ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目89 7/8 6–9ページ
  • 死のセールスマン ― あなたは顧客ですか

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 死のセールスマン ― あなたは顧客ですか
  • 目ざめよ! 1989
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 彼らはなぜ喫煙したか
  • あなたはねらわれていますか
  • ねらわれる人種
  • 喫煙はいつまでもなくならないか
    目ざめよ! 1981
  • 煙とともに消える無数の命
    目ざめよ! 1995
  • たばこ ― あなたは退けておられますか
    目ざめよ! 1996
  • あなたはたばこをやめられます
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1973
もっと見る
目ざめよ! 1989
目89 7/8 6–9ページ

死のセールスマン ― あなたは顧客ですか

「喫煙者は,自分の寿命を縮めることになるという警告を,あらゆる方面から受けており,わたしもそのとおりだと思う。喫煙すれば寿命を縮めることになるだろう。だれにせよ煙を腹の奥まで入れる愚か者は苦しみを味わうことだろう。わたしは生まれてこのかた一度もたばこを吸ったことはないが,たばこで一財産を築いた。……我々がこの国を築いたのも,世界の他の愚か者にたばこを売ったからにほかならない」。―米国ケンタッキー州で長年タバコを栽培してきたジェームズ・シャープの言葉。ラリー・C・ホワイト著,「死の商人 ― アメリカのたばこ産業」からの抜粋。

この率直な発言は多くのことを物語っていますが,幾つかの疑問に対する答えを述べていません。世界中の10億を超える人々がたばこを吸うのはなぜでしょうか。喫煙を続ければ早死にすると分かっていてもやめられないのはなぜですか。結局,たばこに関することは,基本的には麻薬に関することと同じ,つまり需要と供給の問題です。もうけになる市場がなければ,供給もなくなります。では,人々はなぜ喫煙するのでしょうか。

鍵となる語は,中毒です。いったんニコチンが体内に足場を固めると,体は毎日一定量のニコチンを必要とするようになります。そして中毒と関連があるのは習慣です。ある状況になると,習慣になっているため,たばこが吸いたくなるのです。それは,朝起きるとすぐ,または朝のコーヒーを飲む時や昼食後のお茶の時,職場で圧力を感じた時や打ち解けたやり取りの時,あるいはレクリエーションの時かもしれません。ささいに思える多くの習慣が喫煙の“始動”スイッチとなり得るのです。

彼らはなぜ喫煙したか

「目ざめよ!」誌は,喫煙の背後にある動機を理解するため,幾人かの元喫煙者にインタビューしました。その一人は,米国海軍の元下士官で,現在50代のレイです。彼はこう説明しています。「たばこを吸い始めたのは9歳のころでしたが,本格的に吸いだしたのは12歳の時でした。喫煙が原因でボーイスカウトから除名されたのを覚えています」。

「目ざめよ!」誌: 「どうして喫煙に関心を抱くようになったのですか」。

レイ: 「男らしいことだったからです。喫煙は男性的でしたからね。あのころの広告には,たばこを吸っている消防士や警察官が載っていました。その後,海軍に入りましたが,そのころは航海中の仕事がきつかったので,喫煙はストレス解消に役立つと考えました。

「1日に一箱半[紙巻きたばこ30本]ぐらい吸っていましたから,たばこがなければ1日が始まらないといった状態でした。もちろん,煙は肺の奥まで吸い込みました。深く吸い込まなければ何の意味もありませんからね」。

ニューヨーク出身のプロの画家であるビルも50代の男性で,話は類似しています。

「わたしは13歳の若さで始めました。大人のまねをしたかったんですね。いったんそれに慣れたら,やめられなくなりました。たばこが1本あれば,友達が一人いるような心持ちでした。実際,たとえ床に就くところであろうと,家にたばこがないことに気づいたら,もう一度服を着て,どんな天気だろうとかまわずに,翌日吸うたばこを買いに出かけたものでした。1日に一箱か二箱は吸っていました。確かに中毒になっていたんですね。おまけにわたしは大酒飲みでした。入り浸りの酒場では特に,酒にたばこは付き物のように思えました」。

若い外向的な女性であるエイミは,12歳の時に喫煙を始めました。「最初は友達の圧力でした。その後,15歳の時に父が亡くなり,そのストレスで余計にたばこを吸うようになりました。でも,大人になるにつれて,宣伝に影響されるようになりました。『君もずいぶん進歩したね』というあの宣伝には特に影響されました。わたしは外科の看護婦になるために勉強していたキャリア・ガールでした。間もなく1日に3箱吸うようになっていました。たばこを楽しむのは夕食の後と電話で話をする時でしたが,電話の頻度は少なくありませんでした」。彼女は何らかの良くない影響に気づいていたでしょうか。「朝,せきこんだり,頭痛がしたりして,体はもう健康な状態ではなくなっていました。アパートの自分の家まで階段を昇るだけで息切れがしました。でも,まだ19歳だったのです」。

以前に海軍の航空兵だったハーレーは,今60代ですが,大恐慌の時代に,5歳で喫煙を始めました。どうしてでしょうか。「わたしの出身地のサウスダコタ州アバディーンでは,子供たちはみんなたばこを吸っていました。たばこを吸う子はたくましい子ということだったのです」。

ハーレーは,自分が喫煙した理由について遠回しな言い方などしません。「たばこはわたしにとって本当に楽しみだったのです。煙を肺の奥深くまで吸い込み,しばらくしてその煙を輪の形にして吐くのが好きでした。たばこなしでは生きてゆけないところまで行っていました。1日はたばこに始まりたばこに終わりました。海軍にいたころは,日に二箱ないし三箱,それに葉巻を月に一箱吸っていました」。

ビル,レイ,エイミ,そしてハーレーは,喫煙をやめました。他の幾千万という人々 ― 米国だけで4,300万人以上の人々 ― もやめました。しかし,たばこのセールスマンはあきらめていません。彼らは常に新たな市場をねらっています。

あなたはねらわれていますか

たばこ会社は,先進工業国における多くの男性喫煙者のたばこ離れに加え,自然死や喫煙が原因の死によって顧客を失っているため,新たな市場を見いださねばならなくなっています。売り上げを伸ばす努力の一環として宣伝戦略を変えたところもあります。テニスやゴルフの選手権大会などのスポーツ競技のスポンサーになるのは,人々に喫煙を清潔なことのように思わせる効果的な方法です。もう一つ戦略上必要なのは,購買者層にねらいをつけることです。あなたは彼らの顧客となる可能性のある人ですか。

標的の筆頭に上がっているのは,女性です。何十年も前から喫煙を続けている女性は比較的少数です。それら少数の女性は,グローリア・スワンソンのような映画女優の手本を見,そのまねをして喫煙を始めました。スワンソンは1917年という昔に18歳で喫煙していました。事実,彼女がデビューした当時得た役の中には,監督が説明したとおり,「あなたの髪,あなたの顔,その座り方,たばこの吸い方,……あなたはこの役に打ってつけの人」だったために得た役もありました。

1940年代には,ローレン・バコールが,夫であるヘビースモーカーのハンフリー・ボガートと映画で共演し,喫煙の魅惑的な手本を示しました。しかし,たばこ市場における女性の数はさほど増加せず,女性は常に男性よりも後れをとっていました。ガンの統計についても同様でした。ところが今や女性は,喫煙においても肺ガンにおいても急速に男性に追いついてきています。

近年,広告に新しい傾向が見られるようになりました。その原因の一つは,女性が以前よりも社会で競争的な役割を演じることが多くなり,たばこの広告が微妙な影響を及ぼすようになったためです。女性に向けられているのはどんなメッセージでしょうか。種々の銘柄のたばこメーカーであるフィリップ・モリス社は,現代女性にねらいを定めて「バージニア・スリム」を製造しています。そのキャッチフレーズに,エイミの心をとらえた,「君もずいぶん進歩したね」というのがあります。その広告は,指にたばこを挟んだ,垢抜けした現代女性を描いています。しかし,一部の女性は,自分がどれほど進歩したかを今自問しているに違いありません。ここ2年余りの間に,乳ガンよりも肺ガンで死ぬ女性のほうが多くなっているのです。

別の銘柄のたばこは,女性に対し,「一箱につき5本のおまけ」,「一カートンにつき50本のおまけ」として安売りされています。中には,たばこの無料引き換え券が付いている婦人雑誌もあります。

たばこを魅力的に見せるもう一つの容易な手段はセックスです。ある銘柄のたばこは,「もっと楽しみを見つけなさい」と呼びかけます。そのメッセージには一種の求人広告が載せられており,「求む ― 永続的な関係を望む,背の高い,色黒の人。見栄えがよく,趣味のいいことが条件。発汗するほどの満足を切に求める者より」とあります。この広告のたばこは“丈が長く”,薄黒い紙に巻かれています。巧妙な関連づけではありませんか。

女性に対して用いられる別の手は,ファッションと結びつけることです。ある銘柄のたばこは,「イブ・サンローランのスタイルと趣味の祭典」とうたわれています。もう一つは,体重を気にする女性を対象にしたものです。その広告は,主にほっそりしたモデルの写真を使い,たばこには「ウルトラ・ライト ― 最も軽いスタイル」という説明が付いています。

たばこメーカーはなぜ世の女性にねらいを定めているのでしょうか。世界保健機関は,一つの明白な理由となる手掛かりを与えています。同機関の推定によれば,「先進工業国では男女ともおよそ30%が喫煙者であるのに対し,発展途上国では男性の50%余りが喫煙者で,女性は5%にすぎない」のです。最終的に健康面で代価を払うかもしれないことはさておき,そこにはたばこで利益を上げ得る未開発の広大な市場があり,現にたばこの販売は成功を収めています。ニューヨーク・タイムズ紙によると,1989年1月に出された米国公衆衛生局長官の報告には,『子供たち,特に女子の喫煙者の低年齢化が進んでおり』,小学生の中にも喫煙者がいる,と述べられています。別の筋によれば,近年,米国のティーンエージャーの女性喫煙者の数は40%増加しました。とはいえ,死と病気のセールスマンがねらっているのは女性だけではありません。

ねらわれる人種

ラリー・C・ホワイトは,自著「死の商人 ― アメリカのたばこ産業」の中でこう述べています。「たばこメーカーのよい販路となっているのは黒人層である。国立保健統計センターの示すところによると,1986年の統計だが,[米国では]白人よりも黒人のほうに喫煙者の割合が高い。……黒人は,たばこ販売促進の特別の標的になっているのだから,喫煙者数の比率が白人層におけるより高いのも不思議ではない」。黒人が特別の標的になるのはなぜでしょうか。ウォールストリート・ジャーナル紙によれば,黒人は「喫煙の習慣をやめる点で一般の人々より後れをとっているグループ」だからです。したがって,顧客としての黒人は,『死によって分かたれるまで』“忠節な”顧客なのです。

たばこ会社はどのように黒人層に注意を集中しているでしょうか。作家のホワイトはこう述べています。「たばこは,エボニー,ジェット,エッセンスといった黒人志向の雑誌の中で大いに宣伝されている。たばこ会社は広告費として1985年にエボニー誌だけでも330万㌦(約4億2,900万円)をつぎ込んだ」。あるたばこ会社は,黒人女性の購買者層のための毎年恒例のファッション・ショーをも後援し,無料のたばこを配ります。別の会社は一時期ジャズ・フェスティバルの常連スポンサーとなっていました。そして今でも引き続き,黒人に人気のあるミュージック・フェスティバルを支援しています。黒人層はどれほど特別な標的なのでしょうか。フィリップ・モリス社のスポークスマンはこう述べました。「黒人購買者層は非常に重要だ。非常に有力な市場なのだ」。

しかし,たばこの大会社にとって,もっと重要な市場があります。相手は単なる一人種や一グループではなく,国民なのです。

[7ページの拡大文]

「たばこが1本あれば,友達が一人いるような心持ちでした」

[9ページの囲み記事]

喫煙とバーガー病

マクレアンズ誌が伝えた,最近カナダで起きたある訴訟事件によって,喫煙が原因とされるもう一つの病気のことが広く知られるようになっています。ロジャー・ペロンという名の男性は,13歳の時から喫煙を始めました。27歳になるころには,バーガー病にかかっていて,片足のひざから下を切断しなければなりませんでした。この人は,喫煙を続けるなら病気は再発する可能性がある,という警告を受けました。マクレアンズ誌はこう伝えています。「しかし,ペロンは警告を無視したため,1983年に医師たちは彼のもう一方の足を切断しなければならなかった。その後,ペロンは……ついに喫煙をやめた」。現在この人は,あるたばこ会社を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしています。

バーガー病とはどういう病気なのでしょうか。それは「男性喫煙者に非常に多い病気である。動脈や静脈,また神経に炎症が生じ,それがもとで白血球の浸潤による血管壁の肥厚を起こすのが特徴である。最初の症状は,普通,手足の指が青みがかって見え,患部が冷たいこと。神経が炎症を起こすため,激痛がしたり,その神経に支配されている小血管が収縮することがある。また,足は冷たいのに,交感神経が過敏になっているため下肢に非常に汗をかくこともある。……進行性バーガー病の一般的な合併症は,虚血性潰瘍と壊疽である。

「バーガー病の原因は不明だが,概して若年層の喫煙者に多いため,たばこに含まれている何かに対する反応であろうと考えられている。最も重要な治療法は,喫煙をやめることである」。(下線は本誌。)―「コロンビア大学医学部 内科・外科 家庭医療案内全書」。

[9ページの囲み記事]

喫煙と心臓発作

「喫煙と肺ガンその他の肺疾患との関連は大抵だれでもよく知っているが,喫煙が心臓発作の主な危険要因でもあることは,まだあまり理解されていない。事実,喫煙と健康に関する……[米国]公衆衛生局長官の報告書によれば,毎年,心臓血管の病気で死亡するアメリカ人のうちの22万5,000人は,喫煙が直接の死因と見られており,その死者数は,喫煙が原因とされるガンや肺疾患による死者の総数をかなり上回っている。

「喫煙者がよく尋ねるのは,低タール・低ニコチンのたばこにすれば心臓血管に及ぶ危険が減少するかどうかということだが,答えはどうやら『ノー』ということらしい。事実,フィルター付きのたばこも,物によっては一酸化炭素の吸入量が増え,フィルターの付いていない銘柄の物よりももっと心臓に悪い」。(下線は本誌。)―「コロンビア大学医学部 内科・外科 家庭医療案内全書」。

[8ページの図版]

たばこの広告は女性にねらいを定め,成功を収めている

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする