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目ざめよ! 1975
目75 7/22 7–9ページ

問題の根源は何か

あなたは精神面で至極健康ですか。そうであれば,あなたは幸せな人です。それにしてもこの貴重な持ちものを失う元になる根本的な要素について幾らか知っておくのは賢明なことでしょう。不意の悲劇的な出来事,重い病気,失業その他類似の出来事は精神病の“きっかけ”となりますが,このような事について知っているだけでは不十分です。これらの出来事が精神病を引き起こすのは,バランスを失わせる条件がまず根底に存在しているからです。

これら根本的な原因は基本的に言って三つの部類に分けられるでしょう。すなわち(1)社会組織つまり他の人々との関係,経済状態その他を含む“環境”;(2)遺伝,新陳代謝などを含む生理的な要因; および(3)性格的な欠陥です。

“環境上の”要因

現代生活のストレスや圧迫を考えても,環境は精神病を引き起こす上で主要な役割を果たしていると言えるでしょう。これは一般に認められていることであって,ラングナーとミッチェルはこの問題だけを扱った大著「生活のストレスと精神衛生」を書いているほどです。ノルウェーのカール・エバング博士も同様なことを述べています。「最も恐れられている種類のものであっても,身体的な病気に対して抵抗力のある人は多いが,精神病の場合は,緊張と圧迫が過度になり,社会的な環境が程度を超えて不利なものになるとき,だれでもかかるようにみえる」。

「精神分裂病 ― あなたのものと私のもの」の中に次のような見出しがあるのも,環境の要因を認めているからにほかなりません。「精神分裂病患者はストレスを減少させるためにどうしたらよいか」。その答えは「人の住まない島に行くか,世捨て人になること」ですが,これには次のことばが付け加えられています。「これらの逃れ道は……見いだすのがますます難しくなっている」。

現代の日常生活の圧力から逃れる時に精神的な健康が得られることは,世界最悪の天候といわれるニューハンプシャー州ワシントン山の頂上で気象観測をしている人々の例を見ても確かです。なぜ好んでそこに住むかを,そのうちの一人はこう説明しています。「いろいろな圧迫がなく,交通機関もなく,上役にがみがみ言われることもない。我々はみな高給の仕事を捨てて,ここで働くようになった。人は我々を狂気と思うが,そんなことはない……我々は周囲の世界と調和を保っている」。

精神病の根底に横たわる原因のうち,環境上の基本的要因としては,ほかに敵意,家庭の破壊,貧困,人種差別があります。またこの部類にはいるものに,親の側の利己的な野心,貪欲があり,これはいずれも子供にとって恐らく害となります。

年を取ると共に訪れる別の種類の“環境”は,これまた精神病の根源となり得ます。エバング博士は,老人に特有の“環境”で,きわめて有害なものをこう述べています。「意義ある活動の停止,忘れられているという気持ち,施設にはいって社会から孤立していること,収入の急激な減少」。事実,アメリカの有名な一精神科医によると,“老衰”は体の実際の衰えよりもこのような環境のほうがいっそう大きな原因となっています。

生理的な要因 ― 遺伝

そうは言っても不利な環境の中で生活している人は大勢います。しかしそのために精神病になる人は比較的に少数です。これら少数の人が環境に影響され,他の人はなんともないのはどうしてですか。

恐らくそれは遺伝のためです。ある人々は精神病にかかりやすい素質を持っています。そのような人は,生まれた時からこれらのストレスに対処する準備がそれほどよくできていません。それは裕福な家に生まれた人に比べて経済的に貧しく生まれた人のようなものです。貧しく生まれた人は裕福に生まれた人に比べて借金をしたり,生活保護を受けるようになったりする可能性が大きいのは当然です。同様にある人は遺伝のために情緒の面で“貧しく”生まれており,したがって心理の面で“借金”をするようになり,なんらかの形の精神病になることが多いのです。

デービッド・ローゼンタール博士のことばも,この例えと結論を裏付けています。「たいていの場合,遺伝の要因が存在しなければ精神分裂病になることはない。しかしそうした病気にかかりやすい素質を持つ人にこの病気が現われるのは,ストレスの厳しい環境におかれた場合が多い」。

精神分裂病の人と血縁の近い人ほど同じ病気になりやすいことが,研究により明らかにされています。それで親の一方がこの病気の場合,6人に1人の割合で子供も同じ病気になります。両親ともそうであれば,この可能性は6人に4人の割合となります。

精神科医の一団は,刑務所の受刑者の中から志願した二人の正常な人に精神分裂病患者の血液を注射しました。その結果は,精神分裂病にこのような身体的な原因があり得ることを示しています。注射後間もなくして一人は知覚まひに似た状態に陥り,幻覚を経験しました。他方の人は偏執病になり,すべての人が自分のことをうわさしているという妄想に取り付かれました。そしておよそ2時間後には二人とも正常に戻りました。

抑うつ状態の根本的な原因についても,精神病の研究者たちは同様な結論に達しています。それで次のことが言われています。「ますます多くの証拠が示すところによると,精神的な抑うつ状態のあるものは遺伝的であり……家族に抑うつ症状のみられる場合,人が『一時的』抑うつ状態[突発性の]に陥る可能性は10倍である」。ある精神病医によると,これは体の中の何かの化学的な欠陥あるいは脳の中の化学的な異常のためです。

別の生理的な要因 ― 新陳代謝

精神病の一因として今日,関心が高まっているのは,食生活の欠陥です。それは新陳代謝に影響することがあるためです。例えば,昨年,ワシントンのウォルター・リード陸軍病院でJ・F・グレデン博士の行なった精神病学上の研究があります。それによると,コーヒー,お茶,頭痛薬,その他コーラ飲料など広く用いられている製品中のカフェインは,大量にとると何らかの精神病の原因になることが示されています。米国精神病学会の年次総会で同博士は次のことを述べました。

「ある未知数(の人々)にとっては,一つの薬 ― カフェイン ― を減ずることは,もう一つを加えるよりも有益な場合がある」。同博士はある病症を“カフェイン症”として描写し,さらに落ち着きのなさ,怒りやすいこと,不眠,頭痛,幻覚,筋肉のけいれん,嘔吐,下痢がカフェインによって生ずる場合のあることを述べました。しかし1日に15杯か,それ以上のコーヒーを飲んでなんともない人がいるかと思えば,たった2杯で影響を受ける人のいることも認めています。

英国の精神科医リチャード・マッカーネスの発見も,同様な意味あいのものです。それによると,多くの場合,精神病には精神身体医学の原則が逆に作用しています。つまり精神が原因で体の病気になるのではなくて,体が原因で精神の病気になるというのです。どのようにですか。それはアレルギーのためです。病院や精神病の医療施設に入ったり,そこから出たりして何年間も入退院を繰り返してきた人々で,自分がアレルギーになっていた特定の食べ物を食事の中から取り除いたところ,病気が治ったという例が挙げられています。問題の食べ物というのは,人によって同じではありません。

性格構造の欠陥

環境また生理的な要因に加えて,性格構造の欠陥という要因があります。これは多くの場合,親が愛と確固とした態度をもって子供を育てなかったのが主な原因です。

L・E・マーチンがその著「精神衛生/精神病」の中で述べていることは,欠陥のある性格の形成に親が一役買っている場合のあることを裏付けています。それによると,多くの親は,警察に補導されるような事件の起こるまで,子供の性格がどんな発達をしているかに無関心です。また親自身が根本的な価値よりも外見を気にしている場合,また性格の特性という面で親が悪い手本を示している時,親は子供の性格に悪い影響を及ぼすことがこの本に説明されています。

ニューヨーク,ヒルサイド病院の精神科医ロビンズ博士も同じことを確信しています。同博士によれば,幼少期における正しい育て方は精神の健康に肝要です。これを怠ると,後年,精神科医の治療を必要とするような問題を起こすことになります。同博士は次のように語っています。「ヒルサイド病院に移送されてくる子供の患者は欲求不満に陥りやすく,欲求がすぐに満たされることを望んでいる。彼らは入院しても,医師の言うことを聞かないで自分の要求を通そうとする」。明らかにこれは,甘やかされて手に負えなくなった子供を描写していることばにほかなりません。

それで大人にとって有害とみえるストレスも,性格に欠陥があるためにそうなるのかもしれません。精神的な抑うつ状態は,仕事自体が有意義で満足をもたらすものではなくなった現代文明においてよくみられる徴候です。今日の労働条件が必ずしもストレスを生みやすいというわけではありません。むしろ多くの場合,労働者の期待の大きすぎることが問題なのです。人々は自分の仕事によって生活し,家族を養うだけでなく,我欲を満足させることを求めています。

精神病はこのように複雑な問題であるため,さまざまの精神病の治療に際して何が最善かという点で意見が大きく分かれることは容易に想像されます。今どんな治療法が使われ,またどんな成功を収めていますか。

[9ページの図版]

精神病

環境

遺伝

新陳代謝

性格的な欠陥

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