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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1982
塔82 1/15 8–9ページ

神のことばは生きている

情欲だけに基づいた愛に警戒しなさい

全能の神は,男性と女性の両方に,お互いを引き付けるすばらしい誘引力を備えられました。しかしこの誘引力が制御されないと,大きな悲劇が生ずることも珍しくありません。このことは,ダビデ王の息子であったアムノンの例に示されています。

アムノンは,美しい異母姉妹タマルのとりこになってしまいました。その気持ちが高じて,アムノンは恋煩いになってしまいました。しかしタマルに近付くことができなかったので,心を悩ませていました。アムノンがタマルを大変恋慕っていることを知ったアムノンのいとこヨナダブは,アムノンにこう言いました。『病気の振りをしなさい。そしてあなたの父上のダビデ王が会いに来られたら,「どうかタマルを来させ,私のために食事を少し準備させてください」と言うのです』。

ダビデはアムノンが頼んだ通りにしました。この絵に描かれているように,タマルがやって来て,アムノンのために少しの食事を準備しました。しかしタマルがそれをアムノンのところに持って行っても,アムノンは食べようとしませんでした。そして,『みんなを出て行かせなさい』と言いました。家の中にいた人々は,アムノンは病気が芳しくないので一人になりたいのだと思ったのでしょう,タマル以外の人々は皆部屋を出て行きました。

それでアムノンはこう言いました。『ここのわたしのベッドのところに食べ物を持って来て,病人のわたしに食べさせてください』。タマルがそのようにしたところ,アムノンはタマルをつかんで『わたしと一緒に寝てくれ』と言いました。しかしタマルは逃げようとしました。ところがアムノンの方が力が強かったので,アムノンはタマルを力ずくで犯してしまいました。それからどんなことが起きましたか。このことによってタマルに対するアムノンの愛は強くなりましたか。

いいえ,強くなることはありませんでした。結果はそれとは全く反対だったのです。アムノンは,それまでタマルを愛したよりもっと激しくタマルを憎むようになりました。それで,タマルに,『出て行け』と言いました。タマルが出て行くことを拒むと,アムノンは自分の召使いを呼んで,『この女を外に投げ出し,とびらにかぎを掛けてくれ』と言いました。しかしこれで事件が終わったのではありません。

タマルは長い衣を裂き,灰を頭に載せ,泣きながら出て行きました。タマルと同じ母を持つ兄弟アブサロムはタマルを見て,アムノンがしたことを知りました。そのためアブサロムはアムノンを憎むようになり,タマルを辱めたことでアムノンに復しゅうをしようとうかがっていました。

2年後,アブサロムはダビデ王の息子たちすべてを宴会に招きました。けれどもアブサロムは自分の従者に,『アムノンがもう飲めないほどに酔いつぶれたら,アムノンを殺すのだ』と言いました。そして従者たちはアブサロムの命令通りに行ないました。その後アブサロムはその国から逃げ去りました。ですから,アムノンが美しいタマルに対する欲情を制御しなかったばかりに,どれほど多くの問題が生じたか,分かりますね。―サムエル後 13:1-38,新。

異性間のすばらしい誘引力は本当に祝福であり,求愛期間や結婚生活を幸福にするのに寄与します。それでも,性的な欲望を制御しないと,私生児の誕生,堕胎,性病その他,多くの問題がしばしば生じます。あなたはこのような聖書の記録から益を得て,欲情を制御し続けるために神の助けを求めますか。―ガラテア 5:22,23。コロサイ 3:8。テサロニケ第一 4:3-7。

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