家庭聖書研究で真理を“鳴り響かせる”
1 家庭聖書研究のわざは,速力を増してきています。3月には21,341件に及ぶ,家庭聖書研究の最高数が報告され,それと同時に,聖書研究生がわたしたちの集会に,群れをなすように大ぜい出席しているということは,このわざに対するエホバの祝福の現われです。6か月間の研究課程は,多くの人にとって祝福となっています。しかしわたしたち各人は,奉仕のこの分野において,さらに効果的に働けるよう,わざを改善することができますか。わたしたちの研究生の思いと心臓の中に,真理をほんとうに“鳴り響かせる”ため,さらにすぐれた教える方法を使うことはできないでしょうか。―ガラテヤ 6:6,王国逐語訳(英文)。
2 他の人を教えるに当たって,わたしたちはイエスを常に「ひたすら見つめる」必要があります。彼の教え方はどのようなものでしたか。イエスは真理を単に人々の思いの中に入れさせることではなく,心臓に入れさせることに関心を持っておられました。イエスは人々ひとりびとりに強い関心を示し,時間をかけて,その人の必要に応じて個人的に,教えました。教える際,自分だけが話をして,何かを伝達するということのみに満足されませんでした。イエスは質問をもされました。しかも,それは助けを提供し考えることを促すような質問でした。たとえば,ルカ伝 24章17-27節に記録されているイエスの質問を考慮してみてください。それは,思いの「愚」で,心臓の「鈍」い弟子たちを教える糸口を備えるものとなりました。わたしたちも研究の前後,あるいはその際中に質問をすることにより,研究生の思いと心臓に,聖書に対する認識を築き上げられます。
3 戸別訪問や再訪問の奉仕で聖書研究を勧める時にも,たくみな質問を通して人々の関心を起こさせたり,教えたりすることができます。たとえば,改訂版の「見よ!」の小冊子の8節を使って,次のような質問をすることができるでしょう。聖書は西洋の本ですかそれとも東洋の本ですか。聖書の教えと仏陀の教えとでは,どちらが古いですか。聖書を書くのにはどれくらいの月日がかかったと思いますか,などの質問です。質問に時間をかけすぎて,相手の人を当惑させないようにしましょう。むしろ,熱意を込めて,小冊子か聖書から答えを指摘してください。
4 また,毎週,聖書研究のために定期的に訪問をする際,各人の必要に応じた準備をわたしたちがすると同時に,徹底的な予習をするよう,相手の人をも励ますことができます。研究を始める前に,関心を引き起こさせる質問を毎回することもできます。たとえば,「真理」の本の3章の研究では,次のような質問が考えられるでしょう。仏教徒の神に関する考えはなんですか。キリスト教世界の大多数の人々は神についてどんな考えを持っていますか。カトリック教徒も仏教徒も偶像を拝みますが,あなたはそれをどう思いますか。あなたは真の神を知り,崇拝したいとほんとうに願っていますか。研究中にも,エホバとそのみことば,聖書に対する認識と愛を築くため,たくみな質問や例を用いることができます。そして,研究後に,復習の質問を2,3するのは,真理が思いと心臓の中に定着する助けとなるでしょう。わたしたちと研究している人々が聖書を宝のようにたいせつにし,その神であるエホバを『自分たちの全心臓,魂,思い,そして力』をもって愛するよう,彼らを助けることができるなら,その時はじめて,聖書研究はその目的を成し遂げるのです。―マルコ 12:29,30,新。
5 主要点を銘記させながら,各回の研究で1つの主題あるいは章を完全に終えてください。偽りの物事と真実な物事とを常に対照させることによって,彼らが心臓の中で「義をいつくしみ悪をにくむ」よう助けましょう。(詩 45:7)エホバのすばらしい組織について,毎週,熱意を込めて説明してください。そうすれば,彼らもわたしたちと交わることを望み,至上の神に仕える,わたしたちの仲間の証人になることを願うでしょう。