海洋の島々において
グアドループ島
大洋の島々あるいは大陸など,地上のどこに住んでも,平和を追い求める人々の上にエホバの眼はそそがれています。グアドループで神の御国を伝道しているエホバの証者は,過ぐる年のあいだ興味深い経験をしました。人々が謙遜な心を持ち,正しい道を選んで神の言葉を学びたいと願っていることは,はっきりとうかがわれました。
先頃3人の善意者は神の賛美者となりました。協会の出版物を用い,自分で聖書を学んだのです。洗礼を受けて熱心な伝道活動を行なったため,カトリック教会の牧師はこれらの新しい兄弟たちに猛烈な圧迫を加え始めました。土地の新聞でさえも,私たちの兄弟を「にせ預言者」呼ばわりして攻撃を加えました。もちろん反対によって兄弟たちは,神の御心を行なう熱意をいっそう高めました。しかし人々の中には牧師の態度にあき足りない人も大勢あり,幾人かの善音者はエホバの側に立ちました。それで巡回の僕の訪問のとき,6人が洗礼を受ける用意をしていました。その日曜日は何と良い日になったことでしょう。それは「忘れることのできない」日ですと,巡回の僕は語っています。60人以上の人が洗礼の話を聞きましたが,近くの海岸まで行く時になって500人を越える人が,アンセ-バートランドにおいて初めての真のクリスチャンの洗礼を見ようとして集まってきました。ミサを抜け出して見に来た人もありました。その朝一人一人のエホバの証者は,エホバの証者の活動についてもっと知ろうとして集まった人々に囲まれてしまい,家から家に伝道することは不可能でした。それはエホバの御国を語るすばらしい機会でした。
これらの新しい人々が信仰に強くなって反対にも固く立ち得るため,また村の人々が真の神の制度を知るために,援助が必要であると巡回の僕は認めました。そこで巡回大会を開くことになりましたが,その土地で唯一の会館は牧師を恐れるのあまり,エホバの証者に貸すことを断わったので,会場を見つけることは不可能でした。よい考えが浮かびました,自分たちの手で会館を建てるということです。しかしどのように? 大工を職とする兄弟が集まり,別の人は材料をそろえて,この問題は解決されました。会館は奥行き16メートル半,間口8.7メートル,高さ4.2メートルの建物です。「見てごらん,エホバの証者が大きな教会を建てている」と大勢の人は語っていました。
エホバはたしかにこの計画を祝福されました。土曜日,「神の御心国際大会」の映画を見るために317人が集まり,日曜日の公開講演には253人が出席しました。洗礼を受けた人々の中には,あの村から来た人も一人いて,1年半の間にそこからは10人の新しい賛美者が生まれたことになりました。
モントセラト島
エホバの証者の正直なことは世界中に知られています。特別開拓者との島で2,3回だけ聖書の勉強をした男の人がここを去って英国に行きました。のちほどその人は,娘も英国にこさせたいという意味の手紙をその特別開拓者に送ってきました。しかし,エホバの証者を除いては,娘の切符を買うのを頼むほどの信頼は島のだれにも置いていませんでした。彼はお金を銀行に送ってきましたが娘の切符を買うのに,それを引き出すことができたのは,その特別開拓者だけでした。―1961年のエホバの証者の年鑑より