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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1970
塔70 3/1 150–152ページ

宣言

1 「地に平和」大会に参集したエホバの証人は,この良い機会をとらえてどんなことを公に行ないましたか。

日本の東京において地に平和大会に集まったわたしたちエホバのクリスチャン証人は,1969年10月18日のきょう,この良い機会をとらえ,人類史上最も不穏かつ危険なこの時代におけるわたしたちの立場と態度を表明します。

2 (イ)人類に恒久平和をもたらす鍵はなんですか。神の子たちとなるためには,何が要求されますか。(ロ)わたしたちは何との結びつきを完全に否認しますか。なぜですか。

2 遠い昔から約束されたメシヤによる神の国によって実現する,天と地の創造者との平和,これこそ,人類世界全体の恒久平和の鍵として,わたしたちが奉ずるものです。神との平和を守るとき,わたしたちは,ともに神の創造物であるわたしたちの隣人に対して戦うことは決してできません。神との平和および仲間の人間との平和は切り離すことができないのです。神の子たち,またメシヤによる神の国の忠誠な民となるため,わたしたちは平和を作り出す者とならねばなりません。(マタイ 5:9)それゆえわたしたちは,クリスチャンと自称する人々の世界つまりキリスト教世界との結びつきを完全に否認します。その歴史が示すとおり,キリスト教世界は仲間の信徒のあいだにさえ肉の戦いを助長し,その衣のすそを血で汚してきたからです。キリスト教世界は,宗教上の良心を異にした人々を迫害し,拷問と残酷な死とにあわせてきました。キリスト教世界はメシヤによる神の国の事柄を推進してきませんでした。そのことは1914年の第一次世界大戦ぼっ発以来とくに顕著です。わたしたちはキリスト教世界と何をもともにできません。聖書に表わされた神のさばきがキリスト教世界を非としており,その刑罰がまもなく執行されることは,今や明白だからです。

3 (イ)第一次世界大戦以来,何を求める世界革命が企てられてきましたか。(ロ)わたしたちはどんな立場を今後も堅く守りますか。同時に聖書から何を示しますか。

3 1914年から1918年にかけての世界の闘争を境とするとき,それ以前からある政治形態は,人類世界の安定を保つことに失敗してきました。その年以来,急進的な政治形態を求める世界革命が企てられ,その企ては今日なお続いています。地上人口の少なからぬ部分は,必ずしも望まぬながら,そして必ずしも自由な投票によらずに,共産主義の支配下に入れられてきました。動揺する人類世界に対しては,革命によって急進的な政府を建てるべきかどうかという問題が投ぜられています。しかしわたしたちは,これまでと同じように,この世の政治上の論争に対し,クリスチャンとしての中立の立場をかたく守ります。神との平和な関係を持たない人間たちの急進的な政府によって,平和と繁栄のある長い命がもたらされることは決してありません。わたしたちはこのことを,終始,しるされた神のみことばから示してきました。誤ることのない神のみことばの預言に従えば,政治上の急進主義は世界の救済策としては決して成功しません。

4 (イ)わたしたちは宗教上のどんな区別を否認しますか。(ロ)僧職者は光を輝かすことにどのように失敗しましたか。彼らはどのようにして多くの人を霊的な死に陥れましたか。

4 わたしたちは今後も,敬虔な人々のあいだに牧師と平信徒の区別を設けることを認めません。わたしたちはこの見解の裏づけとして聖書を指摘することができます。キリスト教世界の牧師や高い地位につく宗教指導者は,彼らをあおぎ,神との平和な関係に導き入れてくれるようにと願う人々に対して,その務めを果たしてきませんでした。かつては天にも上る高い地位にあり,それを試みさえするなら,星のごとくに輝いて,教区民に霊的な啓発を与え得た彼らは,いま世俗主義また物質主義の水準に落ち,人々を霊的に高揚させるものをなんら備えていません。彼らは,人類世界の他の部分はもとより,キリスト教世界に対してさえ,力となり,命のささえとなるものを与えてきませんでした。彼らは宗派的に食い違いのある教義,また信徒に教えた生活の仕方によって,人々に苦いものを飲ませてきました。このため,無数の人々が霊的に死ぬ結果となっています。

5 わたしたちはどんな務めを認めますか。その務めをどのように果たすことに努めますか。

5 キリスト教世界ではなく,キリスト教が「世の光」であるという宣言を,わたしたちはしっかりと守ります。献身しバプテスマを受けたクリスチャンとして,わたしたちは,「世の光」となって奉仕するという,わたしたちすべての務めを認識します。(マタイ 5:14-16)わたしたちエホバの証人は,しるされたエホバのことばを伝道し,かつ教えることにより,この務めを果たし続けます。牧師および高い位につく宗教指導者は,キリスト教世界を霊的に明るくし,神の恵みの光の中に導き入れる点で失敗しましたが,わたしたちはこうして聖書に従う態度により,キリスト教世界のできるかぎり多くの人々の,霊的な暗やみを照らす努力を今後も続けます。

6 (イ)わたしたちはだれが自分たちの宗教上の解放者であることを認めますか。ある者たちの宗教的な感情がそこなわれるとしても,このことでわたしたちはだれに見習いますか。(ロ)彼らが希望と信頼を寄せるものに対してわたしたちは何を行ないますか。

6 わたしたちは,イエス・キリストを,神が与えられた宗教上の解放者として認めます。イエス・キリストは,大いなるバビロン,つまりキリスト教世界を含む,偽りの宗教の世界帝国の下での宗教上の死と束縛から,わたしたちを解放されました。地上におられた当時のイエス・キリストは,神から任ぜられた教え手また民の指導者と唱えた人々の宗教的な感情を惜しみ見ることはされませんでした。イエスにならうわたしたちは,牧師その他キリスト教世界の指導者が神のみまえで犯す非行を,これら指導者により頼む民に対して,ためらうことなく指摘しなければなりません。これが,これら宗教指導者の宗教的な感情をそこない,彼らのわざわいになるとしても,わたしたちが生き,彼らがキリスト教世界において影響力をもつ地位にあるかぎり,わたしたちはこのことを続けます。わたしたちが,これらキリスト教世界の宗教指導者に加わって,世界平和と安全を目ざす人間製の国際機構に希望と信頼を寄せることはありません。むしろわたしたちは,そのような国際機構の滅びを宣明し続けます。

7 (イ)わたしたちはだれに用いられて奉仕することを願っていますか。なぜですか。(ロ)神の命令を受けたわたしたちは何を告げ知らせますか。神の音信を宣明する者としてのわたしたちの能力を増し加えるため,広報の利器となるどんな乗り物を用いますか。

7 わたしたちは神の任命に従い,いかなる時でも,神への奉仕にすすんで自分をささげます。神は,象徴的なユーフラテス川の女王たる,大いなるバビロンに捕われていたわたしたちを解きはなし,自由にされました。わたしたちの宗教上の自由は,イエス・キリストを通じてエホバ神から与えられたものであるゆえ,人類史上最も危急な時代に住むわたしたちは,この自由をエホバ神の御心にそって用いなければなりません。聖書にしたがうとき,わたしたちは,現在の霊的な命,そして将来の永遠の命の希望が,キリスト教世界にはなく,またキリスト教世界によってはもたらされ得ないことを,人々に知らせねばなりません。キリスト教世界はその膨大数の教会員に,今日,霊的な死をもたらし,急速に近づきつつある「わたしたちの神の報復の日」には,実際の死をもたらそうとしています。977,383,000人を数えるキリスト教世界の成員に比べれば,わたしたちエホバのクリスチャン証人はごく少数です。しかし神は,今日,神の音信を宣明する者としてのわたしたちの能力を100倍,否200倍にもされました。神はご自分の地上の組織を通じて,聖書,書籍,小冊子,雑誌,パンフレットなど,幾億という文書をわたしたちに供給されました。これらはいわば,霊的に死んだキリスト教世界の誤りのとりでに対する霊的な戦闘において,わたしたちを運ぶ乗り物です。これら無数の広報の利器によって,わたしたちは,キリスト教世界に対する「災い」として,「わたしたちの神の報復の日」を宣明する務めを終わりまで遂行します。

8 (イ)わたしたちは何を知らせる特権を持つゆえに幸福ですか。(ロ)わたしたちは天のどんな声に和しますか。ゆえにわたしたちは何に感謝しますか。

8 平和と幸福と繁栄と命,そして死人の復活のための人類の唯一の希望は,メシヤによる神の国です。1914年の異邦人の時の終わりにこの御国が天で建てられたことを,すべての国の民に知らせる特権を持つわたしたちは幸福です。わたしたちは,人類世界の王権が,我らの主なる神エホバとメシヤなるキリストのものとなったという天の声に,自らの声を加えます。わたしたちは,エホバが偉大な力を執り,メシヤなる御子イエスによる永遠の統治を始められたことを,公に感謝します。

9 (イ)神の報復の日に至って神の国は諸国民に何をもたらしますか。(ロ)しかしわたしたちはその御国のために何を忠実に行ないますか。

9 わたしたちは,神の報復の日の最高潮において,この御国が,政治上の諸国家に対して悲惨な災いをもたらすことを知っています。しかしわたしたちは,そのことによって諸国家がいだく怒りを恐れません。わたしたちは,メシヤによる神の国に対して,最後まで無条件の忠誠をつくします。わたしたちは,いま統治しておられる王イエス・キリストに従い,「御国のこの良いたより」を,すべての国の民への証として,諸国民の終わりが訪れるまであまねく宣べ伝えよというイエスの命令に,これからも従います。『いと高き所には栄光,神にあれ,地には平和,主のよろこびたまふ人にあれ』との希望の実現は,メシヤによる神の国にかかっており,わたしたちはすすんで教えを受ける人々に,このことをたゆまず伝え続けます。

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