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低血糖症に対処する

医師を訪れた患者が体の不調を訴えています。その人は“衰弱している”ように感じ,弱っており,目まいの発作があります。また以前よりも神経質で,いらいらしやすく,不安や恐れを感ずることが多くなっています。時々,激しい動悸を感じ,突然に冷や汗をかくこともあります。どこが悪いのでしょうか。

この人は数多い低血糖症<ハイポグリセーミア>患者のひとりかもしれません。ハイポグリセーミアは普通,“低血糖症”として知られている症状の医学的な名称です。しかし症状は決して一様ではないため,他の色々な病気と間違えられることがあり,同時に他の色々な病気が低血糖症と間違えられることもあります。

低血糖症とは一体どんな病気であり,またどのようにしていっそう的確な診断を下すことができますか。さらにはそれに対処するどんな方法がありますか。

体は糖分を必要とする

健康を保つため,体には適当な量の糖分が必要です。糖分は体の細胞にエネルギーを供給します。そうなる原因は様々ですが,何らかの理由で血糖値が低くなり過ぎると,体にとって非常事態が生じ,体はそれに応じて反応します。

中枢神経 ― 脳と脊髄 ― は,血液中の糖分が少な過ぎることから最も重大な影響を受けます。この“燃料”がなければ脳の働きは止まってしまい,そうなれば生命もありません。

しかし体に必要なのはどんな糖分ですか。ここで述べている血糖というのはぶどう糖です。これは食卓で使う普通の砂糖と同じものではなく,甘さはその半分しかありません。血液の流れによって体の細胞に運ばれるぶどう糖を,体はどこから得るのですか。たんぱく質および脂肪とならんで生命に不可欠な三つの主要な食物のひとつ炭水化物からそれを得るのです。

炭水化物の中には,食べた時に容易に血液中に吸収される単糖もあります。コーンシロップに含まれる,ほどよい甘さの糖分はその一例です。食卓で使う普通の砂糖も炭水化物ですが,体はこれを消化(分解)してぶどう糖を作らなければなりません。

体は,米,オートミール,リマ豆,白いパンや全麦のパン,干しすももなどの食物に含まれる他の数多い炭水化物からもぶどう糖を作ります。これらの食物はすべて炭水化物をおもな成分としています。他にとうもろこし,じゃがいも,バナナ,りんご,オレンジ,グレープフルーツなども,かなり多く炭水化物を含む食物です。

症状

低血糖症に伴う症状は数多くあります。この病気にかかっている人は虚脱感がしたり,血圧の上昇や動悸を経験するかもしれません。以前よりも神経質で物事を心配するようになったり,別に理由もなく突然に汗をかいたりすることがあります。また頭痛,めまい,しびれ,筋肉運動の不自然さ,言葉の“不明瞭さ”,ふるえ,空腹感などが見られることもあります。重症の低血糖症になると,けいれんや昏睡の状態に陥ったり,死亡する例も時々あります。

しかしこのような徴候のいくらかが見られるとしても,低血糖症とは限りません。このような症状を示す身体的な病気は他にも多くあるからです。それに血液中のぶどう糖の濃度を測定した結果,その値が低くても低血糖症でない人もいます。事実,血糖値を測定すると,“正常”とされるよりも低い結果が常に出るのに低血糖症の症状を何ら示さない人も多いことを明らかにした研究があります。

また医師は低血糖症に二つの種類があることを指摘しています。多く見られるものは機能的低血糖症と呼ばれ,これは食べることに対して体が病的なほど過度に反応するものです。他方は器質性低血糖症と呼ばれる型のもので,身体的な異常に起因しています。

機能的低血糖症

機能的低血糖症かどうかを診断する決め手のひとつは次の事です。食後約3時間から5時間後,すなわちふつう血糖値が低くなるのと常に時を同じくして症状が現われますか。

また正常な人の場合,血糖の量は一日のうちでも時刻によって変化があることを知っておくのは,問題の誤解を防ぐために大切です。それは食べた食物によっておおかた左右されます。食べることが刺激となって,膵臓と呼ばれる腺からインシュリンが分泌されます。インシュリンは,体が糖分を使い,“それを燃焼させて”糖分をエネルギーに変えるのを助けるのです。

ふつう血液中の糖(ぶどう糖)の量は食後2,3時間のあいだ増えます。炭水化物を多く含む食事の場合は特にそうです。これを中和して血糖を正常なレベルにまで下げるために,膵臓はインシュリンを分泌します。2,3時間たつうちにはインシュリンの働きで血液中の糖はいっそう正常なレベルにまで下がります。しかしこの過程において,必要量よりも多目のインシュリンが膵臓から分泌されると,血糖のレベルは一時的に正常よりも低くなってしまうかもしれません。とはいえ,これは珍しい事ではなく,たいていの人の場合,低血糖症の症状を伴うことはありません。

しかし機能的低血糖症の人の場合,膵臓は炭水化物に対して過度に敏感であり,分泌されるインシュリンの量が多過ぎるのです。こうしてインシュリンの分泌が多過ぎる結果,血糖値は下がり過ぎ,それにつれて体は前述のような症状を呈するようになります。

機能的低血糖症の診断は困難ですが,専門医によれば次の徴候がすべて見られる時,この病気の疑いは濃厚です。(1)患者の症状は一日中見られるのではなく,食後約3時間から5時間以内にきまって現われる。(2)血液中のぶどう糖の量が少なくなるのと時を同じくして徴候が現われる。(3)血液中のぶどう糖のレベルを急速に高めるような甘い間食をとると,ある程度,気分が良くなる。(4)専門医の行なう特別な検査によって,どこが悪いのかを明らかにできる。

血糖の少な過ぎることが低血糖症の特徴である一方,血糖の過多は糖尿病の徴候であるとも言えるでしょう。しかしこの二つの症状は必ずしも正反対のものではありません。なぜですか。糖尿病の人でも服用するインシュリンの用量が多過ぎたり,あるいは期待したよりもインシュリンの効果が強過ぎたりすると,低血糖症になる場合があるからです。インシュリンによって糖を“燃焼”し過ぎる結果,血液中の糖分が減り過ぎて低血糖症の症状が現われます。

差異

低血糖症であるかどうかを診断するにあたって検査がきわめて有用なことは確かですが,個人差を考慮することも必要です。患者は人間であり,人間は十人十色です。世界の40億の人々の中で同じ指紋がまず二つとは無いという事実からも分かるように,全く同じという人は二人とはいません。ゆえにひとりの人あるいは100人の人にとって正常な事柄も別の人にとっては正常でないかもしれないのです。

例えば,20回激しくジャンプした後で心臓の鼓動が正常に戻るのにどれだけの時間を要しますか。同じ年齢,同じような身体の状態であっても,それは人によって違うことでしょう。体質にはこのような相違があるため,糖尿病の専門医の間でさえ,糖尿病の最も初期の徴候を成すものが正確に言って何であるかについては,意見の一致をみていません。

同じく人々の身体的な差異に照らしてみる時,あるひとつの血糖値を低いものとしてすべての場合にあてはめるのは無理です。これはその人の全体的な健康状態に照らして考量すべきものであり,また他の徴候が見られるかどうかにも依存します。

原因に対処する

血糖値が低過ぎるという結果を生み出す状態は何が原因ですか。問題は複雑ですが,関係していることが明らかになった要因も幾つかあります。

このような要因のひとつは遺伝です。ある人々は生まれつき低血糖症になる素質を有しています。第二の要因はその人の生活環境全体であり,その中には毎日受けるストレスや情緒の面での圧迫が含まれます。ストレスや情緒の面での苦しみが大き過ぎると,病気に対する体の抵抗力も弱まります。ストレスや感情の動揺が大きかったり,長びいたりした時,これに対する反応として低血糖症の症状の現われることがあるのです。

第三の要因は食生活です。一般に認められているように,必須とされる食物にはたんぱく質,脂肪,炭水化物それにビタミン,ミネラル,水が含まれます。わたしたちの体は,自然界に見いだされる様々の食物を用いるように造物主によって作られています。これらはエネルギーを生み出す燃料を供給するのに加えて,成長と回復のための建築材料となります。

しかしここ数十年の間に“栄養のない”食物が著しく増加しました。このような食物は肥り過ぎの原因になるカロリーに富んではいても,ほとんど,あるいは全く栄養を含んでいません。またキャンデーや練り粉菓子などに多く含まれる糖分や澱粉の取り過ぎは,膵臓から過度のインシュリンの分泌を促し,これが異常に低い血糖値の原因となる場合もあります。そうなると低血糖症の症状が現われるかもしれません。

