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目ざめよ! 1973
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からだの防御作用に協力する

その自動車は,時速90㌔で走っていた自動車に追突した時,時速185㌔で走っていました。事故の犠牲者のひとりは,受け取った補償金に満足せず,そのような猛スピードで運転された自動車のメーカーを訴えました。彼の言い分は,そんなスピードの出る車を作ったからメーカーに責任があるということでした。しかし,この事件を扱った米国巡回控訴裁判所は,それとはちがう裁定を下し,生産者の「責任は,かくれた欠陥や潜伏性の危険がないようにすることであって,自分の製品がはなはだしく不注意に誤用されるのを心配したり,警戒したりする義務はない」としました。

医学の分野の専門家の中には,この自動車事故の犠牲者が,自分を傷つけた自動車を見たのと同じとも言えるような態度で人体を見る人がいます。しかし,全部の人がそういう見方をするわけではありません。人体の仕組みが反映する知恵を認めている医学者もいます。科学者のW・B・キャノンは,「身体の知恵」と題する本を著わしています。しかし,からだの仕組みに知恵が見られるといっても,それは,からだを酷使しても害がないという意味ではなく,多くの人はこの点で良い判断に欠けています。ライナス・ポーリング博士は次のように述べています。「われわれは,からだの目的とはちがうことを行なって,絶えず自分自身を侮辱している」。その結果はどうでしょうか。老化と病気と死を早めています。

からだをよく調べてみると,確かに,神がからだの福祉のためにすばらしい備えをしてくださっていることがわかります。人間はロボットではなく,賢明な道と愚かな道のいずれかを選び,その結果に責任を負う能力と自由を持っています。わたしたちのからだの健康は,神の定めた法則に大きく支配されます。「人のまくところは,その刈るところとならん」。わたしたちが,自分のからだの防御作用に協力するなら,健康をそこなったり病気になったりする可能性を少なくすることができます。―ガラテヤ 6:7。

からだがその健康を維持するのに用いる防御手段には,免疫学的防御システム(白血球や抗体を含む),インターフェロン,ホルモンなどがあり,皮膚でさえこの中にはいります。これらはみな,家族や都市,あるいは国家を目前の危険から守る兵士,警官,消防士などになぞらえることができるでしょう。もし市民が,保護と安全を望むのであれば,それら防衛に当たる人びとに協力しなければならないことは,理性と良識があれば分かります。それと同様に,健康でありたいと思うなら人は,からだが行なう防御作用に協力しなければなりません。

免疫による防御

「免疫とは,日常普通に使われることばで,通例,からだが微生物の侵入に対して自己を防御するために示す種々の複雑な反応のことをさす」と説明されています。この反応を起こすものは,血流の純潔さを守護する働きをする数種の白血球です。これらの白血球は,有害な,病毒性を有する異物が体内に侵入すると非常に増加します。そのために,虫垂炎の診断は,「血液像」として知られているものによって確証できることがあります。

では,何がこれらの白血球に行動を起こさせ,何が彼らをして,侵入してくる種々の外敵,つまり抗原として知られているものを認識させるのでしょうか。血しょうたん白質のひとつであるガンマー・グロブリンが抗体を出し,その抗体が抗原に結びついて彼らが侵入者であることを明示すると,次に白血球が彼らを攻撃し,酵素作用によって彼らを滅ぼすのです。以前は,抗原がプラスマ細胞に,自分に合う特別製の抗体を作らせた,と考えられていました。しかし,現在では,プラスマ細胞はもしかすると何千種もの異なる抗体を有していて,バクテリアがからだを攻撃するとき,自分にかなりよく合ういくつかの抗体のうちのどれかと結びつく,と理解されています。

この作用は,次のようなたとえで説明されてきました。つまり抗原は,(かつて考えられていたように)特別仕立てのスーツを注文するために仕立屋に行く男のようなものではなく,いろいろな型や大きさのスーツを何千着もそろえている大きな衣料品店に行って,完全とまでは言えないまでもかなりよく合う数種のスーツの中からひとつを選ぶ男のようなものである,というわけです。

それからどんな事が起きますか。からだは合図を発します。するとプラスマ細胞がその特定の抗体を多量につくり始めます。それらの抗体が完全に適合する必要のないことは,牛痘(痘そうウィルスによく似ているが同じではない)を接種すると痘そうに対する免疫が生まれる事実からうかがえます。

