ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目90 5/22 15–19ページ
  • ロボス岬 ― 陸と海との感動的な出会い

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • ロボス岬 ― 陸と海との感動的な出会い
  • 目ざめよ! 1990
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • コース
  • ラッコ
  • 水中保護区
  • カワウソは遊びが好き
    目ざめよ! 1978
  • ラッコの毛皮
    目ざめよ! 2017
  • 海の中の森
    目ざめよ! 1987
  • オオカワウソを探す冒険旅行
    目ざめよ! 1984
もっと見る
目ざめよ! 1990
目90 5/22 15–19ページ

ロボス岬 ― 陸と海との感動的な出会い

単に感動を覚えるだけではありません。ロボス岬での陸と海との出会いは,時に雄大な荒々しさを伴います。満潮時に沖合いから強い風が吹き寄せると,大波が次々に起こり,岩の多い崖に打ち寄せては砕け散ります。砕けた波はごう音と共に,12ないし15㍍の高さまで飛び散ります。こういう日には,人々はそのショーを見るためにシー・ライオン岬に急いで出かけます。皆と一緒に勇気が許す限りのところまで近づいた見学者は,崖に波が激しく打ち寄せるたびに思わず息をのみます。何トンもの海水が空中に飛び散るダイナミックなショーに見とれて,体に降りかかる波しぶきも気になりません。波が荒れ狂っている間は,聴衆はその場をなかなか離れません。

それでも立ち去らなければなりません。ロボス岬にはほかにも多くの見どころがあるからです。この地は数々の魅力に富んでおり,カリフォルニア州が1933年にロボス岬を州の保護区に定めた理由の一つはそこにあります。これとは別の主要な理由は,美しいモントレーマツを保護することです。この木はロボス岬とモントレー半島付近にのみ自生します。太平洋を見下ろすこれらの断崖は,今やモントレーマツの最後の拠点になっています。

州の保護区に指定されるまで,ロボス岬の歴史は変化に富んでいました。何世紀もの間,インディアンは甲殻類動物を収集し,この岬で宿営を張りました。18世紀末から19世紀初頭にかけては家畜の放牧地となりました。1861年から1884年までは,ポルトガル人がここに捕鯨基地を置きました。その後,日本の漁民がアワビの缶詰め工場に手を貸すようになり,そこから大量のアワビが東洋に出荷されました。この土地の所有者は頻繁に変わった ― ある時にはトランプをしている最中に変わったという話もある ― のです。

コース

太平洋岸の幹線1号からロボス岬州立保護区に通じる入口は,モントレーの南約16㌔,カーメルの南約5㌔の地点にあります。保護区内の道路数はごくわずかです。それらの道は三つの主な駐車場につながっており,そこから先は松林やイトスギの木立ちの間を縫って,小道が扇状に広がっています。ある小道は保護区内の海岸線に沿って約10㌔先まで続いており,途中,はるか眼下に荒れ狂う海の雄大な景色が見える高い崖を伝いながら,徐々に浜辺へ下って行きます。そばの海水には,イソギンチャク・ウニ・カニ・ヒトデ・甲殻類・緑藻や紅藻その他多くの生き物が所狭しと住んでいます。立ち止まってかがみ込み,この魅力的で小さな,岩に囲まれた世界をのぞいてみましょう。でも気をつけてください。あなたをずぶ濡れにする波がひたひたと寄せてきます。

バード・アイランドに通じる小道を歩きながら下の方に目をやると,チャイナ湾のひすい色の海が,険しい崖に囲まれた宝石のように心地よく収まっています。片側の小さな砂浜には波がのんびりと打ち寄せ,海水浴をする人たちはひんやりする水を楽しんだ後,崖に囲まれた浜辺で暖かい陽光を浴びています。このぜいたくな雰囲気を味わっている仲間はほかにもいます ― 岩棚の上ではゴマフアザラシも身を伸ばして日光を目一杯浴びています。

引き続き小道をたどり,バード・アイランドのそばまで来ると,そこにはおびただしい数の海鳥が集まっています。巣造りの季節になると,くちばしから海草の束をぶら下げた鵜が忙しく飛び回り,密集した住宅を造る開発業者よろしく,びっしりと並んだ巣を造ります。ペリカンは漁に何度も足を運び,眼下に泳いでいるえさを見ると海に飛び込みます。カモメは空高く舞い上がり,風に乗って気の向くまま大変優雅に旋回しているので,地上から飛び立てないあなたはうらやましく思います。

地上の2か所で残っているモントレーマツの自生地の一つを曲折しながら進むこのイトスギ林の小道は,多くの観光客に人気があります。ここの崖からは海の見事な景色が望めます。岩は紅藻に覆われ,樹幹は湿った海気にさらされています。松やイトスギの大枝からは,レース状の地衣類がカーテンのように垂れ下がっています。林の中ではオグロジカを見かける ― 母親は子鹿と共に低木の新芽を食べている場合が多い ― かもしれません。この半島の先端からは,重さ40㌧のコククジラが潮を吹いたり,時には水面に躍り出たりする姿が見られます。コククジラは12月と1月に交尾と出産のためにバハ・カリフォルニアへ向かい,3月と4月にはえさを求めてベーリング海に戻りますが,往復1万6,000㌔に及ぶその移動の際にロボス岬を通り過ぎるのです。

