ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目90 8/8 20–21ページ
  • 酢 ― 刺激臭のある酸

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 酢 ― 刺激臭のある酸
  • 目ざめよ! 1990
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • バクテリアの産物
  • オルレアン製法
  • 多岐にわたる用途
  • 酢
    聖書に対する洞察,第1巻
  • フィリピンのごちそう
    目ざめよ! 1970
  • ぶどう酒や強い酒
    聖書に対する洞察,第2巻
  • ワイン,木材,樽作り
    目ざめよ! 2005
もっと見る
目ざめよ! 1990
目90 8/8 20–21ページ

酢 ― 刺激臭のある酸

フランスの「目ざめよ!」通信員

酢は昔から用いられてきました。ローマ軍の兵士たちは酢と水を混ぜて飲みました。彼らは酢をアケトゥムと呼んでいました。

今日では酢の主要成分を表わすのに,「酢酸」(英語: アセチック・アシッド)という語が使われます。酢はぶどう酒のようなアルコールを酸化発酵させて得られるからです。

酢を意味する英語の“vinegar”は,バン(ぶどう酒)とエーグル(酸い)という二つのフランス語に由来します。それにしても,一体どうしてぶどう酒は酸っぱくなり,酢に変わるのでしょうか。

バクテリアの産物

ぶどう酒の瓶を開けて暖かい部屋の中に数週間置いておくと,ぶどう酒の表面に薄い膜ができます。この膜は無数の細胞がびっしり詰まったもの,すなわち空気中に存在する微生物の集まったものです。それらの微生物がぶどう酒の表面に住み着くのは,そこが繁殖に適した環境だからです。

ほんの少し味わってみましょう。いや,これはだめです。ぶどう酒が発酵して,酸っぱくなっています。酢に変わってしまったのです。酸っぱくなった原因は何でしょうか。アセトバクター・アセチという微生物です。この微生物は,ぶどう酒やエールやりんご酒を与えられると,液体の量がどれほどであろうと,アルコール分が12%を超えていない限りは繁殖します。

科学者たちはこの種の微生物を好気生物と呼んでいます。つまり,酸素がなければ生存できない生物なのです。この微小な生物の活動が液体の表面上に限られている理由はそこにあります。もし液体の中に沈んだら,窒息死することでしょう。そうなると,アルコール飲料を酢に変える作業は途絶えてしまいます。

アセトバクター・アセチとその仲間は,ぶどう酒の表面におびただしく集まって酢母と呼ばれる菌膜を形成します。冷気に弱いこの微生物にとって,最適な温度は摂氏30度ぐらいです。

では,酢についての予備知識を得たところで,フランスの酢造りの本場オルレアンの由緒ある,酢の醸造所を訪ねてみましょう。

オルレアン製法

足を踏み入れた所は,とてつもなく大きな倉庫です。そこには,大きさや形の異なる様々な桶や樽や大桶があります。オーク材でできた樽もあれば,ステンレス製の樽もあります。その多くは,運び込まれるぶどう酒を貯蔵するためのものです。ここで酢造りの名人が,熟成したぶどう酒を混ぜ合わせて,アルコール分を8ないし9%に調節します。酢を貯蔵して熟成させる容器もあります。最後に,一番重要な部分に来ます。ここにある容量225㍑の樽の中でぶどう酒が酢に変えられるのです。

横に寝かせた大きな樽がずらりと並んでいます。横に寝かせると,中の液体が空気に触れる表面積は最大になるのです。空気は樽の上部にある“目”,つまり小さな穴から入ります。醸造者もこの穴から発酵状態を調べることができます。こうした要件にかなうよう,樽には容量の5分の4しか満たされません。ぶどう酒は摂氏30度ぐらいに温められて注ぎ込まれ,少量の酢酸菌が加えられます。酢酸菌が仕事に取りかかり,三,四日たつと,ぶどう酒の表面が酢母に覆われます。

二,三週間で初回分の酢が出来上がります。樽底の方に設けられた栓を開けて約50㍑を抜き取り,表面の菌膜を壊さないように注意しながら,同量のぶどう酒をつぎ足します。

そして3週間ほどして再び同量の酢を抜き取り,ぶどう酒をつぎ足します。この製法を使うと,一樽につき毎日平均二,三リットルの酢が採れます。これでは量が少ないように思えるかもしれませんが,いま見学中の工場には2,500個の樽があり,年間の生産量は何百万リットルにも達しています。

ここから先は,求められる酢の質に応じて様々な過程が必要になります。例えば,酢を澄んだものにするためには,不純物を取り除いて,ろ過しなければなりません。次いでその酢をオーク製の大樽の中で数か月熟成させます。その後,瓶に詰められて世界各地に出荷されるのです。

オルレアン製法は今も酢の醸造法として用いられていますが,酢酸製造の質の向上と迅速化をさらに図るため,長年の間にほかにも様々な製法が開発されてきました。深部発酵法もその一つです。ポンプで空気を絶えず送り込み,細かい無数の気泡を生じさせてアルコール溶液中のバクテリアに酸素を供給し,バクテリアの繁殖を増進するのです。このようにして,より少ない時間でより多くの酢が生産されます。

多岐にわたる用途

酢には長い歴史があります。ヘブライ語聖書にもギリシャ語聖書にも,酢に言及している聖句があります。(民数記 6:3。ヨハネ 19:29,30)酢に薬効があることは何世紀も前から認められています。ヒポクラテスは患者に酢を飲ませました。芳香塩と同様,酢も吸引用の気付け薬や強壮剤として使われてきました。また水で薄めて,刺激の少ない消毒液としても利用されています。家庭では,水に溶かしてサラダの材料を洗ったり,一般的な洗剤として使用されたりしています。

しかし大抵の場合,酢は料理に使われます。酢は雑菌の繁殖を防ぐので,肉や魚や果物,またタマネギやキュウリやカリフラワーといった様々な野菜を漬物にする際に使用します。さらに酢は,サラダやソースやシチューなど,いろいろな料理の風味を引き立てています。

それで今度食卓に就いた時に,いい香りがしたら,それは刺激臭のある酸,つまり酢が効いているかもしれないということを思い出してください。

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする