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  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1998
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  • その行事のための準備
  • 喜びの時
  • 旅に伴う困難
エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1998
塔98 6/15 9–11ページ

きわめて特別な結婚式

モザンビークの北部には,岩だらけの山や青い草木に覆われた山など,美しい山々に囲まれた緑の生い茂る渓谷があります。フィンゴェという村はここにあります。澄み切った冬の晩には,天に星がきらめき,明るい月が村人のわら葺き屋根の家をこうこうと照らします。このすばらしい場所で,珍しい結婚式が行なわれたのです。

何百人という人々が,この特別な行事に出席するため何時間も,いや何日も歩いてやって来ました。ハイエナやライオン,ゾウなどが住む荒涼とした危険な地域を通って来た人もいます。ここにやって来た人たちの多くは,自分の荷物のほかに,鶏,やぎ,野菜なども携えて来ました。人々は村に到着すると,普段クリスチャンの大会に使用されている広場へ行きました。旅の疲れはありましたが,とてもうれしそうで,その笑顔には,これから行なわれる事柄への期待が表われていました。

だれが結婚するのでしょうか。大勢います。そうです,たくさんのカップルがいるのです。この人たちは,新聞に大きく取り上げられる集団結婚式を挙げる人々ではありません。むしろ,誠実で良い動機を持った人たちです。登記所から遠く離れたへんぴな場所に住んでいるために,婚姻届を出すことのできていなかった人たちです。どのカップルも,エホバの証人と聖書を研究して結婚に関する神の規準に気づくようになりました。結婚の創始者である創造者を喜ばせるには,ちょうどヨセフとマリアがイエスの誕生したころの登録の要求に従ったように,国の法律に従って結婚しなければならないことを知ったのです。―ルカ 2:1-5。

その行事のための準備

モザンビークのエホバの証人の支部事務所は,そうした人たちを援助することにしました。まず,どんな手続きが法律で要求されているかを確認するために,首都マプトにある法務省および内務省と連絡を取りました。次に,テテ地方の主要都市に住む宣教者たちが中に立って地元当局と連絡を取り,準備を進めました。宣教者,公証人,それに民事登録局の役人たちが,フィンゴェ村に行く日取りが決められました。その間に支部事務所は,説明の手紙を関係する会衆すべてに送り,指示を与えました。証人たちも地元の役人たちも,この特異なイベントをとても楽しみにしていました。

1997年5月18日の日曜日,3人の宣教者と政府の役人たちがフィンゴェに到着しました。地元当局は,役人たちのために役場に隣接した快適な宿舎を用意していました。ところが,出張した役人たちは,エホバの証人のもてなしに非常な感銘を受け,宣教者たちと一緒に,急場しのぎに作られた小屋に泊まることを希望しました。役人たちは,調理人の一人が地元の会衆の長老であることや,結婚式の準備のために下働きを買って出た人たちの中に旅行する監督がいることを知って驚きました。また,不平一つ言わず質素な小屋に泊まり,小さな容器から水を汲んで体を洗っている宣教者たちの気さくな人柄にも注目しました。さまざまな背景の人たちの間にそのような強い絆があるのを役人たちは一度も見たことがなかったのです。しかし,彼らが最も感銘を受けたのは,国の法律と神の取り決めを遵守するために大きな犠牲を払った証人たちの信仰でした。

喜びの時

多くのカップルは到着するとすぐに,結婚の第1段階のための準備をしました。それは出生証明書を取得することです。個人に関する資料を提出するために全員が,民事戸籍登録班の前に列を作って辛抱強く待ちました。それから,写真撮影のために別の列へ進み,その後,民事身分証明局から来ていた班から自分の身分証明書を得ました。次に,また民事戸籍登録班のところへ戻って,心から願っていた結婚証明書を得るための手続きをしてもらいました。それが終わると,メガホンで自分の名前が呼ばれるのを立って辛抱強く待ちました。結婚証明書が渡されるときの光景は,感動的でした。それぞれの夫婦が自分たちの結婚証明書を大切なトロフィーのように高く掲げると,周囲は大きな喜びに包まれました。

この作業はすべて炎天下で行なわれました。それでも,この時の喜びは,暑さやほこりによって台なしにされることはありませんでした。

男性は,きちんとした服装をしており,背広にネクタイという人も少なくありません。女性は伝統的な装いをし,カプラナと呼ばれる鮮やかな色彩の長い布を腰に巻いていました。同じような布に赤ちゃんをくるんでいる人もいました。

仕事は順調に進みましたが,一日で処理するには人数が多すぎました。あたりは暗くなって来ましたが,政府の役人は親切にも業務を続けることにしました。大きな犠牲を払ってここにやって来た,「私たちの兄弟たち」を待たせることなどできない,と言うのです。この協力と自己犠牲の精神は,いつまでも人々の記憶に残ることでしょう。

晩になると冷え込んできました。小屋に泊まれた人も若干いましたが,ほとんどの人たちは,戸外でたき火の周りに身を寄せ合いました。それでも,この時の喜びが薄れることはなく,笑い声や四部合唱の歌声にたき火の音もかき消されました。大勢の人が,新しく得られた証書をしっかり握り締めながら,旅の経験を語り合いました。

夜が明けると,わざわざ村の中心部へ出かけて行って,鶏ややぎ,野菜などを売る人もいました。結婚登録料の支払いに充てるためです。それらの動物を実際よりもはるかに安い値段で売って,本当に“犠牲”を払った人は少なくありませんでした。裕福でない人たちにとって,やぎは貴重で高価なものです。それでも,彼らは,結婚を正式なものにして創造者を喜ばせることを願い,自分から進んでその犠牲を払ったのです。

旅に伴う困難

長い距離を歩いてここにやって来た夫婦もいます。シャムボコと妻のハクリラの場合がそうでした。二人は二日目の晩に,たき火で足を温めながらその話をしてくれました。シャムボコは77歳で片目は見えなくなっており,もう片方の目も視力が弱いのですが,52年間の結婚を合法的なものにすることを決意し,会衆の人たちに付き添われて裸足で三日間歩いてやって来たのです。

72歳のアンセルモ・ケムボは,すでに50年ほどネリと一緒に暮らしています。旅に出る数日前,自分の農地を耕していた時に脚に大きなとげが刺さり,大急ぎで最寄りの病院に運ばれて治療を受けました。そうしたことがあったにもかかわらず,アンセルモは歩いて行くことを決意し,痛みに耐えながらびっこを引き引きフィンゴェまでやって来ました。フィンゴェまでは三日かかりました。結婚証明書を手にしたアンセルモは,うれしさを抑えることができませんでした。

注目に値する別の新婚夫婦は,一夫多妻者だったエバンズ・シナイアです。エバンズは神の言葉の真理を学ぶと,第一夫人との結婚を合法的なものにすることにしましたが,第一夫人はそれを拒絶して別の男性のもとに行き,エバンズを捨てました。聖書を学んでいた第二夫人はエバンズと結婚することに同意し,二人は,ライオンなどの野生動物が多く生息する危険な地域を徒歩で通過して三日間旅した末,彼らも結婚を合法的なものにすることに成功しました。

宣教者と役人たちが到着したときから五日後の金曜日に仕事は完了しました。その結果,468通の身分証明書,374通の出生証明書が発行されました。結婚証明書は233通でした。その場の雰囲気は幸福感にあふれたものでした。疲れていたにもかかわらず,骨を折った甲斐があったというのが全員の一致した感想でした。この行事が,関係者全員の思いと心に忘れ難い印象として残ることは間違いありません。それは本当にきわめて特別な結婚式だったのです。

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