ラッコ

しかし最も人気があるのは,沖合いを旅するこれら海の巨獣ではありません。森林警備員が一番よく尋ねられるのは,「ラッコはどこにいますか」という質問です。ラッコは普通,山陰の小湾に浮かぶケルプ(海草)の中にいます。双眼鏡を持った観光客はそのような場所をざっと見渡してラッコを見つけ,次いでラッコがえさを求めて水中に潜る姿を観察します。メニューには,二枚貝やカニ,イガイ,イカ,タコ,アワビ,ウニといったごちそうが載っています。ラッコは胸の上に置いた石を食卓代わりにし,主食となる貝類をその石に叩きつけて中の肉を取り出すのです。食事をしていなければ,潮に流されないようにケルプにくるまって眠っているかもしれません。あるいは母親が胸の上に赤ちゃんを乗せて,身繕いをしたり,えさを与えたりしているかもしれません。赤ちゃんは水中で生まれ水中で生活しますが,泳ぎ方を教わる必要があります。といっても,溺れる心配はありません。ラッコの赤ちゃんには天与の浮力が備わっているのです。

ラッコの暗褐色の毛皮 ― 成獣は頭部の周りが灰色や白色である場合が多い ― は上質で厚みがあります。シー・ライオン岬の近くの案内所には,ラッコの毛皮があります。毛皮を指でなでて,絹のようなその柔らかい感触を味わってください。ラッコが絶滅しそうになったのも,この極上の毛皮のせいです。ラッコの毛皮にはアザラシの2倍の密度で毛が生えており,その本数は1平方㌢あたり10万本,全部でおよそ8億本に達します。しかしラッコは毛皮だけで暖かさを保っているのではありません。ラッコは毛皮の中に空気を取り込むために長い時間をかけて身繕いをし,この空気がラッコの皮膚を冷たい水から守るのです。ユニークで優しく,おとなしいラッコが,観光客の人気を集めるのも当然です。

水中保護区

以上のような小道を利用すれば,広さ224㌶のロボス岬へ行くことができます。とはいえ,ロボス岬州立保護区の土地はこれだけではありません。これらの土地は全面積の半分にも達しません。水中に300㌶の保護区があるのです。ウェイラーズ湾の駐車区域に向かって枝分かれした道に進みましょう。その地域に行くと,ウェットスーツと潜水器具を身に着けたダイバーたちが,米国で最初の水中保護区に潜ってゆく姿をよく見かけます。1960年に制定されたこの保護区はカリフォルニアで最も充実した水中保護区の一つで,州の法律によって完全に保護されています。残念ながら,水中深くを探索するためのウェットスーツや潜水用具を使用する資格を持っていないかぎり,この驚異に満ちた水中の世界を自分の目で見ることはできません。

保護区の入口で手渡されるパンフレットには,あなたがどんなものを見逃しているかについてある程度伝える,次のような情報が載っています。「高さ30㍍に達するケルプの森に薄日が差すなか,無脊椎動物や根のない植物が生き生きとした色彩の世界を作り上げている。アイナメやカジカ,また岩根の魚などが見え隠れしている。アザラシやラッコや鯨が思いがけなく現われるので,胸がドキドキする」。これら水中生物の仲間で,世界最大のヒトデであるアカニチリンヒトデを見ると,心臓が止まりそうになるかもしれません。その大きさは幅1.2㍍にも達します。ちょうどロボス岬の陸地の通路を歩く際にコースの案内図があったように,ダイバーたちにも海洋生物を判別できる38枚のカラー写真を収めた,水中で使用できる案内書があります。

ロボス岬は物事を静かに思い巡らすのに適した場所です。ここには300種を超える植物と250種の鳥と動物が存在していますから,題材には事欠きません。ブルーフィッシュ湾の海面には,褐色のケルプの束が優雅な曲線を描いています。潮風にはライラックの香りが加わっています。サルビアの葉を強くつまむと,刺激的な香りが漂います。しかしコースに沿って生えているウルシの光沢のある葉をつまむのはやめましょう。なぜここではウルシを残してあるのでしょうか。小鳥や小動物が住むのに適しているからです。ロボス岬は人間ではなく動物たちの住み家なのです。

ヤマヨモギの一番上の枝に留まったミヤマシトドは,物悲しい歌を優しく繰り返します。黒いミヤコドリは緋色のくちばしを陽光に輝かせ,かん高い声を発しながら浜辺の岩を次々に飛び移ってゆきます。沖合いの岩の多い島々では,トドが無視されないように絶え間なく大きな鳴き声を上げています。また,道具を使うラッコは胸に載せた石に貝をぶつける音をいつも響かせています。さらに,静かに寄せる波の音や,荒れ模様のときに岩場で逆巻く波の音も趣があります。

ここは黙想をするのに適しています。海のそよ風を深く吹い込んでください。小道をゆっくりと歩きましょう。時間をかけて雰囲気を十分に味わってください。思い出を蓄え,その場の精気を感じ取りましょう。

ロボス岬を「世界で最も壮大な,陸と海との出会い」と評した造園家のフランシス・マッコマスの言葉を大げさな賛辞と片付ける人もいるかもしれません。しかし二,三日ここの小道を散歩し,潮風を吹い込み,様々な音に耳を傾け,色々な風景を眺め,静穏に包まれた素朴な美しさを満喫すれば,その賛辞がさほど大げさなものであるとは思わないでしょう。

間違いなく,ロボス岬はいら立った神経を静め,気分を和ませる場所であり,その造り主であられるエホバ神の芸術的手腕をほめたたえています。

[16,17ページの図版]

左上: 海から突き出ている岩山

右上: 南方に生息するラッコ

中央左: チャイナ湾のひすい色の海

中央右: ケルプの森の中にいるイスズミ

右下: 風と水が砂岩に残した彫刻

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする