上にあり+,

そのすべての歩みを見られるからだ。

22 闇も,また深い陰もない。

有害なことを行なう者たちがそこに身を隠すための[場所も+]。

23 [神]はどんな人のためにも定めの時を,

裁きのさいに神*のもとに行くべき[時]を設けられないからである。

24 [神]は調査をすることもなく強力な者たちを砕き+,

彼らの代わりにほかの者を立たせられる+。

25 それゆえ,[神]は彼らの業がどのようなものかを識別される+。

そして,夜,確かに[彼らを]覆されるので,彼らは砕かれる+。

26 [神]は彼らを確かに,邪悪な者として平手打ちにされる。

見ている者たちの場所で+。

27 それは,彼らが[神]に従うのをやめ+,

その道をどれも考慮しなかったからである+。

28 こうして立場の低い者の叫び声を[神]のもとに届かせようとした。

ゆえに[神]は苦しむ者たちの叫び声を聞かれる+。

29 [神]が静けさを生じさせるとき,だれが非とし得ようか。

また,[その]み顔を隠されるとき+,だれが[神]を眺め得よう。

一国民に対しても+,あるいはひとりの人*に対しても,同じことである。

30 背教した人が治めないため+,

民のわな+がなくなるために。

31 だれかが実際,神に向かって言うだろうか,

『わたしは不正なことをしないのに,耐えました+。

32 わたしは何も眺めないのですが,あなたがわたしを教え諭してください。

もし不義をわたしが行なったのでしたら,

わたしは二度と致しません』と+。

33 あなたが実際,[裁きを]拒むからといって,[神]はあなたの立場から,そのために償われるだろうか。

わたしではなく,あなたが選ぶからといって。

あなたのよく知っていることを,語るがよい。

34 心ある人々+は,わたしに言うであろう ―

すなわち,わたし[の言うこと]を聴いている賢い強健な人は。

35 『ヨブは,知識がないのに語り+,

その言葉は[彼に]洞察力がないのに[語られるもの]である』と。

36 我が父よ*,ヨブが極限まで試されるように。

有害な人々の中でのその返答のことで+。

37 彼はその罪にさらに背きの罪を加えるからである+。

わたしたちの間で彼は[手を]たたき,[まことの]神に対して*その言うことを殖やす+!」

35 さらにエリフは続けて答えて言った,

 2 「これはあなたが公正とみなしていることなのか。

あなたはかつて言った,『わたしの義は神のそれに勝って*いる』と+。

 3 それはあなたが,『あなたにとって何の役に立つのか+。

罪をおかすことによる以上にわたしにはどんな益があるのか』と言うからである+。

 4 わたしがあなたに返答する。

あなたと共にいるあなたの友たち*+にも。

 5 天を仰ぎ+,見て,

雲を眺めよ+。それが本当にあなたよりも高い[のを]。

 6 たとえあなたが実際に罪をおかしても,[神]に対して何を成し遂げられよう+。

また[たとえ]あなたの背きの罪が実際に増えても,[神]に何を行なえるだろう。

 7 たとえあなたが実際に正しくても,[神]に何を与えられよう。

あるいは,[神]はあなたの手から何を受けられようか+。

 8 あなたの邪悪はあなたのような人に対する*もの+,

あなたの義は地の人*の子に対するものであろう+。

 9 虐げのおびただしさゆえに彼らは援助を呼び求めている+。

彼らは大いなる者たちの腕のゆえに助けを叫び求めている+。

10 それにしても,だれも言わなかった,『わたしの偉大な造り主*+なる神*はどこにおられるのか。

夜,調べを与える方+は』と。

11 [神]は地の獣*に勝って+わたしたちを教える方+であり,

天の飛ぶ生き物よりもわたしたちを賢くしてくださる。

12 そこでは,彼らは叫んでいるが,[神]は答えられない+。

悪い者たちの誇り+のゆえに。

13 ただし,不真実を神*は聞き入れず+,

全能者は,それを注視されない+。

14 では,まして,あなたが[神]を見ないと言うときはなおさらだ+!

訴えは[神]の前にあるので,あなたはひたすら[神]を待つべきである+。

15 けれども今,[神]の怒りは弁明を求めなかったゆえに+,

[神]はまた非常な軽率さを気に留められなかった+。

16 それでヨブは,ただいたずらにその口を大きく開き,

知識もなく,単なる言葉を殖やす+」。

36 そしてエリフはさらに言った,

 2 「しばらくの間,わたしのことを辛抱するように。そうすれば,わたしはあなたに告げ知らせよう。

まだ,神のために*[言うべき]言葉があるということを。

 3 わたしは遠くからわたしの知識を携えて来て,

わたしを形作った方に*義を帰することにする+。

 4 まことに,わたしの言葉は偽りではないからである。

知識の全き方+があなたと共におられるのである。

 5 見よ,神*は力があり+ながら,退けることをされない。

[神は]心*の力が強い。

 6 [神]は邪悪な者を生かしておくことをされず+,

苦しむ者たちの裁きを与えられる+。

 7 [神]はその目を義にかなった者から離すことはない+。

王座にある王たちさえも+―

[神]はまた彼らを永久に座に着かせ,彼らは高められる。

 8 それにもし,彼らが足かせにつながれ+,

悩みの綱で捕らえられるなら。

 9 そのとき,[神]は彼らの行動の仕方について告げ,

彼らが偉そうな態度を取るゆえに,彼らの違犯[についても告げられる]。

10 そして[神]は勧告に対して彼らの耳を開き+,

彼らは有害なことから立ち返るべきであると,[神]は言われるであろう+。

11 もし彼らが聴き従って仕えるなら,

彼らはその日を幸せのうちに終え,

その年を楽しく[終えるであろう+]。

12 しかし,もし彼らが聴き従わなければ,飛び道具によって+彼らは消え去り+,

知識もないまま息絶える。

13 そして心で背教した者たちは,怒りを募らせる+。

[神]がそれらの者を縛られたゆえに,彼らは助けを叫び求めることをしない。

14 彼らの魂は若くして死ぬ+。

その命は神殿男娼たち+の中で。

15 [神]は苦しむ者たちをその悩みのうちに助け出し,

虐げの中で彼らの耳を開かれる。

16 そして[神]はまた,あなたを苦難の口から必ず誘い出される+!

束縛のない,広い所+がその場所にあり,

あなたの食卓の慰めとなるものは肥えたもので満ちる+。

17 邪悪な者の受ける司法上の宣告+で,あなたは必ず満たされる。

司法上の宣告と公正が捕らえるであろう。

18 だから,激しい怒り+に誘い込まれて[悪意に満ちて]手をたたくことのないように[気をつけよ]。

多額の贖い+があなたを迷わさないように。

19 助けを求めるあなたの叫びは効果を表わすだろうか+。否,苦難の中で,

[あなたの]強力な努力を尽くしても+。

20 夜*をあえぎ求めてはならない。

もろもろの民がそのいる所[から]退く[夜を]。

21 あなたが有害なことに向かわないよう用心するように+。

あなたは悩みよりもむしろこれを選んだのだから+。

22 見よ,神*がその力をもって意気揚々と行動される。

だれか[神]のような教訓者があろうか。

23 だれが[神]に対してその道の責任を問うたか+。

だれが,『あなたは不義を行なった』と言ったか+。

24 [神]の働きをあがめるべきことを思い起こせ+。

それについて人々はほめ歌った+。

25 すべての人*がそれを見つめた。

死すべき人間が遠くから見ている+。

26 見よ,神はわたしたちが知り得る以上に高められている+。

数においてその年は探り得ないほどである+。

27 [神]は水のしずくを引き上げられ+,

それは[神]の霧のために雨として漏れるのである。

28 ゆえに,雲は滴り+,

人の上に豊かに滴り落ちる。

29 実際,だれが雲の層を理解できようか。

[神]の仮小屋からのとどろきを+。

30 見よ,[神]はご自分の光をその上に広げ+,

また海の根元を覆われた。

31 それらによって[神]はもろもろの民の弁護をし+,

食物をおびただしく与えられる+。

32 そのもろ手で[神]は稲妻*を覆われた。

そして,これに命令を下して攻撃者を攻めさせられる+。

33 その響き+は[神]について告げ,

畜類もまた,上って来る者に関して[告げる]。

37 「実際,このことでわたしの心はおののきはじめ+,

その所から躍り上がる。

 2 あなた方はよく聴け。そのみ声のとどろくのを+。

また,そのみ口から出るうなり声を。

 3 全天の下に[神]はそれを放たれ,

その稲妻+は地の果て*にまで及ぶ。

 4 その後で声が鳴りとどろく。

[神]はその優勢な声で+雷鳴をとどろかせ+,

その声が聞こえるときも,それを引き止められない+。

 5 神*はくすしいまでにみ声で雷鳴をとどろかせ+,

わたしたちの知り得ない大いなることをしておられる+。

 6 雪に向かって[神]は,『地の方に降れ』と言い+,

雨の大降り,すなわちその強烈な雨の大降り[に向かって言われる]からである+。

 7 すべての地の人の手に[神]は印を押される。

すべての死すべき人間がそのみ業を知るためである。

 8 そして野獣は待ち伏せ場所に入り,

またその隠れ場に住む+。

 9 奥の部屋+から暴風が来,

北風から寒さ[が来る+]。

10 神*の息によって氷が与えられ+,

水の広がりは束縛される*+。

11 しかも,[神]は雲に水気を負わせ,

その光+を雲塊は散らす。

12 そしてこれは,[神]が操ることにより,方々に巡らされている。事を成し遂げるためである。

どこでも[神]がそれに命ずる+所,地の産出的な土地*の面に。

13 杖*のため+,あるいはご自分の地のため+,

あるいは愛ある親切*のために+,[神]はこれに効果を生じさせられる。

14 ヨブよ,ぜひこのことに耳を向けるように。

立ち止まって,神のくすしいみ業にあなたが注意深いことを示せ+。

15 あなたは知っているか。神*がそれらに取り決めを課したときのことを+。

また,その雲の光を照らさせたときのことを。

16 あなたは雲の釣り合いを保つことについて知っているか+。

知識の全き方のくすしいみ業を+。

17 あなたの衣がいかに熱いかを。

地が南から静けさを示すときに*+。

18 [神]と共にあなたは空を打ち伸ばすことができるか+。

鋳物の鏡のように堅い[空を]。

19 [神]に何と言うべきかを知ろうではないか。

わたしたちは闇のために[言葉を]出すことができない。

20 わたしが語りたいなどと[神]に述べられるべきであろうか。

それとも,それは伝えられると,だれかが言っただろうか+。

21 そして今や,彼らは確かに光を見ない。

それは空で光り輝いている。

風が過ぎて行って,これを清めたときに*。

22 北から黄金の輝き*が来る。

神*の上で尊厳+は畏怖の念を起こさせる。

23 全能者については,わたしたちはこれを見いださなかった+。

[神]は力において高められている+。

そして,公正+と義+の豊かさとを軽視なさることはない+。

24 それゆえ,人々*は[神]を恐れるように+。

[神]は,[自分自身の]心に賢い者をだれも気に留められない+」。

38 そこでエホバは風あらしの中から+ヨブに答えて言われた,

 2 「計り事を暗くしているこの人はだれか。

知識がないのに言葉によって+。

 3 どうか,強健な人のように,あなたの腰に帯を締めるように。

わたしはあなたに尋ねてみたい。あなたはわたしに知らせよ+。

 4 わたしが地の基を置いたとき,あなたはどこにいたのか+。

[わたしに]告げよ。もしあなたが確かに悟りを知っているのなら。

 5 だれがその度量衡を定めたのか。もしあなたが知っているのなら。

あるいは,だれが測り綱をその上に張り伸ばしたのか。

 6 その受け台+は何の中に埋められたのか。

あるいは,だれがその隅石を据えたのか。

 7 明けの星+が共々に喜びにあふれて叫び,

神の子たち*+がみな称賛の叫びを上げはじめたときに。

 8 また,[だれが]扉*で海をふさいだのか+。

それは胎から飛び出るときのように出て行きはじめた。

 9 わたしが雲をその*衣とし,

濃い暗闇をそのくるみ帯とし,

10 それからわたしはその上でわたしの規定を打ち破り*,

かんぬきと扉を設け+,

11 次いで,『ここまでは来てもよいが,これ以上はいけない+。

ここであなたの誇り高い波は限られている』と言ったときに+。

12 あなたが朝に命じたのはあなたの日以来のことだったか+。

あなたは夜明けにその場所を知らせ,

13 地の果て*を捕まえさせて,

邪悪な者たち*がそこから振り落とされるようにしたか+。

14 それは印章の下の粘土+のように変容し,

事物*は衣服の場合のように際立つ。

15 そして邪悪な者たち*からはその光は差し控えられ+,

高い腕が折られる+。

16 あなたは海の源*まで行ったことがあるのか。

また,水の深み*+を捜し求めて歩き回ったことがあるのか+。

17 死の門+があなたにあらわにされたことがあるのか。

また,深い陰*の門+をあなたは見ることができるのか。

18 あなたは地の広大な広がりを理知的に考慮したことがあるのか+。

それをすべて知っているのなら,告げてみよ。

19 では,光の住む所に至る道はどこか+。

では,闇についていえば,その場所はどこか。

20 あなたはそれをその境界に連れて行くというのか。

その家に至る通り道を理解するというのか。

21 そのとき,あなたは生まれていたので,知っているのか+。

また,数においてあなたの日が多い[から]か。

22 あなたは雪の倉に入ったことがあるか+。

また,雹の倉をも見るであろうか+。

23 それらをわたしは苦難の時のため,

戦と戦いの日のために取って置いたのだ+。

24 では,光*が分散する道はどこか。

[また]東風+が地の上で四散する[道は]。

25 だれが洪水のために水路を裂き,

雷雨の雲のために道[を裂いたか+]。

26 人*のいない地にも雨を降らせ+,

地の人*のいない荒野[にも雨を降らせる]ため,

27 あらしに襲われた荒れ果てた所を満ち足らせ,

草の生育をもたらすために+。

28 雨には父があるか+。

あるいは,だれが露のしずくを産んだのか+。

29 だれの腹から氷は実際に出て来るのか。

天の白霜+は,実際,だれがこれを産み出すのか。

30 水も石によるかのように身を隠しており,

水の深みの表は堅く締まる+。

31 あなたはキマ星座*のきずなをしっかり結ぶことができるか。

あるいは,ケシル星座*の綱をも解くことができるか+。

32 あなたはマザロト星座*をその定められた時に引き出すことができるか。

それにアシ星座*と共にその子らは,あなたはこれを導くことができるか。

33 あなたは天の法令を知っているのか+。

あるいは,その権能を地に施すことができるだろうか。

34 あなたは声を雲にまで上げて,

波打つ大水にあなたを覆わせることができるか+。

35 あなたは稲妻を放って,これを行かせ,

『わたしたちはここにいます!』と,あなたに言わせることができるか。

36 だれが雲の層に*知恵を置いたか+。

あるいは,だれが空の現象に*悟りを与えたか+。

37 だれが知恵をもって雲を正確に数えることができるか。

あるいは,天の水がめ ― だれが[これを]傾けることができるか+。

38 塵が鋳物の塊になるかのように注ぎ出,

地の土くれもくっつき合うときに。

39 あなたはライオンのために獲物を狩ることができるか。

若いライオンのおう盛な食欲を満たすことができるか+。

40 それらが隠れがにかがみ+,

[あるいは]隠れ場で横たわって待ち伏せしているときに。

41 だれが渡りがらすのためにその食物を整えるのか+。

そのひなが神*に助けを叫び求めるとき,

食べるものがないために,さまよっている[ときに]。

39 「あなたは大岩の山やぎが[子を]産む定められた時を知っているのか+。

あなたは雌じかが産みの苦しみをもって生む+のを見守るであろうか。

 2 あなたはこれらが満了する太陰月を数えることができるか。

また,これらが[子を]産む定められた時を知っているか。

 3 それらはその子を生み落とすとき身をかがめ,

[そのとき,]その産みの苦しみを脱する*。

 4 その子らは強壮になり,原野で大きくなる。

それらは実際,出て行って,彼らのもとには帰らない。

 5 だれがしまうま+を放って自由にし,

だれが野ろばの綱を解いたか。

 6 わたしは砂漠平原をその家とし,

塩地をその住みかとした+。

 7 それは町の騒ぎをあざ笑い,

忍び寄る者の騒々しい音+を聞かない。

 8 それは山々をその放牧地として探り+,

あらゆる緑のもの+を捜し求める。

 9 野牛はあなたに仕えることを望むか+。

あるいは,あなたの飼い葉おけの傍らで夜を過ごすだろうか。

10 あなたは畝で野牛を綱でしっかり縛れるか。

あるいは,それはあなたに従って低地平原をまぐわでならす+だろうか。

11 その力がおびただしいからといって,あなたはこれに頼るだろうか。

あなたの労をこれにゆだねるだろうか。

12 あなたはそれがあなたの種を持ち帰り,

あなたの脱穀場に集めてくれるのを当てにするだろうか。

13 雌のだちょうの翼は楽しげに羽ばたいたか。

あるいは,[それには]こうのとり+の羽先と羽毛[があるか]。

14 これはその卵を地に放置し,

塵の中でそれを暖め,

15 何かの足がそれを押しつぶすことも,

また野の野獣がそれを踏みつけることさえも忘れる。

16 これはその子らを確かに荒く扱う。自分のものでないかのように+―

その労は無駄になる。怖れがない[からである]。

17 神*がこれに知恵を忘れさせ,

これに悟りを分け与えなかったからだ+。

18 これは高い所で羽ばたく時,

馬とその乗り手をあざ笑う。

19 あなたは馬に力強さを与えることができるか+。

その首にさらさらと鳴るたてがみ*をまとわせることができるか。

20 あなたはこれをいなごのように跳びはねさせることができるか。

その鼻あらしの威厳は怖ろしい+。

21 これは*低地平原で前足でかき+,力を大いに歓ぶ。

これは武具に立ち向かうために出て行く+。

22 これは怖れをあざ笑って,おびえない+。

また,剣のために引き返すこともない。

23 これに向かって矢筒は音を立てる。

槍の刃と投げ槍も。

24 力強く踏みしめて進み,興奮して,これは地を呑み込み,

それが角笛の音であることを信じない。

25 角笛が鳴るや,これは,ははあ! と言う。

そして,遠くから戦いをかぎつけ,

隊長*のわめき叫ぶ声とときの声[を聞きつける+]。

26 はやぶさが舞い上がるのは,あなたの理解力によるのか。

その翼を南風に向かって広げるのは。

27 あるいは,鷲+が高く飛び上がるのは,あなたの命令によるのか。

その巣を高い所に作るのは+。

28 大岩の上に住み,夜の間とどまり,

大岩の歯や近づき難い所に[とどまるのは]。

29 そこからそれは必ず食物をうかがい+,

はるか遠くまでその目は眺めている。

30 そして,そのひなも血を吸っている。

打ち殺された者のいるところ,そこにそれはいる+」。

40 そしてエホバはさらにヨブに答えて言われた,

 2 「とがめだてする者が全能者と争おうとするのか*+。

神*を戒める者がこれに答えよ+」。

 3 そこでヨブはエホバに答えて言った,

 4 「ご覧ください,私は取るに足りない者となりました+。

あなたに何と返答致しましょう。

私の手を私は口に当てました+。

 5 一度,私は語りましたが,私はお答え致しません。

そして二度[語りましたが],私はこれ以上申しません」。

 6 そこでエホバは風あらしの中からヨブに答えて言われた+,

 7 「どうか,強健な人のように,あなたの腰に帯を締めるように+。

わたしはあなたに尋ねるので,あなたはわたしに知らせよ+。

 8 実際,あなたはわたしの公正を無効にしようとするのか。

あなたは自分が正しい者とされるために,わたしを邪悪な者とするつもりか*+。

 9 あるいは,あなたには[まことの]神のような*腕があるのか+。

[神]のような声で雷鳴をとどろかせることができるのか+。

10 どうか,優越性+と気高さ+で身を美しく装うように。

尊厳+と光輝+を身に着けよ。

11 あなたの怒りが激しくほとばしり出るように+。

すべてごう慢な者を見て,これを低くせよ。

12 すべてごう慢な者を見て,これを卑しめ+,

邪悪な人々をその場で踏みにじれ。

13 彼らを共々に塵の中に隠し+,

彼らの顔を隠れた所につなぎ留めよ。

14 そうすれば,わたしもまた,あなたをほめよう。

あなたの右の手はあなたを救うことができるからだ。

15 さあ,見よ,わたしがあなたと同様に造ったベヘモト*がいる。

これは青草を雄牛のように食べる+。

16 さあ,見よ,その力はその腰にあり,

その活動力+はその腹の腱に[ある]。

17 これはその尾を杉のように垂れる。

その股の筋は絡み合っている。

18 その骨は銅の管であり,

その強い骨は打って造った鉄の棒のようである。

19 これは神*の道の始まりであり,

その造り主+は自分の剣をそばに持って来ることができる。

20 山々もこれがためにその産物を出し+,

野のすべての野獣もそこで戯れる*。

21 とげのあるロータスの木の下にこれは横たわり,

葦の隠れ場+や湿地+に[横たわる]。

22 とげのあるロータスの木はその陰でこれをさえぎり,

奔流の谷のポプラはこれを取り囲む。

23 たとえ川が逆巻き流れても,これは慌てふためかない。

ヨルダン+がその口にどっと流れかかっても,これは自信がある。

24 その目の前でだれかがこれを捕らえ得ようか。