加えて,防腐剤,色つや,香りを良くするための添加物など,合成の化学物質が数多く食物に添加されるようになったことも,この問題をひき起こしている要因かもしれません。食物から除去されない農薬を使う現在の農業の方法も,食生活に影響を及ぼしている未知の要素のひとつです。

低血糖症の徴候が確かに現われても,ある特定の病気が原因でない時は,炭水化物を減らし,たんぱく質を増やした食事療法を注意深く行なうことによって症状を軽くしたり,再発を防ぐことさえできる場合があります。また症状のあるものは,食物の摂取にいっそう注意し,栄養のあるものをとるように心がけることによって防止できるかもしれません。もちろん,工業化された社会においてはこのような食品を安価に,また便利に入手することが必ずしも簡単な事ではないかもしれません。しかし栄養学者の提案している以下の事柄は有用と思われます。

(1)白砂糖,小麦粉など,精製された食品の量をできるだけ減らす。

(2)人工着色料,防腐剤など合成添加物の含有量が最も少ない食品を使う。

(3)新鮮な果物,野菜など,防腐剤を使っていないために腐る食品をできるだけ主にする。(腐らないうちに食べるのは当然です!)また色々な種類の野菜を生で,あるいは栄養分をなるべく失なわない方法で料理して使う。

(4)冷凍食品を使う時は,解凍する際に出た液を使う。この液には栄養分の含まれていることが多い。

(5)キャンデー,清涼飲料など“栄養にならない”食品のとり過ぎ,常時使用を避ける。できる時には,自然甘味料,フルーツジュースを代用する。

(6)年齢,健康状態に留意したうえで,定期的に運動する。

他の原因

しかし低血糖症の中には,遺伝,環境,ストレス,炭水化物を処理する力が体に欠けていること,あるいは貧弱な食生活に起因せず,他に原因のあるものもあります。例えば,膵臓に腫瘍があってインシュリンの分泌が多過ぎ,そのために血糖値の低過ぎる場合もあります。また病気のために新陳代謝に障害があると,血液中の糖分に変調をきたすかもしれません。このような器質性の型の低血糖症は,夜間あるいは絶食の期間中などに不意に発病することがあります。

アルコール飲料の飲み過ぎも原因になることがあるようです。酒を飲み過ぎると肝臓をいためることがありますが,肝臓は炭水化物の新陳代謝に重要な役割を果たしている器官です。また糖尿病の始まりが,低血糖症として現われる場合もあります。

時としてこの症状は非常に軽く,その場合は,真の原因をつきとめることが不可能ではないにしても非常に困難です。

低血糖症の症状は非常に多いので,ある人々は体の調子が悪いとすぐに低血糖症と決めてしまう場合があるかもしれません。そしてこの事はこの分野の専門医である医師の中にも,どうかすると見られるようです。カリフォルニア州のシドニー・ウォーカー博士は「今日の心理学」の中に次のように書いています。

「ほとんどの低血糖症専門医は,可能な限り最善の方法で患者を治療しようと誠実に努力している。しかしどんな医療にせよ,それがひとつの病気に限られている場合には,その症状をどこにでも見いだしてしまう危険がある。

「アレルギー専門医がまずアレルギーに着目し,精神科医が神経症にさぐりを入れるのと同様,低血糖症専門医には炭水化物の異常を発見し,そこで止まってしまう傾向がしばしば見られる。

ゆえにどんな種類の食物を食べるかに関して常識を働かせ,余分のストレスや感情の問題をできるだけ避け,健全な医学的助言と手当てを受けること,このすべてが低血糖症の予防あるいはそれに対処するうえで大切な事柄になります。

しかし現在の事物の体制においては,病気や病気の原因を永久に取り除き得るものは何も無いのであって,この事にも留意しなければなりません。この理由で,健康を過度に思いわずらったりせず,あるいは病気を治す何かの“万能薬”を発見できると考えたりしないのが実際的な知恵の道です。

人は病気にならないように最善の努力をすべきであり,また病気にかかるならば,できる限り最善の方法でそれに対処しなければなりません。しかし神の新秩序における神の備えのみが,病気や死を伴う人間の不完全さを全く除き去ります。完全な健康と長寿を真に願う人々は,その新秩序に関して,またそこに生きるための神のご要求に関してさらに学び知ることを主な努力目標にしなければなりません。―啓示 21:5。

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