生活を変えさせる真理
● 中央アメリカ,エル-サルバドルの一特別開拓者は次のような経験を寄せました。「4か月ほど前のことですが,幼少の時以来『セントラル・アメリカン・チャーチ』の会員だったひとりの男の人と『神が偽ることのできない事柄』の本を用いて聖書研究を始めました。ところが幼少の時からの彼を知っていた一牧師は,彼がエホバの証人と聖書研究をはじめたことを知ったので,エホバの証人は,1914年以来イエスが支配を始めているというたぐいの偽りを教えていることを証明してみせるために,エホバの証人とともに話し合いたいと告げたのです。
「それで,その牧師を訪問する取り決めを設け,牧師は私たちを丁重に迎えてくれました。牧師は彼をその幼少の時から知っており,彼は最も熱心な教会員の一人だったのに,今やエホバの証人になろうとしていると語りました。この問題についてどう感じているかと尋ねたところ,牧師はこう語りました。『あなたがたは,いろいろな事柄を教えていますが私はそれに同意できません。たとえば,みなさんは,キリストの国がすでに建てられていると教えていますが,私は聖書のことばどおり,「すべての人の目が彼を見る」ということを信じています』。すると,真理に関心をいだいていたその男の人は,ヨハネ伝 14章19節を引き合いに出して「そうではありません。理解の目でそれを見るのです」と答えました。私が終わりの時のしるしについて話すと,牧師は,聖書に出ていないのに1914年という年をどうして計算したか知りたいものだと述べ,「さあ,これからが見どころだぞ」と言わんばかりに,その男の人を見つめました。私は直ちに,『「異邦人の時期」が何を意味するか,ご存知ですか』と尋ねました。牧師は『よく知りませんので,知りたいと思います』と答えました。それで,紙と鉛筆を取り出して,『異邦人の時』の始まった時,その長さ,それを基にして1914年という年をどのように算出できるかについて聖句を用いて説明しました。その教会員は牧師に,満足できたかどうかを尋ねたところ,牧師はその説明を快く受け入れようとはせず,問題をもう一度調べ直し,また,さらに研究してみなければならないと答えました。
「しかしこの話し合いは,関心をいだいたこの人の信仰を強める結果になりました。最近,彼が宗教関係の色々の本を私に見せたので,かつてクリスチャンになったエペソの町の人々が偽りの宗教の本を焼いたことについて話したところ,翌週,彼は自分の本を焼いてしまいました。そのうえ,2度目の訪問の時以来,集会を欠かしたことがありません。教会は,彼が事実婚の関係をもっていたにもかかわらず,何もしませんでしたが,真理を学んだ彼は,自分たちの結婚関係を正式に届け出ました。エホバの御心を行なうことこそ彼の心からの願いとなったからです。―エホバの証人の1968年度年鑑より