わなで[その]鼻を突き通し得ようか。*

41 「あなたは釣り針でレビヤタン*+を引き出すことができるか。

また,綱でその舌を押さえつけることができるか。

 2 あなたはいぐさをその鼻に通すことができるか+。

また,いばらでそのあごを突き通すことができるか。

 3 これはあなたにしきりに嘆願し,

また,あなたに柔らかな言葉をかけるだろうか。

 4 これはあなたと契約を結んで,

あなたがこれを捕らえて定めのない時までも奴隷とするようにさせるだろうか。

 5 あなたは鳥とするようにこれと戯れ,

また,あなたの若い女の子たちのためにこれをつなぐだろうか。

 6 仲間たちはそのために物々交換をし*,

小売商人*の間でこれを細かく分けるだろうか。

 7 あなたはもりでその皮を満たし+,

また,やすでその頭を[満たす]だろうか。

 8 あなたの手をその上に置け。

戦いを思い出せ。二度とするな*。

 9 見よ,それに関する人の期待は必ずむなしくなる。

人はまた,それを見ただけで投げ倒される。

10 これを起こすほどの向こう見ずな者はいない。

それで,だれがわたしの前で持ちこたえられよう+。

11 だれが先に何かをわたしに与えたので,わたしはこれに報いるべきなのか+。

全天の下でそれはわたしのものだ+。

12 わたしはそのもろもろの部分について沈黙していることはない。

また,[その]力強さの事やその均整の優美さ[についても]。

13 だれがその衣服の面をはいだか。

その二重のあご*の中にだれが入れようか。

14 その顔*の扉をだれが開いたか。

その周りの歯は怖ろしい。

15 うろこの畝はそのごう慢さであり,

堅い封印によるかのように閉じている。

16 一つ一つそれらはぴったりと合い,

空気もその間に入ることができない。

17 互いに*それらはくっつき合っており,

互いにつかみ合っていて,分けられない。

18 そのくしゃみも光を放ち,

その目は夜明けのひらめきのようだ。

19 その口からは,せん光が出て行き,

火花が飛び出す。

20 その鼻からは煙が出る。

いぐさで燃え立たせられた炉のように。

21 その魂*は炭を燃え上がらせ,

炎がその口から出る。

22 その首には強さが宿り,

その前には絶望が躍る*。

23 その肉のひだはまさしくくっつき合い,

その身に鋳造されたもののようで,動かない。

24 その心臓は石のように鋳造され,

しかも,臼の下石のように鋳造されている。

25 それが身を起こすことにより,強い者も怖れ+,

[肝]をつぶすほどの驚きのためにうろたえる。

26 これに追いついても,剣も堪えず,

槍も,投げ矢も矢じりも[堪えない+]。

27 これは鉄+をただのわらのようにみなし,

銅をただの腐った木のように[みなす]。

28 矢*もこれを追い払わない。

石投げの石+もこれにはただの刈り株に変えられた。

29 こん棒も[これには]ただの刈り株のようにみなされた+。

これは投げ槍のうなる音をあざ笑う。

30 その下側はとがった土器片のようだ*。

それは脱穀機+を泥の上に伸べる。

31 これは深みをなべのように沸き立たせ,

海を塗り油のなべのようにする。

32 その後にこれは通り道を輝かせる*。

人は水の深みを白髪と*みなすであろう。

33 塵の上にはこれと似たものはなく,

恐怖のないものに造られた。

34 すべて高いものをこれは見る。

これはすべての堂々たる野獣*の王である」。

42 そこでヨブはエホバに答えて言った,

 2 「私はあなたがすべてのことをなし得ることを知りました+。

あなたには達成し得ない考えはないことを+。

 3 『知識がないのに計り事を暗くしているこの人はだれか+』。

それゆえ,私は語りましたが,理解していませんでした。

私の知らない,私にとって余りにもくすしいことを+。

 4 『どうか,聞くように。そうすれば,わたしが話すであろう。

わたしはあなたに尋ねるので,あなたはわたしに知らせよ+』。

 5 私はあなたのことをうわさ*で聞いていましたが,

今は,私のこの目があなたを確かに見ております。

 6 それゆえに,私は撤回し,

塵と灰の中でまさしく悔い改めます*+」。

7 そしてエホバがこれらの言葉をヨブに語られた後,エホバはさらにテマン人エリパズにこう言われたのである。

「わたしの怒りはあなたとあなたの二人の友+に向かって燃えた。それは,あなた方がわたしに関して,わたしの僕ヨブがしたように真実なことを語らなかった+からである。8 それで今,自分たちのために雄牛七頭と雄羊七頭+を取って,わたしの僕ヨブのところに行き+,あなた方は自分たちのために焼燔の犠牲をささげなければならない。そうすれば,わたしの僕ヨブがあなた方のために祈るであろう+。ただ彼の顔だけをわたしは受け入れて,あなた方のことで不面目な愚行を行なわないようにする。それはあなた方が,わたしの僕ヨブがしたように,わたしに関して真実なことを語らなかったからである+」。

9 そこでテマン人エリパズとシュアハ人ビルダド[と]ナアマ人ツォファルは行って,エホバが彼らに語られた通りにした。それゆえ,エホバはヨブの顔を受け入れられた。

10 それから,エホバは,ヨブがその友のために祈ったとき+,彼の捕らわれた状態を元に戻し+,エホバはさらに,すべてヨブのものであったものを,二倍にして与えはじめられた+。11 そして,彼のすべての兄弟たち,すべての姉妹たち,以前彼を知っていたすべての者が彼のもとにやって来て+,その家で彼と共にパンを食べ+,彼に同情し,エホバが彼に臨むままにされたすべての災いのことで彼を慰めはじめた。それから彼らは各々,金子一枚*を,各々金の輪一つを彼に贈った。

12 エホバは後に,ヨブの終わりをその始めよりも+祝福された+ので,彼は羊*一万四千頭,らくだ六千頭,牛一千対,雌ろば一千頭を持つことになった。13 彼はまた,息子七人と娘三人を持つことになった+。14 そして彼はその第一の[娘の]名をエミマ,第二の名をケツィア,第三の名をケレン・ハプクと呼ぶようになった。15 そして,全土にヨブの娘たちほどきれいな女は見つからなかった。その父は彼女たちにも,その兄弟たちの間で相続物を与えた+。

16 こうしてヨブはこの後,百四十年生き長らえて*+,その子とその孫を見た+ ― 四代であった。17 そして,やがてヨブは年老い,よわいに満ち足りて死んだ+。*

「ヨブ」。ヘ語,イーヨーヴ,「敵意の的」の意。創 46:13のウェヨーヴ,「ヨブ」と同一人物ではない。

「人」。ヘ語,イーシュ。

「羊」。または,「小家畜」,羊ややぎを含む。

字義,「東の子ら」。

「各々」。ヘ語,イーシュ。

「のろった」が元の読み方。この句は「祝福した」と読むように変えられた。七十訳,「に対して悪い事を考えた」; シリ訳,「ののしった」; ウル訳,「祝福した」。付録2ロ参照。

「[まことの]神」。ヘ語,ハーエローヒーム。定冠詞「ハー」が称号エローヒームの前に付いている。付録1ヘ参照。

「の子ら」。ヘ語,ベネー; 七十訳,「み使いたち」。

ヘ語,ハッサーターン,「抵抗者」。1,2章の全体にわたって用いられている。これはマソ本の中でハッサーターンが初めて出て来る箇所であるが,定冠詞「ハ」の付いていない,「抵抗(反抗)する者」という意味のサーターンは民 22:22を初めとして,ここまでに9回出て来る。「ゲゼニウスのヘブライ語文法」(GK)は§126dおよびeでこう述べている。「一般的に言って,ギリシャ語および英語で冠詞が必要とされる場合,それはいつでも実名詞を限定するのに用いられる。例えば……(d)全集合を指して用いられる言葉を特定の個人……もしくは物に(単に用法によって)限定する場合。例,שָׂטָן敵対者,הַשָּׂטָןその敵対者,サタン……」。

5節の脚注参照。

字義,「顔」。サム二 17:11,「ご自身も」の脚注参照。

字義,「シェバ」。

「風」。ヘ語,ルーアハ。創 1:2,「力」の脚注参照。

「子ら」。七十訳,「み使いたち」。

1:6,「サタン」の脚注参照。

「自分の魂(命)」。ヘ語,ナフショー; ギ語,プシュケース; ラ語,アニマー。付録4イ参照。

1:5の脚注参照。

4節の脚注参照。

1:12の脚注参照。

1:5の脚注参照。

「強健な者」。ヘ語,ガーヴェル。

「神」。ヘ語,エローアハ。エローヒームの単数形。エローアハはヨブ記に41回,そしてマソ本の他の書に16回出て来る。申 32:15,「神」の脚注参照。

「深い陰」。字義,「死の陰」。

「をのろう者」。ヘ語,オーレレー; 1:5,11; 2:5,9と同じではない。

「レビヤタン」,マソ本,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「大きな海の巨獣」。

「自分たちのためにピラミッドを」,訂正により。

「その主人から」。ヘ語,メーアドーナーウ。アードーンの複数形で,卓越を表わす。

「石の山で」,同じ節の「埋葬所」に対応させてマソ本をわずかに訂正することにより。

「強健な者に」。ヘ語,レゲヴェル。3節の脚注参照。

4節の脚注参照。

「言葉」。ヘ語,ダーヴァール。ヨブ記で20回使われている。

「あなたの言葉」。ヘ語,ミッレイカー。ヨブ記で34回,他の書の中では4回だけ使われている。

ヘ語,アルエー。アフリカライオン。

ヘ語,ラーヴィー。アジアライオン。

「死すべき人間」。ヘ語,ハエノーシュ。8:3の脚注と比較。

「神よりも」。ヘ語,メーエローアハ。

または,「そのみ使いたち」。

「聖なるみ使いたちのだれ」,七十訳。

字義,「彼の収穫物[である]もの」。

「屠殺者の鉤」。または,「いばら」。

「実際,わなが彼らの資産に飛び付く」。マソ本を訂正することにより,「渇いている者たちはまさしく彼らの乳をくみ出す」。

または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

字義,「炎の子ら」。

または,「神たる者」。ヘ語,エール; 七十訳,「エホバ」。

「神」。ヘ語,エローヒーム。エローアハの複数形で,卓越と威光を表わす。七十訳,「エホバ」。

または,「自分の訴訟」。

字義,「大いなることをなさる方,そして[それを]探ることがない」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「人」。または,「死すべき人間」,4:17の場合と同じ。ヘ語,エノーシュ。

字義,「の手」(複)。

「エホバ」,七十訳,ウル訳。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神からの恐怖が社交的な交わりからわたしを追い出す」,マソ本の二つの字母を入れ替えることにより。

または,「オナガー; 野ろば」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

または,「自分の[魂としての]命」。ヘ語,ナフシー; ギ語,プシュケー。

「愛ある親切」。または,「忠節な愛」。

字義,「シェバ」。

「戒める」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。

「自分の霊」。ヘ語,ルーヒー; ラ語,スピーリトゥース。

または,「これを重んじ」。

「つばを呑み込むまで」。すなわち,ほんのつかの間の時間。民 4:20の脚注参照。

「人間」。ヘ語,ハーアーダーム。

「あなた」,七十訳および元のヘブライ語本文; マソ本,「自分自身」。これはユダヤ人のソフェリムによる18の修正箇所の一つ。付録2ロ参照。

「神」。ヘ語,ハエール。ここで用いられている「ハ」は質問を提起する疑問小詞。

マソ本による; 七十訳,「[神]はあなたの祈願を聞き入れてくださり」。

「あなたに語り」,七十訳; マソ本,「あなたに言い」。

「神」。ヘ語,エール; 七十訳,「エホバ」。

「歩む道」,マソ本; 七十訳,「最終的な事柄(結果); 後の終わり」。

または,「不敬虔な(俗悪な)者」; または「神から疎外された者」。

または,「くもの巣」。

「神」。ヘ語,エール。

「神」。ヘ語,エール; 七十訳,「エホバ」。

「太陽に」。ヘ語,ラヘレス; ギ語,ヘーリオーイ; ラ語,ソーリー。

字義,「高い所」。

「アシ星座」。ヘ語,アーシュ。これを大熊座とみなす人もいる。

「ケシル星座」。ヘ語,ケスィール。これをオリオン座とみなす人もいる。

「キマ星座」。ヘ語,ウェキーマー。これを牡牛座のプレアデス星団とみなす人もいる。

「プレアデスとヘスペロスとアークトゥルスおよび南の貯蔵室を造っておられる方」,七十訳; ウル訳,「アークトゥルスとオリオンとヒヤデスと南の奥まった部屋を造られ」。南の奥まった部屋とは,赤道より下の南半球の諸星団と解される。

「神」。ヘ語,エローアハ。3:4の脚注参照。

「暴れ者」。ヘ語,ラーハヴ。26:12の脚注参照。

「吸うこと」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定。ここでは「許す」という動詞の目的語として使われている。

「見よ,[神]がおられる」,タル; マソ本,「見よ!」

「わたしの口」,マソ本,七十訳,シリ訳,ウル訳; マソ本を訂正することにより,「[神]の口」。

「とげむち」,別のヘブライ語の派生形と取れば。

または,「たなごころ」。

「裁決する者」。または,「仲介者」。ギ語,メシテース,テモ一 2:5と同じ。

「いない」,マソ本,ウル訳; 七十訳,「いさえしたなら」。

「自分についての」,マソ本,ウル訳; 七十訳,「彼についての」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

または,「たなごころ」。

または,「命と忠節な愛」。

「私の霊(息)」。ヘ語,ルーヒー; ギ語,プネウマ; ラ語,スピーリトゥム。

「証人たち」,マソ本,ウル訳; 七十訳,「試み」; シリ訳,「武器」。

または,「相次ぐ強制労働の交代が私と共にあります」。

または,「私を息絶えさせてください。[そうすれば]」。

「深い陰」。字義,「死の陰」。

「単に誇る者」。字義,「唇の人」。

「人」。ヘ語,メティーム。大人の男性。

字義,「二倍になる」。

字義,「そしてあなたは……知りなさい」,命令形。

3節の脚注参照。

「者でさえ」。ヘ語,ウェイーシュ。

または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

字義,「あなたの顔を和める」。

字義,「わたしはあなた方の後ろに倒れてはいない」。

「わたし」,マソ本,ウル訳; 七十訳,シリ訳,「彼」。

「神に」。ヘ語,レエローアハ。

「神」。ヘ語,エール。

「神」。ヘ語,エローアハ。

または,「あるいは,思慮深く地に語りかけてみよ」。訂正により,「あるいは,地の爬虫類[もしくは,野獣]にも」。

「エホバ」,マソ本,七十訳,シリ訳,ウル訳; タル(ア語),ヤーイ。

「人間」。ヘ語,イーシュ。

「の霊(息)」。ヘ語,ウェルーアハ; ギ語,プネウマ; シ語,ウェルーハー; ラ語,スピーリトゥス。

または,「長い日々は理解力を意味するのではないか」。

「助言者たちをとりこにして引いてゆく方」,七十訳; ウル訳,「[神]は助言者たちを愚かな終わりへと導き」。

「帯」。母音符号の打ち方を変えることによる。字義,「懲らしめ」。

または,「歩かせており,絶えず流れる川の水をかれさせる」。

「話す能力」。字義,「唇」。

12:3の脚注参照。

「神」,ヘ語,エール。

「えこひいきを示そうとも」,マソ本; タル,シリ訳,ウル訳,「[神]にえこひいきをしようとも」。

または,「あなた方の胸壁」。

「自分の魂を」。ヘ語,ウェナフシー; ギ語,プシュケーン; ラ語,アニマム。裁 12:3; サム一 19:5と比較。

または,「わたしは待ち望まないだろう」,マソ本; マソ本欄外,タル,シリ訳,ウル訳,「わたしは[神]を待ち望むだろう」。

または,「それも……救いとなる」。

「しない」。このヘブライ語の動詞は,20-27節で神に語りかけて使われている「あなた」と一致して単数形。

字義,「足の根」。

「彼」,すなわち,ヨブのこと。

「腐ったもの(腐敗)」,マソ本,ウル訳; 七十訳,「皮の袋」; シリ訳,「革の袋」。

「人」。または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

字義,「立ちつづける」。出 9:16,「させておいた」の脚注参照。

「私をも」,マソ本; 七十訳,シリ訳,ウル訳,「彼をも」。

または,「だれもできません」。

「まさしく再び芽を出し」。字義,「それでも変わり」。

「しかし強健な人は」。ヘ語,ウェゲヴェル。

「地の人」。ヘ語,アーダーム。

「どこにいるのか」,マソ本,ウル訳; 七十訳,シリ訳,「もはやいない」。

字義,「そして人は」。ヘ語,ウェイーシュ。

「彼は目覚めない。その眠りから起きることもない」,ウル訳,およびマソ本をわずかに訂正することにより。

「シェオルに」。ヘ語,ビシュオール; ギ語,ハーイデーイ; シ語,バシウール; ラ語,インフェルノー; すなわち,人類共通の墓。付録4ロ参照。

「強健な人」。ヘ語,ゲヴェル。

「死すべき人間」。ヘ語,エノーシュ。

または,「ただその親類(肉の親族)は彼のことで痛み続け,その奴隷たち(取得した魂)は彼のことで嘆き続けるだけです」。「肉の親族」と「取得した魂」との対照については,創 37:27およびイザ 58:7と創(12:5; 14:21; 36:6),エゼ 27:13,および啓 18:13,「魂」の脚注とを比較。

字義,「風の知識」。ヘ語,ダアト・ルーアハ。

「神」。ヘ語,エール。

または,「あなたの口があなたのとがを教え」。七十訳,「あなたは自分の口の言葉によって罪科があり」; シリ訳,「あなたの口は罪を教え」。

「人」。ヘ語,アーダーム。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神」。ヘ語,エール。

「死すべき人間」。ヘ語,エノーシュ。

または,「食物」。

「神」。ヘ語,エール。

「取得物」。マソ本のこの語の意味は明確でない; 七十訳,「影」; ウル訳,「根」。

「突風によって」。ヘ語,ベルーアハ。

字義,「彼の日ではないときに」。

「何にいら立たされて」。字義,「何があなたを苦しめて[立腹させて]」。

「に対する言葉に加わらせてもらいたい」,別の動詞の派生形と取れば。

「神」。ヘ語,エール。

字義,「幼い少年」(単),マソ本; 七十訳,ウル訳,「不正な者」。

「深い陰」。字義,「死の陰」。

「わたしの証人」。ヘ語,ウェサーハディー。アラム語からの借用語と考えられる。創 31:47,「エガル・サハドタ」の脚注参照。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「人」。ヘ語,アーダーム。

「ただ数えられた年が」,七十訳。

または,「息」。12:10,「霊」の脚注参照。

「シェオル」。ヘ語,シェオール; ギ語,ハーイデーン; ラ語,インフェルヌム。付録4ロ参照。

「彼ら」,女性形。15節で2回出て来る「望み」を指している。

または,「その怪異な力」。

「彼の皮膚は疾患によって食われ」,マソ本をわずかに訂正することにより。

「死の初子」。すなわち,最も致命的な疾患。

「(そして)産出的な地から」。ヘ語,ウーミッテーヴェール; ラ語,エト デー オルベ,「そして[地の]円から」。

「神」。ヘ語,エール。

七十訳はこう付け加えている,「必要でなかった事柄を言うことによって。(わたしの間違いは,わたしと共にとどまる。)また,わたしの言うこと(発言)は間違って(誤って)おり,時宜を得て(時宜にかなって)いない」。

「神」。ヘ語,エローアハ。エローヒームの単数形。

または,「わたしの[親せき]関係」。

「わたしの息(霊)」。ヘ語,ルーヒー; ラ語,ハーリトゥム。

「わたしはわたしの歯の皮で逃れる」。別の動詞の派生形,およびマソ本を幾らか訂正することにより,「わたしの肉はわたしの歯の中で毛がなくなる」。13:14と比較。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神」。ヘ語,エール。

「わたしを請け戻す方(買い戻す方)」。考えを拡張すると,「わたしのために復しゅうをしてくださる方(正しさを立証してくださる方)」。ヘ語,ゴーアリー; ラ語,レデンプトル。民 35:21; 詩 19:14; 箴 23:11; イザ 63:16; エレ 50:34参照。

字義,「その上,わたしの肉から」,または「その上,わたしの肉を離れて」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

マソ本による; 七十訳,「問題の根をわたしたちは彼のうちに見いだす」。

「裁き人のいること」,タル,およびマソ本の母音符号の別の打ち方による。(サム一 24:15参照)この箇所を「全能者のおられること」と読む人もいる。

または,「アダム」。ヘ語,アーダーム。

「神」。ヘ語,エール。

「力」。字義,「手」。

「飛び道具が」,訂正による; マソ本,「人が[武器を]抜いた。そしてそれは」。

「きらめく兵器」。字義,「稲妻」。

または,「彼の家の生産物は転がり去ってゆき」。

「人」。または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

「神からの」。ヘ語,メーエローヒーム。

「神からの」。ヘ語,メーエール。

「神」。ヘ語,エローアハ。3:4の脚注参照。

または,「我々はこれを崇拝し(これに神聖な奉仕を行なわ)なければならない」。ヘ語,ナアヴデンヌー。

「力」。字義,「手」。

「風」。ヘ語,ルーアハ; ギ語,アネムー; ラ語,ウェンティー。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神に」。ヘ語,ハルエール。22:2,「神の」の脚注参照。

「救い出される」,訂正による。マソ本,「運ばれる」,32節と同様。

または,「束の山」。

または,「地の人をみな」。ヘ語,コル・アーダーム。

「強健な人」。ヘ語,ガーヴェル。

「神の」。ヘ語,ハルエール。ここで用いられている「ハ」は質問を提起する疑問小詞。

字義,「腕」。

「人については」。ヘ語,ウェイーシュ。

「砕かれる」,マソ本; タル,七十訳,シリ訳,ウル訳,「あなたは砕く」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

または,「星々の頭」。すなわち,最も高い星。

「見よ」,マソ本; 七十訳,シリ訳,「[神]はご覧になる」。

「神」。ヘ語,エール。

字義,「有害な男たち」。ヘ語,メテー・アーウェン。

「[まことの]神に向かって」。ヘ語,ラーエール; 七十訳,「エホバ」。付録1ト参照。

「わたしたちに対して」,七十訳,シリ訳; マソ本,「ご自分に対して」。

「わたしたちに立ち向かう者」,マソ本; 訂正により,「彼らの資産」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神はその罪のない者を救出される」と読むのかもしれない。字義,「彼は罪のない者ではない者を救出される」。マソ本のこの箇所は不完全であると思われる。

字義,「たなごころ」。

または,「に対して」。創 10:9,「敵対する」の脚注と比較。

または,「わたしの訴訟の相手方から」,訂正により。

「わたしが……それても」,シリ訳,ウル訳。

「歩み」(単),マソ本; 七十訳,「命令」(複)。

「それに神が」。ヘ語,ウェエール。

「奪い取った。その羊飼いと一緒に」,七十訳。

または,「彼らは油を搾り出す」。

「けれども神は」。ヘ語,ウェエローアハ。

または,「夜には,強盗として出かける」。

「その(彼の)命」,七十訳,ウル訳,および三つのヘブライ語写本; マソ本,「命」。

「死すべき人間」。ヘ語,エノーシュ。

「神」。ヘ語,エール。

「人」。または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

「だれの息」。ヘ語,ウェニシュマト・ミー。

「死んだ無力な者たち」。ヘ語,ホルファーイーム; これ以前の箇所では「レファイム」と訳されている。七十訳,ウル訳,「巨人たち」。

「滅び[の場所]」。ヘ語,ラーアヴァッドーン,「アバドン」,このヘブライ語の言葉が初めて出て来る箇所。ギ語,アポーレイアーイ; ラ語,ペルディティオーニー。啓 9:11の「アポルオン」と比較し,その脚注を参照。

「王座」。別の母音符号の打ち方によれば,「その満月」。

「広げておられる」。ヘブライ語ではこの動詞の混合形は不定詞独立形と解され,時に関しては不定で,非人称。

「暴れ者」。ヘ語,ラーハヴ。海の巨獣であろう。

「その風(霊)によって」。ヘ語,ベルーホー; ラ語,スピーリトゥス。

「神」。ヘ語,エール。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神」。ヘ語,エール。

「者」。または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

または,「十分のパン」。

「致命的な災厄」。字義,「死」。

「何も集められはしない」。または,「彼は集められない」,マソ本; 七十訳,シリ訳,「彼は何も加えはしない」。

「大水のように」。または,「昼の間に」,訂正により。

または,「その場所[を過ぎる者]はそれに向かって口笛を吹く」。

「死すべき人間のある者たち」。ヘ語,メーエノーシュ。

「堂々たる野獣」。字義,「誇り(威厳)の子ら」。

「評価」。マソ本,シリ訳,ウル訳; 七十訳,「道」。

「水の深み」。または,「逆巻く水」。ヘ語,テホーム,創 1:2と同じ; ギ語,アビュッソス; ラ語,アビュッスス。

「金をもってしても」。ヘ語,ベケテム,エジプト語からの借用語。

「金」。ヘ語,ザーハーヴ。

「クシュ」,マソ本(ヘ語,クーシュ),シリ訳; 七十訳,ウル訳,「エチオピア」。

「滅び」。ヘ語,アヴァッドーン。26:6の脚注参照。

「神」。ヘ語,エローヒーム。

「全天の下で」,マソ本,シリ訳; 七十訳,ウル訳,「天の下のあらゆるものを」。

「風のために」。ヘ語,ラールーアハ; ギ語,アネモーン(複); ラ語,ウェンティース(複)。

字義,「それを」,女性形。知恵を指す。

または,「地の人に」。ヘ語,ラーアーダーム。

書写の際YHWHがアドーナーイに変えられた134箇所の一つ。付録1ロ参照。

「神」。ヘ語,エローアハ。

字義,「岩はわたしと共に油の流れのように注ぎ出されていた」。

「引き離した」,わずかな訂正による。マソ本,「投げた」。

「わたしの巣の中で」。あるいは,七十訳と一致させて,「老齢で」と読むのかもしれない。

「風のように」。ヘ語,カールーアハ。創 1:2,「力」の脚注参照。

「日の光」,マソ本; 訂正により,「慰め」。

「会衆の中で」。ヘ語,ヴァッカーハール; ギ語,エックレーシアーイ。

「神」。ヘ語,エローアハ; ギ語,ホ テオス。

「正確なはかりで」。字義,「義のはかりで」。

「神」。ヘ語,エローアハ; 七十訳,「エホバ」。

「滅び」。ヘ語,アヴァッドーン。26:6の脚注参照。

「神」。ヘ語,エール。

「神」。ヘ語,エール; ギ語,キュリウー,「エホバ」。

「金」。ヘ語,ザーハーヴ。

「または金に向かって」。ヘ語,ウェラッケテム。28:16の脚注参照。

偶像崇拝の慣行として手で口づけを送ることを暗に指していると考えられる。偶像に口づけすることは王一 19:18; ホセ 13:2で言及されている。

「興奮を覚えた」,マソ本; タル,「喜びの音を立てた」。

字義,「肉」。

「道筋」,マソ本; タル,七十訳,シリ訳,ウル訳,「旅人」。

「地の人(アダム; 人)のように」。ヘ語,ケアダーム。「人から; 人の中で」と読むのかもしれない。

字義,「印」,法律上の書類を確認して記すものと思われる。

「者」。字義,「人」。ヘ語,イーシュ。

字義,「その力」。ヘ語,コーハーハ。

「自分の(彼の)」,マソ本; 七十訳,シリ訳,「彼らの」。

「わたしの神は彼」の意。

「神よりも」。ヘ語,メーエローヒーム; 七十訳,「エホバ」。

「神」,元の読み方。マソ本,「ヨブ」。ユダヤ人のソフェリムが元の本文を「神」から「ヨブ」に変えた。これは18の修正箇所の一つ。付録2ロ参照。

または,「わたしは恐ろしくなり」。ヘ語,ザーハルティー。

「神」。ヘ語,エール。

「人」。ヘ語,イーシュ。

「地の人」。ヘ語,アーダーム。

「わたしの言葉」。ヘ語,ミッラーイ。

「わたしの語る……こと」。字義,「わたしの……言葉」。ヘ語,デヴァーライ。

「神の霊」。ヘ語,ルーアハ・エール。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「神」。ヘ語,エール。

または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

「強健な人から」。ヘ語,ミッゲヴェル。

「飛び道具によって消え去るのを」。BHKはこの句に訂正を加えることを提案し,「シェオルへ過ぎ去ってゆくのを」と読ませ,こうしてこの節の最初の箇所の「坑」と対句になるようにしている。

「死を課する者たちに」。マソ本を訂正することにより,「死んだ者たちに」; または,「死んだ者たちの場所に」。

または,「ひとりのみ使い」。ラ語,アンゲルス。

または,「通訳」。

「その廉直なことを告げるならば」,マソ本; 七十訳,「その人のとがめを告げるならば。彼はその理解力の欠如を示すであろう」。

または,「覆うもの」。ヘ語,コーフェル。

「神」。ヘ語,エローアハ; 七十訳,「エホバ」。

「死すべき人間に」。ヘ語,レエノーシュ。

「わたしの」,マソ本,七十訳,シリ訳; マソ本欄外,タル,ウル訳,「彼の」。

「神」。ヘ語,エール。

マソ本による; シリ訳,「光を見るために」。

「しかし神が」。ヘ語,ウェエール。

「強健な人」。ヘ語,ゲヴェル。

「神」。ヘ語,エローヒーム; 七十訳,「エホバ」。

「[まことの]神が」。ヘ語,ラーエール; 七十訳,「エホバ」。付録1ト参照。

「地の人」。ヘ語,アーダーム。

「人」。ヘ語,イーシュ。

「神」。ヘ語,エール; 七十訳,「エホバ」。

「産出的な地」。ヘ語,テーヴェール; ラ語,オルベム,「円」,すなわち,地の。

「地の人」。ヘ語,ウェアーダーム。

字義,「王に向かって,『ベリアル!』」

「人は……言うだろうか」。字義,「言うことがあるだろうか」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞合成形で,時に関しては不定で,非人称。

または,「各人」。ヘ語,イーシュ。23節と同じ。

「神」。ヘ語,エール。

または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。

または,「ああ」。

「[まことの]神に対して」。ヘ語,ラーエール。付録1ト参照。

「神のそれに勝って」。ヘ語,メーエール; 七十訳,「エホバ」。

「友たち」,マソ本; 七十訳,「三人の友人」。

「人に対する」。ヘ語,レイーシュ。

「地の人」,ヘ語,アーダーム。

「偉大な造り主」,マソ本では複数形で,卓越と偉観を表わす。ただし,「神」は単数形。

「神」。ヘ語,エローアハ。

または,「地の家畜」。

「神」。ヘ語,エール。

「神のために」。ヘ語,レエローアハ。

または,「わたしを造った方に」。ヘ語,ウーレフォーアリー。

「神」。ヘ語,エール。

または,「良い動機」。34:34と比較。

または,「夜[の休み]」。

「神」。ヘ語,エール。

「人」。ヘ語,アーダーム。

字義,「光」。ヘ語,オール。30節に出ているのと同じ名詞。

「果て」。字義,「翼」(複)。

「神」。ヘ語,エール。

「神」。ヘ語,エール。

または,「凍る」。

「の産出的な土地」,マソ本(ヘ語,テーヴェール),タル; ラ語,オルビス,「円」,すなわち,地の。

矯正もしくは懲罰を象徴する。

または,「忠節な愛」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

または,「地の静けさが南からあるときに」。

「風が……ときに」。ヘ語,ウェルーアハ。創 1:2,「力」の脚注参照。

「黄金の輝き」。字義,「金」。ヘ語,ザーハーヴ。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「人々」。ヘ語,アナーシーム。イーシュの複数形。

「神の子たち」。または,「神のような者たち」。ヘ語,ベネー エローヒーム; タル,「み使いたちの隊(複)」; 七十訳,「わたしのみ使いたち」。

または,「二重扉」,代二 14:7と同様。

すなわち,海の。

「打ち破り」,マソ本; 七十訳,「置き」。

「果て」。字義,「翼」(複)。

「邪悪な者たち」。マソ本のこの箇所ではヘブライ語の字母アイン(ע)が挿入文字として浮き上がっており,この言葉は「貧しい者たち」と読む代わりに,「邪悪な者たち」と読むべきであることが示されている。裁 18:30,「モーセ」の脚注と比較。

字義,「それら」。

13節,「者たち」の脚注参照。

または,「海の砂地」。

「水の深み」。または,「逆巻く水」。28:14の脚注参照。

「深い陰」。字義,「死の陰」,マソ本; 七十訳,「ハデス」,すなわち,共通の墓; タル,「ゲヘナの死」。

「霜」,七十訳。

「人」。ヘ語,イーシュ。

「地の人」。ヘ語,アーダーム。創 1:26,「人」の脚注参照。

9:9,「キマ星座」の脚注参照。

9:9,「ケシル星座」の脚注参照。

「マザロト星座」。ヘ語,マッザーロート; ギ語,マズーロート(王二 23:5と同じだが,そこでは「黄道帯の星座」と訳されている); シリ訳,「ワゴン星座」; ラ語,ルーキフェルム,「光を運ぶ者」。

9:9,「アシ星座」の脚注参照。

「雲の層に」。ヘ語,バットゥホート。意味は明確でない。

「空の現象に」。ヘ語,ラッセクウィー。意味は明確でないが,ある種の天の現象を指していると思われる。

「神」。ヘ語,エール。

または,「その胎児を解き放つ」。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「さらさらと鳴るたてがみ」,マソ本; タル,「強さ」。

「これは」,七十訳,シリ訳,ウル訳; マソ本,「それらは」。

字義,「君たち」。ヘ語,サーリーム。

「争おうとするのか」。ヘブライ語ではこれは動詞の不定詞独立形で,時に関しては不定で,非人称。

「神」。ヘ語,エローアハ。

「あなたは,自分が義にかなっているのに,わたしがあなたをそうではないように扱ったとでも思うのか」,七十訳。

「[まことの]神のような」。ヘ語,カーエール。申 33:26,「神のような」の脚注参照。

または,「かば」。ヘ語,ヴェヘーモート。ベヘーマーの複数形(創 1:24,「家畜」の脚注と比較); ギ語,テーリア,「野獣」; ラ語(10節),ベヘモート。

「神」。ヘ語,エール。

「これは深みにいる[ギ語,エン トーイ タルタロイ]四つ足の生き物に喜びをもたらした」,七十訳。付録4ニ参照。

マソ本と七十訳はこの章がさらに8節続いている。

「レビヤタン」,マソ本(ヘ語,リウヤーターン),ウル訳; 七十訳,「龍」。

または,「そのことで宴を設け」。

字義,「カナン人たち」。ヘ語,ケナアニーム。

マソ本と七十訳はここで40章が終わっている。

「あご」。字義,「くつわ」,マソ本; 七十訳,「うろことじ鎧[小札かたびら]」。

「顔」,マソ本; シリ訳,「口」。

字義,「各々その兄弟に」。

「その魂」。ヘ語,ナフショー; ギ語,プシュケー。

「絶望が躍る」,マソ本; 七十訳,「滅びが走る」。

字義,「弓の子」。

「とがった土器片のようだ」。または,「土器片の最もとがった(最も鋭い)もの」,ヘブライ語の慣用句による。

「また,深みの最も低い所[ギ語,トン デ タルタロン テース アビュッスー,「底知れぬ深みのタルタロス」]をとりこと(みなす)」,七十訳。付録4ニ参照。

「白髪と」,マソ本; 七十訳,「歩く場所と」; シリ訳,「乾いた地と」。

「すべての堂々たる野獣」。字義,「誇り(威厳)のすべての子ら」。

または,「耳への報告」。

または,「悔やみます」。

「金子一枚」。字義,「一ケスィーター」。貨幣の単位であるが,価格は不明。

1:3,「羊」の脚注参照。

「しかしヨブはこの災厄の後,百七十年生きた。彼の生きたそのすべて[の年]は二百四十八[七十訳シナ写,バチ写は「八」を省いている]年であった。そして」,七十訳。

七十訳はこう付け加えている。「そして,彼はエホバがよみがえらされる者たちと共に再び立ち上がると書き記されている。この[人]はシリア語の書では,イドマヤとアラビアの境界のアウシティス[ウツ]の地に住む者として描かれている。そして,以前,彼の名はヨバブといった。アラビア人の妻をめとった後,彼はエンノンという名の子の父となった。しかし彼自身は,エサウの子らの子である父ザレの子であったが,その母ボソラの[子であった]ので,彼はアブラハムから[家系の]五番目の者であった。そして,これらはエドムで治めた王たちで,彼もまたその国の支配者であった。第一は,ベオルの子,バラクで,彼の都市の名はデンナバといった。しかしバラクの後は,ヨブと呼ばれた者,ヨバブ。しかしその後はアソムで,彼はタイマニティスの国からの総督であった。その後はバラドの子アダドで,彼はモアブの平原でマディアムを断った。彼の都市の名はゲタイムといった。しかし,彼のところに来た友人たちは,タイマン人の王で,エサウの子らの出のエリパズ,サウカイア人の専制支配者ビルダド,ミナイア人の王ツォファル[であった]」。

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