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  • 人間は交渉によって救済策を生み出せるか
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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1984
塔84 11/15 4–6ページ

人間は交渉によって救済策を生み出せるか

有史以来,条約というものは,自国本位の国益に反するものになると必ず破棄されてきました。そればかりでなく,条約は戦争の防止にも役立ちませんでした。

ローレンス・W・ベーレンソンは自著「条約のわな」の中で次のように書いています。「人間が部族別に集団を作るようになって以来,平和条約は戦争と切っても切れない仲にある。それでも,平和条約というレッテルの魔力は非常に大きく,平和条約は潜在意識の中で平和を連想させ,平和条約がないことは戦争を連想させる。このことから一部の解説者は,戦争が自殺的なものになったからには,道理から言っても,条約に依存して戦争を防止すべきであると断言する。しかし,前提となっている事柄からはそういう結論にはならない。核戦争は大惨事となるであろうが,条約が戦争を防止するかどうかを知る手引きは歴史的経験だけである」。

条約は永続するか

歴史的記録を見ると,条約は戦争を防止するものにならないことが分かります。「条約を破る点ではどの国にも信頼が置けた」と,ベーレンソンは述べています。個々の市民の場合,自国内での契約不履行に対しては,裁判所が下した判決を実行させることができますが,国家間の条約が履行されない場合にはそのようなわけにはいきません。不満を除く効果的な手段として戦争に訴えることさえ行なわれるかもしれません。

国際裁判も,種々の紛争を解決して世界平和を維持することはできませんでした。例えば,国際司法裁判所(国際連合の司法機関で,World Courtと呼ばれることもある)は,判決の履行を強制することはできません。その代わりに,世界の世論と道義的勧告に頼ります。多くの国は,紛争の解決にあたって同裁判所の司法権を強制力のあるものとは認めていません。また,国際司法裁判所の規定によると,国家は特定の事件が裁判所に付託される前に同裁判所による裁判を拒否することを公にすれば,その裁判を拒否できます。

問題を一層複雑にするのは,諸国家が自国の主権に差し障りのありそうな問題には特に敏感であるという点です。したがって,条約文書の起草に当たっては極めて慎重で,自国の主権が制限されそうなところでは必ず,言い逃れのできる言葉を用いる場合が少なくありません。アメリカーナ百科事典は次のように述べています。「条約文書はあいまいな言葉で起草されることが多い。解釈に関する規則は無数にある。……にもかかわらず,そのいずれについても正しい適用として一般に受け入れられている慣例は一つもない。……したがって,正しい意味についての意見の食い違いが生じ,条約不履行に関する非難に対して反論がしきりに行なわれることになる」。フランスのドゴール元大統領は,「条約というものは若い女性やバラの花のようなもので,続く限りは続く」と言ったことがあります。それからビクトル・ユゴーの「東方詩集」を引用し,「ああ,いかに多くの若き乙女が死んだことか」と付け加えています。

この危機の時代の一つの特色

この時代が,合意することも,約束を守ることもしようとしない,誇り高くて利己的な人間に牛耳られることは,ずっと昔に聖書の中で予告されていました。テモテ第二 3章1節から5節には次のように書かれています。「このことを知っておきなさい。すなわち,終わりの日には,対処しにくい危機の時代が来ます。というのは,人々は自分を愛する者,金を愛する者,うぬぼれる者,ごう慢な者,冒とくする者,親に不従順な者,感謝しない者,忠節でない者,自然の情愛を持たない者,容易に合意しない者,中傷する者,自制心のない者,粗暴な者,善良さを愛さない者,裏切る者,片意地な者,誇りのために思い上がる者,神を愛するより快楽を愛する者,敬虔な専心という形を取りながらその力において実質のない者となるからです。こうした人々からは離れなさい」。

この「終わりの日」は今世紀に,すなわち1914年に第一次世界大戦と共に始まり,現在に至っています。聖書の預言の真実さは歴史の記録によって確証されてきました。大戦 ― 当時はそのように呼ばれていた ― の激しさにショックを受けた諸国家は,同じような規模の戦争の再発を未然に防ぐための条約の交渉を試みました。大戦前には,戦争を世界的に禁止する条約もなければ,平和を実現することを目的とした機関も全くありませんでした。そこで世界の指導者たちは,そのとおりのことを行ないかつ世界平和を確保するために諸国家間の合意を編み出す努力を払いました。

国際連盟規約は,加盟諸国が相互に支え保護し合い,戦争を行なわないという約束でした。例外として自衛の戦争は認められていましたが,その場合はまず紛争の解決を連盟総会にゆだね,3か月の冷却期間を置いた後に初めて交戦してもよいことになっていました。この規約は1920年に発効しました。1926年に効力の発生したロカルノ条約は,ヨーロッパ諸国の間で「平和と安全の勝利」とたたえられました。ケロッグ・ブリアン条約としても知られているパリ不戦条約は,「戦争に訴える」ことを放棄するとうたっていました。同条約は,すべての国が批准できる多国間条約になることになっていました。正式には1929年に公表され,最後には63か国が調印し,「平和的手段」によってのみ紛争を解決することに同意しました。その期間に,ほかにも幾つかの条約が成立し,多くの人は戦争は過去のものになると考えました。しかし,それから間もなく,それらの国のほとんどはもう一つの世界大戦に巻き込まれてしまいました。

では人間は交渉によって平和をもたらすことができるでしょうか。歴史の記録や,今日世界で起きている色々な出来事は,できない,と答えます。作家のベーレンソンは,次のように要約しています。「第一次世界大戦による破壊の後に,政治家たちはこれまで考案されたものの中でも最強の文書の上での平和構想をうち立てた。それは,歴史のどの時代にも劣らず,条約を無視する冷笑的な態度を阻止することも,第二次世界大戦の大破壊や,それ以後の小さな戦争を阻止することもできなかった。国際連合の条約があるにもかかわらず,諸国家は分裂したままである」。

聖書が予告していたとおり,今日人類が「容易に合意しない」ために,全体的な平和条約は一つもなく,世界は恐れの中で生活しています。ということは,この危機の時代には何の希望もないという意味でしょうか。もし解決策があるとすれば,それはどこにあるのでしょうか。

[5ページの図版]

「条約というものは……続く限りは続く」

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