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聖書に対する洞察,第2巻
洞-2 「タマル」

タマル

(Tamar)[やしの木]

1. ヤコブの子ユダの嫁。タマルはユダの長子エルと結婚しましたが,エホバはエルの邪悪さゆえにエルを死に渡されたので,タマルはやもめになりました。タマルはその後オナンに与えられましたが,オナンが義兄弟結婚を行なわなかったために,エホバは彼を死に渡されました。それで,タマルは依然として子供のいないやもめのままでした。ユダは自分の三男をタマルに与えるのを先に延ばしていました。タマルは自分の正体を隠し,遊女に擬装してユダ本人が自分と関係を持つようにし,賢明にもユダの印章つきの輪とひも,それに杖を保証の品として取りました。ユダはタマルが妊娠していることを知ると,最初は彼女を石打ちにして焼くようにと命じました。(ヨシュ 7:15,25と比較。)しかしユダは,跡継ぎを得ようとした彼女の策略によって自分が父親となっていたことを知ると,「彼女のほうがわたしより義にかなっている」と言いました。その後の難産で,タマルは双子のペレツとゼラハを産みました。(創 38:6-30)メシアの血筋はタマルの子ペレツを通して続いています。―ルツ 4:12,18-22; 代一 2:4; マタ 1:3。

2. ダビデ王の美しい娘で,アブサロムと二親を同じくする妹。(代一 3:9; サム二 13:1)タマルの一番年上の異母兄弟アムノンは彼女に夢中になり,こうかつに振る舞って,彼女が抵抗したにもかかわらず彼女を犯すことに成功しました。アブサロムはタマルを慰め,自分の家に住まわせておき,2年後にアムノンを殺害させることによってタマルのあだを討ちました。―サム二 13:1-33。

3. アブサロムの娘。多分,おば(2項)の名を取って付けたものでしょう。(サム二 14:27)父親と同じく,彼女も非常に魅力的な容姿をしていました。このタマルはウリエルと結婚したのかもしれません。そうであれば,レハベアムに寵愛された妻マアカの母であったことになります。―代二 11:20,21; 13:1,2。

4. ソロモン王が建てた(恐らく,再建した,もしくは防備を施した)幾つかの都市の一つ。(王一 9:17-19)列王第一 9章18節でタマルは「この地にある」と述べられていますが,これはこの都市がイスラエルの領土の中にあったことを示唆しているようです。ヨハナン・アハロニはタマルを,死海の南南西約30㌔の所にあるアイン・フスブ(エン・ハツェヴァ)と同定しています。この学者の同定は,民数記 34章3-6節,ヨシュア 15章1-4節,およびエゼキエル 47章19節,48章28節に見られるカナンの境界に関する説明の比較を根拠にしています。

歴代第二 8章4節の並行句では「タドモル」となっていますが,これは一般にパルミラと同定されている別の都市を指しているようです。―「タドモル」を参照。

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