ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目97 9/8 21–23ページ
  • RSDをかかえる私の苦闘

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • RSDをかかえる私の苦闘
  • 目ざめよ! 1997
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • RSDにはどのような痛みが伴うか
  • ついに幾らか症状が軽くなる
  • 結果はどうなるか
  • 私の対処法
  • RSD ― 激痛を伴う謎の障害
    目ざめよ! 1997
  • もはやなくなる苦痛
    目ざめよ! 1994
  • 読者の声
    目ざめよ! 1998
  • 疼痛治療はこのように進歩した
    目ざめよ! 1994
もっと見る
目ざめよ! 1997
目97 9/8 21–23ページ

RSDをかかえる私の苦闘

私は40代前半で,コンピューターを使う事務系の全時間のボランティアの仕事をしています。数年前に脊椎の外科手術を受けたので,痛みとはどういうものか分かったつもりでいました。ですから,1994年1月に,左手首の関節にできたガングリオンの手術を受けることになったときにも,多少の痛みや不快感は覚悟していました。それでも,耐えられないことは何もないと思っていました。

外科手術は成功裏に終わりましたが,何週間もたたないうちに,左腕に激しい痛みを感じるようになりました。そして,その左腕ははれ上がって変色してきました。爪は伸びてもろくなりましたが,痛いので切ることができませんでした。睡眠を取るのはほとんど不可能でした。最初のうち,医師たちや理学療法士は困惑していましたが,症状が悪化するにつれて,ある外科医は私がRSD(反射性交感神経性萎縮症)― 慢性局所疼痛症候群としても知られる ― にかかっていることに気づきました。手術をしてから3か月が経過していました。

RSDにはどのような痛みが伴うか

RSDについては一度も聞いたことがありませんでしたが,私はそれがどんなものか身をもって経験しました。それは痛みです。しかも全く手に負えない痛みです。一時も収まらないような手と腕の痛みを感じました。手が普通の3倍の大きさに膨れ上がって痛みました。絶え間なく続く焼けつくような痛みも感じました。それは火事になった家の中にいるようなもので,私は逃げ出すことができませんでした。これは誇張ではありません。それは私にとって,考え得る最も辛く,最も長引く痛みでした。様々な種類,様々な程度の痛みがありました。ある時には,ミツバチの大群に刺されているような痛みを感じました。別の時には,万力で押しつぶされているような,かみそりの刃で切られているような痛みでした。自分の長い髪の毛が皮膚に触れるのも耐え難いことでした。とげが何本も突き刺さったように感じるからです。私はこの苦しみからなんとか逃れようと必死でした。

ある時など,激痛が絶え間なく襲って来て耐え難いほどになったので,浴室に入って腕を切断しようとさえ思いました。何回切りつければこの責め苦から逃れられるのだろうと考えたりしました。(後に,医師たちは,腕を切断しても問題は解決されないことを教えてくれました。)わなに捕らえられたキツネが,仕掛けにはさまった手足をかみ切って苦痛から逃れようとするようなものでした。

ついに幾らか症状が軽くなる

結局,私は最後の手段としてペインクリニックで治療を受けることになりました。私はその診療所で,ニューヨークのブルックリン・ハイツで開業している疼痛治療の専門医で麻酔科医のマシュー・レフコウィッツ博士に出会いました。先生は同情心に富んでいて,問題をよく理解してくれました。ペインクリニックは私の避難所となりました。自分の症状と治療法を理解するようになってからは特にそうでした。

レフコウィッツ博士はまず,痛みを麻痺させる治療から始めました。それは,頸部の神経に定期的に薬を注射するという方法で,痛みを生じさせている神経インパルスを一時的に遮断します。先生の説明によると,この痛みは交感神経系によって引き起こされます。それは損傷や外科手術に対する脳の正常な保護反応です。理論的に言うと,交感神経系はゲートのような働きをするものと見られます。神経インパルスは,けがが治りつつある期間だけそのゲートを通過します。脳が神経インパルスを送らなくなった時点で,ゲートは閉じ,痛みは消えます。RSDの場合,そのゲートは閉じません。交感神経系の高ぶりも決して収まりません。患部がまだ治っていないかのようにインパルスを送りつづけます。先生は,痛みが激しくなればいつでもすぐに診療所に来るようにと言ってくださいました。それで,ずいぶん長い間,痛みを遮断する薬を定期的に注射してもらっています。

この注射のおかげで物理療法に耐えることができました。物理療法を行なうと,冒された腕をかなり動かせるようになるので,この症状にはとても効果的です。時がたつにつれて,両腕と両手を用いて簡単な仕事ができるようになりました。幸先のよいスタートでした。

