ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目74 11/22 12–15ページ
  • 最も大きな類人猿に会う

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 最も大きな類人猿に会う
  • 目ざめよ! 1974
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • おとなしい性質
  • いつも動いている
  • ゴリラは何を食べるか
  • 出会い
  • 好奇心はお互いさま
  • 報いの多い経験
  • マウンテンゴリラを訪ねる
    目ざめよ! 1998
  • ローランドゴリラに会いに行く
    目ざめよ! 2012
  • 山岳に住む動物たち
    目ざめよ! 1970
  • ガボン ― 野生動物の楽園
    目ざめよ! 2008
もっと見る
目ざめよ! 1974
目74 11/22 12–15ページ

最も大きな類人猿に会う

ザイールの「目ざめよ!」通信員

「さあいいですか,ゴリラがおそってきたらただじっとしていてください。密林の中から突然大きな叫び声をあげながらからみ合う下やぶを踏みしだいて出てきますからね。しかし,わたしたちから数メートル離れた所で立ち止まります。そして,胸をたたいてすさまじいうなり声をあげます。でも動いてはいけません! そして黙っていてください。それは,侵入してくる人間を威嚇しているだけですから」。

「動いてはいけません!」。案内人のこのことばが,元ベルギー領コンゴ,ザイールの東部の密林を踏み分けて行く間中,わたしたちの頭の中に響き渡っていました。自然界で最も恐ろしい形相をした動物ヤマゴリラに出くわしたらわたしたちはどのように反応するでしょうか。ヤマゴリラはサルの中では最大のものです。その力は,人間の力の15倍もあるといわれています! わたしの妻は,そしてわたしたち一行6人は,どのような反応を示すでしょうか。

わたしたちの案内人とその部下のピグミー(黒人の小人族)の案内人たちは,この珍しい,力持ちの動物のことによく通じていました。彼らは,ジャングルの奥深くにあるゴリラの生息地に幾度もわけ入りました。ピグミーたちは必要な時には,食べるためゴリラを狩ることさえします。これらの猿たちは,今までのところ,威嚇攻撃をするだけで実際に人を襲ったことはありませんでした ― 今まではのことですが。必ず数メートル前で立ち止まりました。

最初の白人探険家たちがゴリラの生息地に足を踏み入れてから100年以上になりますが,詳しい科学的研究がなされたのは,ここ20年ほどの間です。類人猿は,中央アフリカのごく一部にだけいる世界でも最も珍しい動物の一つとされています。最も大きい類人猿の生息地は,ザイール共和国と西部ウガンダそしてルワンダの境界線に広がる山地の熱帯雨林の中にあります。

おとなしい性質

ゴリラの領土にしだいに深くわけ入りながら,わたしたちはゴリラが普通には攻撃的でないことを自分自身に言いきかせました。この動物は,人間をやすやすと引き裂くだけの力を持っていますが,その恐ろしい外見の下には,恥ずかしがりで,おとなしい,内気とさえいえる性質が隠されています。時々,紅茶やコーヒーの農園近くまでぶらぶらおりて来て農夫たちを驚かせ遁走させることはあっても,人をさらって行くことはありません。怒らせたり攻撃したりしない限り,人を傷つけることさえしません。これは大きな励ましですが,わたしたちは信じられるでしょうか。

ゴリラは数匹から数十匹の家族単位で行動するということを思い出します。それぞれの家族には,家族の成員が愛情と忠誠を示すボスがいます。そのボスのすることが群れ全体の行動を決定します。ボスはたいてい,10歳以上の雄ですが,その銀色の背中はからだの他の部分の鉄灰色の毛と対照的です。

成熟するとこの類人猿は巨大なものになります。その大きな体は,重さ200㌔,背丈は立ち上がると恐らく,1㍍70㌢はあるでしょう。その大きな腕を広げると2㍍40㌢はあるでしょう! 生まれたての1.3㌔から1.8㌔の赤ん坊だったことが信じられないほどです。ゴリラの成長は非常に速く,人間の二倍ほどの速さで大きくなります。

類人猿は,彼らにとっては高齢である30歳くらいまで生き,時には35歳まで生きることさえあります。ゴリラは本当に立って人間のように歩き回るのでしょうか。そうではありません。ゴリラは四足獣で,普通四本の足を全部使い,半分ゆさぶるような,半分飛ぶような興味深い動きをします。その腕は主にささえとしての役割を果たし,体重は固くなって曲った膝関節突起部にかかっています。

わたしたちの存在が,あの胸をたたくしぐさや,びっくりするような威嚇攻撃を引き起こす可能性があることはわかっていました。それは,人間の侵入者たちをおどすだけでなく,近づいた危険を家族に警告する方法にもなるのです。それでもわたしたちは,ゴリラたちが前の日作って行った道にそって彼らの領土へ押し入りました。

いつも動いている

ゴリラを追いながらジャングルの中を歩くのは忘れ難い経験です。ゴリラは遊牧民のように生活し,食物を求めて森の中をさまよい,同じ場所に二晩とどまることはありません。しかし彼らの移動は一定の境界内に限られ,40から50平方㌔ほどの範囲にとどまります。食糧事情によっては1日に16㌔近く移動しますが,その通った道を見つけ出すのは難しいことではありません。ゴリラは一列縦隊になり,植物を踏みしだき,枝を折り,食物となる植物の一部を食べ,このほかにも何日間もはっきり分かるような他のいろいろな証拠を残して動きます。

しかし待ってください! 突然,先頭のピグミーが「アンガリア!」と叫びました。スワヒリ語のこのことばは,「ここを見なさい!」という意味だそうです。いったい何を見つけたのでしょうか。昨晩ゴリラの一群が眠った場所を見つけたのです! 昨日の日暮れごろ,群れの成員はそれぞれ木の葉と小枝でそれとわかる巣を作っていました。それぞれのゴリラは自分の寝床を作るために葉のしげった枝のある場所を中心にして立ち,草木を引っ張り寄せたり折ったりして体の回りにかなりきれいに積み上げ,その中に身を沈めて午後6時から午前6時頃まで12時間眠ったわけです。

そこには,若いゴリラが作ったものも入れて19の寝床がありました。この家族の場合は各自自分の寝床を作ったようです。何匹かのゴリラは,しっかりした枝に体重がかかるようにして木のまたや枝にハンモック式の寝床を作っていました。あるものは地上9㍍ほどの所にありました。それらの巣はその群れについて多くのことを物語ってはいましたが,暖を取ったり,からだを保護したりするためのそれとはっきりわかる手段または対策は見られず,風雨や悪天候に対しても何の役にもたたないもので,ただ寝ごこちがよいだけの草木の山でした。

ゴリラは何を食べるか

日の出(ここ熱帯では一年中午前6時)の少し後,ゴリラたちはぽつぽつ寝床を離れて,食べ物から食べ物へのんびりと移動しながら2時間ほどにわたって朝食を取ります。寝床の中で朝食を取りはじめるゴリラもいます。食事を支度する必要はありません。手を伸ばして,一つかみの食べ物を取るだけです。一つの所が終わると何歩か動いて次の所へと移って行きます。

ゴリラは食べるために殺すことは決してしません。一番ひどいことをしてもバナナ畑を荒らす程度です。親類にあたるチンパンジーとは異なり,野で肉を食べているところを一度も見られたことのないこの穏やかな菜食主義者は,木の根・葉・新芽・果実などを食べて生きています。ゴリラは好んで若枝の皮をはがしてかみ切ります。それは内部のもっとやわらかい所にありつくためです。雨が十分に降り,ただでさえ水気の多い食べ物に朝露がどっさり降りているので,ゴリラが湖や小川に立ち寄って水を飲んでいるところを見ることはありません。食べられる植物は少なくとも100種類はあるのですから,ゴリラの食事は決して単調なものではありません。朝食後,これらの類人猿は,9時頃までぶらぶら過ごしてから再び食べ物を求めて出かけて行きます。この点ゴリラは,てながざるやチンパンジーに似ているといえます。

出会い

わたしたちが近づくにつれて,ゴリラの一群との最初の出会いが近いことを告げるしるしがたくさん見られるようになりました。鼻を刺すようなにおいが漂ってきます。先頭を行くピグミーが静止の合図をします。ゴリラは目が鋭いので小さな動きでもすぐに見つける,と警告されていました。わたしたちは音を立てないようにはって行きましたが,小枝が足の下でポキポキと折れます。胸がドキドキしてきました。突然,わたしたちのすぐ前の茂ったやぶの中からおびやかすような高い,身の毛のよだつような叫び声がしたかと思うとゴリラの一群が森へ向かってわたしたちから逃げて行くがさがさという音が聞こえて来ました。

しばらくの間は自分の鼓動しか聞こえませんでした。それからゴリラが現われました。銀色の背をしたボスは四つ足で歩きながらジャングルをかき分け,邪魔物をすべて押しのけてまっしぐらにわたしたちのほうへ向かってきました! 1㍍近くある肩の上には太い首と,まゆの濃いかの有名な真黒な顔がのっていました。そのゴリラは,わたしたちの2.5メートルほど手前まで突進してきました! そして急に立ち止まりました。案内人の最初の指示通りに動かないで立っていたのか,ただ身がすくんで動けなくなってしまったのか,どちらとも言えませんが,ともかくわたしたちは,両肩の上にそのままのっているようなその獣の大きな頭を見ながらそこに立っていました。突き出た両あご,大きな鼻の穴はまっすぐ前に開いています。やがてゴリラは立ち上がって,胸をたたき,歯と口の中全体を見せながらうなり声をあげ始めました。

この時まで,わたしはいつも,ゴリラの歯は輝くように白いものと思っていました。しかし,歯石で茶色に変色していることからすれば歯をよく磨いていないことは明らかです。類人猿のかん高いうなり声は,多分,動物の世界でも最も大きなものでしょう。もしも,このうなり声が人を威嚇するものであるとすれば,わたしたちには確かに効き目がありました。

家族にこれ以上近づくな,とわたしたちにはっきり知らせていたのです。彼は一時の間つっ立って,その鋭い,濃い茶色の目でわたしたちをにらみつけていたので,わたしたちは毛のないくちびるや耳や鼻をはっきり見ることができました。その小さな黒い耳は人間の耳に似ていました。案内人の方を見ると,彼は草の葉をかんでいました。それは銀色背中氏を安心させるしぐさです。

好奇心はお互いさま

北米やヨーロッパの動物園に入れられているゴリラを見るのと,ゴリラの自然の生息地でその家族に会うのとではかなりのちがいがあります。母ゴリラが幼いゴリラを片腕でしっかりと胸に抱きしめているのが見えます。他の子どものゴリラたちは,広くて平らでちょうどよい,そしてつかまることができる毛が十分にある母ゴリラの背中に乗っていました。すべり落ちる心配はほとんどありません! 左側の方の5㍍ほど離れたところでは三匹の子どものゴリラたちがふざけ合って,大将ごっこに似た遊びをしていました。年上のゴリラたちはそれを許してはいましたが,自分たちは遊ぼうとはしませんでした。

ゴリラたちがそこにとどまっていた主な理由の一つが好奇心であったことは確かです。わたしたちがゴリラを観察したいと思っているのと同じほどゴリラたちもわたしたちを見たがっていたことは明らかでした。ただし,薄い葉の垣のうしろに隠れているのですからゴリラの方が有利でした。

18㍍ほど離れたところで,大きな黒い雄ゴリラが木に登り始めました。どうやら,わたしたちをもっとよく見るためのようです。手を注意深くしっかりと木にかけると同時にわたしたちのほうをちらちら見やるところからすると,彼は警戒しながら登っていたようでした。わたしたちは,弱ったり,腐ったりした枝がそのゴリラの重い体に耐えかねて折れたりしないように望みながら,一心に見つめていました。ゴリラは,足元の弱った枝が折れてけがをすることがあるので知られています。頂上に行きつくと座る場所を定め,わたしたちを非常な関心を持って見つめながら,枝を折り,葉を口の中に詰め込み始めました。一時間半ほどして,そのゴリラは,足を先にし,胸を幹に向けて木を下りました。

雨が少し降り始めましたが,わたしたち人間だけがそのことを気にしているようでした。案内人が指さす方向を見ると雌のゴリラが低木に手を伸ばしては一つの動作でぱっと葉を集めその葉を全部一度に口に押し込んでいました。かと思うと,だれかに角刈りにされたような頭をした別の一匹は,茎を注意深く自分のほうに曲げ,それを折って皮や肉の部分をかみちぎり始めました。中心部を食べるのが目的です。わたしたちがトウモロコシを食べるのと同じ要領です。別の二匹は座って自分の腕や肩の毛を整えたり,互いの毛を整えたりしていました。

普通より長い毛をしたこげ茶色のゴリラは,数分間,じっとわたしたちのほうを見ていましたが突然手を伸ばして,若木を素早くねじ取り,枝先の葉の多いところを口の中に押し込みました。さらに別の一匹は,軟らかい若木の層になった皮を,わたしたちがバナナの皮をむくようにむいて,指先の器用さをひろうしました。時々続けさまに起こるほえ声や緊張をほぐそうとするような胸をたたく音,満足したゴリラたちの小さなうなり声や息遣いなどを除けば,その一群は,静かに,平穏に日を過ごしていました。

報いの多い経験

時刻は遅くなってきましたし,カフジ山の霧のかかった斜面を6㌔ほど降りて,車を置いてある茶畑まで行かねばなりません。わたしたちは楽しかったこの良い経験を回想しました。

ゴリラは,他の多くの動物と森林を共有しています。しかしこの類人猿には敵はほとんどなくたいていのものは,その大きなほえ声に驚いて逃げてしまいます。ゴリラの最大の敵は疑いもなく人間です。生まれてくるゴリラの4割から5割は病気で死にますが,原住民に殺されて彼らの食料となるものも少なくないのです。ザイール共和国のキブ地方では,かなりよく保護された公園の中でゴリラの生存をはかるために熱心な努力がなされています。

猿のうちで最も大きいこのゴリラは,進化論を信じる人々にとっては特に大きな興味の対照となっています。しかしこれらの猿は,その理論を支持する何ものも提供しません。短時間でしたが,山の中の生息地で至近距離から行なった観察は,これらの動物が,エホバの創造物の中の珍しい特異なものの一部であるという認識をさらに深めるものとなりました。それらの動物が人間に似た点があるかもしれませんが,それはわたしたちが共通の設計者によって造られたからにすぎません。

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする