ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 塔77 10/1 603–606ページ
  • アイルランドにおける霊的な面での増加 ― まいたものを刈り取っている

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • アイルランドにおける霊的な面での増加 ― まいたものを刈り取っている
  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1977
  • 副見出し
  • カトリックのとりで
  • 騒然とした北部で
  • 転換点
  • 急速な霊的成長
  • 全時間の働き人の果たす役割
  • 必要のより大きな所で奉仕する
  • 繁栄を示す現在の証拠
エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1977
塔77 10/1 603–606ページ

アイルランドにおける霊的な面での増加 ― まいたものを刈り取っている

『天から雨が降り……また[この雨は]帰らず,地を潤して物を生えさせ,芽を出させる』。(イザヤ 55:10,口)アイルランドの農夫は,この言葉が真理であることをよく知っています。アイルランドは雨が多いため,緑が豊かで,美しい景色の山や谷に恵まれています。けい流や川,湖水などが田園の美しさをいっそう引き立てています。しかし,多くのものを生産しているのは肥よくな大地だけではありません。不屈の精神を抱く神の王国宣明者たちが多年にわたって忠実に忍耐強く働いた結果,霊的な面での増加も目に見えるようになりました。今,彼らは,自分たちのまいた実を刈り取っています。―ガラテア 6:9。

昨年中,1,891人の喜びにあふれる働き人が,自分たちの見いだした霊的安全に関して他の人々に語り伝える業を行ないました。この業は,比較的平和な南部のアイルランド共和国だけでなく,不穏な状態がつづいているアルスター地方,つまり北アイルランドでも行なわれました。イエス・キリストの死を記念する集いには,働き人のほぼ2倍に相当する3,394名が出席しました。過去数十年にわたって行なわれてきた業の背景を考えるなら,これは驚くべき霊的成長を意味するものであることが分かります。というのは,アイルランドにおけるエホバの業は,これまでに幾度か嵐のような厳しい時期を経てきたからです!

カトリックのとりで

ある著述家は,アイルランド共和国のことを,“英語圏におけるカトリック最強のとりで”と評しました。人口の95%以上がローマ・カトリック教会の会員です。当初,土地の人々は,エホバのクリスチャン証人の行なう福音宣明の業に激しい拒絶反応を示しました。王国の「良いたより」を携えた初期の働き人は激しい敵意をもって迎えられたのです。

田舎に行くと特にこれが激しく,真理の音信を伝えようとした人が宿泊先を追われたことも少なくありません。暴徒に脅されたり,危害を加えられたりしたことも幾度となくありました。文書を受け取ってそれを目の前で引き裂いた人々もいました。

アイルランド南部でのこと,二人の証人は突如,怒り狂った女性の暴徒に遭遇しました。彼女らは,口々に,エホバの証人は共産主義者だと言ってののしりました。いろいろ手をつくして冷静に話し合おうとしましたが,女たちは声を荒立ててますます激しく脅かし始めました。証人の一人が近くを通りかかったバスに乗って逃げようとしたところ,避難場所を見いだすどころか,乗員も彼に攻撃を加えました。最後には石を投げつけられましたが,「こいつを川に投げ込め」という叫び声がして,なんとか大事に至らずにすみました。次いで暴徒は,バスに乗って別の証人を追いかけ,激しく襲いかかって文書を全部破ってしまいました。折りよく警察官が到着しなかったなら,大けがをさせられていたことでしょう。

言論による攻撃もありました。ある司教がエホバの証人について次のように語ったと新聞は伝えました。「これらの偽予言者は……回教徒に勝るところがない。事実,彼らよりも劣っている。というのは,[証人たち]は魂の不滅を信じていないからである。……彼らの話に耳を傾けることはキリストを否定することである」。真理の音信に少しでも関心を示そうものなら,これらの“偽予言者”との交わりを断たせようとする強い圧力が,社会的,宗教的面から加えられました。ことにアイルランド共和国では,真理に答え応じると生計手段を奪われてしまうことがよくあったため,故郷を離れざるを得ない人が続出しました。中には,霊的成長を阻害されないように国を離れた人さえいます。

しかし,今日では事態は大きく変化しています。一般のアイルランド人は当時よりもはるかに寛容で,霊的な事柄を進んで話し合います。証人たちは,職場などで,機会のあるごとに自分の希望について話をしています。その結果,家族全員が聖書の内容に関心を持つようになった例も少なくありません。新たに関心を持ったある人が自分の学んでいる事柄を同僚に話したところ,その同僚も関心を持ちました。そしてエホバの証人たちと接するようになり,学んだ事柄を他の人に話し始めました。現在,この人の親族のうち30人以上が,すでにエホバの証人になっているか,聖書に関心を抱いています。今日のように,事態がずっと容易になったのは,古くからの偏見が打破されてきたためです。

騒然とした北部で

極端な国家主義的精神の根強い,プロテスタントの勢力の優勢な北アイルランドにおいても,初期の状態はあまりよくありませんでした。ここでも,証人たちに対して激しい攻撃が加えられました。特にカトリック教徒の中にはエホバの証人を依然“新教徒”と間違って考えている人がいたため,カトリック系の住民とプロテスタント系の住民の間の根深い憎悪は証人たちにとって脅威でした。しかし,今日では,証人たちが,カトリックや新教を初めとする他のいかなる宗教とも全く無関係であることが人々の間で広く知られるようになっています。―啓示 18:4。

ある時など,公開講演を中止しなければ爆弾を仕掛けるとアイルランド共和国軍に脅されました。そのため,大会会場を警察官や私服の刑事に警護してもらうことが必要でした。別の時には,二人の証人が,うっかり“サウンドカー”をカトリックの勢力の強い地域に乗り入れてしまいました。証人たちは新教徒と誤解され,銃火を浴びせられました。急いで持ち物を車の後部に積み上げて,その地区を離れることにしましたが,その前に暴徒に追いつかれ,フロントガラスを壊されたり,鉄棒で車体を打ちたたかれたりしました。

しかし,状態はやがて変化し始め,人々の態度も良くなってきました。これらの勇敢で忍耐強い働き人は,自分たちの働きが実を結びつつあるのを目にするようになりました。1960年代になっても,共和国全体で王国奉仕に携わっている証人たちの数は200人を上回ることがありませんでしたが,その働きはむだではなかったのです。

転換点

アイルランドのエホバの証人の活動の大きな転換点となった出来事は,1965年にダブリンで開かれた比較的大きな最初の国際大会です。大会は地元のフットボール競技場で行なわれることになりました。エホバの証人がこれらの施設を使用するというニュースが伝わった時,戦いが始まりました。敵意に満ちた激しい反対の火の手が上がったのです。一時は,大会を予定通り開催できるかどうかすら決まらない情勢でした。施設を管理していた市議会には,これらの“反クリスチャン的人物,とりわけ反カトリック的集団”[証人たちはこう呼ばれた]に競技場使用許可を与えさせまいとする圧力が絶え間なく加えられました。証人たちは人々の安全を脅かす“脅威”である,という非難や昔ながらの偏狭な態度が再び醜い頭をもたげ始めましたが,最終的には使用の許可が下り,りっぱな大会が行なわれました。

この大会を準備するにあたっては,ほかにも大きな問題がありました。例えば,宗教的圧力が加えられたため,宿舎を提供する約束をしていた人たちが大会の直前になって約束を解消してしまいました。それは約1,000人でした。しかし,それにもかかわらず,大会に出席した3,948人全員の宿泊施設が整えられました。後日,地元の一婦人は次のように言いました。「わたしたちはみなさんについて本当のことを知らされていませんでした。でももう分かりましたから,いつでも喜んでお泊めしますよ」。

急速な霊的成長

真理が植えられた直後から霊的に急速に成長する人は少なくありません。その一例を紹介しましょう: 北アイルランドの紛争地に住む親の元を訪れていたある青年が,エホバの証人の発行している4ページの冊子を受け取りました。神の王国に関する冊子の説明を読んだその青年は,北アイルランドを引き裂いている激しい宗派の対立を解決するのはこの王国以外にないことを理解しました。カトリック系の学校で教師をしていた青年は,仕事の関係で英国に移り,そこでエホバの証人の会衆と交わることができました。それからわずか4か月後に,その青年は,「良いたより」を広める業の手助けをするために故郷の町に戻る決意を固めました。助けは確かに必要でした。その地域全体で,神の王国を告げ知らせていたのはわずか五人にすぎなかったからです。

青年は,故郷の町に着くと,地元の三つの新聞社に依頼して,町の人々にあてた手紙を新聞に掲載してもらい,自分が家に戻った理由を説明しました。この手紙は人々の関心を大いに集め,これがきっかけで数多くの話し合いがなされました。この青年は,聖書の真理に対する認識を増すようこれまでに多数の人を援助してきました。その中には,I.R.A.[アイルランド共和国軍]の仕組んだテロ行為に加わった罪で投獄された経歴を持つ以前の友人もいます。現在,この友人は,暴力行為がむなしいものであり,永続する平和と正義は,地を支配する神の王国を通してのみ得られることを知っています。

全時間の働き人の果たす役割

かつての不毛の土地で得られたこうした霊的増加の多くは,極めて難しい状況の下で成し遂げられたもので,献身的な男女がアイルランドの人々に仕えることを生涯の仕事と定めたのでした。300人を超える全時間の働き人と,勇気を持って業を推し進めたその先駆者たちによって,驚くほどの規模の業がなされてきました。現在,アイルランドのエホバの証人の約15%が,真理の種を植え,それに水をそそぐ業に全時間,活発に携わっています。

この全時間奉仕の業は,人々の間に非常に大きな反響を呼んでいます。それを示す例として,この業が新聞紙上でどのように報じられたかをご紹介しましょう。ある新聞は,スクーターに乗って働く,2人の若い女性のエホバの証人の活動についてこう報じました。「ドニガル県は,再度,キツネやアナグマ以上に巧かつな害獣に侵入された。男女の一隊が,町にも田園地方にも出没して家々を戸別に回り,無料の冊子を残していった。その中には,スクーターで回った者たちまでいた」。ある人にとっては災いだったでしょうが,心の正直な人にとって,それは平和の福音だったのです!

必要のより大きな所で奉仕する

エホバの証人の多い地域から,証人たちの少ないアイルランドに移るようにとの招待に,外国に住む幾つかの家族が答え応じたことも,当地における業の急激な進歩に大きく寄与しました。その中には,一部の時間を割いて王国を宣べ伝えている人も,全時間の働き人もいますが,全員が真の開拓者精神を示しています。アイルランド人の新しい証人たちは,周囲の圧力を受けて,国外に去る必要を感じていましたから,これは平衡を取り戻す非常に優れた方法でした。初期クリスチャンの同労者たちと同じく,宣教者の熱意を抱く,喜びにあふれたこれらの働き人によって,驚くほどの業が成し遂げられました。

これらの助け手が加わることにより,アイルランド全土の会衆が強められました。住みなれた家を離れて,家族とともに新しい国に移るのは,決して容易なことではありません。多くの問題がありましたが,彼らは勇気を持って,問題を現実的に処理しました。ほんの何年か前に,土地の司祭に扇動された暴徒に何人かのエホバの証人が襲われて打ちたたかれる事件のあったある町の会衆は,こうした人々の援助を受けて,現在では大きく拡大しています。

今では誠実な人は,これらの会衆をすぐに見分けて,訪れることができます。そうしたある会衆の区域に,宗教を捨てた男の人が住んでいました。この人の妻は熱心に教会に通う人で,カトリック教徒だった夫がいつかは教会に戻るだろうという希望を抱いていました。証人が聖書の話をしに訪問したところ,この婦人は初め関心を示しませんでした。しかし,その訪問がきっかけで,夫の関心が呼び起こされました。忍耐強く耕した結果,ゆっくりではありましたが,確実に実が結ばれてきました。やがて,この夫婦は,半年毎に開かれるエホバの証人の巡回大会に出席することにしました。しかし,宿舎や交通機関は自分たちの手で選びました。大会に出席して良い交わりを持ったことは,二人の進歩を大いに助けるものとなりました。家族の反対があったにもかかわらず,二人は霊的によく進歩して,ついにそろってバプテスマを受けました。バプテスマのプールから上がった夫は,バプテスマを受けたばかりの別の新しい証人に気づきました。若いころ,二人はいっしょに,司祭を補佐する侍者として働いたことがあったのです!

福音宣明に対する地元のアイルランド人の証人の熱意と,海外からアイルランドに移り住んだ人々の熱意とがいっしょになって,大きな収穫がもたらされたのです。現在のところ,アイルランドのすべての地域が,効果的に耕されて霊的成長を続けています。

繁栄を示す現在の証拠

アイルランドには,68のエホバの証人の会衆に加えて,孤立した地域に30の小さな群れがあり,現在5人の巡回奉仕者が年に2回これらの会衆や群れを訪問して,霊的な励ましを与えています。会衆や群れは,アイルランドの各地で定期的に開かれるすばらしい大会からも多くの益を得ています。

安全上の問題から,北アイルランドでは,これまで何年かの間,大規模な全国大会を開くことができないでいます。しかし,北アイルランドの証人たちは,共和国の証人たちとともに,ダブリンのりっぱな施設で開かれる,霊的に築き上げる大会を楽しんでいます。これらの大会は,証人たちに対する偏見の壁を打ちくだく上で大きな働きをしてきました。

アイルランドを分ける国境線の南北両側で,神と正義の原則を愛する人々は,霊的に成長を続け,信仰にしっかり根をおろして,堅く立つようになっています。(エフェソス 3:17)農夫が穀物の生長を待つのと同じように,真理の種を植えて育てる業に携わるすべての人にも多大の忍耐が求められました。しかし,今や,神が生長させてくださっているのです。―コリント第一 3:6,7。

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする