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目ざめよ! 1980
目80 7/8 13–15ページ

ほとんど何でも買わせてしまう人々

「現代の広告産業は,大量販売と商品化計画のためにかつて人間が考案した手段の中で,最も有力で効果的な手段である」― テレビコマーシャル作家のポール・スティーブンス。

現実的な問題として,自分の決定が広告に左右されることはない,と多くの人は考えています。広告は無視しているし,決断は自分自身が下している,と思っています。しかし,お金のことに詳しい実業界の管理職員たちは事実を的確につかんでいます。世界中でこれらの人々は,自らの命運を莫大な広告費にかけており,わたしたちには想像もつかないような方法で,欲望をかきたて,わたしたちの思考を操っているのです。

広告のメッセージは,新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・掲示板・バス・地下鉄・タクシー・河川の遊覧船・Tシャツなど,挙げつくすことができないほど多くのところからわたしたちの目と耳に入ってきます。アメリカ人は一日に1,600もの広告に接すると言われています。

ロサンゼルス・タイムズ紙で肩のこらないコラムを担当しているジャック・スミスは次のような考えを持っています。「私が思うに,普通のアメリカ人は,毎日,ニュース,本,雑誌,自分の配偶者などの源からというより,広告からより多くの言葉を取り入れている」。

世界のいたるところで,製造業者たちは買わせるための新手の説得術を追求しています。石けん製造業者であるプロクター・アンド・ギャンブル社は1977年だけで,米国内の宣伝に4億6,000万㌦(約1,104億円)を費やしました。これは米国の一世帯あたり8㌦(約1,920円)以上に相当する額です。もし広告で成果が上がらないとすれば,このようなお金を使うことはないでしょう。

テレビコマーシャル作家のポール・スティーブンスは自著「私は何でも買わせてしまう」の中で次のように述べました。「広告は,何をどのように買うか,なぜ特定の銘柄や製品を買うべきなのかを告げるものである。私にとって驚異なのは,広告が機能しつづけていることである」。バンス・パッカードは,ベストセラーになった「隠れた説得者」と題する本の中で,「その結果,我々の多くは,日常の生活様式において,自分たちが考えている以上にはなはだしくその影響を受け,それにあやつられている」と書きました。

このような広告は,さしあたって必要ではない物の場合に極めて効果的です。空腹な人は,食物が必要だと言われる必要はありません。しかし,欠陥のない立派な車をすでに持っている人に,借金をしてまで新しい車を買わせるためには,その気にさせることが必要です。

どうでもいいような相違点

真実で率直かつ不正のない正直な広告も数多くあります。それは楽しくて魅力的な,気持ちの良いものです。そういう広告は貴重な情報を提供し,どんな製品がふさわしいか,値段はいくらか,どこに行けば安く買えるかを教えてくれます。

しかし広告主はライバルの会社の製品とほとんど変わらない製品を売らなければなりません。ガソリン,ケーキミックス,石けん,中性洗剤,そして自動車に至るまで,その多くの銘柄の間には事実上違いらしい違いはありません。でも製造元は自分たちの銘柄商品を売らなければならないのです。莫大な額のお金がそこに注ぎ込まれます。そのため,広告業界の人々は,その宣伝活動を成功させる上で大きな圧力を受けることになります。

XとYという二つの銘柄がほぼ同一な場合,銘柄Xの方が銘柄Yよりも優れたものであることを信じ込ませるために,どんなことが行なわれるでしょうか。銘柄Xの方が満足を与えるものなので,“高級な”人々がそれを使っているとか,言うに言われぬ利点があるとか言うかもしれません。

実験室のテストによると,オクタン価の等しいガソリンであれば,どの銘柄であっても,自動車エンジンの中では基本的に同じように働きます。したがって,ある銘柄は“快適なドライブ”を約束し,別の銘柄は“出足の速さ”をうたい文句にするのです。ある大手の石油会社は“タイガーを一匹あなたのタンクへ”という宣伝で全体を要約しました。実際に虎<タイガー>を売るのでないことはだれでも知っていました。しかしこの宣伝文句は多くの言語に翻訳され,多量のガソリンを売り込みました。

広告が実際に述べることを考えてみましょう。その製品は“異なっている”とうたっていますか。もちろんそううたっています。ライバルの会社のものは青だが,これは茶色に着色してある,というようなことかもしれません。重要な相違点のあることもありますが,“異なっている”ことは必ずしも“より良い”ことを意味しません。

では“より良い”とはどんな意味でしょうか。昨年よりも良いという意味ですか。ライバルの会社の製品よりも良いのでしょうか。明確に述べられていないことは,多分あまり重要ではないことでしょう。

言葉の魔術

人々が見過ごしてほしいと広告主の願っている,短いながら油断のならない言葉があります。例えば,“お手伝いをする”というすてきな短い言葉を考えてみましょう。製造元は,この製品は“あなたの若さを保つお手伝いをします”と言います。でもなぜ“あなたの若さを保ちます”と言わないのでしょうか。それが若さを保たせることはできないからです。広告主は,人々が“お手伝いをする”という短い言葉を見過ごし,若さを保つ約束だけを記憶することを当て込んでいるのです。

この言葉を人々は何度も聞かされてきました。“虫歯を防ぐお手伝い”,“家からばい菌をなくすお手伝い”,“……をなくすお手伝い”,“……を克服するお手伝い”。広告主は,多くの人々がこの修飾的な部分を見過ごすことを百も承知です。