からだがこれらの抗体をつくり出すには時間がかかります。それで,からだは時々侵入者に屈して病気になります。しかし,必要な時間が与えられれば,からだはたいてい勝利を得,抗体が増加した結果として,その後の攻撃に対しては免疫になるのが普通です。だから,「回復期の免疫のような免疫はない」ということわざがあるのです。たとえば,子どもの時に水ぼうそうにかかる人は,その病気に免疫になります。しかし人はしばしば接種によって,ジフテリア,百日ぜき,はしかなどの,よく知られている病気に対する免疫性を人為的にからだに与えることができます。

ある人の血流にはガンマー・グロブリンがないらしく,その結果抗体がつくり出されません。したがってそのような人は,あらゆる種類の細菌に容易に感染します。しかし,そのような人はごくまれです。大体において,人のからだはこの有効な防御機構を持っています。ではなぜある人は,有害な細菌にさらされた時に病気になり,他の人はならないのでしょうか。なぜなら,それにはひとつ以上の要素が関係しているからです。まず最初に,遺伝子の問題があります。ある特殊の疾病に対する素質が遺伝することは周知のことです。ですから,病気にかかるかどうかは,親から受け継いだ,病気にかかりやすい体質または抵抗力に,大いに左右されると言えるでしょう。もし両親とも糖尿病患者であればその子は糖尿病患者を苦しめる伝染性の病気にかかりやすいかもしれません。ですから,そのような人は,健康な親を持つ人よりもよく注意する必要があります。

ある人は感染に屈し,他の人はそれに負けない事実を説明するのに役だつ,これと関連のある別の要素は,感染と疾病は,かつて考えられていたように,菌毒性,つまり細菌の力の問題だけにとどまらないという事実です。感染はまた生態,すなわち宿主であるからだの状態の問題でもあります。ハツカネズミを使って実験したところ,ネズミは,飢餓状態のとき,あるいは特殊の食物を食べ過ぎていた時に,ある特殊の病気にすぐに負けました。しかし,再び正しい食物を適量に与えたら,彼らの抵抗力はほんの数日で正常にもどりました。人間の場合でも同じことが言えます。からだ全体の抵抗力に大きく左右されます。

免疫による防御に協力する

ではどうすれば,からだが持つ免疫による防御システムに協力し,それを強化することができますか。それには良識を働かせるということがたいせつです。病気でないというだけで満足しないことです。正しい食物をとることによって健康の維持に心がけます。それは,たん白質や脂肪や炭水化物(砂糖やでん粉)だけでなく,必要なビタミンやミネラルも十分にとるよう注意するという意味です。ハンバーグ1個にソーダ水1本というような食事はバランスの取れた食事ではありません。完全小麦,玄米,モラセスなどの精白されていない食物やくだもの,野菜などを十分にとると,この点で大きな効果があります。それから,必要な休息や睡眠を取ること,すわった仕事をする人ならば定期的に運動をすること,あらゆる種類の放縦をさけること,などもたいせつです。こうした事柄は,からだが持つ免疫による防御システムの強化に役だちます。

食卓で節度を守ることはとりわけ,免疫による防御の助けになります。ハツカネズミを使った実験では,通常の食物の量のわずか3分の1を与えると,もっともそれは栄養価の高いバランスの取れた食物ですが,ずっと長生きすることがわかりました。これは,そのような食事がハツカネズミの免疫システムを変えるためだと言われています。ハツカネズミの場合にはそのような結果が出ましたが,カリフォルニア大学,ロスアンゼルス医学部の免疫学者R・L・ウォルフォード博士は,このことが示すのは,人間も少なく食べるほうが賢明であること,そしてそのような食事をほんとうに効果あらしめるためには,子どもが乳離れした直後から始めなければならないということである,と述べました。―1971年8月4日のニューヨーク・タイムズ紙。

インターフェロン

生体のもうひとつの防御機構は,かなり最近に発見された物質で,目下盛んに研究されているインターフェロンです。これは,ウィルスの感染に対する防御として体細胞がつくり出すもので,いくつかの点で抗体とは異なります。抗体は増加するのに時間がかかりますがインターフェロンは直ちに効力を発揮します。したがって,インターフェロンは,「ちょうどよい場所に,そしてちょうどよい時に,しかもウィルスの感染から回復させるという重要な役割を果たすに足る高濃度で存在する」と言われています。

第2に,抗体は特異的で,特殊の抗原かまたはそれに非常に近いものだけに働きかけますが,インターフェロンはそうではありません。侵入するウィルスが,ひとつの特殊のウィルスだけでなくて多くのウィルスに対抗するインターフェロンを,細胞に産出させるのです。第3に,インターフェロンは,抗体が抗原に作用するような方法では侵入するウィルスに作用しませんが,体細胞そのものに影響をおよぼして体細胞がウィルスの効力を中和させうるようにします。

さらに,インターフェロンはたん白質微粒子ではありますが,からだの免疫システムはこれを異物として扱いません。このために,インターフェロンは別の生体から,あるいは異種の生体からでさえ,どんな抗体をも形成させずに移植することができます。しかしながら,血液から医療用のインターフェロンを生産することは非常に高くつくので手が出せません。そういうわけで医学研究者たちは,体細胞内のインターフェロンの産出を刺激しそうな物質の実験をしてきました。そしてひとつの物質を発見し「多核白血球I:C」と名づけました。

ハツカズミを使ってこの物質の実験をした医学者たちは,この物質がきわめて効果的であることを発見しました。彼らは,17匹のハツカネズミに多核白血球I:Cを,32匹のハツカネズミには気休め薬aを与えてから3時間後に,致死量のハツカネズミ肺災菌を接種しました。14日後,多核白血球I:Cを与えられていたネズミはまだ全部生きていましたが,気休め薬を与えられていたネズミのうち生きていたのはたった1匹でした。多核白血球I:Cの人間への使用はどうかというと,これはまだ実験段階にあります。

では,どうすればインターフェロン『システム』に協力することができますか。インターフェロンがねらうのはウィルスの感染であり,その中でも多いのは,冬期にわたしたちの鼻やのどを悩ますものですから,普通のかぜに対抗するものはなんでも,インターフェロンによる防御システムに協力していると考えてよいでしょう。その方法はいくつかあります。かんきつ類,とくにグレープフルーツ,レモン,ライムなどを豊富にとること,また,濃厚な食物や精製しすぎた食品,とくに練り粉製の食品や濃厚なプリンなどを避けることなどは,かぜの予防に役だつでしょう。そして最近では,ビタミンCの服用によってかぜに対抗することが広く行なわれています。

ホルモンによる防御

ホルモンは「自然防御の別の面である」と説明されてきましたが,それは正しいことです。ホルモンは,人が暴力におどされる時に助けに来て,戦うか,逃げるかのどちらかを援助します。腹を立てるか戦うのであれば,からだはノルエピネフリンを産出し,恐れるか,逃げるか,意気消沈(この後者は「自分自身に向ける怒り」と呼ばれている)するのであれば,からだはアドレナリンを産出します。

戦うか逃げるかの選択に迫られると,種々のホルモンは,肺がより深く呼吸し,心臓がより速く鼓動し,血圧が上がり,血液が内臓から最も必要な場所である筋肉や心臓や脳に行くようにします。

ではどのようにすれば,ホルモンによる防御システムに協力できますか。おもな方法はふたつあります。健康を保つために行なう事柄(栄養のある食物を食べる,休養と睡眠を十分にとるその他)はすべて,危険にさいしてホルモンが助けに来やすい状態をつくります。そして特に,感情を抑制することを学べば学ぶほど,重要な器官に負担をかけることは少なくなります。聖書の箴言は真実です。『心の安穏なるは身のいのちなり』― 箴 14:30。

防御物としての皮膚

からだの防御物のひとつとして見のがしてならないのは皮膚です。皮膚は確かに,有害な物質や微生物の侵入からからだを守ります。皮膚はこの目的によくかなっていて,死んでいてもなお防腐的な表皮を持っており,この表皮は汗や油などの分泌物によって常に湿気と柔軟性を保っています。からだのこの守護者に協力するにはどうすればよいでしょうか。

切り傷や他の傷をした場合にまずたいせつなことはよく消毒することです。健康な皮膚にするには,栄養を正しくとることも必要です。ですから,「栄養失調」の患者の多くにはまず皮膚にひどい異常が「はっきりと現われる」と言われています。毎日シャワーやふろを浴びるのは審美的効果はありますが,強いせっけんを使いすぎると入浴も害になることがあります。アメリカの指導的なアレルギー専門医のひとりは,「患者はせっけんを使わずにふろにはいり,そのあと乾いたタオルで静かにからだをこすってきれいにすればよい」と述べています。

良識と慎みは,わたしたちが全能の創造者に誉れを帰し,わたしたちのからだの中に防御システムを備えてくださったことに対して創造者に感謝することを命じます。健康であることがきわめて望ましい状態である以上,これらの防御機構に協力することは,わたしたちにとって知恵の道と言えます。

[脚注]

a 『患者を満足させるために与える,あるいは実験に使われる無効のくすり』

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