アフリカに広まる真理の力
◆ タンザニアの人々の大多数は名目だけのクリスチャンですが,中には,神とそのみことばに深い敬意をいだいている人が少なからずいます。キリスト教世界の僧職者からの強い反対にもかかわらず,昨奉仕年度中,伝道のわざは,そうした人々のあいだで,着実な進歩を見せました。今年,それら僧職者たちは,またもや,わたしたちの兄弟のことを盛んに非難しはじめました。そして,いくつかの地域では,当局を動かして,多くの兄弟たちを逮捕させることに成功しました。それら偽りの羊飼いたちは,わたしたちの兄弟たちに対すると同様に,自分たちの羊の群れをも冷酷に扱っています。最近のこと,関心をいだいた3人の新しい人が,教会からの正式な脱退届けを司祭に書き送りました。司祭はそれら3人を助けることに努めるどころか,ただちに,彼らのことをエホバの証人として当局に通告し,また,キリスト教の反対者であると偽って3人を告訴し,逮捕させることに成功しました。
それら教会の指導者たちは,自分たちの権威を固執するあまり,教会員たちの前で笑い者にされることが時々あります。新たに関心を持った,ある男の人は,以前の教会を去り,その理由を司祭に話し,司祭の教えは聖書に反していることを,聖書を用いて説明しました。かっとなった司祭は,自分の十字架を振りかざし,その男の人は1月末までには死んでしまうと言ってのろいました。また,その兄弟たちは2月中旬までには死んでしまうと言い,さらに,その地域のエホバの証人全部を,やがて自分ののろいで滅ぼしてみせる,と言って,おどしました。村人は皆,司祭が口走ったことばの証人となりました。やがて時がたち,人々は,司祭ののろいがきかなかったことを知りました。そして,大ぜいの村人は聖書研究をしてもらおうと,エホバの証人を捜しはじめました。前述の男の人は,そのままずっと真理を学びつづけ,さらに,その4人の兄弟たちも現在,聖書を学び,良く進歩しています。
恐れと,絶え間ない圧迫に屈した人も少しいますが,タンザニアの兄弟たちのほとんどは,反対を受けているにもかかわらず,霊的に成長してきました。むずかしい区域で長年,特別開拓者として奉仕している一兄弟もそのひとりです。彼は帰途,バスの中で,乗客に証言したところ,乗客からの激しい反対に会い,途中でバスから追い出されてしまいました。その後まもなく,バスは転倒し,ひとりを残して,他の乗客全員が死亡しました。その兄弟は,機会をのがさず伝道したことを深く感謝しました。
かつて重婚者だったひとりの兄弟は,1968年の初めに,2番目の妻を去らせて以来,豊かな祝福を得たという経験があります。彼が証言した姉妹や子どもたちは全員,真理の側に立ち,そのほかにも,ふたりの人が真理を受け入れました。現在,彼は15人の伝道者からなる孤立した群れの世話をしており,休暇開拓奉仕を楽しんだので,正規開拓奉仕を申し込みました。
― エホバの証人の1970年度年鑑より