ギレアデ第37回卒業式
ものみの塔聖書冊子協会のもとに開かれているギレアデ聖書学校の卒業式はいつも楽しいひとときです。そして今回行なわれた37回生の卒業式は特に楽しい集まりになりました。このクラスは世界50ヵ国から来た103人の生徒から成っていました。
卒業式は去る11月26日月曜日にニューヨーク,ブルックリンにある同協会の本部で行なわれ,プログラムは午後3時半から歌と祈りで始まりました。開会の言葉が簡単に述べられたのち,学校の4人の教訓者と学校ならびに協会の会長であるN・H・ノア氏らの話が続きました。
まずフレッド・ラスクはイザヤ書 2章2-4節に基づいて話し,生徒のクリスチャンとしての歩みをエホバへの崇拝のための聖所を望ませる山への登山にたとえ,エホバの家をしたい,その中にいつまでもとゞまるにふさわしい者なる事を自ら示すようにと結びました。次いで,ハリー・ペロイアンが立ち,卒業生をみがかれた槍になぞらえ,この槍はそれぞれに割当てられた任命に耐え忍ぶことによって固くしっかりした金属で出来ている事を実証しなければならないと話しました。3番目にユリセス・グラスはヤコブ書 1章22-25節を引用し,生徒たちが御言葉を行なう者になり,どんな監督の立場についても自分が共に働く兄弟の一人である事を絶えず心に留めておくことの大切さを強調しました。学校の主任エドワード・ダンラップは喜びの大切さ,それによって人はどんなに励まされるか,祈る事,自らを与える事,他の人に関心を払う事,そして他の人の努力の結果を認める事によっていかに喜びを保つかについて生徒に思い出させました。
続いて,6つの大陸50の国々から送られたたくさんの祝電が一つ一つ取り上げられ,時間の許すだけ電文の内容を読み上げられました。工場の僕マックス・ラーソンも話しをしました。彼は生徒が受けた訓練の価値を強調し,それによって生徒たちが更に別の人々を訓練する能力を身につけた事を指摘しました。ベテル・ホームの僕はエホバはすえつくりという主題で良い助言を与えました。―イザヤ 64:8。
協会の副会長フレッド・フランズの話は,クリスチャンに「委ねられたもの」という主題で行なわれ主にテモテ前書 6章20節,テモテ後書 1章12-14節に基づくものでした。過去10ヵ月にわたって生徒たちが受けたすぐれた教訓と訓練は健全なる言の模範,別の言葉で言えば委ねられたものの一部となります。副会長は,委ねられたものを絶えず増し加えエペソ書 5章3節から5節に記されているような聖なるものをうちくだくむなしい物語を心に入れて,委ねられたもの,健全なる言の模範を奪われないようにと助言しました。
続いて始まったのは卒業式中心の話,エヌ・エイチ・ノアによる「教える資格を得る」です。話の中でテモテ前書3章2節,テモテ後書 2章24節が引用され生徒が学校に招待されたのは教える者としての能力が欠けていたからではなく,むしろ非常に良く働き,さらに一層の能力をそなえてより良い奉仕者となるために訓練を受けさせる事が適当と認められたからであるという事が話されました。さらにノア会長は,生徒たちにとって真理を簡明で理解し易い言葉にしてすべての人々に教えるための資格をそなえる事は必要であるが,さらに大切なのは,クリスチャン会衆内にいる兄弟たちに良く教える事であり,逆う者に対して時には強い処置をとらねばならない事があっても,いつも忍耐と親切とを忘れてはならないと話しました。そして会長は,各人が資格をそなえた奉仕者としての立場を失わないようにするため,ダビデのように,「我を故の真理にみちびき我ををしへたまへ」,「我にみむねをおこなうことををしへたまへ」,『みこゝろをおこなわせて下さい』と祈るように励ましました。―詩 25:4,5,9; 143:10。
ノア会長の話の終りに,生徒は卒業後の任命を受け,それぞれ特別開拓者,宣教者,巡回,地域,支部,地帯の僕など,色々な分野で奉仕するために64の国々に派遣されることになりました。その後,生徒の一人,アレクサンダー・サープは,クラスを代表して決議文を朗読し,その中で,ギレアデ学校のために色々なかたちで貢献している多くの兄弟たちとエホバ神とに対する一同の感謝を表わしました。それは本当に心からの感謝の気持を表わすもので今回のクラスは正規の宣教コースに加えて,ベテル,支部事務所,印刷工場の運営という面でも毎日訓練を受けたので普通以上の喜びを抱いたのももっともな事でした。
プログラムはいったん5時45分に休憩にはいりおいしい送別の御馳走の後,7時半にまた始まりました。まずその週の「ものみの塔」の研究,「勇気を得よ ― 神の御国は近し」が選ばれた生徒たちの注解という形で行なわれ,その後,生徒たちは各自,自分の経験や印象を話し,これに参加した生徒は40人もありました。そして, 11時半に,「神と共に歩め」の歌,ノア兄弟の祈りと共に,楽しく,励ましに満ちる卒業式は終わりました。