『すべての国の民へ証言』
エホバの証人の1968年度年鑑より
アンゴラ
人口: 5,300,000人
伝道者最高数: 128人
比率: 41,406人に1人
1961年にテロ行為が発生して以来,エホバの民は絶えず迫害の目標にされてきました。その年に投獄された忠実な兄弟たちの中には,なお懲役に服している者がいます。警察の横暴な行動はとどまるところを知りません。当局に知られている二人の兄弟は,用事で白昼,往来を歩いているところを逮捕され,裁判なしに2年間の懲役を当局から宣告されました。この人は以前にも3年の刑に服したことがあり,今度もまたクリスチャン,エホバの証人であるというだけの理由で,義のために苦しめられることになったのです。
2月のこと,私宅に集まって聖書を学んでいた7人の兄弟は,ライフル銃と機関銃を持った治安警察隊に囲まれました。聖書の討議は中止させられ,個人の聖書をも含めてすべての宗教文書が押収されたうえ,これら平和な人々は警察署に連行されて午前3時まで尋問されました。最後に署長は次のような“忠告”を与えました。「聖書の勉強などはやめて,たとえば若い女を心服させるとか,もっと賢明なことに時間を用いたらどうだ。聖書を知りたければ,牧師のところへ行くがよい。牧師は正しく説明してくれる」。こんど集まって聖書を研究すれば投獄されるとおどされてのち,彼らは釈放されました。
完全に孤立したひとりの伝道者は,野外奉仕の報告を定期的に送ってきます。その手紙を読み,エホバに奉仕する決意を知る時,励まされます。この伝道者は毎日曜日,5時間,奉仕します。記念式に16人が集まったことは,その伝道者にとって大きな喜びでした。
タンザニア
人口: 10,498,400人
伝道者最高数: 923人
比率: 11,374人に1人
ここ2年以上の間タンザニアの兄弟たちは大会を開くことができないでいます。1965年の初め以来,北部の人々は大ぜい国境を越えてケニヤの大会に出席していますが,南部からはわずかの人々が出席したにすぎません。今年はこの地方から71人の兄弟姉妹が貸切りバスで往復1800マイルの旅行をしてケニヤの大会に出席しました。泥道でバスを押したりして4日がかりで会場に着いた人々は,疲れきってはいましたが幸福でした。その中で1919年以来,真理にいる87歳の兄弟は,あとでこう語りました。「次の地域大会に行くため,たとえわずかな小銭でもできるかぎり節約して貯金しなければなりません」。
大ぜいの兄弟は休暇開拓奉仕をして大きな喜びとすばらしい経験を得ています。ひとりの兄弟は聖書研究を持ったことがありませんでしたが,休暇開拓奉仕を申し込み,休暇開拓奉仕の間に多くの研究を始めました。その中から今までに4人の新しい伝道者が生まれています。この兄弟と何か月間か勉強したひとりの人は教会に行くのをやめました。牧師のむすこがその人をたずね,エホバの証人はうそを教えるから伝道することを禁ぜられていると語りました。その人は牧師のむすこと一緒にふたたび教会に行きはじめたのです。後日,この兄弟がその人の家を訪問した時,牧師のむすこもそこに居て,聖書につき理知的な質問をはじめ,われ知らず興味を覚えました。「良いたより」の冊子を用いて研究が始められ,3か月後にはその妻も研究に加わりました。それから3か月後,むすこは父親に手紙を書き,父親の答えられなかった質問の答えがいまわかってきたことを知らせました。研究はつづけられ,牧師のむすことその妻は今では献身した伝道者となり,その母親と妹もかなりの興味を示しています。