さらに“……のような”という短い言葉のことも考えてみてください。一杯のポルトガルワインは本当に“ポルトガルへ旅するような”ものでしょうか。そんなことは決してありません。想像の上で,ロマンチックな外国の地へ運ばれるに過ぎません。月の照る夜も優美な踊り子もびん詰めにされているわけではありませんが,この不思議な“……のような”という短い言葉によって,広告主は,さもなければその製品がかもし出すことのできない雰囲気を作り出すのです。

“平均走行距離が20%もアップ”という約束についてはどうですか。多くの人々が“20%”だけを聞き,余分なところは聞かないことを広告主はわきまえています。広告主は20%をあなたに約束しているのではありません。1%も約束していません。問題はわたしたちが走行距離を20%増やすことを欲しているということであり,そのことをわたしたちは聞いているのです。

買う気になる理由

広告会社は,人々が特定の決定を下す理由を研究するために多くの費用を投じてきました。彼らは隠れた苦悩や自己不信につけ込みます。人々の決定に影響を及ぼすため,罪悪感,恐れ,不安,孤独感,精神的緊張などを巧みに操作しようとするのです。人々に気づかれることさえないような方法でその気にさせることができる,と彼らは考えています。この研究は購売動機研究(モチベーション・リサーチ),またはMRと呼ばれます。

広告業界の一管理職員は,女性がスキンクリームに対して石けんの10倍のお金を費やすのはなぜかという理由を説明しました。石けんは清潔になることを約束していますが,スキンクリームは美しくなることを提唱しています。実際にはその消費者はスキンクリームを買うのではなく,希望を買うのです。果物ではなく活力を,靴ではなく美しい足を買うのです。その女性の夫が車を購入する場合でも技術的な面が本当の理由なのではなく,威信や,その車から連想される人柄が理由です。人が「これは私が乗るような車ではない」と言うのは,その車の乗り心地が悪いという意味ではないことを製造業者は知っています。むしろそれは,製造業者が車に盛り込んだ,高貴さ,繁栄,若さ,軽快さ,男らしさ,円熟性などのムードが自分の好みとは合わないということなのです。車は単なる輸送手段ではなく,製造元によってシンボル化されています。男性は大きめの車に乗ると気持ちが“大きく”なり,スポーティーな車に乗ると“スポーティー”な気分になります。信じ難いと言う人は,ポルシェ,メルセデス,フォルクスワーゲン,ホンダなどの名前を比較し,輸送の必要をはるかに超えた特徴が車に備わっていることを観察するとよいでしょう。

家庭用のクレンザーも同じような方法で販売されています。掃除は,報われない,感謝されないいやしい仕事であると考える主婦は少なくありません。石けんの宣伝は,家事を行なう人々の知恵と有能さをほめたたえ,“尊い,尊敬に値するもの”という印象を作り出します。

テレビコマーシャル作家のポール・スティーブンスは,中性洗剤のコマーシャルが伝えている映像について次のように述べています。「家族の名目上の頭である父親がいる。実質的な頭である母親がいる。その母親は最終決定を下し,母親を中心に他のすべてのものが回っている。……だまされてはならない。それで人は買わされるのだ。あなたを引きつけるのは得体の知れない添加物や三種類の洗剤ではない。浮き立って見えるのは,すべてを知りつくし,極めて聡明な,最後にはいつも正しい母親の姿である」。

もう一人の解説者は,特製の冷凍食品のコマーシャルについて次のように語りました。「テレビの画面では,主婦がこれらの冷凍食品を家族に調理してあげると,背景音楽をオーケストラが演奏し,彼女は敬意のこもったまなざしを浴びる。しかし夫が経費を計算するために食べるのをやめると,彼女の聞いている音はオーケストラの音のようではなくなる」。

幸福を買うことはできるか

広告主が,現在持っているもので満足させまいと試みることも珍しくありません。彼らは廃用の教え,つまり今持っているものは古くて時代遅れであり,捨てねばならないという教えを宣伝します。人はもっともっとたくさん,もっともっともっと新しい物,新しい衣服,新しい電気器具,新しい自動車を買わなければならないと思い込ませようとするのです。長くなじんできた製品の包装に,“使いやすくなって新発売”という宣伝文句があるのをどれほど目にすることでしょう。

彼らは所有物による幸福を約束します。人々にお金を使うことを勧め,お金を使えば幸福になり羨望の的になるとか,自分たちの製品によって人々は人気を得,美男美女になるとかほのめかします。彼らは,最新型の車を運転すること,非常に高価なカメラで写真を撮ること,超大型のテレビで楽しむことなど経費のかさむ活動に時間を費やすよう人々を説得したいのです。

これは“物”の文化を奨励するものです。それは幸福は物によって得られるという考えです。押入れや車庫には物が詰まっているにもかかわらず,“もっと物を買いなさい,そうすれば幸福になります”という言葉を聞かされるのです。

それでも,買ったところで人生に対する幻滅は解消しません。世の中の状態は変わりません。本当の問題はこんな方法では解決されません。

この点を悟るなら,自分を守ることができます。不要な広告には目を閉ざすことができます。多くの広告主たちが物質的な目標を支持していることを理解できます。人々が,必要なら進んで借金までして持っていないものを所有することを考えてほしいと,彼らは願います。

でもそうすると,本当に重要な物事に多くの時間を割けなくなるでしょう。懸命に働き,家族と共に過ごす時間が少なくなり,現代の“物”指向の社会の問題に呑み込まれてしまうでしょう。

古い昔になりますが,かつて人々に知られた最大の教師は,今日に非常に適切な次の警告を与えられました。「油断なく見張っていて,あらゆる貪欲に警戒しなさい。満ちあふれるほどに豊かであっても,人の命はその所有している物からは生じないからです」― ルカ 12:15。

「貴重な品も憤怒の日には益なく,義こそ人を死から救い出す」― 箴 11:4,新。

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