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  • わたしたちの客がそれを建てたのです!
  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1977
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  • 聖書は彼らの人生を変えた
  • 客の中には建設工事の監督もいた
エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1977
塔77 11/15 684–686ページ

わたしたちの客がそれを建てたのです!

日本からの報告

「お客」と言えば,あなたは何を思い起こしますか。家族以外の人を歓待したり,何かのもてなしをすることをおそらく考えるでしょう。訪問中の客に仕事をしてもらおうなどとはせずに,主人側は客のために様々な労をとるのが普通です。

最近,日本の沼津のエホバの証人は変わった客を迎えました。沼津は日本におけるエホバの証人の支部の本拠地です。これらの客は自分自身の道具と装備持参で働く用意をして来ました。これは先例のないことではありません。世界の多くの場所では,熟練した技術を持つ人々が,「ベテル」ホームとも呼ばれるエホバの証人の支部事務所において特別な業に自発的に参加してきました。ここ沼津でも日本各地から自発的な働き人がやって来て1年以上の間,滞在しました。

彼らが成し遂げようと願った仕事の割当ては何でしたか。それは日本のエホバの証人の印刷施設を拡張するため,二つのビルを建てることでした。これはある人々にとって驚きかもしれません。なぜなら同じ目的で二つのビルが1972年に建てられているからです。しかしわずか2年でそれらは手狭になりました。

なぜですか。これらの建築が最初に計画された1971年当時,日本におけるエホバの証人の数は1万1,629人の最高数に達していました。当時,「ものみの塔」および「目ざめよ!」誌の印刷部数は毎号19万2,000部に達していました。ところが1974年秋までに日本のエホバの証人の数は2万6,355人(127パーセントの増加)へと飛躍的な増加を示したのです。これにつれて雑誌の需要も増え,93パーセントの増加にあたる毎号平均37万1,445部を印刷することが必要でした。いっそう大きな施設の必要は明白です。

そこで1,457平方メートルの床面積を持つ4階建てのビルが計画されましたが,近隣の反対でこの計画はやむなく放棄されました。高さを低くした二つのビルという新しいプランが受け入れられるものとなりました。そしてこのほうが実際には4階建てのビルよりも床面積が広いという結果になったのです。二つの建物を合わせるとその合計は1,533平方メートルになります。

両方のビルとも高さは10メートルと決まり,一方は3階,他方は2階に仕切られることになりました。3階の建物は住居用で12の部屋がありますが,他方の建物には居室はひとつだけで,それ以外のスペースは発送の仕事場および倉庫として使われます。

これらの建物の建築中にも,エホバの証人の生産する聖書文書の需要は引き続き増加し,「ものみの塔」および「目ざめよ!」誌は毎号平均44万8,219部を印刷するまでになりました。1975年12月に二つの建物が完成した時,関係者一同の喜びは大変なものでした。それは増加を続ける日本のエホバの証人の活動に応ずる上で貴重なものとなりました。日本のエホバの証人の数は1977年5月までに4万1,201人に増加しています。

聖書は彼らの人生を変えた

この建築事業は真に目ざましいものでした。自発奉仕者の手で建てられたというにとどまらず,建物のデザインから設計までわたしたちの客の手で行なわれたのです。1年以上もの間,無償で労力を提供するように人を動かすものがあるとすればそれは何ですか。この人々を動かした主な力は例外なく,聖書の研究によって呼び起こされた精神でした。

客の中には聖書の真理を学ぶに至った経験を語った人もいます。例えばそのうちの二人は大学時代に急進的な学生運動のグループに属していたという事です。当時二人は抗議デモに参加するのが常でした。それは今の体制に広がる腐敗を取り除き,真の平和と安全を達成しようとする誠実な願いの表現であったのです。

そこへ意外な事が起きました。この急進的な学生運動の集会に出席した一人の若い教師が,聖書から解決策を示し始めたのです。この教師はエホバの証人ではありませんでしたが,ものみの塔協会出版の小冊子「見よ! 私はすべての物を新しくする」を用いてそれに基づいた答えを示したのです。あるとき自分に答えることのできない質問が出た折に,彼はこの二人の学生を家に招待し,彼らはエホバの証人である彼の妻に会いました。

聖書に基づく彼女の説明に学生たちが関心を示したことから,この教師もいっそう積極的に答え応ずるようになりました。こうして遂にこれら三人の若い人々がそろってバプテスマを受けた証人となり,学生運動に見いだすことのできなかった希望を隣人に分かち始めたのです。沼津ベテルに来て建築の仕事をする機会のあることを聞いた時,元学生の二人は他の人々と共に喜んで自発的に参加することにしました。

客の中には建設工事の監督もいた

二つの新しいビルを建てるのに人手の不足はありませんでしたが,このような大きな計画にはしっかりした組織と熟練した指揮が必要です。必要とするこの監督の仕事をできる人がいるでしょうか。1972年の8月に名古屋で開かれたクリスチャンの大会において,このような資格を持つひとりの人がバプテスマを受けました。この人は大手建設会社の監督を勤め,建築の仕事に30年の経験を持つ深山唯三です。

彼の妻はすでに1958年にエホバの証人となっていました。4歳,2歳,10か月の幼児の母親であった彼女は,子供たちを正しく育てるために導きが必要であると感じていました。ひとりのエホバの証人が訪れて無料の家庭聖書研究を勧めた時,彼女は喜んで応じました。しかし当時,彼女の夫は全く関心を示しませんでした。彼は毎日朝早く家を出ては夜おそく帰宅する,仕事に忙しい人だったのです。そしてしまいには仕事のため一度に何か月も家を留守にするようになり,家族と共に過ごせるのは年に2週間だけという有様でした。そしてそれさえも何回かの休日の時期に分散されていました。これが12年間続いたのです。

とはいえ今「開拓者」となっている彼の妻はこの期間中も子供たちに聖書を教え,彼らをクリスチャンの集会に連れて行きました。この聖書的な教育の効果に父親は好印象を受けたのです。彼は子供たちの成長ぶりだけでなく,培われつつある立派な態度や行動の仕方に気づきました。やがて娘は結婚して夫と共に「特別開拓者」の仕事に携わるようになりました。

ついに父親もエホバの証人との聖書研究を受け入れました。家庭における父親の責任について聖書の教えを学ぶと,この人は家族と離れて生活することがあまりにも多い会社の仕事をやめる決心をしました。彼は家に帰り,妻と二人のたくましい息子と共になったのです。―エフェソス 6:4。

しかし深山唯三にはびっくりする事が待ち受けていました。建設会社をやめて1か月後に日本支部の役員のひとりが,沼津における建築工事の監督を引き受けてもらえまいかとの話を持ち掛けたのです。建設会社をやめたのはもっと多くの時間を家族と共に過ごすためであったことを説明した彼の気持ちは複雑でした。しかし家族全員を連れて来ることができるという話です。これで迷うことはありません。沼津ベテルではもう4人の客を迎えることができます。こうして沼津において客人の働き人たちに,経験を積んだ指揮者が得られました。

自発奉仕者たちは共働して円滑に仕事を進めることができましたか。ベテルの浄化槽を掃除するため外部から来た人の感想がそれに答えを与えています。一般の建設労務者の乱暴なやり方や口ぎたない言葉に慣れているこの人は,この建設現場で働く人々を見て驚きを隠すことができませんでした。「この人々は確かに違っています」とこの人は語りました。「人々が互いに道具を手渡して『ありがとう』と言っているのを見たのはこれが初めてです。そのうえこの人々は『ご苦労さま』という言葉を使っています。これはとてもすばらしいことです」。

自発奉仕者たちも今は去って一人もいません。しかし彼らの熱心な働きと,愛に満ちた交わりのなつかしい思い出は今も残っています。1977年3月19日,沼津ベテルの王国会館で特別な集会が開かれた時,この思い出は一層よみがえりました。それはこれらの立派な建物をエホバ神の賛美のために用いるべくエホバ神にささげる目的の集まりでした。献堂式の話は,エホバの証人のニューヨーク本部から訪問中の地帯の監督によって行なわれました。幸いにも聴衆の中には当時,沼津ベテルで開かれていた,会衆の長老のための王国宣教学校の学生25人が含まれていました。そして最もうれしいことにこの2週間開かれていたクラスには建設の元監督者深山唯三がいました。彼はクリスチャン会衆の霊的な監督ともなる資格をいま備えており,このクラスに出席していたのです。

これら二つの新しい建物は今フルに活用されています。日本のベテル家族のメンバーは,これらの立派な建物を指して「わたしたちの客がそれを建てたのです!」と言う時,感謝の念にあふれるのです。

[686ページの写真]

深山唯三 ― 建設の監督者そして今ではクリスチャンの監督

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