変化させるのに最善とは言えない方法
いったん行動のパターンが出来上がった後で変化を成し遂げるにはどうしたらよいでしょうか。だれに頼ることができますか。長続きするような改善を図るために,どんな方法を用いることができるでしょうか。
現在用いられている極端な方法を幾つか考えてみましょう。
政治的な圧力
現在,非常に大勢の人々は,行動の理念や規準を規制しようとする体制のもとで生活しています。そのような政府は権力に物を言わせ,あるときは巧妙に,またあるときは強制的に人を変化させます。人を洗脳するために,脅迫,投獄,拷問などをはじめ様々なテクニックを使う場合もあります。マスコミや他の教育機関を統制することによって既成観念をすべて排除し,現在のエリート支配層の望みどおりの観念を植えつけようとします。反対論はすべて力で抑えつけられます。再教育を望まない人は恐ろしい仕打ちを受けるかもしれず,精神的に骨抜きにされてしまうことも珍しくありません。
精神外科と電気刺激
脳の中には,ある特定の気分や行動様式に影響を与える部分があると言われています。精神外科とは,脳のその部分の組織を切除したり破壊したりすることが関係しています。いったん切除されると,その部分は二度と機能を回復することはできません。その部分がつかさどっていた行動は決して現われなくなります。
そのような手術は,すでに数千件行なわれているということです。特に,異常で危険な性行動の見られる人に行なわれたようです。脳の奥に小さな電極を差し込まれた人もいます。電流が流れると,脳のその領域の活動を刺激したり,妨げたりしました。そうすると,インパルスに修正が加えられ,脳のその部分がつかさどる行動に影響が及ぶと言われています。
薬物
精神医学の分野では薬物が極めて広く使われており,薬物の必要な場合がしばしば生じます。精神安定剤,睡眠薬,興奮剤,脳の化学物質の不均衡を正す薬物などがあります。刑務所や他の矯正施設で,人を罰する手段として使用されてきた薬物もあります。アポモルヒネとアネクチンの二つがそれです。
アポモルヒネは,容認できない行動の見られる受刑者に投与されてきました。これは激しい吐き気と嘔吐を引き起こします。再び良からぬことをしたらもっとアポモルヒネを飲ませると受刑者は告げられます。これは嫌悪療法とも呼ばれています。悪いことをした受刑者がアネクチンを飲まされると,ぜん息患者のように呼吸が苦しくなります。もう死ぬのではないかと思うほどです。再び悪いことをしたら,もっとアネクチンを飲まされます。
あなたなら,行動様式を変えるためにそういう方法を用いたいと思うでしょうか。
以上のような方法のほとんどは自由意志を踏みにじるものです。またそうした方法には,他の人を支配する立場にありながら,必ずしも他の人の利益を考えているわけではない人々の影響力も関係しています。政治権力はそれ自体の利益を求めていますか。それとも個人の利益を求めていますか。精神外科では,だれがメスを取りますか。電気刺激を加えるときにスイッチをコントロールするのはだれですか。嫌悪療法の効果はどれほど長く続きますか。療法士は信頼できますか。
もっと優れた手段について考えてみましょう。