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  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1978
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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1978
塔78 12/15 6–8ページ

幸福な家庭生活のかぎ

幸福はわたしたちすべてに共通の願いではありませんか。年齢,国籍,社会的地位のいかんを問わず,人は幸福であることを望みます。そして幸福は分かち合うことによって増し加わるゆえに,他の人が喜び,満ち足りているのを見ることはわたしたちの心を喜ばせます。この事は自分に近い,いとしい者,愛する者たちの場合,特に真実です。そして幸福と呼ばれるこの祝福された状態が家族の者の間に見られる時,人生に必ずついてまわる不幸な出来事にも対処しやすく,耐えやすくなるのは真実ではないでしょうか。それで幸福な家庭生活が願わしいものである事を否定する人はいないでしょう。

今の乱れた世においてさえ,家庭生活が大きな喜びを与えるものになり得るのです。大きな努力,気づかい,犠牲が要求されるとしても,それを償って余りある喜びを考えれば,そうするだけの価値があることにすべての家族が同意するに違いありません。

とはいえ,家庭生活をこのうえなく幸福なものにできると言っても,真に幸福な家族は今日,例外的な存在です。もちろん,どの家族にも“浮き沈み”があります。問題の起きない家族はありません。例えば,誤解の生ずる時,それが続くままにするなら,家族の幸福は損なわれます。あるいは病気,仕事の疲れなど,そのどれをとってもとげとげしさやいらだちを生む原因となり,今度はそれが,後悔するような言葉や行ないとなって表われてしまうかもしれません。次いでそれは感情を害する結果となり,とどのつまり緊張した関係を生み出すかもしれません。それで不完全な世の中に住む以上,すべての家族に大なり小なり問題がつきまといます。

危機に面する家族

この20世紀の生活様式は家庭の問題を目立ったものにしているため,人間社会の基本的な単位である家族という制度の存続自体が危ぶまれるほどになっています。このような懸念を生む要因として,離婚,別居,内縁および同性愛関係の急増していることが挙げられるでしょう。

世界中で多くの家庭が危機に見舞われている以上,なぜかといぶかるのは理の当然です。他の方面ではたぶんその努力に成功を収めているのに,家庭という分野ではさっぱり成功しない人が非常に多いのはなぜですか。家庭相談員,精神病医およびその類の人々の助けを求めているにもかかわらず,幸福な家庭生活のかぎを見いだせないでいるのはなぜですか。

これは冗談ごとではありませんが,答えの手がかりは,よく冗談に言われる,「他の事が全部だめなら,指示に従いなさい」という言葉の中にあります。機械を操作する時などのように,指示に従うならば,不調や故障を避けられるのが普通です。それで指示をまず検討するのが当然であるのに,人情の常として,「他の事が全部だめ」な時に最後の手段として指示に従う場合が多いのです。しかしこの場合の“指示”とは何ですか。それはどこに記されているのですか。

家庭の創始者

家庭は人間の作り出したどんな機械よりもずっと複雑です。ゆえに設計者と製作者なしに自然に,あるいは偶然にそれが存在するようになったと考えるのは,全く非科学的です。すべての結果には,対応する原因がなければなりません。それで一世紀に書かれた次の言葉は,科学的に見て正しいものです。「家はすべてだれかによって造られるのであり,すべてのものを造られたのは神です」― ヘブライ 3:4。

それで家庭生活はひとりでに生じたのではありません。それは作り出されたものです。最初の人間を創造してしばらく後,家庭生活の創始者みずからこう言われました,「人が独りのままでいるのは良くない。わたしは彼を補うものとして,彼のために助け手を造る」。次いで人類最初の親を結婚のきずなで結び合わせた時,人を男と女に造ったことと全く一致して神は「彼らを祝福し,『生めよ,増えよ,地を満たせ,それを従えよ』」と言われました。(創世 2:18; 1:27,28,新)それで家庭生活の取り決めは,明白に述べられた神のお目的を成就するものとして存在するようになったのです。

幸福な家庭生活の指針は備えられている

さて家庭の創始者は,その地的な子供たちが人生における役割を学び知るのに試行錯誤という面倒な方法に頼るようにされましたか。それとも家族という単位がどう機能すべきかについて,指針を与えてくださっていますか。愛の父に寄せられる期待にたがわず,神はわたしたちを導くために行動のルールすなわち“指示”を与えてくださっています。幸福な家庭のかぎは,家庭生活に関する“指示に従い”,その著者すなわちわたしたちの造り主との良い関係を培うことにあるのです。―詩 100:3; 119:1,2; 128:1,2。

およそ3,500年前,愛の創造者はわたしたちを益するため,家庭生活に関する指針を記録させ始めました。それは家庭の問題を広く扱った,小さな本を集めて一巻とした書物の中に収められています。今日それは部分訳を含めると1,600以上の言語で入手でき,事実上,世界のすべての家族が手にすることのできる書物です。その内容の持つ無比の価値を考えると,この本があらゆる時代を通じて最も広く配布されているのは,神の摂理によるものだと断言できるでしょう。言うまでもなくその本は聖書です。―テモテ第二 3:16,17。

家庭生活に関する知識を与える本として聖書を挙げましたが,この問題に関する普通の教会の教えの事を言っているのではありません。世の諸教会が聖書の神エホバを誤り伝え,人間の哲学と言い伝えによって神の言葉をむなしくしてきたことは,詳しく調べるまでもなく明白です。(詩 83:18。マタイ 15:6)それで教会の勢力の強い地域で家庭の崩壊が著しいのは,偶然の一致ではありません。とはいえ,教会の残した非難すべき記録は,聖書の真実性,確実性そして実用性をなんら減ずるものではありません。聖書は,幸福な家庭のかぎを見いだすにあたって,わたしたちが切実に必要としている導きなのです。

聖書はとりわけ家庭生活についての本です。最初の結婚について述べるに際して聖書は神が性を設けられた理由,したがって性の目的と,誉れある家庭生活において性の占める正しい場所を説明しています。

神の言葉の中でわたしたちは文字通り数多くの家族が味わった苦悩と喜びについて読むことができます。家族についてのこのような記述は,老若を問わずわたしたちすべてに益となるものです。あなたは貞節な伴侶となるような結婚配偶者を求めていますか。では,正しい選択をすることにつき,また結婚生活に伴う責任を果たすための準備をすることにつき,聖書の助言を調べたいと思われるでしょう。あなたは夫であり,家族の頭ですか。もしそうであれば,この役割を非常によく果たした人々の数多い優れた手本を聖書から読んで,益を得るに違いありません。あなたは妻また母親ですか。当然あなたの務めは数多くあります。それでも聖書はそれを果たしながら喜びを得,感謝の念にあふれた家族の賞賛を得る道を示しています。あなたは結婚のきずなから生み出されるあのすばらしい作品,つまり子供であるかもしれません。家庭の暖かい,愛のふんい気を増し加えるためにあなたは何をすることができますか。それを知りたいとお考えですか。神の霊感の言葉はそれを教えています。

家庭の問題を含め,人生の数多い問題の答えは,神の言葉の中に見いだされます。「幸福な神」であられるゆえに,あなたの創造者はあなたの家族も幸福であることを望まれています。(テモテ第一 1:11。箴 2:6; 3:13,18)次の記事に示されているように,エホバの証人は,愛,喜び,平和とともにその幸福を見いだすように,いつでも喜んで他の人々を援助します。

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