結果はどうなるか

慢性的な痛みは私に様々な影響を及ぼしました。人のいる所を避けて,一人になりたいと思いました。しかし,どこへ行こうと痛みはついてきます。ですから,それは答えにはなりませんでした。その腕が,私の人生と結婚生活をむしばむ別の物体のように思えてきました。夫は私に近づいて愛情を表わすことも控えてくれました。夫は本当に辛抱強く,思いやり深く接してくれました。私は役立たずの片腕の妻となってしまったのです。左手で紙を一枚持ち上げようとするのも大変なことでした。

現時点では,RSDは不治の病気ですが,自然に寛解することもあります。その末期には骨粗鬆症が生じ,手足が萎縮します。ですから,集中的な物理療法は大きな助けになります。幸いなことに,私はその段階には至っていません。

私の対処法

今でも痛みは感じますが,最悪の時と比べると和らいでいます。それでも,注射をしなければ耐えることはできません。忍耐する助けになったのは何でしょうか。それは医師や理学療法士や友人たちの積極的な態度です。対処する技術も学びました。異常な状況のもとにいても,自尊心や尊厳を保つために通常の生活を送ることが必要でした。プレッシャーをかけずに私を支えてくれる同僚たちと共にいたため,まだ役に立てるという確信を抱けました。さらに,心の落ち着く音楽や,緊張をほぐす呼吸法は助けになりましたし,今でも助けになっています。私は,気持ちのよい姿勢で寝そべって,空と変化してやまない雲を眺めるのが大好きです。そのようにして黙想し,頭の中で気持ちの良い場所へ旅行するのです。笑うことは積極的な態度と同様に,いつも良い薬となります。家族と友達の愛ある支えがあることを知るなら,その効果は一層増し加わります。RSDに屈してしまう必要のないことを悟るのは肝要です。優秀な医療専門家の助けによって闘いに勝つことができます。

この経験から,痛みに苦しめられている人たちに対して以前よりも感情移入ができるようになりました。また,他の人を助けたり慰めたりするよう動かされました。私の信仰は大きな助けになってきました。私はこのようなことが起こった理由を知っています。私は特別に選ばれた犠牲者ではありません。それは神のせいでもありません。痛みは,だれにでも起こり得る人生の不幸な出来事の一つなのです。真剣な祈りは大きな価値がありました。私は,いつか痛みがなくなる時が来るという,神への信仰を抱いています。そのことを出会う人々に話すことも助けになってきました。私にとってRSDはいまだに大きな試みですが,症状が和らいでいることに深く感謝しています。(啓示 21:1-4)― カレン・オーフの語った経験。

[22,23ページの囲み記事]

医師の観点

「目ざめよ!」誌は,レフコウィッツ博士に治療法を説明していただくためにインタビューを行ないました。同博士はこう述べています。「私たちは,RSDだけでなく,あらゆる痛みを扱います。最も一般的な疼痛性疾患は腰痛で,非常な痛みを伴う座骨神経痛に発展することも少なくありません。痛みは元々,明らかに生理的なものですが,心理的な要因が関係することも珍しくありません」。

「目ざめよ!」誌: RSDは,性別に関係なくあらゆる年齢の人々を攻撃するのでしょうか。

レフコウィッツ博士: そうです,この病気は人を選びません。しかし,どのような人が冒されやすいかということは予知できません。分かっているのは,普通,女性のほうが男性よりも痛みによく耐えるということです。女性のほうが痛みを感じ始めるレベルが高いようです。

「目ざめよ!」誌: 痛みについてはどのような治療法をお勧めになりますか。

レフコウィッツ博士: 痛みの原因と程度に応じて,様々な治療法を用いることができます。結局,痛みは苦しみであり,そのような苦しみは和らげる必要があります。ある時には,アスピリンなどの非ステロイド系の錠剤ならびにそれと同類の薬を用います。カレンのケースのような他の症例には,局所的に神経インパルスを遮断する薬を投与します。症状がひどいときには,アヘン製剤を用いることもあります。その場合の難点は,中毒になる可能性があるので気をつけなければならないということです。

「目ざめよ!」誌: RSDが最終的な症状にまで進行するのは避け難いことですか。

レフコウィッツ博士: そんなことはありません。RSDを初期の段階で発見すれば,進行は避けられます。例えば,カレンのことを考えてみましょう。現在,カレンの症状は中間段階にありますが,必ずしも腕の萎縮という最終的な段階に進む訳ではないでしょう。

「目ざめよ!」誌: この問題に対処できるよう,患者の方々にどんなことをお勧めになりますか。

レフコウィッツ博士: カレンが行なったのと全く同じことです。カレンは心理的なレベルで痛みに取り組み,喜ばしい考えやイメージを活用して自分の思いをほかの事柄に振り向けてきました。また,物理療法も行なっています。さらに,カレンの信仰は大きな助けになったと思います。この問題に積極的に注意を集中する助けになりました。そうです,信仰の価値はいくら強調しても強調しすぎることはありません。

「目ざめよ!」誌: お時間を取って丁寧に答えてくださり,ありがとうございました。

[23ページの図版]

レフコウィッツ博士の診療所で,博士と共に

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする