電話を用いて研究を取り決める
1 日中不在の家が増えています。警戒心から見知らぬ人の訪問に応対しない家庭も少なくありません。建設されるマンションの多くはオートロック式です。離島や雪の多い時期に訪問が難しくなる地域を区域に持つ会衆もあります。そして,関心を示す人と定期的に会うことはどこでも挑戦です。どうすれば効果的に王国の種をまき,水を注ぐことができるでしょうか。電話を活用することです!
電話で証言する
2 雑誌を紹介したり公開講演に招待したりするのは効果的ですが,最初の証言から聖句を紹介し,再訪問を意識した証言を行なって成功している奉仕者もいます。「満足のいく生活」のブロシュアーから一つの聖句を紹介します。紹介の方法については「王国宣教」2003年1月号,3ページ,4節を参考にできます。次のように言えるかもしれません。
■ 「こんにちは。わたしは__と申します。セールスのためにお電話しているのではありませんので,どうぞご安心ください。経済的なことはだれにとってもストレスの原因になりがちですが,対処するのに役立つ聖書の格言をご紹介しています。不況や失業のことを毎日のようにニュースで見聞きしますので,だれでも先行きに不安を感じるものですが,この聖書の言葉はわたしにとても助けになりました。[テモテ第一 6:7,8を紹介する]」。
3 次回の約束をする: 「またお電話させていただいてもよろしいですか」と言うなら,家の人は不安に感じ,かかわりを持たないうちに断わっておこうと思うかもしれません。気遣いと大胆さの両方を示すのはいかがですか。たとえば,「__さんにぴったりの言葉を見つけたなら,お伝えします。どうぞ,お体に気をつけてお過ごしください」,あるいは「また,こんな役立つ言葉を見つけたときには,お電話します」と言うことができます。
再訪問や研究で電話を活用する
4 視覚による接触がない分,気遣いを感じとってもらえるように努めましょう。奉仕の記録を見直し,家の人の状況を思い起こしてください。どんなねぎらいの言葉をかけることができるか考えます。次のように近づくことができるかもしれません。
■ 「体調はいかがですか。玄関口まで呼び出して負担をかけては申し訳ないと思い,電話にしました」。
■ 「お子さんは元気ですか。電話のほうが子どもから目を離さないで話ができるかなと思いましたので……」。
■ 「よく介護なさっておられるんですね。目を離さないように注意しておられると思いましたので……」。
5 特別にねぎらうことがない場合でも,家の人に個人的な関心を示すことができます。次のように言うことができるかもしれません。
■ 「今日は__さんに,こんな言葉をプレゼントしたいと思います」。
■ 「__さんはとても気遣いを示す方だと感じました。__さんにぴったりの言葉を見つけたのでお伝えしたいと思ったんですよ。この言葉をどう思われますか」。
6 家の人の関心を引き起こす聖句を選んでください。聖句の説明の仕方に関しては「王国宣教」2003年1月号,4ページ,4節を参考にできます。「どう思われますか」と意見を聞き,会話に心がけましょう。顔が見えないので,可能な限り相づちを打つのはよいことです。家の人は聖書を見ていないので,証言の終わりにもう一度聖句をゆっくり読むことは記憶の助けになります。
7 すぐに家の人に会おうとするより,電話での話し合いをしばらく続けたほうが効果的な場合があります。ある奉仕者は,電話での再訪問を繰り返してから,「一度お会いしたいですね」と申し出ます。家の人が否定的ではなく会いたいという気持ちを表わすなら,明確に会う日時を取り決めます。実際に訪問するときには,すぐに家の中に招き入れてくださる人も少なくないようです。別のケースとしては,再訪問で親しい関係を築いた時点で,時間を約束して一度訪問し,聖書研究用の出版物を届けます。その後再び電話をかけ,出版物を手元に持ってきてもらい,電話での研究のスタイルを確立します。
積極的な精神を保ち,実を生み出す
8 兄弟たちは,電話を活用することによって,挑戦となる状況を克服し,喜びある奉仕を行なっています。見知らぬ人の訪問に応じない家は増えていますが,一人の巡回監督は,家から家では10%の人にしか会うことができなかったものの,同じ時間帯に電話をすると8割の人と話し合うことができたと報告しています。多くの主婦がパートタイムの仕事をしているため,通常の午前の奉仕では人々にほとんど会うことができない区域もあります。ある奉仕者たちは,区域の主婦たちが,午前8時30分ごろから9時ごろまでゆとりがあることに気づきました。夫と子どもを送り出し,パートタイムの仕事に出るまでの時間です。この時間帯の電話証言で良い話し合いが行なわれています。パートタイムの仕事に就いたため,家での研究ができなくなった研究生と電話で研究を行なっている奉仕者もいます。
9 別の巡回区には離島や山間部の区域などがあり,これまで関心ある人を見いだしても研究を行なうことが困難でした。巡回監督は,電話での短い研究を励まし,多くの兄弟たちがこたえ応じました。この巡回区では40件の電話による研究が報告されています。収穫期に農家周辺を奉仕すると,エホバの証人は働かずに歩き回っているという印象を持つ人がいます。この時期には電話で再訪問を行なうことにより,関心ある人に継続的な訪問を続けることができているとのことです。
10 皆さんの区域でも効果的であるなら,電話を積極的に活用してください。区域に合った方法を開発してください。電話での証言は,家々を訪問する活動に取って代わるものではありませんが,それを補う貴重な奉仕です。「ふさわしい人を捜し出」す面での努力をエホバが豊かに祝福してくださいますように。―マタ 10:11。