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目ざめよ! 1976
目76 4/8 26–27ページ

タキシード着用者の社会

ペンギンは,まさに“タキシードを着た紳士”と呼ぶことができます。背を黒または青味がかった羽毛で覆い,胸と腹部を白い羽毛で飾った,飛べないこの海鳥がまっすぐに立った姿は,正装した紳士を連想させます。

陸上をよちよち歩くその姿は余りかっこうのよいものではありませんが,ひとたび水に入ると,様相は一変します。ペンギンの仲間の大多数は,水面から高さ2㍍ほども飛び上がり,優雅な弧を描きます。ペンギンは泳ぎがとても上手で,時速40㌔ものスピードで泳いでいるのが観察されたこともあります。その細長い翼は,効率の良い強力なひれの役目を果たします。水かきの付いた脚は,実際に泳ぐ際に推進力とはなりませんが,かじの役割を果たします。

水中でのペンギンの探知力にも感嘆させられます。1963年に米国のサンフランシスコ動物園で行なわれた幾つかの実験の結果,ペンギンは自分たちの出す音と魚の出す音とを聞き分ける能力を備えていることが明らかになりました。その実験では,壁に吸音装置が施されていて音が反響しないようになっている水槽に,まず二匹の魚を放しておきました。ついで四羽のペンギンを水槽に放つと同時に,照明を消し,さらに何匹かの魚を放ちました。するとペンギンは,30秒もしないうちに魚を全部食べてしまったのです! 獲物の位置をどのように見定めたのでしょうか。それは,今だに分かっていません。

長い距離を旅するペンギンの能力も見逃せません。何年か前に,寒風の吹きすさぶ南極大陸の海岸で40羽のアデリーペンギンが捕獲され,足環が取り付けられました。それから2,400㌔ほど離れたロス氷棚の中央部まで空輸され,そこに放たれたことがありました。ところが,そのうちの三羽は,二年後の繁殖期直前に元の集団営巣地に戻って来たのです。海岸や氷丘を泳いだり,歩いたり,腹ばいになって滑ったりしながら,何とか無事に長旅を済ませたのです。磁石もなく,飛ぶごともできないこの海鳥にとって,これは上出来です。

求愛・交尾・繁殖期

ペンギンの求愛および交尾の習性は特に興味深いものです。その習性はペンギンの種類によってそれぞれ異なっており,その結果,各種類が混ざり合うことはありません。

アデリーペンギンは,繁殖期に恋を打ち明ける点で際立っています。雄は,翼を激しく打ち鳴らし,太鼓の音に似たその音を次第に大きくしてゆき,くちばしを上にして,ゆっくりと首を伸ばします。それに答えて,雌は,首をかしげるようにしておじぎをするかもしれません。これは,その求愛を受け入れる意志表示です。すると,雄もおじぎをします。また時には,他のペンギンに石をプレゼントするペンギンの姿を見かける場合があります。「石のやり取りで,雄と雌を見分けることができるだろうか」と,動物学者R・L・ペニーは問いかけています。ペニー自身の答えはこうです。「面白い考え方ではあるが,当を得てはいない。雄も雌も石を贈るからである」。

成熟したペンギンは,一度つがうと生涯をともにするのが普通のようです。ルシー・カバラーが自著「氷点」の中で挙げている報告によると,標識用のアルミニウムの足環を付けた一つがいのペンギンは,五シーズン続けて一緒に暮らしました。一般に,若い雄は前年つがった場所に戻って来ますが,若い雌の方は,戻って来ないで,新しい相手を捜すようなことがよくあります。しかしこれも,成長するにつれて次第に落ち着きます。

コウテイペンギンは,非常に天候の悪い時期に子供を産みます。ひなは,あらしのような風が吹き付ける暗やみの中でふ化します。

雌は卵を産むと,それを雄の手にゆだねます。雄の脚もとには,脂肪の多い腹部の下の皮膚のたるみでできた小さな袋が垂れ下がっており,その袋に卵をころがし入れます。こうして,卵は冷気にさらされずに済みます。外気は摂氏零下65度にまで下がることがありますが,卵は父親の腹の下で暖かく守られています。ペンギンは立ったまま眠るので,卵が落ちる心配はありません。あらしのときには,抱卵中の雄同士が体をぴったり寄せ合い,交互に群れの内側に入ったり,寒気にさらされる外側に回ったりします。卵を抱いている間,雄はいっさい食べ物を取りません。そのためこの期間に,体重34㌔のコウテイペンギンは11㌔以上もやせてしまいます。

雌の方はどうでしょうか。雄が卵を守っている間,雌は海に出て餌を食べ,栄養を蓄えます。二か月ほどすると,雌はまるまると太って,元気いっぱいに戻ってきます。雄が別れた場所を離れていても,その鳴き声で,雌は相手を捜し当てます。雌が戻ってくる時期は,卵がかえる時期とほぼ一致します。雌が戻ると,雄はひなを雌に託し,自分は海に出て餌を食べ,体力の回復を計ります。

母親は,ひなを両脚の上に載せ,下腹部の皮膚のたるみで包み,暖めます。おなかがすくと,そこから小さな頭を出し,鳴き声を上げます。母鳥は食べた魚を吐き出して,ひなに餌として与えます。雄が戻ると,ひなの世話は交替で行なわれます。

懸念される種族の絶滅

群れからはぐれたり,嵐にあったりなどして死亡するペンギンのひなは決して少なくありません。ロバート・アンドレーは,自著「不可侵のなわ張り」の中でこう書いています。「コウテイペンギンのひなの命を脅かす,こうした厳しい環境と比べうるほどの自然の猛威は,この地球上にはない」。

アデリーペンギンは,オオフルマカモメやナンキョクオオトウゾクカモメなどの肉食鳥に襲われる危険に絶えずさらされています。そのため,ひなを訓練することがひな自身を守る上で重要になってきます。ひなが巣から一歩でも出ようものなら,隣りの巣の親鳥が襲いかかり,必死に逃げようとしているひなの背や頭や翼を容赦なくつつきます。厳しすぎるように見えるかもしれませんが,実はそのようにしてひなは守られているのです。営巣地を離れてうろついていようものなら,間違いなくオオトウゾクカモメに襲われるからです。

陸にいるときには,コウテイペンギンは人間以外の何者をも恐れる必要がありません。しかし水の中では,ヒョウアザラシやシャチがペンギンの命をねらっています。敵に追われると,コウテイペンギンは水から飛び上がり,水面から1.5㍍ほどの氷塊の上に,立ったままの姿勢で飛び降ります。また,数を頼みに逃げのびることもあります。敵に襲われるのは,たいていの場合,群れからさまよい出ているペンギンです。

しかし,ペンギンの生命を脅かす最大のものは,こうした捕食動物ではなく,飢餓です。生息地で十分の食物が得られなくなれば,ペンギンはじきに絶滅してしまいます。一方,食物の供給が増えれば,ペンギンの数も増えていきます。

“タキシードを着た紳士”のように見えるとはいえ,ペンギンの生活は,決して容易なものではありません。特にコウテイペンギンは,信じ難いような自然条件の下で生活しています。それでも,ペンギンがそうした条件に順応して生息しているのは,まさに驚嘆すべき事柄です。これはペンギンを巧みに設計した,創造者エホバ神の存在を何とよく証ししているのでしょう!

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